戻る  前へ  次へ

資料2
平成14年度達成すべき目標の取組状況に対する評価等(要旨)
〜 政府管掌健康保険事業関係 〜


1.実績報告の内容

 目標達成に向けて実施した具体的な事項(何をやったか)
 特に、目標達成に向けて行った新規取組み、または重点的取組み
また、取組内容が通達、事業計画等に基づく庁全体での取組みである場合は、当該通知及び事業計画等(該当通知等が多数ある場合は代表例)
 数値目標の取組状況については、できるだけ具体的な数字に基づく分析内容等
 参考指標以外にも、庁の実績の理解に資する具体的な数値


2.実績に対する評価(抜粋)

達成すべき目標 実績に対する評価(概要)
1 適用事務に関する事項 (1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の適用対象事業所(船舶所有者を含む。)の適正な把握に努め、適用を促進すること。
  • 概ね適正に実施されているものと考えられる。
  • しかしながら、「平成13年行政評価・監視結果通知」及び会計検査院平成12年度決算結果報告の指摘については、既に一定の措置を講じているところであるが、これらの指摘の趣旨も踏まえ、今後とも改善を行っていく必要があると考えられる。
(2)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の事業主(船舶所有者を含む。)等に対し、適正な届出の励行を促進すること。
  • 概ね適正に実施しているものと言える。
  • しかしながら、会計検査院の決算結果報告もあり、今後とも、事業主の理解を得られるよう、一層努めるとともに、適正な届出が行われるよう引き続き効果的な措置について検討していくことが必要である。
(3)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の事業主(船舶所有者を含む。)に対する調査を効果的に実施し、被保険者及び被扶養者の資格、標準報酬を適正に把握すること。
  • 適正な把握のために有効な各種の調査を的確に選択して実施しているものと考えられる。
  • 今後とも、必要な改善を図っていくことが重要である。
2 保険料等収納事務に関する事項 (1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の保険料の納期内納入の励行指導、口座振替の促進等により、保険料及び児童手当の拠出金の適正な納入を促進すること。【前年度と同じ、又は上回る保険料収納率となること。】
  • 口座振替や納期内納入の実施について様々な時期や方法により勧奨しているものと考えられ、今後とも、それぞれ効果を検証しながら、効果的に取り組んでいくことが必要である。
  • 目標は一部達成できなかったが、保険料収納率の内訳を見ると、政管健保、厚生年金、船員保険それぞれで現年度、過年度ともに前年実績を上回ったこと、 制度上の違い等もあり単純に比較できないものの、他の収納担当組織との比較においては遜色ない水準を維持していることから、収納向上のための成果が認められる。
  • 今後とも、引き続き口座振替の促進を図っていくことが重要である。
(2)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の保険料の納期内納入の励行指導において、保険料等を滞納する事業主(船舶所有者を含む。)に対する納付の督促及び滞納処分を確実に実施すること。
  • 長期・大口滞納事業所に対しては地方社会保険事務局と社会保険事務所が一体となって取り組むなど、全体的な取組としては、適正に実施していると考えられる。
  • しかしながら、依然として保険料を滞納する事業主が見受けられることから、今後とも、事業主の理解が得られるよう一層努めるとともに、引き続き確実な保険料収納の確保に努めていくことが重要である。
3 保険給付事務に関する事項 (1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業におけるレセプト点検調査、第三者に対する損害賠償請求権の行使等を通じて、医療費適正化を推進すること。
【前年度の被保険者1名当たり点検効果額を上回ること。】
  • 全体的な取組としては概ね適正に実施されているが、船員保険については目標を達成することができなかった。
  • 今後とも引き続き適切な実施に努めていくことが必要である。
  • しかしながら、平成13年行政評価・監視結果通知の指摘事項も踏まえ適正な保険給付が行われるよう、引き続き必要な改善を図っていくことが必要である。
(2)政府管掌健康保険事業・船員保険事業において、傷病手当金等の現金給付の適正化を図ること。
  • 全体的な取組としては、適正に実施していると言える。
  • 今後とも、効率的で効果的な取組を実施していくことが重要である。
4 保健・福祉施設事業に関する事項 (1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業において、生活習慣病予防健診事業を効果的に実施するとともに、それに基づく事後指導等の事業を適切かつ効率的に実施すること。
  • 全体的な取組としては適正に実施されていると言える。
  • 今後とも、C型肝炎ウイルス検査の確実な実施を含め受 診者の増加やこれによる健康の保持増進・医療費の適正化の推進を図っていくことが必要である。
(2)社会保険事業に係る保健・福祉施設事業は、適切かつ効率的に実施すること。
  • 全体的な取組としては、適正に実施されていると言える。
  • これまでも、必要な見直しが行われてきたところであるが、「民間と競合する公的施設の改革について(平成12年5月26日閣議決定)」等の趣旨を踏まえ、今後その施設の見直しについて検討を進めていくべきである。
  • なお、社会保険病院については、それぞれの経営改善計 画に基づき、着実に経営改善が図られるよう、指導及び 検証していくことが必要である。
5 広報、情報公開、相談等に関する事項 (3)国民からの相談に対しては、懇切丁寧に対応すること。また、事業に対する意見は真摯に聞き、事業の改善に役立てること。
  • 概ね適正に実施されているものと言える。
  • 今後とも、行政サービスの改善に努めていくことが必要である。
(4)国民に対する情報提供の充実を図るとともに、レセプトの開示等についても適切に対応すること。
  • 概ね適正に実施されているものといえる。
  • 今後とも、情報提供の充実、適切なレセプト開示等に努 めていくことが必要である。




