(5) |
失業期間中の生計等 |
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(1) |
主な収入 |
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完全失業者374万人中、「収入なし」が190万人と過半数。収入がある者では,「雇用保険(失業給付)」が77万人,「年金・恩給」が33万人など。 |
(総務省統計局「就業希望状況調査 (平成14年4月・5月平均結果)」) |
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(2) |
世帯主が完全失業者である世帯における家計をまかなった主な収入 |
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「年金・恩給」23.9%、「雇用保険(失業給付)」22.5%,「預貯金等財産の取り崩し」21.1%など。 |
(総務省統計局「就業希望状況調査 (平成14年4月・5月平均結果)」) |
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(3) |
完全失業者の雇用保険(失業給付)の受給状況 |
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「受給・受給予定」101万人、「受給していない255万人」 |
(総務省統計局「就業希望状況調査 (平成14年4月・5月平均結果)」) |
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(4) |
勤労者世帯との家計の比較(世帯主年齢40-59歳) |
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勤労者世帯の場合
実収入603,611円、可処分所得493,014円、消費支出385,641円 |
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失業者世帯(他に有業者なし)の場合
実収入220,500円、可処分所得195,073円、消費支出279,339円
( 対勤労者世帯 実収入0.37、可処分所得0.40、消費支出0.72 ) |
(総務省統計局「全国消費実態調査 (1999年)」) |
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4 失業者についての様々な考え方と論点 |
3を踏まえると、例えば次のような対応が考えられるが、それぞれに関する論点をどのように考えるか。 |
(1) |
失業者は厚生年金の(強制、任意も含め)加入対象としないが、失業期間が存在することが、年金額の算定上不利になりにくい制度設計(例:厚生年金の加入期間のうち、賃金の高い一定の期間(例えば35年)のみを年金額算定上の基礎とする)とする考え方 |
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これに対しては、 |
(1) |
加入全期間を年金額算定の基礎としている我が国の年金制度体系の基本的な見直しが必要となる上、保険料負担と給付の連動を強めつつある世界的な年金改革の動向に逆行することとなるが、これをどう考えるか。 |
(2) |
年金財政への大規模な影響も避けられないが、これらの点をどう考えるか。 |
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(2) |
失業期間中も厚生年金に強制加入とした上で、保険料を免除するとともに、当該期間を年金算定の基礎となる期間として扱う考え方 |
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これに対しては、 |
(1) |
定型的には収入のない失業者について、一律に国民年金ではなく、報酬比例の仕組みをとる厚生年金に強制加入とすることが妥当かどうか。 |
(2) |
年金財政への影響が大きなものとなるのではないか。 |
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(3) |
失業給付をいわば賃金とみなして、失業者も厚生年金に強制加入し、保険料を賦課する考え方 |
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これに対しては、 |
(1) |
保険給付に公租公課を付加していない我が国の社会保障体系の下で、失業給付に公租公課たる年金保険料を賦課するという仕組み自体をどう評価するか。 |
(2) |
失業中であっても、失業給付が行われない期間がある場合には、保険料を賦課すべき賃金が存在しないこととなることをどう考えるか。 |
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(4) |
厚生年金に任意加入制度を設け、失業者はこれを利用して任意加入できるとする考え方 |
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これに対しては、厚生年金の任意加入制度や健康保険の例を参考にすると、保険料は事業主分も失業者が負担することとなるため、保険料負担が倍増することをどう考えるか。 |