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平成16年4月15日

第6回 介護福祉士試験の在り方等介護福祉士の質の向上に関する検討会

委員 石橋真二

介護福祉士試験を受験する実務経験者、介護福祉士の資格取得後の現状と課題について

 介護福祉士試験を受験する実務経験者の現状と課題
1)実務経験者受験資格の範囲
資料1参照 介護福祉士試験の受験資格の認定に係る介護等の範囲)
実務経験者受験資格の範囲の拡大により、介護福祉士の職域の拡大及び専門分野の拡大。
職域及び専門分野の拡大や急速な時代の変化等により、現在、求められる介護福祉士像は当初の介護福祉士養成カリュキラムでは補えない部分もあると思われる。
2)介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移
資料2参照)
受験範囲の拡大に伴い国家試験の受験者が増加し、国家試験合格者による介護福祉士資格取得者の大幅な増加。(近年は毎年、養成校等資格取得者を大幅に上回る)
実技試験実施の現状と課題(第5回検討会にて岡部委員報告)

 介護福祉士の資格取得後の現状と課題
1)社会福祉施設従事者に占める介護福祉士資格保有割合
資料3参照)

2)(社)日本介護福祉士会としての介護福祉士の資質向上を目指した主な取り組み
(平成16年度日本介護福祉士会事業計画案より研修事業を抜粋)

各種研修に関する事業
(1)日本介護福祉士会会員が広く参加する研修
全国大会の開催
全ての介護福祉士の研究意欲を高めるとともに、介護福祉実践場面での知識・技術の向上を図るため時宜に適ったテーマに沿って、講演、シンポジウム、分科会を実施する。(長崎県)
ブロック研修(ブロックにて随時実施)の充実
介護福祉士としての資質の向上を図るため、介護問題を巡る最新のテーマに基づいた研修会を実施する。
(2)総合的なキャリアアップを目的とする研修(生涯研修プログラムに則った実施)
基礎研修プログラムI(初任者研修)
初任者を対象に、介護福祉士の専門性と職業倫理、法律と関連する制度政策、コミュニケーションと基本的態度、介護過程、介護技術の講義・演習を実施する。
基礎研修プログラムII
資格取得後3年程度の者を対象に、医学知識、業務上の記録と報告、利用者支援のための介護過程の展開、介護技術の講義・演習を実施する。
基礎研修プログラムIII(実務者レベル研修)
資格取得後5年程度の者を対象に、必須科目、共通科目、選択科目、実践科目からなる基礎研修プログラムIIIの開催を支援する。
リーダー研修
都道府県支部における基礎研修プログラムIIの講師育成を図るため実施する。
実習指導者研修の実施
施設及び養成校における実習の指導に当たる者に必要な知識・技術を付与することを目的として研修を実施する。
(3)専門性の確立を目指す研修
介護技術の標準化を構築するための研修会を実施する。(ブロックリーダー研修において必須とする)
(4)職能的研修
サービス提供責任者実務者研修講師養成研修
介護保険制度で多くの介護福祉士がその責務を担うサービス提供責任者を育成する者に対し、必要な知識を附与することを目的として実施する。
中央主催サービス提供責任者実務者研修講師養成講座の実施。
ブロック主催サービス提供責任者研修開催の実施。(ブロックリーダー研修において必須とする)
各支部主催サービス提供責任者研修開催の支援を行う。
管理者(運営者)セミナー
運営責任者に対し、経営論及びリスクマネジメント等必要な知識を附与することを目的として実施する。
介護支援専門員現任研修
実務研修実施方法の変更に伴い、変更以前に実務研修を受講された方を対象に研修を実施する。
ケアマネジメント・ケアプランセミナー
(5)その他の研修
・海外研修の実施
社会福祉振興・試験センター実施の海外研修への会員参加

介護福祉士生涯研修制度の確立
資料4参照)
 生涯研修制度を実施するにあたっての検討課題
資格取得時点での国家試験組と養成校卒業生との教育内容の差を埋める必要がある。
職域の広がりに対応した研修プログラムにする必要がある。
(高齢者・障害者・児童・難病など対象利用者の違い、又は施設・在宅など)
養成課程を含めて介護福祉士の生涯研修プログラムを検討する必要がある。
現場で就労する全ての介護福祉士が生涯研修を受ける仕組みが必要となる。

専門性の確立と介護福祉士学の構築を目指して
専門性の確立、介護の科学化、介護を学問として体系化するために日本介護学会を設立。(平成16年3月27日設立)
介護の学術専門誌『介護福祉士』平成15年10月創刊号発行 年2回発行。

3)これまでの課題
施設及び在宅等における医療ニーズの高い人にどのような対応をするべきか。(いわゆる医療的行為への対応について)
介護保険制度における介護福祉士の位置付けについて。
 訪問介護事業所において、サービス提供責任者は介護福祉士又はホームヘルパー2級以上で実務経験3年以上の者となっているが、介護福祉士の数が増加してきている状況でもあり、介護サービスの質の担保を行うためにも、今後は「介護福祉士」に限るとすることが望ましい。
 施設においても、ドイツは介護の質の保障法において、老人介護士を老人ホーム等の施設では5割以上置かなければならないとしている。日本でも同様に介護福祉士の一定割合以上を義務付ける配置基準を定めることが必要である。(介護報酬の適応なども含め)
 なお、福祉サービスの第三者評価にも介護福祉士の数が反映されるべきである。
医療の専門職を始め、他の専門職と同等の社会的評価の確立が必要。(待遇面も含めて介護福祉士が将来の子供たちに夢を与えるような職業となることが必要)
さらなる介護福祉士の質の向上と専門性の確立が必要。
介護福祉士の一定の質を保つために、全ての介護福祉士養成課程においての教育課程、国家試験のあり方等を含め現行の資格取得方法の見直しが必要である。
介護福祉士の生涯研修制度の充実を図る。


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