平成14年度に社会保険庁が達成すべき
目標についての評価
〜抄〜

(平成15年10月30日厚生労働省発政
第1030001号厚生労働大臣通知)

平成14年度に
達成すべき目標
1.適用事務に関する事項
(1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の適用対象事業所(船舶所有者を含む。)の適正な把握に努め、適用を促進すること。
指標名 新規適用事業所数、全被保険者資格喪失事業所数、適用事業所数、巡回説明事業所数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
新規適用事業所数
(政管健保・厚生年金)
事業所 61,287 57,015 53,658      
新規適用事業所数
(船員保険)
事業所 144 165 150      
全被保険者資格喪失事業所数
(政管健保・厚生年金)
事業所 76,723 87,199 90,738      
全被保険者資格喪失事業所数
(船員保険)
事業所 439 465 656      
適用事業所数
(政管健保)
事業所 1,541,989 1,522,868 1,496,270      
適用事業所数
(船員保険)
事業所 7,100 6,912 6,611      
適用事業所数
(厚生年金)
事業所 1,674,165 1,651,493 1,628,841      
巡回説明事業所数 事業所 30,115 31,508 37,178      
2.目標達成に向けての取組状況
 未適用事業所の把握及び適用の促進については、「政府管掌健康保険及び厚生年金保険の未適用事業所に係る適用促進について」(平成12年10月18日庁文発第2046号)等の通知に基づき実施してきたところであるが、平成14年9月に当該通知を廃止し、新たに「政府管掌健康保険及び厚生年金保険の未適用事業所に対する適用促進について」(平成14年9月26日庁文発第2086号)等の通知を発出し、未適用事業所の把握及び適用の促進について実施しているところである。また、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画における重点事項として定め、医療保険事業等の適正な運営及び費用負担の公平性を図るため、未適用事業所を的確に把握するとともに、適用を推進し、適用の適正化に努めた。
 具体的には、これまで実施してきた商業登記申請書や法人登記申請書、船員法適用船舶所有者名簿の閲覧、新規設立法人事業所一覧表、就労実態調査対象者一覧表の活用に加え、平成14年度より厚生年金保険と労働保険の適用事業所に関するデータを突合し、この情報を活用して未適用事業所の適正な把握に努めた。
 これら未適用事業所に対して、電話、文書(勧奨状)、職員や社会保険労務士を活用した巡回説明等により適用勧奨に努めた。

 また、事業主を対象とした説明会の実施及び商工会等関係機関に対して適用勧奨リーフレット等の配布依頼を行うなど事業主等に対する制度の周知に努めた。
 しかしながら、事業主の制度に対する理解不足や厳しい経済情勢の影響から、加入勧奨にもかかわらず、適用されない事例が今年度も見受けられたことから、引き続き電話及び巡回説明等による適用勧奨により事業主等の理解を求め、未適用事業所に対する適用の適正化に努めていくこととしている。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 政管健保・船員保険・厚生年金の適用は、これらの被保険者等となるべき者の医療の保障や将来における厚生年金等の受給権を確保するための端緒となるものであるとともに、国民間の公平な費用負担の確保のためにも、未適用事業所の把握及び適用の促進を適正に実施する必要がある。

○ 社会保険庁(以下「庁」という。)の平成14年度における取組状況は、実績報告書によれば、本庁の示した方針により、様々な手段により幅広く情報収集を行い、それにより把握された未適用事業所に対して、前年度に比しても多くの回数の巡回説明等を行っており、全体的な取組としては効果的な方法により概ね適正に実施されているものと考えられる。
 しかしながら、総務省による「政府管掌健康保険事業等に関する行政評価・監視」(平成13年9月。以下「平成13年行政評価・監視結果通知」という。)において、「商業登記申請書等の閲覧を行っていない社会保険事務所が存在するなど、これらの取組が必ずしも十分ではなく、さらに効果的で効率的に実施されるべき」と指摘されているところでもある。
 さらに、会計検査院の平成12年度決算検査報告によれば、全喪処理された事業所につき、事業実態について具体的な確認方法を定める必要があるとの指摘もある。
 これらの指摘については、既に庁において一定の措置を講じているところであるが、これらの指摘の趣旨も踏まえ、今後とも改善を行っていく必要があると考えられる。
 また、加入勧奨にもかかわらず、厳しい経済情勢の中、事業主の制度に対する理解を得られずに適用されない事例もあるとのことでもあるが、今後とも、事業主の理解を得られるよう一層努めるとともに、適正な適用が行われるよう引き続き効果的な措置について検討することが必要である。
(備 考)


