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第1回資料5の抜粋
第6回
資料3

最低賃金の決定方式と設定方式


 我が国の最低賃金制度を決定方式で分類すると、(1)最低賃金審議会の調査審議に基づく最低賃金(法第16条。「審議会方式」)と、(2)一定の地域内の同種の労働者を対象とする労働協約を拡張適用する最低賃金(法第11条。「労働協約拡張方式」)の2つがある。

(1) 最低賃金審議会の調査審議に基づく最低賃金
(審議会方式、設定件数 296件)
 厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、必要があると認めるときに、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会に調査審議を求め、その意見を聴いて決定する最低賃金。
 さらに、設定方式で分類すると、地域別、事業別(産業別)、職種別の3つがあるが、現在設定されているものは、(1)地域別最低賃金と(2)産業別最低賃金の2つである。

(1) 地域別最低賃金
(設定件数47件、適用労働者数約5,000万人、加重平均額665円)
 地域別最低賃金は、各都道府県ごとに1件「○○県最低賃金」の名称で決定され、産業や職種を問わず、原則として、その都道府県内の事業場で働くすべての労働者と労働者を1人でも使用しているすべての使用者に適用される。

(2) 産業別最低賃金
(設定件数249件、適用労働者数約400万人、加重平均額756円)
 産業別最低賃金は、「○○県○○業最低賃金」の名称で、その都道府県内の特定の産業について決定されているものがほとんどで(248件)、その他「全国○○業最低賃金」の名称で全国を適用地域として特定の産業について決定されているものが1件ある。
 また、産業別最低賃金は、昭和56年7月29日及び昭和61年2月14日の中央最低賃金審議会の答申において、関係労使が労働条件の向上又は事業の公正競争の確保の観点から地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金が必要と認めたものについて、設定することとされた。(「新産業別最低賃金」(246件))
 なお、それ以前の「旧産業別最低賃金」については、新産業別最低賃金に転換したもの以外は、平成元年度以降改正を行わないこととされ、地域別最低賃金の金額水準を下回った段階で、随時廃止され、現在は3件が残っているのみである。


(2) 「労働協約拡張方式」に基づく最低賃金(法第11条)
(設定件数2件、適用労働者数約500人、加重平均額868円)
一定の地域内の同種の労働者及びその使用者の大部分(2/3程度)に賃金の最低額に関する労働協約が適用されている場合で、
労働協約の締結当事者である労働組合又は使用者の全部の合意による申請があったときに、
厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、最低賃金審議会の意見を聴いて、当該労働協約に基づき、労働協約当事者以外のアウトサイダーも含めた同種の労働者及びその使用者の全部に適用する最低賃金として決定するもの。



参考:最低賃金の決定・設定方式別決定手続の概要


(1)  最低賃金審議会の調査審議に基づく最低賃金
 地域別最低賃金

図

地域別最低賃金の図

 新産業別最低賃金

新産業別最低賃金の図

(2)  「労働協約拡張方式」に基づく最低賃金

「労働協約拡張方式」に基づく最低賃金の図


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