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1)相談窓口
うつ病について相談できる窓口が設置されれば、住民は相談をしやすくなる。
すでに保健所や市町村等におかれている精神保健福祉相談の窓口をうつ病の相談窓口として利用する場合には、精神保健福祉相談においてうつ病に関する相談を積極的に受け入れていることを広く広報することが必要である。また、うつ病専用の相談日を作ることなども有効である。
相談窓口では、十分に時間を割いて本人のみならず家族や周囲の人たちの話を傾聴することが重要である。
特に、窓口においては、必要に応じて、うつスクリーニングや、医療機関への受診勧奨を行うことは重要である。また、うつ病は多くの者が回復する病気であること、早期に治療を行う程回復が早いこと、早期に医療機関を受診する必要性について説明することも重要である。うつスクリーニングは、その後の適切な診断と治療、フォローアップを十分に行うことではじめて、うつ病治療に対する効果を見込める。そのため、相談窓口担当には、うつ病に関する基本的な知識に加え、面接技法や診断・治療などに関する知識等についても講習会等で習得することが必要である。また、うつ病の治療を受けている住民に対しては、継続治療の重要性を伝えることも必要である。
うつ病や抑うつ状態は、深い悩み事としてとらえられていたり、疲労や体調不良などの身体的な問題としてとらえられている場合が多い。そのため、一般健康相談や生活・福祉相談にうつ病や抑うつ状態の者が相談することも考えられる。こうした場面で、常にうつ病を意識した問診や相談がなされるとよい。うつスクリーニングを補助的な検査として実施することも考えられる。仕事や人間関係・自分の身体や将来のことなどで悩んでいるのを見たとき、それがうつ病の可能性もあることを想定して、的確に対応することが必要である。 |