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うつ病を知っていますか? (国民向けパンフレット 案)

図
1.
 みなさん、 ご存知ですか?
(正しい答はどちらですか)

(1) ストレスが続くと
 だれでもうつ病になりうる
 弱い人だけがうつ病になる
(2) 一生のうちに、うつ病になる頻度はわが国では
 約15人に1人と考えられている
 約150人に1人と考えられている
(3) うつ病の時には
  a  抑うつ気分、意欲の低下などの精神症状のみがでる
  b  これらのほかに、不眠や頭重感、倦怠感などの症状を伴うことが多い
(4) うつ病や抑うつ状態になったら
  a  病気に打ち克つために、より一層頑張らないといけない
  b  ゆっくり休み、専門医(精神科医)と相談した方がよい
(5) うつ病を治療せずに放っておくと
  a  重症化することもある
  b  ほとんどは自然に治る
(6) うつ病は誰でもかかるもので
  a  早期に気づいて治療すると良くなる
  b  治療に反応しにくい
(7) うつ病の人の多くは
  a  病状で悩んでいても病気であると気づかなかったりして、医療機関を受診していない
  b  医療機関で適切な治療を受けている
−正しい答−
(1)a (2)a (3)b (4)b
(5)a (6)a (7)a
2. 身近な情報

☆我が国のうつ病

  ○ 欧米よりは低いものの、生涯に約15人に1人、過去12ヶ月間には約50人に1人がうつ病を経験しています。
  ○ うつ病にかかっている人の1/4程度が医師を受診していますが、残りの3/4は、病状で悩んでいても病気であると気づかなかったり、医療機関を受診しづらかったりして、医療を受けていません。

自殺はうつ病と関係があります。
日本では最近、中高年の自殺が増えています。
☆都道府県の自殺死亡率
グラフ 都道府県の自殺死亡率の図

3.  うつ病とは?
1) うつ病は特別な人がかかる病気ではなく、誰でもかかる可能性があります。
2) うつ病も心身のエネルギーを低下させ、いろいろな病気の原因になったり、病気を悪化させたり、最悪の場合は自殺の恐れもでてきます。
3) 心配や過労・ストレスが続いたり、孤独や孤立感が強くなったり、将来への希望が見出せないと感じた時などにうつ病にかかりやすいです。
4) うつ病は早期発見、早期治療が大事です。しかし、長く続くこともあり、その場合は心棒強く治療することが大事です。

図 うつ病を疑うサイン−自分が気づく変化
1. 悲しい、憂うつな気分、沈んだ気分
2. 何事にも興味がわかず、楽しくない
3. 疲れやすく、元気がない(だるい)
4. 気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう)
5. 寝つきが悪くて、朝早く目がさめる
6. 食欲がなくなる
7. 人に会いたくなくなる
8. 夕方より朝方の方が気分、体調が悪い
9. 心配事が頭から離れず、考えが堂々めぐりする

10. 失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
11. 自分を責め、自分は価値がないと感じる など

うつ病を疑うサイン−周囲が気づく変化

1. 以前と比べて表情が暗く、元気がない
2. 体調不良の訴え(身体の痛みや倦怠感)が多くなる
3. 仕事や家事の能率が低下、ミスが増える
4. 周囲との交流を避けるようになる
5. 遅刻、早退、欠勤(欠席)が増加する
6. 趣味やスポーツ、外出をしなくなる
7. 飲酒量が増える など

 ☆ 最悪のケース:自殺のサイン
 ・ 自殺をほのめかす言葉を口にする
 ・ 遺書を書く
 ・ 自殺の道具を準備する
 ・ 身辺整理をする
 ・ 自殺未遂をする
図
このような場合、本人を一人にしないで
ナイフやヒモ類は本人の手の届かないところに置いてください。
できるだけ早く、誰かが同伴して精神科医を受診させてください。

4. うつ病はどうして起こるの

図 うつ病になりやすい性格とは・・・
 几帳面で真面目、責任感が強い人がうつ病になりやすいと言われていますが、これは大部分の日本人に共通した特徴です。これらが人並み以上に強い場合や考え方に柔軟性が乏しい人、開き直りや決断ができない人はストレスを受け止めやすく、結果としてうつ病になりやすいと言えます。
うつ病のきっかけ・・・
 様々な生活体験がうつ病のきっかけになります。ストレスになりやすいこれらの体験と個人の性格や行動様式が相互に関係して、一部の人がうつ病になります。うつ病が悪化すると自殺の危険もでてきます。

うつ病に関係した様々な要因 うつ病に関係した様々な要因の図

5.  うつ病にならないために

 ○ 毎日の小さな苛立ち事に対して
 ストレス解消法(スポーツ、趣味、レジャーなど)が有効です
 ○ 少し深刻な問題に対しては、次のようなストレス対処法が有効です
 ・ 問題を整理して、解決のための選択肢を考えてみましょう
 ・ 自分の手に余る問題については、誰かに相談しましょう
 ・ 事故や失敗など起きてしまったことに対しては、誰かに話して気持ちを整理して、これからのことを考えましょう
 ・ できるだけ前向きに考えましょう
 ○ 健康は何をするのにも基本になります。病気しそうになったら休養をとり、専門家(医師など)に相談してください



