1) | 北海道・北東北3県(青森県・岩手県・秋田県)の取り組み
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【 | 特徴】 自殺死亡率が高いという共通の健康課題を抱えた道県が県境を越えて、効率的・効果的うつ対策を講じる試みを行っている |
【 | 現状】 自殺死亡者数はここ数年全国的に増加しており大きな社会問題となっているが、特に北東北3県は自殺死亡率が全国平均に比べ非常に高く、また北海道でも近年自殺死亡者が急増し、特に50歳代後半の男性の高い自殺死亡率が目立っている。そのような現状もあり4道県が自殺予防に向けて、うつ対策に関する課題や情報、方策を共有する必要があった。 |
全国順位 | 道・県 | 人口10万対 |
1 | 秋田県 | 42.1 |
2 | 青森県 | 36.6 |
3 | 岩手県 | 35.6 |
21 | 北海道 | 24.6 |
全国平均 | 23.8 |
【 | 取り組みの経緯】 平成14年8月23日に秋田県で開催された「第6回北海道・北東北知事サミット」において、アクティブな生活を通じ、積極的に健康を享受する「21世紀型の健康づくり」が提唱された。同時に、「北のくに健康づくり推進会議」が設立され、北海道・北東北3県が広域連携組織として健康を育む地域づくりを積極的に進めることになった。 各道県部長で構成される推進会議のなかで主たる検討項目の一つとして、自殺予防対策が取りあげられ、推進会議のもとに設置された検討部会等において具体的な協議が始められた。 |
1 | .推進体制 各道県の部長を委員とした推進会議と健康推進関係部主管課長による幹事会、精神保健福祉センターの精神科医、担当課員等による専門的検討部会が設けられ、自殺予防対策を推進する。 |
(1 | )予防リーフレット うつ病に関する普及啓発を進めるために、うつ病の予防と早期発見・治療、地域や家族の役割、相談窓口等を内容とする一般向けリーフレットを作成し、各道県を通じて全世帯に配布する。 |
(2 | )予防活動マニュアル 各道県の活動事例を取り入れた一般科医や保健師等予防活動に携わる人のための専門的マニュアルを作成する。 |
(3 | )予防活動先進事例の紹介 各道県の先進的な事例を収集し情報提供することにより市町村等における取り組みを促進する。 |
(4 | )自殺予防に関する情報の共有化 各道県の精神保健福祉センターを自殺予防に関わる情報センターとして位置づけ、センター間で連携し情報の共有化を行う。 |
1. | 広域対応により、共通の課題や情報を有効活用した効果的・効率的事業展開が行われつつある |
2. | 精神保健福祉センターを中心として広域情報が集積されることにより、情報の精度が高まるとともに、行政施策に反映される可能性が期待される |
1. | それぞれの地域における課題や取り組みの手法が普遍化、共通化できない場合の対応 |
2. | 地域における精神科専門医療機関の確保 |