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子どもの視点
我が国は、児童の権利に関する条約の締約国としても、子どもにかかわる種々の権利が擁護されるように施策を推進することが要請されている。このような中で、子育て支援サービス等により影響を受けるのは多くは子ども自身であることから、次世代育成支援対策の推進においては、子どもの幸せを第一に考え、子どもの利益が最大限に尊重されるよう配慮することが必要であり、特に、子育ては男女が協力して行うべきものとの視点に立った取組が重要である。
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次代の親づくりという視点
子どもは次代の親となるものとの認識の下に、豊かな人間性を形成し、自立して家庭を持つことができるよう、長期的な視野に立った子どもの健全育成のための取組を進めることが必要である。
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サービス利用者の視点
核家族化や都市化の進行等の社会環境の変化や国民の価値観の多様化に伴い、子育て家庭の生活実態や子育て支援に係る利用者のニーズも多様化しており、また、農林水産業等の個々の業種ごとの家庭の特性を踏まえることも必要であることから、次世代育成支援対策の推進においては、このような多様な個別のニーズに柔軟に対応できるように、利用者の視点に立った柔軟かつ総合的な取組が必要である。
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社会全体による支援の視点
次世代育成支援対策は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、国及び地方公共団体はもとより、企業や地域社会を含めた社会全体で協力して取り組むべき課題であることから、様々な担い手の協働の下に対策を進めていくことが必要である。
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すべての子どもと家庭への支援の視点
次世代育成支援対策は、子育てと仕事の両立支援のみならず、子育ての孤立化等の問題を踏まえ、広くすべての子どもと家庭への支援という観点から推進することが必要である。
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地域における社会資源の効果的な活用の視点
地域においては、中には、子育てに関する活動を行うNPO、子育てサークル、母親クラブを始めとする様々な地域活動団体、社会福祉協議会やベビーシッター等の様々な民間事業者、主任児童委員等が活動するとともに、高齢者、障害者等に対するサービスを提供する民間事業者等もあるほか、子育て支援等を通じた地域への貢献を希望する高齢者も多く、加えて森林などの豊かな自然環境や地域に受け継がれる伝統文化等もあることから、こうした様々な地域の社会資源を十分かつ効果的に活用することが必要である。
また、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第48条の2及び第48条の3の規定を踏まえた児童養護施設等及び保育所の活用や、児童館、公民館、学校施設等を始めとする各種の公共施設の活用を図ることも必要である。
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サービスの質の視点
利用者が安心してサービスを利用できる環境を整備するためには、サービス供給量を適切に確保するとともに、サービスの質を確保することが重要である。このため、次世代育成支援対策においては、サービスの質を評価し、向上させていくといった視点から、人材の資質の向上を図るとともに、情報公開やサービス評価等の取組を進めることが必要である。
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地域特性の視点
都市部と農山漁村の間の相違を始め、人口構造や産業構造、更には社会資源の状況など地域の特性は様々であり、利用者のニーズ及び必要とされる支援策も異なることから、次世代育成支援対策においては、各地方公共団体が各々の特性を踏まえて主体的な取組を進めていくことが必要である。
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