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資料2

「たんの吸引」を必要とする患者さん宅の訪問概要

在宅療養をされている方:A子さん(10才)養護学校訪問学級小学部4年生
訪問学級3回/週

家族:父、母、妹

診断名:異染性脳白質ジストロフィ−

現在の状態:母親が介護をおこなっている。病状は安定しているが、1日に数回の痙攣がある。

 【呼吸・吸引】横臥時、水槽のモーターを改良して作った細いチューブの自動唾液吸引器を常に口腔に置いたままにして唾液を吸引している。気管切開をしており、日中、夜間とも頻回に吸引が必要である。夜間は人工呼吸器を装着している(23〜9時)。パルスオキシオメーターは常に装着しており、アラームを設定し異状のときはすぐに把握できるようになっている。日々の吸引は、母親と父親が担っている。
 【栄養】は、経管栄養である。経管栄養を実施する時は、居間にある椅子に座位をとっている。
 【排泄】は、1日に5回の導尿をおこなっている。
 【身体可動性・意思表示】A子さんは自分で動いたり、意思表示することはできないが、わずかな表情の変化や体調で、母親はA子さんの心理的・身体的状態を把握できるという。
訪問していた約80分間に、母親は7回の気管吸引をおこなっていた。この時の吸引頻度は、通常程度とのこと。

医療サービス:
 外来通院 1回/月
 訪問看護 3回/週、60〜120分程度/回
 衛生材料:吸引チューブ・アルコール綿等は病院から提供されるが、制限有り
 医療機器等:吸引器の予備も用意している。人工呼吸器は、人工呼吸器を扱っている会社が定期的にメンテナンスをしてくれている。
緊急時に備えて、人工呼吸器には数時間分の充電がなされている。アンビューバックも準備している。

福祉サービス:家事援助ヘルパー 3回/週、3時間/日

その他:ボランティア 1回/週、3時間/回
近隣者・友人 母親が用事で外出する時の留守番など、急な用事が発生した時に、手伝いを頼めるようにしている。

医療・福祉等の連携:(ご両親)当初はどのようなサービスを使えるかわからないことが多かった。いろいろな関係機関と連絡をとっていくうちに、使えるサービスがわかり、自分たちで連携をとっている。

【A子さんを介護しているご両親の思い】
 ○A子さんのことを充分に理解してくれて、A子さんの状態に沿った吸引などを丁寧におこなってくれる人にケアをしてもらいたい。
 ○充分に訓練してもらえれば、ヘルパーでも吸引は可能だと思う。
 ○公的サービスは、もう少し柔軟に、使い勝手の良いようにしてほしい。
 ○公的サービスがわかりにくいので、ケアマネージャーを導入してほしい。
 ○24時間介護をしている状態で、介護者である自分たち(両親)は病気にもなれない。常に介護で緊張している状態である。


訪問日時:平成17年1月7日(金)10:10-11:30
訪問者:
[委員]島崎委員、樋口委員、木村委員、山路委員、井上委員
[事務局]野口(看護職員確保対策官)、泉(医事課長補佐)、結城(在宅看護専門官)


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