平成14年度に
達成すべき目標
1.適用事務に関する事項
(2)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の事業主(船舶所有者を含む。)等に対し、適正な届出の励行を促進すること。
指標名 説明会開催数、調査官総合調査件数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
説明会開催数 3,967      
調査官総合調査件数 事業所 361,049 344,175 329,570      
2.目標達成に向けての取組状況
 適正な届出の励行を促進することについては、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画に定め、総合調査の際に事業主に対する指導の実施、事業主を対象とした新規適用事業所説明会、算定基礎説明会などを開催するとともに、定時決定時の調査(船員保険においては、標準報酬実態調査での実施)及び各種広報媒体(チラシ・パンフレットの配布及び各種広報誌での説明)による制度の周知を図り、適正な届出の励行に努めた。
 しかしながら、事業主の制度に対する理解不足等により、適正な届出の励行を促進しているのにもかかわらず、適正な届出がなされていない事例が今年度も見受けられたことから、引き続き各種説明会の開催及び各種広報媒体による制度の周知を図ることにより適正な届出の励行に努めていくこととしている。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 政管健保・船員保険・厚生年金に係る事業主等からの適正な届出は、被保険者の資格関係や標準報酬等を把握し、適正な事業運営と公平な費用負担のために必要不可欠なものである。そのためには、まず、事業主等からこれらの届出が適正になされるよう、事業主等に対する制度周知を十分に行い、励行する措置が重要である。

○ 平成14年度における庁の取組状況は、実績報告書によれば、本庁の示した方針により、総合調査の際の指導や事業主等を対象とした説明会等様々な手段により適正な届出の励行を実施しており、全体的な取組としては概ね適正に実施しているものといえる。
 しかしながら、会計検査院の平成4年度からの決算検査報告にあるように、特別支給の老齢厚生年金受給者を使用している事業所等の一部について、適正な届出がなされていないとの指摘もある。
 このようなものを含め、実績報告書によれば、届出の励行の促進にもかかわらず、平成14年度も事業主の理解不足等により適正な届出がなされていない事例もあるとのことであるため、今後とも、事業主の理解を得られるよう、一層努めるとともに、適正な届出が行われるよう引き続き効果的な措置について検討していくことが必要である。
(備 考)
算定基礎(定時決定)・・・  被保険者が実際に受ける報酬と、標準報酬が大きくかけ離れないよう に、毎年8月1日現在の全被保険者について、その年の5月、6月、7月に支給された報酬を届け出る必要がある。
 この届は、毎年1回保険料や保険給付の額の基礎となる標準報酬月額を決め直すもの。
 決め直された標準報酬月額は、当年10月から翌年9月まで使用される。

注) 法律改正により、平成15年度からは、毎年7月1日現在の全被保険者について、その年の4月、5月、6月に支給された報酬を届け出てもらい、決め直された標準報酬月額は、当年9月から翌年8月まで使用されることとされた。


平成14年度に
達成すべき目標
1.適用事務に関する事項
(3)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の事業主(船舶所有者を含む。)に対する調査を効果的に実施し、被保険者及び被扶養者の資格、標準報酬を適正に把握すること。
指標名 被保険者数(資格取得分)、被保険者数(資格喪失分)、被保険者数(年度末現在)、被扶養者数、定時決定時調査件数、調査官総合調査件数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
被保険者数(資格取得分)
(政管健保・厚生年金)
6,387,672 6,311,317 6,241,248      
被保険者数(資格取得分)
(船員保険)
26,766 25,722 23,841      
被保険者数(資格喪失分)
(政管健保・厚生年金)
6,787,711 7,030,012 6,700,243      
被保険者数(資格喪失分)
(船員保険)
31,998 31,881 29,550      
被保険者数(年度末現在)
(政管健保)
19,450,872 19,124,131 18,811,690      
被保険者数(年度末現在)
(船員保険)
83,691 78,153 73,438      
被保険者数(年度末現在)
(厚生年金)
32,192,494 31,575,928 32,144,195      
被扶養者数
(政管健保)
17,306,965 17,174,814 17,068,778      
被扶養者数
(船員保険)
144,575 134,211 124,930      
定時決定時調査件数 事業所 721,480 715,057 671,798      
調査官総合調査件数 事業所 361,049 344,175 329,570      
2.目標達成に向けての取組状況
 被保険者等の資格及び標準報酬の適正な把握については、「社会保険調査官の設置について」(昭和39年5月19日庁保発第19号)等の通知に基づき実施してきたところであるが、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画に定め、定時決定時の調査(船員保険においては、標準報酬実態調査での実施)、総合調査や賞与等支払届の適正化調査等を実施し、適正な把握に努めた。
 また、調査の方法について、派遣労働者、高齢就労者、短時間就労者、外国人就労者、在宅就労者及び国民健康保険組合加入者等が多いと見込まれる事業所等、適用漏れが多いと思われる業種について実施すること等を平成14年度事業計画に定め、事業主に対する調査を効率的に行い、併せて適正な届出の指導に努めた。
 なお、14年度においても、調査対象事業所を特定し重点的に行ったことから、社会保険調査官等による調査件数は前年度と比較して若干減少した。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 被保険者の資格関係や標準報酬等の適正な把握は、適正な事業運営と公平な費用負担のために必要不可欠なものである。そのためには、事業主の適正な届出によるとともに、事業主に対する調査を的確な手段を用いて効率的に行うことが重要である。

