知的障害者・障害児に関する支援の在り方作業班における
議論【概要】 |
(1) | 住まいの確保・居住支援に係るサービス 知的障害者地域生活援助事業(グループホーム)など |
(2) | 日中活動・就労支援に係るサービス ちてきしょうがいしゃ 知的障害者デイサービスなど |
(3) | ホームヘルプ、ガイドヘルプを中心とした生活支援、社会参加に係るサービス 知的障害者ホームヘルプサービスなど |
(1) | 全体的な視点では、市町村域、障害保健福祉圏域、都道府県域に適切にサービスを配置する必要がある。また、障害種別を越えて総合的に相談支援を行う機能(地域生活支援センター)がすべての市町村に整備されることが望ましい。 |
(2) | 住まいの確保、居住支援では、公営住宅のグループホーム利用の拡大や知的障害者の単身入居を可能にするなどの入居支援が必要である。 |
(3) | ホームヘルプ、ガイドヘルプを中心とした生活支援、社会参加では、通学、通勤等への利用ニーズへの対応、複数の利用者が一人のホームヘルパーを利用できる仕組み、日常生活支援の適用、デイサービス等他のサービスとの代替の可能性、ホームヘルパーの資質向上等が必要である。 |
(4) | ショートステイ、デイサービスでは、中高生の放課後や夏休み対策として児童デイサービスを利用することについて、他の施策との関係も視野に入れた上での検討が必要である。 |
(5) | 日中活動、就業支援では、知的障害者本人の活動を奨励してもらいたい。また知的障害者本人にも、ホームヘルパーの資格を取りやすくする必要がある。 |
(6) | 相談支援、権利擁護、金銭管理等では、地域生活を支える総合相談窓口、サービス利用手続き支援、権利擁護等に関する仕組みが必要である。 |
(7) | ケアマネジメントの手法による支援では、知的障害者や障害児が地域で暮らす上での様々なニーズとこれを充足するため各種サービスを調整し、結びつけるための仕組みが極めて重要であり、制度化に向けた検討が必要である。 |
視覚障害者・聴覚障害者に関する支援の在り方作業班における
議論【概要】 |
○ | 視覚障害者= | 移動の自由が確保されることと情報入手・コミュニケーションに対する読み書き面での支援。 |
○ | 聴覚障害者= | 情報入手・コミュニケーションに対する手話等を主な手段とする支援。 |
○ | 盲ろう重複障害者= | 移動の自由が確保されることと情報入手・コミュニケーションに対する指点字、触手話等個別の支援。 |
○ | 移動の支援= | 支援費サービスの移動介護(ガイドヘルプサービス)が支援の中心。また、地方公共団体が実施する各種の施策に対する補助を実施。 |
○ | 情報、コミュニケーション支援= | 地方公共団体等が実施する各種の施策に対する補助を行っているほか、障害者関係団体が実施主体になって事業を実施。 |
○ | 放送通信を通しての情報支援= | 字幕番組、解説番組等障害者向け放送通信サービスを実施。 |
○ | サービスの利用手続き等
|
||||
○ | ケアマネジメント機能
|
○ | ガイドヘルプサービスの範囲
|
||||||
○ | 「身体介護を伴う」移動介護の適用
|
||||||
○ | ニーズ把握と緊急時の対応
|
||||||
○ | 人材の養成・確保
|
||||||
○ | 利用者負担の在り方
|
○ | 手話等コミュニケーション支援に関するサービスメニューは、対象者が少なく、市町村ごとに基盤を整備する方式が馴染むのかどうか。また、個人の生活圏が拡大していることからも、広域の福祉圏や都道府県単位での情報提供支援の在り方や当事者団体、NPO法人等が行う支援の在り方について、幅広い検討が必要である。 |
○ | さらには、ノーマライゼーションの理念のもと、生活のあらゆる場面で、コミュニケーションが保障されるためには、福祉施策での取組みにとどまらず、あらゆる行政分野をはじめ、司法、立法、民間を含めた取組みが期待される。 |
○ | 技術革新
|
||||
○ | 人材の養成・確保
|
全身性障害者等長時間介護が必要な者に関する支援の在り方
作業班における議論【概要】 |
1. | 全身性障害者等長時間介護が必要な者が地域生活を送る上での主なニーズについて |
○ | 地域社会の中で自立した生活が実現されるよう、個々人の生活スタイルにあったサービスが用意され、そのサービスは、利用者の自己選択・自己決定したニーズに基づき、サービスが展開されるとともに、社会参加活動に対する支援を十分に行える視点が重要である。 |
○ | この視点を踏まえて、全身性障害者等長時間介護を必要とする者のおおよその範囲は、『日常生活において、多くの場面で人的支援を必要とするような、障害の重い全身性障害者等』であり、その主なニーズは、『医療的ケア、コミュニケーション支援、見守り等』に関することが大きい。 |
2. | 全身性障害者等長時間介護を必要とする者に対する地域生活支援の現状について |
・ | 支援費ホームヘルプサービスについては、一人当たりの利用時間に地域格差があるほか、サービスの内容ごとに大きな差がある。 | |
・ | 医療的ケアを必要とする者に対する身体介護は、生命の維持を担っており、日々介護内容に変化がある特殊な介護である。 | |
・ | 全ての全身性障害者が24時間の支援が必要とは限らない。また、知的障害者(強度行動障害者)の中にも長時間の支援が必要な者もいる。 | |
・ | 全身性障害者の持つ障害は、言語障害等様々な複合的要素があり、一人暮らしの場合、障害が軽度でも、長時間の介助が必要な者もいる。 |
