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平成15年1月8日

「生物由来原料基準(平成14年12月18日開催の薬事・食品衛生審議会
生物由来製剤臨時部会で示された案;未定稿)」に対する意見


日本赤十字社


I.輸血用血液製剤総則

1.輸血用血液製剤総則「1」

 「ただし、血液によって伝播される病原体が医薬品の製造過程で不活化されるか又は除去されていることが確認されており、薬事法に基づく承認の際に規定するものを除く。」とされている。
 既に承認を受けている輸血用血液においても、将来、不活化・除去が行われる可能性を考慮して、平成11年8月30日付医薬発第1047号『血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン』に準拠し、「ただし、血液によって伝播される病原体が医薬品の製造過程の操作で不活化されるか又は除去されることが確認されている場合はこの限りでない。」としていただきたい。

2.輸血用血液製剤総則「4」

(1)  輸血用血液製剤の原材料として用いる血液について実施する試験として、「梅毒トレポネーマ」の血清学的検査の記載がない。
 現行基準の医薬品各条においては、採血の際、同時に採取された血液について試験すべき項目として梅毒血清学的試験が義務付けられているが、平成12年12月28日付厚生省告示第427号による基準改正において、平成13年3月1日より血液製剤総則に規定された。この際、医薬品各条「人全血液」からは梅毒血清学的試験が削除されておらず、重複記載になっているため、「梅毒トレポネーマ」の血清学的検査については血液製剤総則に記載し、医薬品各条から削除していただきたい。
 なお、今回、国から示された案では、採血された血液を用いた血液型の試験について、感染症の血清学的試験、核酸増幅検査と同様に血液製剤総則に記載されている。これについても重複記載を避けるため、血液製剤総則のみの記載とし、医薬品各条から削除していただきたい。

(2)  平成12年12月28日付医薬審第1848号『生物学的製剤基準の一部改正について』により、「特に血清学的検査による肝炎ウイルスの試験結果については、ウイルス学的知見を勘案し、感染の危険性について総合的に判断すること。」とされているので、「ただし、血清学的検査による肝炎ウイルスに係る試験結果については、ウイルス学的知見を勘案し、感染の危険性について総合的に判断する。」を文末に記載し整合していただきたい。

3.輸血用血液製剤総則の「5」及び「6」

 血漿分画製剤総則5(1)では、1つの項の中で記載してあるため、輸血用血液製剤総則の「5」及び「6」は分割せず、1つの項の中で記載していただきたい。


II.血漿分画製剤総則

1.血漿分画製剤総則「1」

 「ただし、血液によって伝播される病原体が医薬品の製造過程で不活化されるか又は除去されていることが確認されており、薬事法に基づく承認の際に規定するものを除く。」とされているが、平成11年8月30日付医薬発第1047号『血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン』に準拠し、「ただし、血液によって伝播される病原体が医薬品の製造過程の操作で不活化されるか又は除去されることが確認されている場合はこの限りでない。」としていただきたい。

2.血漿分画製剤総則「4」

(1)  血漿分画製剤の原材料として用いる血液に「梅毒トレポネーマ」と「HTLV-I」の血清学的検査の記載がない。
 国内献血による血漿分画製剤の原材料として用いる血液に「HTLV-I」の血清学的検査を求めるものでないのであれば、平成11年3月30日付医薬血第33号『HTLV-I抗体陽性献血者に対する結果通知及び相談事業並びにHTLV-I抗体陽性血液の血漿分画製剤製造への使用禁止について』を廃止していただきたい。
 また、同様に、昭和61年9月18日付薬生第105号『献(供)血血液に対するAIDS及びATL抗体検査の実施に伴う血液製剤の取扱いについて』で示されている国内献(供)血血液を原料とする場合にのみ求められている、ATL抗体検査を行い、陰性のもののみを使用する規定について廃止していただきたい。

(2)  平成12年12月28日付医薬審第1848号『生物学的製剤基準の一部改正について』により、「特に血清学的検査による肝炎ウイルスの試験結果については、ウイルス学的知見を勘案し、感染の危険性について総合的に判断すること。」とされているため、「ただし、血清学的検査による肝炎ウイルスに係る試験結果については、ウイルス学的知見を勘案し、感染の危険性について総合的に判断する。」を文末に記載し整合していただきたい。

3.血漿分画製剤総則「5」

(1)  「原血漿の定義」(人数等)に関する記載がない理由を示していただきたい。

(2)  平成11年8月30日付医薬発第1047号『血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン』を踏まえ、「当該血漿が既に原血漿として製造に用いられている場合であって、当該ウイルスが製造過程で不活化又は除去されることが別に定める指針に従って確認された場合にはこの限りでない。」を文末に記載していただきたい。


III.その他

1.  「総則」は、「通則」における各種用語の定義、「医薬品各条」における記載と密接に連動する。
 「総則」のみでなく、「通則」及び「医薬品各条」もあわせて示していただきたい。

2.  輸血用血液製剤総則「2(2)」と血漿分画製剤総則「2(2)」の記載に整合性がとれていない箇所があるので修正していただきたい。(用手法、アフェレーシス 等)

3.  通則では「医療機器」と記載されているが、血液製剤総則では「医療用具」と記載されており、整合性がとれていないので修正していただきたい。


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