○ 平成14年度における庁の取組状況は、実績報告書によれば、本庁の示した方針により、適正な把握のために有効な各種の調査を的確に選択して実施しているものと考えられる。今後とも、引き続き、重点的かつ効果的な調査の実施につき、必要な改善を図っていくことが重要である。
(備 考)


平成14年度に
達成すべき目標
2.保険料等収納事務に関する事項
(1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の保険料の納期内納入の励行指導、口座振替の促進等により、保険料及び児童手当の拠出金の適正な納入を促進すること。【前年度と同じ、又は上回る保険料収納率となること。】
指標名 保険料収納率(下段()書きは現年度分の収納率)、口座振替事業所数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
保険料収納率
政府管掌健康保険
97.14
(98.89)
96.86
(98.82)
96.83
(98.97)
     
保険料収納率
船員保険
92.52
(96.88)
91.66
(97.05)
90.98
(97.43)
     
保険料収納率
厚生年金保険
97.85
(99.22)
97.64
(99.17)
97.71
(99.28)
     
口座振替事業所数
政管健保・厚生年金
事業所 1,438,778 1,434,671 1,410,048      
口座振替事業所数
船員保険
事業所 4,549 4,462 4,232      
2.目標達成に向けての取組状況
 保険料の適正な納入の促進については、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画における重点事項として定め、保険料の納期限内での納入を確実なものとさせるため、各事業所に対し口座振替の促進等に努めた。
 具体的には、新規適用時に納期内納入の実施や口座振替の実施を促し、適用後においては口座振替未実施の事業所に対し、口座振替納付用紙・口座振替勧奨状を送付、職員による電話・訪問による口座振替の実施について勧奨を行い、口座振替事業所の増加に努めた。
 また、広報誌等の活用、納期内納入についての依頼文書を作成し、納入告知書を送付する際に同封するなど、効率的・効果的な広報に努めた。
 14年度においては、現下の厳しい経済情勢の下ではあるが、全体として保険料収納率は、前年度を上回る傾向にある。
 厚生年金保険の保険料収納率については、当該年度分(99.28%(対前年度比0.11%増))、過年度分(23.71%(対前年度比0.21%増))及び当該年度と過年度を合わせた保険料収納率についても97.71%(対前年度比0.07%増)と前年度を上回った。政府管掌健康保険の保険料収納率については、当該年度分(98.97%(対前年度比0.15%増))及び過年度分(24.15%(対前年度比0.3%増))とも前年度を上回ったものの、過年度分の割合が増えたことから当該年度と過年度を合わせた保険料収納率は、96.83%(対前年度比0.03%減)と若干減少した。また、船員保険の保険料収納率についても、当該年度分(97.43%(対前年比0.38%増))及び過年度分(21.78%(対前年度比0.76%増))とも前年度を上回ったものの、過年度分の割合が増えたことから当該年度と過年度を合わせた保険料収納率は、90.98%(対前年度比0.68%減)と若干減少した。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 保険料等が適正に納入されることは、政府管掌健康保険、厚生年金保険、船員保険という社会保険を運営していく上で必要不可欠である。また、口座振替の促進は、保険料等の確実な納入に資するとともに、庁及び事業主ともに事務コストなどの効率化につながるものであり、これを促進していくことが重要である。

○ 平成14年度の庁における取組状況は、保険料の納期限内での納入を確実なものとするため、口座振替や納期内納入の実施について様々な時期や方法により勧奨しているものと考えられ、今後とも、それぞれの効果を検証しながら、効果的に取り組んでいくことが必要である。

○ 平成14年度の保険料収納率は、政管健保96.8%、厚生年金97.7%、船員保険91.0%(平成13年度政管健保96.9%、厚生年金97.6%、船員保険91.7%)であり、厚生年金保険を除き、前年度に比して若干低下している。平成14年度においては、保険料収納率の維持・向上を図ることを目標としたところであるが、厳しい経済情勢の影響により、当該目標は一部達成できなかった。ただし、保険料収納率の内訳を見ると、政管健保、厚生年金、船員保険それぞれ現年度、過年度ともに前年実績を上回ったこと、また、制度上の違い等もあり単純に比較できないものの、他の収納担当組織との比較においては遜色ない水準を維持していることから、収納向上のために実施した様々な取組の成果が認められ、今後、目標の達成に向け、より一層の取組が期待される。
 また、口座振替を行う事業所数については、適用事業所数の減少等により減少していることから、今後とも、引き続き口座振替の促進を図っていくことが重要である。
(備 考)
 保険料調定額・・・ 当該年度内に現金で徴収すべき保険料として、歳入徴収官が調査決定した額の合計額。


