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別添1

諸外国の公的年金制度における失業の扱い

<日本>
 (1)  国民年金の第1号被保険者となる(第3号被保険者である場合を除く)。
 (2)  失業者については、申請により、国民年金保険料の全額又は半額が免除される。

<アメリカ>
 (1)  21歳到達の翌年から62歳到達までの間における適用対象者の収入を再評価した値のうち、最も低い5年分を除いた35年間分の合計額を、35年で割った値(AIME。再評価後平均賃金月額)をもとに、基本年金額(PIA)を算定。
 (2)  これにより、最長5年間の失業期間がAIMEの算定から除外され得る。
 
(注)  AIMEは、高い方から並べた35年間の各年の対象所得(再評価後のもの)の平均として算定され、これに乗率を乗じることで基本年金額が求められる。

<イギリス>
 (1)  失業期間については、保険料が免除される。
 (2)  この場合、基礎年金に関し、所得最下限に係る保険料を拠出したものとみなされる(なお、報酬比例年金の受給にはつながらない)。

<ドイツ>
 (1)  失業期間については、保険料が免除されるとともに、保険加入期間として扱われる。
 (2)  当該期間については、全体の平均賃金に係る80%の賃金を得たものとみなして、報酬点数(ポイント)が算定される。
 
(注)  年金月額=個人報酬点数×年金種類要素×現実年金価値

<フランス>
 (1)  全労働期間中、最も多額の賃金(最評価後の額)を得た19年間(段階的引上げ中。2008年に25年)分の年平均賃金額により、「基準賃金」を算定。
 (2)  失業補償等の支給を受けていた期間については、「みなし加入期間」として保険料加入期間と同様に扱われる。
 
(注)  基準賃金×支給率(最大50%。40年の拠出が必要)×拠出4半期数/160月

<スウェーデン>
 (1)  失業給付(原則として従前所得の80%。費用の90%程度は国が負担)についても、年金保険料の賦課対象となる。
 (2)  年金保険料は、失業保険給付から天引きされる。


概略
  保険料の納付 失業期間中の加入 失業期間に係る賃金算定方式 備考
×
(定額給付)
給付は、基礎年金のみ。
× 免除以外の期間における平均賃金の80%の稼得があったものとして扱う。 財源は税により賄われる。
× 上位25年分の平均賃金にて基準賃金額を算定。
「みなし加入期間」として扱う。
基準賃金額に加入期間等を乗じて年金額を算定。
× × 上位35年間分の平均賃金を基に、平均賃金月額(AIME)を算定。 AIMEに乗率を掛けて年金額を算定。
スウェーデン 失業給付を所得として扱う。 失業給付(費用のほとんどを国が負担)への公租公課が認められている。
 

(国年)

(免除可)

(定額給付)
申請免除期間に係る給付は1/3に止まる。
【参考】

(健保)
従前賃金 又は 当該制度の平均賃金とする。 任意継続被保険者制度


(主要な参考資料)



別添2

我が国における社会保険への任意加入の例

1.第4種被保険者(任意継続被保険者)制度
 (1) 概要
   厚生年金の被保険者期間が10年以上ある者について、当該期間が原則20年に達するまで、個人での厚生年金への加入を認める仕組み。
 昭和60年改正により原則として廃止されたが、昭和16年4月1日以前に生まれている等の条件を満たす者に限り、第4種被保険者となることができる経過措置が設けられている。
 (注) 制度の趣旨
   「事業の都合や年齢−定年−の関係から、受給資格期間の完成を目前にして、被保険者の資格を意に反して喪失することを余儀なくされることが少なくないこと等から、個人加入によって被保険者資格を継続させる途を開くもの」(厚生年金保険法解説)。
 (2) 保険料
   標準報酬第4種被保険者となる前の最後の標準報酬に保険料率を乗じた額を、全額自己負担にて納付する。
 (注) 制度の趣旨
   65歳以上70歳到達時までの者であって適用事業所に使用されているものについては、平成14年4月以降、厚生年金の被保険者資格が65歳上70歳に到達までの者に拡大されることに伴い、一般の被保険者となった(保険料は労使折半)。

