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科学的根拠のレベル(アメリカの限定的強調表示の例)

 アメリカの限定的強調表示の案では、科学的根拠のレベルによって4つに分類し、表示の内容に差を設けるというもの

科学的根拠のランク 科学的根拠の要件   適当と認められる表現
A
high level
(1)有意な科学的同意(Significant Scientific Agreement=SSA)の基準を満たす。(2)その後の新たな知見によって、これまでの結論が覆ったり、修正の可能性が極めて低い。(3)当該関係に関する専門機関等の結論と一致している。(4)当該関係は、関連する高度な試験、主として無作為割付比較対照介入試験及び前向きコホート観察試験に基づいている。(5)結果は、対象グループにおいて有効とするのに足る充分な試験症例数がある。(6)異なるデザインの試験においても同様な結果が得られている。(7)効果は、表示対象の食品、サプリメントの摂取/使用条件で、生理学的に有意味で、達成可能である。(8)当レベルは、他のレベルのための参考であり、この限定的健康強調表示の対象外である。 矢印 ・・・。(限定的な表示は不要)
B
moderate/good level
(1)限定的健康強調表示における最高レベル。(2)当該関係は“ほぼ確実”、しかし、決定的ではない。(3)当該関係は、関連する高度な及び中等レベルの試験、主として無作為割付比較対照介入試験、前向きコホート観察試験及び非無作為割付比較対照介入試験又は症例対照研究に基づいている。(4)結果は、対象グループにおいて有効とするのにほぼ足る充分な試験症例数がある。(5)異なるデザインの試験においてもほぼ同様な結果が得られている。(6)効果は、表示対象の食品、サプリメントの摂取/使用条件で、生理学的に有意味で、達成可能と考えられる。 矢印 ・・・。表示を裏付ける科学根拠は有るが、その根拠は決定的ではない。
C
low level
(1)限定的健康強調表示における中間レベル。(2)当該関係に関する専門機関等の結論との一致度は低く、当該関係についての科学的支持は“低い”。(3)当該関係は、関連する中等度及び低レベルの非無作為割付比較対照介入試験又は症例対照研究に基づいており、試験症例数は、対象グループにおいて有効とするには充分ではない。(4)異なるデザインの試験においてもほぼ同様な結果が得られているが、不確実さがある。(5)表示対象の食品、サプリメントの摂取/使用条件で、生理学的に有意味で、達成可能か否かについては、不確実さが存在する。 矢印 ・・・を示唆するいくつかの科学的根拠はあるが、FDAは、この根拠が限定的であり決定的ではないと決定した。
D
extremely low level
(1)限定的健康強調表示における最も低いレベル。(2)当該関係に関する専門機関等の結論との一致度は極めて低い。(3)当該関係は、関連する中等度及び低レベルの非無作為割付比較対照介入試験又は症例対照研究に基づいており、試験症例数は、対象グループにおいて有効とするには充分ではない。(4)異なるデザインの試験においてもほぼ同様な結果が得られているが、不確実さがある。(5)表示対象の食品、サプリメントの摂取/使用条件で、生理学的に有意味で、達成可能か否かについても、かなりの不確実さが存在する。(6)このレベルにおいては、少なくとも当該関係を支持する何らかの、信頼に足る証拠が必要である。(7)当該関係を否定する強固な証拠がないこと、もし存在するとすれば、それは、当該関係を否定する妥当な根拠となる。 矢印 かなり限定的で予備的な研究において・・・を示唆している。FDAはこの表示を支持する科学的根拠はほとんど無いと結論づけた。


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