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現在検討中の5種類の検査手技


 レーザードップラー血流計による皮膚灌流圧測定
 組織灌流を表す指標として確立されている皮膚灌流圧(SSP;skin perfusion pressure)をレーザードップラー血流計により測定する検査手技。
 皮膚灌流圧の測定値がレイノー群と健常者群との間で有意差が認められることから、レイノー症状の客観的指標となりうる可能性のある検査手技である。

 レーザー血流画像化装置による皮膚血流測定
 レーザー血流画像化装置を用いて、冷却負荷検査における手指皮膚血流を連続モニタリングして測定する検査手技。
 手指皮膚血流の冷水浸漬中とその後の回復過程に健常者と振動工具取扱い者との間で相違が認められることから、手腕系の振動ばく露に起因する末梢循環障害の客観的検査として有用の可能性がある検査手技である。

 正中・尺骨神経の運動・感覚神経伝導検査
 電気的刺激による神経の伝導速度等の測定に加えて、神経の圧迫が疑われる部位を挟んで近位側と遠位側の測定を行い、記録された結果を年齢補正した正常値と比較する検査手技。
 本検査手技によると、振動障害患者では年齢補正した正常値と比較し、手掌刺激による潜時、遠位潜時の遅延、神経伝達速度の低下を認める症例があり、末梢優位の末梢神経障害の存在を示唆しており、振動障害の末梢神経機能検査として十分価値のある検査手技である。

 MRI(磁気共鳴映像法)による筋の機能評価
 運動機能障害に係る検査手技。運動機能の評価の中心は関節機能及び筋力の評価であるが、MRIは筋力評価に係る検査手技の一つであり、画像による筋肉断面面積及び画像の輝度変化を把握するものである。
 MRIは脱神経及び再神経支配過程を観察するのに有用な検査手技であり、筋肉の質的な変化も観察でき、将来的には脱神経筋の評価のために筋電図の代用として、又は補助検査として臨床応用が期待されている検査手技である。

 局所冷却による指動脈血圧測定(FSBP%)
 指動脈血圧測定(FSBP%)とは、一時的にレイノー現象を誘発し、手指の血圧の変化や状態を観察する検査手技。
 本検査手技は、FSBP%値とレイノー現象との間に有意な相関が認められ、敏感度、特異度のバランスに優れ、末梢循環障害の有効な検査手技であるとされている。


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