1 | 国際標準化の現状 国際標準化機構(ISO/TC108/SC4、機械衝撃と衝撃の人体への影響)において、検査手技の国際標準化作業の取り組みが行われ、知覚機能検査法については2001年に国際標準が示され、2003年には評価法も示されており、また、末梢循環機能評価法については現在、標準化作業が進められている。 |
2 | 末梢循環系検査の国際標準化作業
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3 | 末梢神経系検査の国際標準化作業 ISOでは、「振動感覚閾値検査」の標準化が行われており、測定法及び評価法について国際規格が示されている。測定対象は手指尖であり、他の身体部位は対象にしていない。また、一過性の閾値変動の測定も対象にされていない。 ISO規格の指尖における振動感覚閾値の測定では、手指尖に分布するとされるSAI (Merke1 disks)、FAI(Meissner corpuscles)、FAII(Pacini corpuscles)の3種類の機械受容器の機能を測定するために、代表的な検査周波数を4Hz、31.5Hz、125Hzとしている。その際、振動子の周囲に対照板(surround)を設置せず測定する方法(A法)、対照板(surround)を設置して測定する方法(B法)が示されている。 測定方法については、刺激強度を上昇させ測定する方法(上昇法)と刺激強度を減じて閾値を測定する方法(下降法)があるが、各測定値間の差は10dB以内で両方法における平均値の差は6dB以内であることが求められている。 検査室温は、20℃から30℃の範囲とされ、検査部位の皮膚温は、27℃から36℃であることが要求されている。 評価法については、同一被験者に対して異なる日に繰り返し測定された振動感覚閾値を用いての再現性や測定結果の表示法が示されている。後者については、同一被験者の知覚鈍麻の進行や回復過程を経時的に追跡するための「相対閾値変動」(relative threshold shift)と健常者の閾値からの差を評価するための「基準閾値変動」(reference threshold shift)を、検査周波数と「閾値変動」の図(tactogram)で表す様式が示されている。 さらに、SAI、FAI、FAIIの3種類の機械受容器それぞれについて、対応する検査周波数における「相対閾値変動」(relative threshold shift)又は「基準閾値変動」(reference threshold shift)の平均値を用いて表す「総合閾値変動」(population threshold shift)の表示方法が示されている。 なお、参考として30歳の健常者における振動感覚閾値が、2.5、15、50、85、97.5 percentileで示されており、50 percentile値を「基準閾値変動」(reference threshold shift)の算出・評価に用いることが推奨されている。 |