平成14年度に
達成すべき目標
2.保険料等収納事務に関する事項
(2)政府管掌健康保険事業・船員保険事業・厚生年金保険事業の保険料の納期内納入の励行指導において、保険料等を滞納する事業主(船舶所有者を含む。)に対する納付の督促及び滞納処分を確実に実施すること。
指標名 保険料収納額、拠出金収納額、保険料調定額、拠出金調定額、差押え事業所数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
保険料収納額
(政管健保)
億円 61,169 62,208 60,470      
保険料収納額
(船員保険)
億円 719 710 666      
保険料収納額
(厚生年金)
億円 200,512 199,360 202,034      
拠出金収納額
(児童手当)
億円 1,359 1,351 1,352      
保険料調定額
(政管健保)
億円 62,967 64,222 62,453      
保険料調定額
(船員保険)
億円 777 774 732      
保険料調定額
(厚生年金)
億円 204,916 204,176 206,768      
拠出金調定額
(児童手当)
億円 1,371 1,365 1,365      
差押え事業所数 事業所 17,829 19,715 20,474      
2.目標達成に向けての取組状況
 滞納事業所に対する納付の督促及び滞納処分については、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画における重点事項として定め、保険料滞納の発生防止のための納付督励、滞納処分の早期着手等の確実な実施により、保険料収入の確保に努めた。
 具体的には、新規に口座振替が不能となった事業所については、保険料滞納の発生防止のために、速やかに電話等で納入督励を実施し、納入告知書を再送付するなど新規滞納事業所を増加させないよう努めた。
 また、指定期限までに納入がない事業所については、各地方社会保険事務局において、滞納処分実施要綱や滞納処分マニュアルの活用により、速やかな納入の督励、滞納処分を実施するよう社会保険事務所を指導し、これら滞納処分実施要綱等に基づき社会保険事務所においては、新規滞納事業所に対し、電話、事業所への訪問、来所通知書による呼出により、事業主と面談し、未納保険料の収納に努めるとともに、納入が遅れる場合は納付計画を提出させ納入の確約をとるなど保険料の確実な収納に努めた。
 更に、納入計画不履行となった事業所や長期・大口滞納事業所について、取引金融機関や関係官公署における預貯金、取引先事業所及び不動産等の財産調査を行い、差押予告通知を発出するなどの納付督励に努め、進展がない事業所に対しては差押えの実施による確実な滞納整理に努めた。特に、長期・大口滞納事業所を含めた納付困難事案等に積極的に対応するためには、地方社会保険事務局と社会保険事務所の連携を図っていくことが必要であることから、社会保険事務所の保険料収納対策を支援するため、保険料特別徴収専門官を地方社会保険事務局に設置するなど、地方社会保険事務局と社会保険事務所が一体となった効果的かつ効率的な対策を進めてきたところである。
 近年の厳しい経済状況を踏まえ、上記による取り組みのほか、定期的な進捗会議の開催や徴収課以外の職員が応援するなど徴収体制の充実を図ってきたところである。
 また、各社会保険事務局においては徴収事務研修を開催するなど、徴収職員の資質の向上を図り、保険料収納の確実な確保に努めるとともに、社会保険庁本庁において、滞納整理に関するマニュアル等を作成し、必要に応じ、本庁職員が当該研修に出向き、指導を行うなど、地方社会保険事務局の取組を支援してきたところである。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 保険料等の滞納に対する納付の督促と滞納処分については、確実な保険料等の収納とともに、納付者の制度への信頼性の確保の観点から、厳格かつ確実に実施する必要がある。

○ 平成14年度における庁の取組状況は、保険料滞納の発生防止のための納付督励や滞納処分の早期着手に取り組むため、各社会保険事務局において作成した滞納処分実施要綱等に基づき、新規滞納事業所に対する早期の対応を行うとともに、特に長期・大口滞納事業所に対しては地方社会保険事務局と社会保険事務所が一体となって取り組むなど、全体的な取組としては、適正に実施していると考えられる。

○ しかしながら、依然として保険料を滞納する事業所が見受けられることから、今後とも、事業主の理解が得られるよう一層努めるとともに、引き続き確実な保険料収納の確保に努めていくことが重要である。
(備 考)


