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介護保険における苦情処理制度の概要

 介護保険では、サービス等についての苦情を処理する仕組みが制度的に位置付けられており、サービス事業者、居宅介護支援事業者、市町村、国保連合会等の各主体が利用者からの苦情への対応を行っている。

サービス事業者・施設
 利用者からの苦情に迅速かつ適切に対応するための措置(例えば相談窓口の設置等)を行う。また、市町村・国保連合会の調査等に協力し、指導・助言を受けた場合には必要な改善を図るとともに、市町村・国保連合会から求めがあったときは改善状況を報告することとなっている。(運営基準省令第36条等)

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(抄)
(苦情処理)
36条 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に係る利用者及びその家族 からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置 する等の必要な措置を講じなければならない。
 (略)
 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に関し、(中略)利用者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
 指定訪問介護事業者は、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。
 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に係る利用者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会が行う法第176条第1項第2号の調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号の指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
 指定訪問介護事業者は、国民健康保険団体連合会からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を国民健康保険団体連合会に報告しなければならない。

居宅介護支援事業者
 利用者・事業者等から事情をきき対応策を検討し、必要に応じて利用者に説明する等の対応を行う。また、利用者の国保連合会への苦情申立てに必要な援助を行う。(基準省令第26条)

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(抄)
(苦情処理)
26条 指定居宅介護支援事業者は、自ら提供した指定居宅介護支援又は自らが居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等(中略)に対する利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならない。
 指定居宅介護支援事業者は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
・4 略
 指定居宅介護支援事業者は、自らが居宅サービス計画に位置付けた法第41条第1項に規定する指定居宅サービスに対する苦情の国民健康保険団体連合会への申立てに関して、利用者に対し必要な援助を行わなければならない。
・7 略

市区町村
 第一次的な窓口として、事業者等に対する調査・指導・助言を行う(基準省令第36条等)

国保連合会
 制度上の苦情処理機関として、苦情申立て等に関して、事業者等に対する調査・指導・助言の権限を持つ。(介護保険法第176条)

介護保険法
176条 連合会は、国民健康保険法の規定による業務のほか、次に掲げる業務を行う。
 (略)
 指定居宅サービス、指定居宅介護支援及び指定施設サービス等の質の向上に関する調査並びに指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び介護保険施設に対する必要な指導及び助言



市区町村における苦情対応窓口の例 (PDF:115KB)



国保連合会が取り扱う苦情処理の主な流れ


国保連合会が取り扱う苦情処理の主な流れの図



国保連合会への苦情申立て状況

国保連合会苦情申立内容別累計
(平成15年4月分〜平成15年12月分/ 353件)

国保連合会苦情申立内容別累計(平成15年4月分〜平成15年12月分/353件)の図


国保連合会苦情申立内容別累計
(平成15年度12月分/ 40件)

国保連合会苦情申立内容別累計(平成15年度12月分/40件)の図



都道府県国保連合会苦情申立サービス種類別件数
(平成15年4月分〜平成15年12月分/ 353件)



都道府県国保連合会苦情申立サービス種類別件数の図



内容別相談件数の推移
(平成15年4月分〜平成15年12月分/ 3,594件)

内容別相談件数の推移の図



○国保連合会苦情申立内容別累計(平成15年12月分)
都道府県 申立件数 (1)サービス
の質
(2)従事者
の態度
(3)管理者等
の対応
(4)説明・情報
の不足
(5)具体的な
被害・損害
(6)利用者
負担
(7)契約・
手続関係
(8)その他
北海道 0 0 0 0 0 0 0 0 0
青森県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
岩手県 1 0 0 0 0 1 0 0 0
宮城県 5 1 1 0 1 2 0 0 0
秋田県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
山形県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
福島県 1 0 0 1 0 0 0 0 0
茨城県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
栃木県 2 0 0 0 1 0 0 0 1
群馬県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
埼玉県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
千葉県 1 0 0 0 0 1 0 0 0
東京都 3 0 0 3 0 0 0 0 0
神奈川県 2 0 1 0 0 1 0 0 0
新潟県 2 1 0 0 1 0 0 0 0
富山県 3 1 1 0 0 0 0 0 1
石川県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
福井県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
山梨県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
長野県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
岐阜県 1 1 0 0 0 0 0 0 0
静岡県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
愛知県 2 1 0 0 0 1 0 0 0
三重県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
滋賀県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
京都府 1 0 0 0 0 1 0 0 0
大阪府 0 0 0 0 0 0 0 0 0
兵庫県 2 0 0 1 0 0 0 1 0
奈良県 3 1 0 1 0 0 0 1 0
和歌山県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
鳥取県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
島根県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
岡山県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
広島県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
山口県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
徳島県 1 0 0 0 0 0 0 0 1
香川県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
愛媛県 2 0 0 1 0 0 0 1 0
高知県 1 0 0 0 0 1 0 0 0
福岡県 2 1 0 0 1 0 0 0 0
佐賀県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
長崎県 1 0 0 1 0 0 0 0 0
熊本県 3 2 0 0 0 0 0 0 1
大分県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
宮崎県 1 0 0 1 0 0 0 0 0
鹿児島県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
沖縄県 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合計 40 9 3 9 4 8 0 3 4



苦情・事故事例活用研修事業


平成16年度予算額(案)
57,458千円

 目的
 介護サービス事業の特性を踏まえた苦情対応及びリスクマネジメント(事故防止対策等)研修を実施し、組織的な対応手法の普及・定着を図り、サービスの質の向上を図ることを目的とする。

 事業内容
 介護サービス事業者の管理者等を対象に、苦情や事故の背景となる要因を共有し、サービスの質の向上を図るための組織的な対応手法について、事例を活用した研修を実施する。
実施内容
(1) 苦情対応研修
介護サービスにおける苦情対応
苦情事例を活用したサービスの質の向上
苦情対応マニュアルの作成手法 等
(2) リスクマネジメント(事故防止対策等)研修
リスクマネジメントの手順・実践のポイント
リスクマネジメント責任者の役割
リスクマネジメントマニュアルの作成手法 等

 実施主体 都道府県

(参考)
  本事業は、平成15年度から実施しており、本年度は14府県で実施している。


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