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施設におけるケアマネジメント

 ユニットケアの普及等のように、施設サービスにおいても、利用者の心身の状況に応じたケアが求められているが、このためにも、施設サービスにおけるケアマネジメントの役割が重要となる。
 また、施設入所時・退所時に、居宅との間で切れ目のない継続的なケアが提供されることが求められており、この観点からも、施設のケアマネジメントと在宅のケアマネジメントの連続性を図ることが重要


1.地域包括ケア(在宅−施設を通じたケアマネジメント)

 高齢者介護研究会報告書より
2015年の高齢者介護
〜高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて〜(抜粋)
III−2
(4)地域包括ケアシステムの確立
 これまで、一人一人が住み慣れた街で最期までその人らしく生きることを保障するための方法として、現在の在宅サービスを複合化・多機能化していくことや、新たな「住まい」の形を用意すること、施設サービスの機能を地域に展開して在宅サービスと施設サービスの隙間を埋めること、施設において個別ケアを実現していくことなどについて述べてきた。
 このようなサービス基盤が整備された際においても、要介護高齢者の生活をできる限り継続して支えるためには、個々の高齢者の状況やその変化に応じて、介護サービスを中核に、医療サービスをはじめとする様々な支援が継続的かつ包括的に提供される仕組みが必要であることには変わりはない。

(ケアマネジメントの適切な実施と質の向上)
(略)要介護高齢者の生活を支えるという観点からは、在宅サービスの調整のみならず、在宅サービス利用から施設入所にいたる過程でのサービスの連続性の確保、施設からの退所・退院者への在宅サービスの切れ目ない提供確保など、高齢者の状態の変化に対応して様々なサービスを継続的・包括的に提供していくことが必要であり、また、例えば在宅での終末期を尊厳を持って送ることができるためには、適切なケアとともに、疼痛緩和など適切な在宅医療・看護による支援が不可欠である。地域において、施設・在宅全体を通じたケアマネジメントを適切に行うことが必要である。


2.介護保険施設におけるケアマネジメントにかかる規定
(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)

(施設サービス計画の作成)

 入所者(入院患者)について、解決すべき課題を把握しなければならない。

 解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、入所者(入院患者)及びその家族に面接して行わなければならない。

 入所者の希望及び入所者についてのアセスメントの結果(介護老人保健施設及び介護療養型医療施設にあってはアセスメントの結果及び医師の治療の方針)に基づき施設サービス計画の原案を作成しなければならない。

 サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の原案の内容について専門的な見地からの意見を求めるものとする。

 施設サービス計画の原案の内容について入所者(入院患者)又はその家族に対して説明し、文書により入所者(入院患者)の同意を得なければならない。

 施設サービス計画を作成した際には、当該施設サービス計画を入所者(入院患者)に交付しなければならない。

 施設サービス計画の作成後、施設サービス計画の実施状況の把握(モニタリング)を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。

(計画担当介護支援専門員の責務:主なもの)

 入所(入院)申込者(患者)の入所(入院)に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。

 入所者(入院患者)の退所(退院)に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供するほか、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者と密接に連携すること。


3.施設ケアマネジャーの配置状況

 介護保険施設のケアマネジャー実働者数

介護保険施設のケアマネジャー実働者数のグラフ


 ※出典:「介護サービス施設・事業所調査」(厚生労働省大臣官房統計情報部)


4.入退所(院)の際の居宅サービス・施設サービス間の連携

入退所(院)の際の居宅サービス・施設サービス間の連携のグラフ

 ※出典:「介護給付費実態調査月報」(平成15年10月提供分)


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