平成14年度に
達成すべき目標
3.保険給付事務に関する事項
(1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業におけるレセプト点検調査、第三者に対する損害賠償請求権の行使等を通じて、医療費適正化を推進すること。【前年度の被保険者1名当たり点検効果額を上回ること。】
指標名 被保険者1人当たり点検効果額、医療費通知件数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
被保険者1人当たり点検効果額
(政管健保)
3,797 3,819 3,919      
被保険者1人当たり点検効果額
(船員保険)
10,090 10,842 10,589      
医療費通知件数
(政管健保)
14,813,172 16,661,221 17,357,178      
医療費通知件数
(船員保険)
78,947 73,170 74,264      
2.目標達成に向けての取組状況
 レセプト点検調査、第三者に対する損害賠償請求権の行使等を通じた医療費適正化の推進については、「診療報酬明細書等の点検調査について(通知)」(平成10年6月23日庁保険発第11号)等の通知に基づき実施してきたところであるが、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画における重点事項として定め、保険者機能の強化を図るため、特にレセプト点検調査の効率化を図るとともに、縦覧点検及び外傷性点検のより一層の充実に努めた。
 具体的には、各地方社会保険事務局における医療費適正化推進委員会等により具体的な対策の策定を行うとともに、レセプト点検調査に当たっては、
○ 上記具体的な対策に基づく単月点検、縦覧点検及び外傷性点検の重点実施
○ 職員を始めとするレセプト点検従事者の資質向上のための各種研修の実施
○ 非常勤審査医師等による疑義レセプトに関する指導助言の実施
○ 保険医療機関等指導監査担当部署からの医療機関指導結果等情報を活用したレセプト点検の実施
などにより適切な保険給付の実施に努めた。
 その結果、政府管掌健康保険の被保険者1人当たりの点検効果額については、3,919円(対前年度比100円増)と目標が達成できた。特に、その内訳をみると、縦覧点検等の内容点検による点検効果額の伸びが大きくなっている。
 一方、船員保険については、レセプト1件当たりの医療費が前年度より減っている状況(対前年度比3.15%減)にある。その影響から、レセプトの請求金額全部が過誤調整されることとなる資格点検結果について、件数が伸びているにもかかわらず金額については前年度に比べ10.9%の減となっている状況にあり、10,589円(対前年度比253円減)と前年度を若干下回る結果となった。
 なお、平成15年2月から順次レセプト情報管理システムを導入し、レセプトの抽出・配列業務等の事務について省力化を図り、今後、レセプト点検調査のより一層の充実に努めることとしている。
 レセプト点検調査等の結果、第三者行為保険事故に該当すると思われるものについては、事故状況等の調査確定を迅速に行うとともに顧問弁護士を活用し求償権の確実な行使に努めた。
 また、事業所及び被保険者等に対しては、レセプトより得られる情報を基に、保健師並びにパンフレット等を活用した適正受診の指導、啓発を行うとともに2ヶ月分相当の医療費通知の確実な実施に努めた。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ レセプト点検調査や第三者に対する損害賠償請求権の行使は、正当で無駄のない保険給付を確保し、医療費の適正化を図るために適正に実施する必要がある。また、医療費の通知については、医療費の適正化とともに、医療費や医療保険制度に関する被保険者の理解を深めるという意味においても、確実に実施することが重要である。

○ 平成14年度における庁の取組は、レセプト点検にあっては点検内容の充実やレセプト点検従事者の資質向上のための各種研修の実施、第三者に対する損害賠償請求にあっては顧問弁護士の活用等、医療費の通知にあっては適正受診の指導等と併せた確実な実施と、全体的な取組みとしては概ね適正に実施されている。その結果、政府管掌健康保険に関する点検効果額については目標を達成できたが、船員保険に関する点検効果額については、目標を達成することができなかった。点検効果額については、レセプト一件当たりの医療費と医療費通知総件数の動向に影響されることも踏まえ、今後とも引き続き適切な実施に努めていくことが必要である。
また、平成13年行政評価・監視結果通知において「レセプト点検や第三者に対する損害賠償請求について、実施の向上を図るべき」との指摘を受けており、これらの指摘事項も踏まえ適正な保険給付が行われるよう、引き続き必要な改善を図っていくことが必要である。
(備 考)
レセプト・・・ 保険医療機関が保険診療を行ったときは、診療報酬を計算して、患者から一部負担金・自己負担金を徴収し、残りを保険者へ請求するが、その際の請求書をいう。
点検効果額・・ 保険医療機関から診療報酬の請求時に提出された診療(調剤)報酬明細書について、保険者が内容を点検調査し、その結果過誤調整を行った額。


平成14年度に
達成すべき目標
3.保険給付事務に関する事項
(2)政府管掌健康保険事業・船員保険事業において、傷病手当金等の現金給付の適正化を図ること。
指標名 現金給付費、被保険者一人当たり支給日数(傷病手当金)
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
現金給付費
(政管健保)
億円 5,049 4,865 4,652      
現金給付費
(船員保険)
億円 76 60 55      
被保険者一人当たり支給日数(傷病手当金)
(政管健保)
1.64 1.51 1.48      
被保険者一人当たり支給日数(傷病手当金)
(船員保険)
7.89 6.44 6.12      
2.目標達成に向けての取組状況
 傷病手当金等の現金給付の適正化については、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画に定め、職員による書面審査、実地調査、負傷原因の調査等の強化を行い、また、保険給付審査医師、顧問弁護士等の専門家を活用することなどにより給付の適正化に努めた。
 また、事業主及び被保険者等にチラシ・パンフレット等により制度の周知徹底を図り、適正な届出を促すほか、職員研修の実施、処理マニュアルや実施要綱などを活用し職員の資質向上に努め、給付の適正化に努めた。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 傷病手当金等の現金給付については、保険給付の正確性の確保だけでなく、保険財政の健全性や保険制度への信頼性の向上を図るためにも適正に行う必要がある。特に、これらは被保険者本人に直接に現金を給付するものであることから、支給対象となるかどうか等の確認を十分に行う必要がある。

○ 平成14年度における庁の取組状況は、職員による実地調査等の強化、専門家の活用による審査の強化、パンフレット等を通じた制度の周知徹底、職員に対する研修等の取組みを組織的に実施しており、全体的な取組としては、適正に実施していると言える。
今後とも、傷病手当金等の現金給付の適正化を推進していくため、効率的で効果的な取組を実施していくことが重要である。
(備 考)
傷病手当金・・・ 病気やけがの療養のため仕事を休み、事業主から報酬を受けられないときに、被保険者とその家族の生活を保障するために支給される給付


