(別記)
ステアリン酸カルシウム
Calcium Stearate
定義 |
本品は、主としてステアリン酸及びパルミチン酸のカルシウム塩である。
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含量 |
本品を乾燥物換算したものは、カルシウム(Ca=40.08)6.4〜7.1%を含む。
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性状 |
白色の軽くてかさ高い粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。 |
確認試験 |
(1) |
本品3.0gに塩酸(1→2)20ml及びエーテル30mlを加え、3分間激しく振り混ぜた後、放置する。分離した水層はカルシウム塩の定性反応(1)を呈する。 |
(2) |
(1)のエーテル層を分取し、希塩酸20ml、10ml、次に水20mlを用いて順次洗った後、水浴上でエーテルを留去するとき、残留物の融点は54℃以上である。 |
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純度試験 |
(1) |
重金属 Pbとして10μg/g以下
本品1.0gをとり、初めは弱く注意しながら加熱し、次第に強熱して灰化する。冷後、塩酸2mlを加え、水浴上で蒸発乾固し、残留物に水20ml及び希酢酸2mlを加え、2分間加温し、冷後、ろ過し、水15mlで洗う。ろ液及び洗液を合わせ、更に水を加えて50mlとする。これを検液とし、試験を行う。比較液は塩酸2mlを水浴上で蒸発乾固し、これに希酢酸2ml、鉛標準液1.0ml及び水を加えて50mlとする。 |
(2) |
ヒ素 As2O3として4μg/g以下
本品1.0gに塩酸(1→2)5ml及びクロロホルム20mlを加え、3分間激しく振り混ぜた後、放置して水層を分取し、これを検液とする。装置Bを用いる。 |
(3) |
遊離脂肪酸 ステアリン酸として3.0%以下
本品約2gを精密に量り、100mlの三角フラスコに入れ、アセトン50mlを加え、冷却管を付けて水浴中で10分間加熱し、冷却する。内容物をろ紙No.2を二重に重ねたものでろ過し、フラスコ、残留物及びろ紙をアセトン50mlで洗い、洗液をろ液に合わせる。フェノールフタレイン試液2〜3滴と水5mlを加え、0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定する。アセトン100mlと水5mlの混液を用いて空試験を行う。
0.1mol/l 水酸化ナトリウム溶液 1ml=28.45mg C18H36O2 |
(4) |
乾燥減量 4.0%以下 (105℃、3時間) |
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定量法 |
本品約0.5gを精密に量り、るつぼに入れ、初めは弱く注意しながら加熱し、電気炉に入れ、700℃で3時間加熱して完全に灰化する。冷後、残留物に希塩酸10mlを加え、水浴上で10分間加温した後、温湯10ml、10ml及び5mlを用いてフラスコに移し入れ、次に液がわずかに混濁を生じ始めるまで水酸化ナトリウム試液を加え、更に0.05mol/l EDTA溶液25ml、アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH 10.7)10ml、エリオクロムブラックT試液4滴及びメチルイエロー試液5滴を加えた後、直ちに過量のEDTAを0.05mol/l塩化マグネシウム液で滴定する。ただし、滴定の終点は液の緑色が消え、赤色を呈するときとする。別に空試験を行い補正する。
0.05mol/l EDTA溶液1ml=2.0039mg Ca |
試薬・試液
メチルイエロー:メチルエロー 〔特級〕
メチルイエロー試液:メチルイエロー0.10gをエタノール200 mlに溶かす。