参考資料1 |
厚生労働大臣
坂口 力 殿
社会保障審議会医療分科会 会長 鴨下 重彦 |
昨年3月に東京女子医科大学病院において発生した、心臓手術を受けた女児が、手術中に人工心肺装置が一時的に所定の作動をしなかったことにより術後3日後に死亡した事故は、高度の医療を提供する医療機関として承認を受けた特定機能病院において発生したのみならず、更に、手術を担当した医師が業務上過失致死罪、証拠隠滅罪の疑いで逮捕される等医療に対する国民の信頼を揺るがす誠に遺憾な事件であった。
今回の事件の発生を契機として、東京女子医科大学病院における安全管理のための体制の確保に加え、事故後の対応の状況を含めて、これまで5回にわたり審議を重ねてきたところであるが、今回の事件では、
(1) | 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第9条の20第1号ハ及び「医療法の一部を改正する法律の一部の施行について」(平成5年2月15日付け厚生省健康政策局長通知)第1の5に定められた、医療事故等の院内報告制度が機能しておらず、安全管理委員会への報告が行われていなかったこと及び職員の研修や指針の整備が不十分であったこと |
(2) | 遺族等からの指摘があるまで医療事故に関する事実関係等について原因の究明や遺族等に対する説明がなされなかったこと |
(3) | 当該手術に多くの関係者が関与していたにもかかわらず、事実関係が隠ぺいされた上、隠ぺいを目的とした諸記録の改ざんが行われていたこと |
東京女子医科大学病院に対しては、医療法(昭和23年法律第205号)第29条第4項第4号の規定に基づき、特定機能病院の承認の取消が相当であること。