平成14年度に
達成すべき目標
4.保健事業及び福祉施設事業に関する事項
(1)政府管掌健康保険事業・船員保険事業において、生活習慣病予防健診事業を効果的に実施するとともに、それに基づく事後指導等の事業を適切かつ効率的に実施すること。
指標名 健診実施者数、事後指導実施者数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
健診実施者 (政管健保) 3,165,777 3,195,926 3,231,045      
健診実施者(船員保険) 22,199 21,006 19,979      
事後指導実施者数
(政管健保)
407,446 431,599 442,165      
2.目標達成に向けての取組状況
 政管健保及び船員保険の被保険者等の健康の保持増進等を図るため実施する生活習慣病予防健診事業にあっては、平成14年度より限られた財源で基本的な健診を受診する機会を公平に確保する観点から、一般健診に重点化し、単価の引き下げを行うこと等により、検査費を縮減しつつ、実施者を対前年比1.1%増の323万人に拡大した。
 また、事業目標を効果的に達成する観点から、社会保険庁の平成14年度事業計画に定め、チラシ・パンフレット等を利用した広報等により被保険者等の受診の勧奨に努め、また被保険者が受診する健診実施機関で適切な健診が行われるよう健診実施機関の監査・指導の実施に努めた。
 一方、肝炎対策に関する有識者会議報告書(平成13年3月30日)において、地域や職域における現行の健康診断等の仕組みの活用を検討するよう求められたところである。
 これを受けて、平成14年度より、一般健診の枠組みの中でC型肝炎ウイルス検査を導入し、「政府管掌健康保険生活習慣病予防健診及び生活習慣改善フォローアップ健診の実施について」(平成14年3月26日庁保発第16号)等の通知を発出した。
 更に、健診をより効果的なものにするためには、健診結果に基づく生活改善指導を行うことが必要であることから、保健師による電話、文書、事業所訪問等の手段による事後指導の充実に努め、事後指導実施者数は対前年度に比べ10,566人の増となった。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 生活習慣病予防健診やそれに基づく事後指導は、被保険者の健康管理意識の向上や健康の保持増進、それによる医療費の適正化を図るためにも適切に実施することが重要である。

○ 平成14年度における庁の取組状況は、パンフレット等を利用した広報等による被保険者に対する受診の勧奨を行うとともに、健診機関に対する指導を通じて健診の適正な実施を担保することに努め、被保険者の健康の保持増進のための事後指導についてもその数を増加させるなど、全体的な取組としては適正に実施されていると言える。なお、平成14年度から一般健診の枠組みの中にC型肝炎ウイルス検査が導入されたところであり、今後とも、同検査の確実な実施を含め、積極的な勧奨を通じた生活習慣病予防検診の受診者の増加やこれによる健康の保持増進・医療費の適正化の推進を図っていくことが必要である。
(備 考)


平成14年度に
達成すべき目標
4.保健事業及び福祉施設事業に関する事項
(2)社会保険事業に係る保健・福祉施設事業は、適切かつ効率的に実施すること。
指標名 社会保険病院等利用者数、健康づくり講座等延べ利用者数、福祉施設延べ利用者数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
社会保険病院等利用者数
(入院延べ患者数)
千人 6,816 6,749 6,326      
社会保険病院等利用者数
(外来延べ患者数)
千人 12,899 12,821 11,894      
社会保険病院等利用者数
(健診等延べ実施者数)
千人 2,782 2,797 2,864      
健康づくり講座等延べ利用者数 千人 12,205 12,116 12,313      
福祉施設延べ利用者数 千人 33,555 32,784 32,492      
2.目標達成に向けての取組状況
 委託契約に基づき、各委託先団体が策定した平成14年度事業計画等に沿い、適切に事業を実施するよう指導するとともに、委託先団体の計画的な監査及び各施設の経営状況等についての個別監査を実施した。
 また、施設整備については、老朽化施設等に対する必要最低限の整備を実施した。
 なお、社会保険病院の見直しについては、健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)附則第2条第3項第1号の規定を受け、「社会保険病院の在り方の見直しについて」(平成14年12月25日厚生労働省方針)をとりまとめるとともに、同方針に基づき、それぞれの病院に経営改善計画(平成15年度を初年度とする3カ年計画)を策定させた。
 更に、社会保険病院の見直しに引き続き、年金の福祉施設等の在り方の見直しについての検討に着手した。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 保健・福祉施設事業は、被保険者等の健康の保持増進、療養若しくは療養環境の向上や福祉の増進に資するよう、適正に実施することが重要である。また、事業運営については、有効性、効率性の観点から、継続的に見直しを行い、透明化を図っていくことが求められている。

○ 平成14年度における庁の取組状況は、実績報告書によれば、委託先である公益法人に対して、委託先としての観点とともに、公益法人としての観点からの指導・監査を行っており、また、施設整備についても必要最小限のものに限るなど、全体的な取組としては、適正に実施されているといえる。
 年金の福祉施設等については、これまでも必要な見直しが行われてきたところであるが、厚生年金保険及び国民年金の厳しい財政状況並びに「民間と競合する公的施設の改革について(平成12年5月26日閣議決定)」及び「行政改革大綱(平成12年12月1日閣議決定)」の趣旨を踏まえ、今後その施設の見直しについて検討を進めていくべきである。