6.  うつ病が疑われたら

 ○ 自分がした方がよいこと
 ・ 専門家(医師、保健師)に相談(受診)してください
 ・ 休養と、場合によっては服薬が必要です
 ・ 早期に対策を行うと早く回復します
図

 ○ 周囲の人がした方がよいこと
 ・ うつ病の症状について質問し、原因について尋ねてください
 ・ 睡眠障害があったり、うつの症状が強くて日常の仕事、家事などが困難であれば、休養と治療を勧めてください
 ・ 保健所、精神保健福祉センターや医療機関(精神科、心療内科、かかりつけ医)などで相談するよう勧めてください。誰かが付き添って行ってください
 ・ 本人が受診を拒否した場合、本人が信頼している家族、先輩、友人などから受診を勧めてもらってください
 ・ 治療が始まったら、本人の回復のペースに配慮して、支援をしてください
無理に外出・運動・気分転換を勧めずに、
本人がその気になった時点で
これらのことを支援してください。

7. 緊急時のために、次の情報を整理しておきましょう

いのちの電話(代表)      
かかりつけ医 電話      
精神科・心療内科クリニック、病院電話      
ホームページ      


〜 うつ病自己チェック 〜

チェック項目
1. 毎日の生活に充実感がない
2. これまで楽しんでやれていたことが、楽しめなくなった
3. 以前は楽にできていたことが、今ではおっくうに感じられる
4. 自分が役に立つ人間だと思えない
5. わけもなく疲れたような感じがする
判定方法
 上に挙げた状態のうち2項目以上2週間以上、ほとんど毎日続いていて、そのためにつらい気持になったり毎日の生活に支障が出たりしている場合にはうつ病の可能性がありますので、医療機関、保健所、精神保健福祉センターなどに相談してください。このほかに、眠れなくなったり食欲がなくなったりすることもよくあるので、そうした状態が続く場合にはうつ病の可能性も考えてみてください。

(平成11−12年度厚生科学研究費補助金障害保健福祉総合研究事業「うつ状態のスクリーニングとその転機としての自殺の予防システム構築に関する研究」 総合研究報告書」(主任研究者、大野裕)をもとに作成)



地域におけるうつ対策検討会 構成員  (五十音順)
平成十五年八月現在
麻原 きよみ 聖路加看護大学 地域看護学 教授
板波 静一 秋田県健康福祉部健康対策課 課長
(北のくに健康づくり推進会議代表幹事 自殺予防対策検討部会 担当)
今田 寛睦 国立精神・神経センター 精神保健研究所 所長
宇田 英典 鹿児島県伊集院保健所 所長
大野 裕 慶応義塾大学保健管理センター 教授
川上 憲人 岡山大学大学院医歯科学総合研究科衛生学・予防医学分野 教授
斎藤 友紀雄 日本いのちの電話連盟 常務理事
中村 純 産業医科大学精神医学教室 教授
西島 英利 日本医師会 常任理事
平野 かよ子 国立保健医療科学院 公衆衛生看護学部 部長
広瀬 徹也 (財)神経研究所附属晴和病院 院長
藤臣 柊子 漫画家 エッセイスト
(◎ 座長)


都道府県・市町村向けマニュアル策定グループ 構成員 (五十音順)
平成十五年九月現在
板波 静一 秋田県健康福祉部健康対策課 課長
(北のくに健康づくり推進会議代表幹事 自殺予防対策検討部会 担当)
今田 寛睦 国立精神・神経センター 精神保健研究所 所長
宇田 英典 鹿児島県伊集院保健所 所長
川上 憲人 岡山大学大学院医歯科学総合研究科衛生学・予防医学分野 教授
酒井 明夫 岩手医科大学医学部神経精神科学講座 教授
永田 頌史 産業医科大学産業生態科学研究所精神保健学 教授
平野 かよ子 国立保健医療科学院 公衆衛生看護学部 部長
(◎ グループリーダー)



地域におけるうつ対策検討会 運営要綱


1. 趣旨
 厚生労働省患者調査によると、うつ病を含む気分障害の総患者数は、平成8年の43万人から、平成11年には44万人となっており、複雑な社会構造やそれに伴うストレスの増加等を背景として着実に増加している。また、うつとの関連が深い自殺死亡者についても、その数は、平成10年には3万人を超え、その後も横ばいの状態にある。一方、平成14年12月には、厚生労働省の「自殺防止対策有識者懇談会」の最終報告において、早急に取り組むべき実践的な自殺予防対策として、うつ対策の必要性が指摘された。
 こうした状況の下、うつ対策として、保健医療従事者向けのマニュアル等を策定するなどの効果的な方策を検討するための検討会を開催し、もって国民の心の健康の保持・増進を図ることとする。


2. 検討課題
(1) 保健医療従事者向けうつ対応マニュアルについて
(2) 都道府県・市町村向けうつ対策推進方策マニュアルについて

3. 座長
検討会に座長を置くものとする。座長は委員の中から互選により選出するものとする。

4. 運営
(1) 検討会は、座長が必要に応じて召集する。
(2) 検討会は、その決定に基づき、必要に応じて作業グループで検討させることが できる。

5. その他
(1)  検討会は、原則として公開する。
(2)  検討会の事務局は、障害保健福祉部 精神保健福祉課において行う。
(3)  この要綱に定めるものの他、検討会の運営に関し必要な事項は、座長が障害保健福祉部長と協議の上定める。


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