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(兄弟姉妹以外を一律に限定することは適当か) |
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匿名性の保持の特例として、代表的には兄弟姉妹からの提供が考えられるところではあるが、提供者に十分な説明・カウンセリングの機会が保障され、かつ、実施医療施設の倫理委員会及び公的管理運営機関の審査会の事前の審査により、提供者に対する心理的な圧力の観点から問題がないこと及び金銭等の対価の供与が行われないことなどが確認される本制度において、当事者の個別具体の状況や考え方を勘案せず、提供を受ける者との血縁的な遠近のみによって一律に兄弟姉妹以外の者を対象外とすることは、特定の血縁関係を重視することともなり、提供者の範囲を過度に限定するものと考えられる。
このため、匿名性の保持の特例の範囲は「兄弟姉妹等」として、対象者の範囲を特に限定しないこととする。 |
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(匿名性の保持の特例の範囲を姉妹等からの卵子の提供に限定する必要があるか) |
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卵子については匿名の方からの提供を受けることが期待しがたいため、卵子の提供についてだけ匿名性の保持の特例として姉妹等からの提供を認めるべきという意見もあるが、出自を知る権利の内容等の制度整備の結果としては、今後、精子についても十分な提供数が確保されない可能性がある。 |
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このため、匿名性の保持の特例の範囲として、姉妹等からの卵子の提供に限定する必要はないものと考えられる。
(精子・卵子・胚のいずれについても【提供数>希望数】となる場合は、そもそも匿名性の保持の特例の対象とならない。) |
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(個別事案に対する二重審査) |
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兄弟姉妹からの提供に当たっては、実施医師が恣意的な判断により特例を濫用することを防止するため、個々の事例ごとに、事前に実施医療施設内の倫理委員会が、実施の適否、留意事項、改善事項等の審査を行い、さらに当該審査において実施の承認を得た事例については、公的管理運営機関の審査会が、個々の事例ごとに生殖補助医療の医学的妥当性、倫理的妥当性及び提供による生殖補助医療の結果生まれる子の福祉について等の観点から総合的に審査を行い、その適否を決定する。 |