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IV  生活扶助基準の改定方式について

改定の考え方(水準均衡方式)
 生活扶助基準の改定は、政府経済見通しの民間最終消費支出の伸びを基礎とし、国民の消費動向や社会経済情勢を総合的に勘案して決定することとしている。
 具体的には、この民間最終消費支出の伸びを基礎とし、生活扶助以外の扶助の対象となる家賃等を除外するとともに、人口増減の影響を調整して改定率を設定している。


(参考1)生活扶助基準及び加算のあり方について(意見具申)−抜粋−
(昭和58年12月23日 中央社会福祉審議会)
 生活扶助基準改定方式
(1 )生活保護において保障すべき最低生活の水準は、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定すべきであり、生活扶助基準の改定に当たっては、当該年度に想定される一般国民の消費動向を踏まえると同時に、前年度までの一般国民の消費水準との調整がはかられるよう適切な措置をとることが必要である。

(2 )また、当該年度に予想される国民の消費動向に対応する見地から、政府経済見通しの民間最終消費支出の伸びに準拠することが妥当である。
 なお、賃金や物価はそのまま消費水準を示すものではないので、その伸びは、参考資料にとどめるべきである。


(参考2)民間最終消費支出の動向

  民間最終消費支出(除外後)
見通し 実績見込 実績
13年度 0.5 △2.8 △0.7
14年度 △1.6 △0.6 △0.6
15年度 △0.9    
 平成14年度の実績は速報値である(平成15年11月14日現在)


生活扶助基準の改定率の推移
 最近の改定率については、以下のとおり。
 平成15年度においては、制度上初めて0.9%の引き下げ改定を行ったところ。

  11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
改定率 0.3% 0.1% 0.0% 0.0% △0.9%

注) 平成13年度・14年度は、国民の消費動向や社会経済情勢を総合的に勘案して据置きとした。

(参考3)民間最終消費支出と生活保護制度との関係(平成15年度)

 民間最終消費支出の見通し

生活費 → △0.9%




全体で△0.4%
その他(住宅費・医療費等)  → +1.4%
 生活保護制度における取り扱い
生活費 生活扶助 △0.9%
住宅費 住宅扶助 基準額の範囲内で実額を給付
医療費 医療扶助 国民健康保険並びでの給付


(備考)年金の改定方式について
 年金額等については、物価の変動に応じて自動的に額を改定することとなっており、具体的には、毎年の消費者物価指数(年平均)の対前年比に従って、次年度の年金額等が改定される。(自動物価スライド制)

  11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
改定率 0.6% 0.0% 0.0% 0.0% △0.9%



水準均衡方式による生活扶助基準の改定率について

  (参考)
  生活扶助基準改定率 消費者物価指数 賃金(現金給与総額)   基礎年金改定率
(暦年) 調査産業計(事業所規模30人以上)
指数 指数 指数 指数
昭和59年度=100 平成7年度=100 昭和59年=100 平成7年=100 昭和59年度=100 平成7年度=100 昭和59年度=100 平成7年度=100
昭和59年度   2.9% 100.0   2.3% 100.0   3.5% 100.0     2.0% 100.0  
60年度   2.9% 102.9 2.0% 102.0 3.1% 103.1   3.4% 103.4
61年度   2.0% 105.0 0.6% 102.6 2.3% 105.5   2.7% 106.2
62年度   1.7% 106.7 0.1% 102.7 2.0% 107.6   0.6% 106.8
63年度   1.4% 108.2 0.7% 103.4 3.8% 111.7   0.1% 106.9
平成 元年度
  4.2% 112.8 2.3% 105.8 4.2% 116.4 ※2 0.7%
(5.5%)
107.7
(113.6)
2年度   3.1% 116.3 3.1% 109.1 4.6% 121.7   2.3% 116.2
3年度   3.4% 120.2 3.3% 112.7 3.3% 125.7   3.1% 119.8
4年度   3.1% 124.0 1.6% 114.5 1.4% 127.5   3.3% 123.8
5年度   2.2% 126.7 1.3% 116.0 0.9% 128.6   1.6% 125.8
6年度   1.6% 128.7 0.7% 116.8 1.9% 131.1 ※2 1.3%
(4.4%)
127.4
(133.0)
7年度   1.0% 130.0 100.0 △0.1% 116.7 100.0 1.4% 132.9 100.0   0.7% 133.9 100.0
8年度   0.7% 130.9 100.7 0.1% 116.8 100.1 2.3% 136.0 102.3   0.0% 133.9 100.0
9年度   2.2% 133.8 102.9 1.8% 118.9 101.9 1.1% 137.5 103.4   0.0% 133.9 100.0
10年度   0.9% 135.0 103.8 0.6% 119.6 102.5 △1.6% 135.3 101.8   1.8% 136.3 101.8
11年度   0.3% 135.4 104.2 △0.3% 119.3 102.2 △0.7% 134.3 101.1   0.6% 137.2 102.4
12年度   0.1% 135.5 104.3 △0.7% 118.4 101.5 0.4% 134.9 101.5 ※3 0.0% 137.2 102.4
13年度 ※1 0.0% 135.5 104.3 △0.7% 117.6 100.8 △0.7% 133.9 100.8 ※3 0.0% 137.2 102.4
14年度 ※1 0.0% 135.5 104.3 △0.9% 116.5 99.9 △2.0% 131.2 98.7 ※3 0.0% 137.2 102.4

資料:消費者物価指数年報(総務省)、毎月勤労統計調査年報(厚生労働省)

※1  平成13年度及び14年度については、国民の消費動向や社会経済情勢を総合的に勘案して据え置いた。

(注)昭和61年度までは拠出年金の改定率。

※2  平成元年度及び6年度の下段( )は財政再計算による改定(別掲)。
※3  平成12年度から14年度については、特例法により、年金額を据え置いた。


生活扶助基準等の改定率の推移


生活扶助基準等の改定率の推移の図


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