2.高齢任意加入被保険者制度
 (1) 概要
   老齢基礎年金の資格期間を満たしていない65歳以上の者であって適用事業所に使用されるものについて、資格期間を満たすまで厚生年金への任意加入を認める仕組み。
 (注) 平成14年4月以降、厚生年金の被保険者資格が65歳上70歳に到達までの者に拡大されることに伴い、一部の者は一般の被保険者となる。
 (2) 保険料
   通常の標準報酬に保険料率を乗じた額が保険料となり、事業主が同意すれば労使折半、同意しない場合は全額本人負担となる。

3.任意継続被保険者制度(健康保険)
 (1) 概要
   退職後において、被保険者期間が2ヶ月以上あった場合には、引き続き2年間(55歳以上で退職した者については、2年を過ぎても60歳になるか国保の退職被保険者となるまで)、政管健保又は健康保険組合(在職中に加入していた方)の被保険者となることができる仕組み。
 (2) 保険料
   保険料は、退職時の標準報酬月額か、属している制度の標準報酬月額の平均額(政管健保の場合、30万円(H12))のいずれか低い方の額を標準報酬月額として賦課(全額本人負担)。



別添3

1.離転職者の状況
 (1)  過去1年間の離職経験者(745万人)のうち、調査時点で就業者となっている者(転職者)は328万人(44.0%)。
 (2)  現職が雇用者である転職者は312万人(41.9%)であり、うち「正規の職員・従業員」は146万人、「パート・アルバイト」は132万人。
 (3)  離職期間別にみれば、1年以内に「正規の職員・従業員」として転職した者の転職時期は、約8.5割までが3ヶ月までとなっている。
  
正規の職員・従業員(現職) パート・アルバイト(現職)
「1ヶ月以下」 99万人(67.8%) 「1ヶ月以下」 4万人(56.1%)
「2,3ヶ月」 26万人(17.8%) 「2,3ヶ月」 28万人(21.2%)
「4,5ヶ月」 9万人(6.2%) 「4,5ヶ月」 12万人(9.1%)
「6ヶ月〜1年未満」 9万人(6.2%) 「6ヶ月〜1年未満」 12万人(9.1%)
(H13-2 労働力調査特別調査)

2.雇用保険の一般求職者給付の状況
 年齢別の受給者実人員数(短時間を除く)は、次のとおり。
  
30歳未満 30-45歳未満 45-60歳未満 60歳以上
100.3万人 19.1万人 20.0万人 34.1万人 27.1万人
(平成12年度 雇用保険事業年報)

3.健康保険における任意継続被保険者制度の活用状況
 (1)  任意継続被保険者数 (平成12年)
政管・・・ 622,544人/19,450,872人
組合・・・ 427,967人/15,182,187人
 (2)  年齢別構成 (平成12年)「出典:健康保険被保険者実態調査」
  60歳未満の者
 
   政管 50.6% (31.5万人程度)
組合 47.6% (20.4万人程度)  (計51.9万人程度)
  55歳未満の者
 
   政管 38.5% (24.0万人程度)
組合 31.1% (13.3万人程度)  (計37.3万人程度)
 (3)  任意継続被保険者数の動向(年度末)
(単位:人)
  政管健保 組合健保 船員保険 合計
平成3年 297, 951 207,086 10,011 515,048
平成4年 336, 081 228,292 9,656 574,029
平成5年 404, 859 271,617 9,813 686,289
平成6年 468, 445 313,666 9,135 791,246
平成7年 519, 057 346,084 9,042 874,183
平成8年 562, 568 359,590 8,864 931,022
平成9年 583, 986 376,146 8,967 969,099
平成10 625, 598 406,190 9,698 1,041,486
平成11 637, 582 439,541 9,243 1,086,366
平成12 622, 544 427,967 7,802 1,058,313
出典 : 社会保険庁事業年報



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