(1) | 退職金原資の安定的運用は、退職金共済事業を遂行する上での重要な課題であるが、勤労者退職金共済機構が独立行政法人になる中で、その重要性は従来にも増して高まることとなる。
|
(2) | また、独立行政法人化により、事業運営内容の透明化・健全化の要請が従来にも増して強まる中で、民間企業に準じて時価会計が導入された。これに伴い、改めて資産の評価を行ったところ、責任準備金に係る累積欠損金が更に拡大した(2,468億円(平成15年9月30日の簿価ベース)→3,230億円(平成15年10月1日の時価ベース)、参考4参照)。
|
(3) | 平成14年の中小企業退職金共済部会の建議(参考2参照)及びこれを受けた省令の改正を通じ、付加退職金制度を適切に運用することとしてきたところであるが、平成15年10月の勤労者退職金共済機構の独立行政法人化に伴う状況の変化等(上記(1)及び(2)並びに一般の中小企業退職金共済制度の運営状況)を勘案すると、付加退職金の支給率を定めるにあたっては、従来にも増して慎重な検討が必要になるものと考える(参考3〜5参照)。
|
(4) | その場合の検討事項としては、
(1) | 勤労者退職金共済機構における退職金原資の安定的運用が今後重要になる中で、付加退職金制度創設以来の経緯があるとしても、累積欠損金の解消を第一義的に考える必要があるのではないか。 |
(2) | 累積欠損金の解消を第一義に考えるならば、付加退職金の支給率を定めるに際しては、累積欠損金の有無や今後の動向を勘案する必要があるのではないか。 |
(3) | ちなみに、中小企業退職金共済法第10条第4項(参考6参照)では、各年度ごとに、「当該年度の運用収入の見込額その他の事情を勘案」することと規定されていることを踏まえ、今後部会においても慎重に御検討いただく必要があるのではないか。 |
|