・ | 療護施設入所者は、高度な医療、手厚い看護を必要とする者か、地域での生活支援体制が整っていないため、仕方なく入所している者であり、地域生活に移行する場合の不安は、市町村の受入れ体制ができていない、住宅の保障がない、家族へ負担をかけたくないとの理由があるというアンケート調査の結果もある。 |
3. | 全身性障害者等長時間介護を必要とする者に対する支援の主な課題と今後の対応について |
・ | 医療的ケアを必要とする者や、言語障害等によってコミュニケーションに困難が伴う者については、長時間同じ介護者が支援する方法の検討が望まれた。 | |
・ | 障害者が地域で暮らすには、家族から独立して生活をする支援体制が不十分であるとの指摘があった。 | |
・ | 重度障害者の生命の維持とともに、家族の介護疲労の軽減が必要で、習熟したホームヘルパーが家族と同様の長時間介護を行うこと等により、家族が休養をとることができるような仕組みを検討する必要があるとの指摘があった。 | |
・ | 地域生活を行うにあたり、どのような居住形態が必要か議論することが望まれる。 | |
・ | 就労、日中活動、緊急サービスや緊急時以外にも必要なときに呼べる待機ヘルパーを用意するなどの仕組みを考える必要がある。 |
・ | 自立生活体験室等を使ってサービスの試行的な利用を行い、初回のアセスメントはピアアセスメントで行った上で、自分のニーズを把握しながら支給決定を行っていく、体験的自立のための支援費利用を制度化し、従来のアセスメントを越える公明性を持たせる必要がある。 | |
・ | 地域生活への移行は、地域生活の体験や情報提供、家族や施設への情報提供をしながら自立しやすい環境を作っていくこととエンパワメント支援が重要である。 | |
・ | 施設の役割については、これまでのサービスを充実させる役割と地域移行をサポートする役割の2本化が必要である。 | |
・ | 施設で暮らしている障害者が地域社会での生活を希望した場合、除々に地域に出ていけるようなシステム・応援体制が必要である。 | |
・ | 施設入所者が自立生活体験室や外出体験をするための支援費を受けられるよう、時間割で施設訓練等支援費と居宅支援費をトレードオフする仕組みが必要である。 | |
・ | 一部の自治体に利用者が集中することを避けるため、障害者の出身地の自治体に負担を求めるような方策をとる必要がある。 |
・ | 医療技術やコミュニケーション技術といった特殊技能があるヘルパーには訓練期間が必要で、介助に習熟するまで時間がかかるので、新旧のヘルパーが並行して入る時間を必要なだけ併給することを検討する必要がある。 | |
・ | 医療的ケアのニーズからホームヘルパーが准看護師の資格をとる事例があり、看護資格を義務付けずに、医師の実習によりヘルパー資格でも可能とする必要がある。 | |
・ | 介護者の選択は、障害者自らが介護者を採用、教育、コーディネートしたいというニーズと介護者を教育し管理できる事業者を選択するというニーズがある。 |
・ | パーソナルアシスタンスを希望する障害者に対しては、介護者と直接契約を結ぶことができるように、介護費用を本人に支給するダイレクトペイメントなど、障害者の自立性や自主性を尊重する新しい仕組みを検討する必要がある。 | |
・ | 地域生活を送る上で、自立生活プログラムやピアカウンセリングといった当事者による精神的な支援、地域生活へのノウハウの支援や当事者が支援するセルフヘルプ等の支援を制度に仕組めるか議論が必要である。 | |
・ | 障害者と高齢者とでは違いがあり、障害者は自立と社会参加することが大切であり、高齢者と意識やニーズが違うので、障害者の場合は自立と社会参加をどう捕らえるかという視点での議論が必要である。 | |
・ | 在り方検討会としてケアと自立の概念を定める必要がある。 |
・ | ケアマネジメントは一般論としては必要だが、単にケアマネ−ジャーと言うと介護保険制度における介護支援専門員が実施するケアマネジメントと同一視されるので、ケアマネの内容を十分吟味し、セルフマネジドケアを踏まえた生活支援の目的を確立するケアマネジメントの検討が必要である。 | |
・ | 介護時間や介護費用の認定は、本人の障害状況と生活希望に沿ったものを基本とし、市町村が要否決定を行う場合には、本人と市町村が協議して、障害者のニーズを組み入れることが必要であり、問題が生じる場合は、障害当事者団体や地域福祉団体を交えて、本人と市町村が協議して決定をする仕組みや障害当事者が含まれている権利擁護機関の充実について検討が必要である。 | |
・ | 現在の勘案事項におけるアセスメントは現状のアセスメントツールの中で利用者にとっても最もニーズを伝えやすいツールであるのでこれを残すこと。 | |
・ | ケアプランづくりを義務づけられない支援費制度は利用者にとって使いやすいものとなっている。また、現在の勘案事項による支給決定は全身性障害者のニーズを反映できる適切なものである。 | |
・ | 支援費制度は制度である以上、市町村が支給を決定している。支給決定においては、当事者の希望を尊重しながらも、どういう支援が必要か、その必要なサービスの質や量に客観性があるのか、客観性のある物差しづくりについての検討を要する。 | |
・ | 支援の在り方、サービスの在り方論は重要である。一方、資源は有限であるため、どういう支援が障害者には必要で、そのためにはどれくらい費用が必要なのかについて、国民一人ひとりが納得し得る社会的な合意が必要である。 |