○ なお、社会保険病院については、健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)附則において所要の措置を講ずるものとされたことを踏まえ、見直しの方針を定めてそれぞれの病院に経営改善計画を策定させたところであり、今後、同計画に基づき着実に経営改善が図られるよう、指導及び検証していくことが必要である。
(備 考)


平成14年度に
達成すべき目標
5.広報、情報公開、相談等に関する事項
(3)国民からの相談に対しては、懇切丁寧に対応すること。また、事業に対する意見は真摯に聞き、事業の改善に役立てること。
指標名 ホームページ掲載の相談項目数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
ホームページ掲載の相談項目数(年度末現在)
(年金相談項目数)
項目 180 181 180      
2.目標達成に向けての取組状況
 事業主、被保険者、受給権者への応対については、「さわやか行政サービス」の推進のため、総合案内窓口の設置や案内係の配置、点字案内の充実、届書の記載例の整備などの環境整備に努めるとともに、職員に対する接遇研修及び知識向上のための業務研修の実施などにより行政サービスの充実に努めた。(総合案内窓口設置社会保険事務所102か所)
 また、平成14年10月に「社会保険庁に勤務する職員の勤務時間に関する訓令等の一部改正」を行い、昼休み時間帯における交換勤務を可能とし、平成14年11月から昼休み時間帯の窓口対応を実施していくこととした。併せて、オンラインの稼働時間を午前8時30分から午後5時までに延長した。
 引き続き、さわやか行政サービスの推進に取り組み、国民からの信頼を得られるよう、行政サービスの向上に努めていくこととしている。
 事業に対する意見については、相談窓口においても十分聴取するよう、年金相談総括事務研修などを通して職員を指導するとともに、意見箱、投書箱等の設置による国民意見の収集に努め、寄せられた意見について、会議を開催するなど、対応可能なものは事業に反映するように努めた。
 更に、政府管掌健康保険の事業運営に関しては、社会保険庁ホームページ上に意見募集を求めるコーナーを設置し、広く国民の意見を事業運営の改善に役立てるように努めるとともに、寄せられた質問については回答するなど、懇切な対応に努めた。
 社会保険事務所において相談数の多い項目については、ホームページに掲載し利便性の確保に努めた。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 国民からの相談への懇切丁寧な対応は、行政サービスの基本であり、特に、国民の生活に密着した医療保険、年金等の直接的な業務を担う庁においては重要な課題である。また、国民からの事業運営に対する意見は、当該個別事案のみに止まらず、庁全体の事業の改善につなげることが可能なものも多いと考えられ、このような取組を積極的に実施していく必要がある。

○ 平成14年度における庁の取組は、総合案内窓口の設置や案内係の配置等によりサービスの充実に努めるほか、職員に対する接遇研修や知識向上のための業務研修の実施などにより相談窓口における対応の改善を図るとともに、庁のホームページ上にも意見募集を求めるコーナーを設置し、昼休み時間帯に窓口対応を実施するなど、概ね適正に実施されているものといえる。

○ 今後とも、利用者のニーズを随時的確に把握しつつ、行政サービスの改善に努めていくことが必要である。
(備 考)


平成14年度に
達成すべき目標
5.広報、情報公開、相談等に関する事項
(4)国民に対する情報提供の充実を図るとともに、レセプトの開示等についても適切に対応すること。
指標名 ホームページアクセス数、情報公開法に基づく開示請求の開示件数、レセプト開示件数
(社会保険庁からの実績の報告)
1.指標の推移(年度別)
指標名 単位 H12 H13 H14 H15 H16 H17
ホームページアクセス数 796,136 1,045,765 2,529,778      
情報公開法に基づく開示請求の開示件数 239 431      
レセプト開示件数 2,231 3,358 3,804      
2.目標達成に向けての取組状況
 国民に対する情報提供の充実については、行政情報化に対応するため、厚生労働省ホームページ上に「社会保険庁コーナー」の内容について、随時見直しを図るなど、社会保険行政に関する総合的な情報提供に努めた。
 また、情報公開制度に的確に対応するため、職員に対する研修の実施や保有する文書の適正な管理を行うとともに、開示請求に対しても的確に対応するため、「情報公開事務処理要領」に基づき、適切かつ円滑な情報公開の実施に努めた。
 レセプトの開示にあたっては、レセプトの早期開示に努めるとともに、個人情報保護の徹底を図る観点から、「遺族に対する診療報酬明細書等の開示の際の保険医療機関等に対する連絡の見直しについて」(平成14年11月25日庁保険発第38号)を発出し、遺族に対して、レセプトを開示した旨の保険医療機関等への連絡については、遺族の同意を得た場合のみの取扱いとするなど、「診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領」の一部改正を行い適切な対応に努めた。

(実績に対する評価)
評価及び所見
○ 国民に対する情報提供の充実、レセプトの開示等は、特に国民の生活に密着した医療保険、年金等の直接的な業務を担う庁においては、行政サービスの向上、国民の信頼性の確保という観点から重要な課題である。

○ 平成14年度における庁の取組は、情報提供の充実については、厚生労働省ホームページに設置した「社会保険庁コーナー」の内容を随時見直すことによる社会保険行政に関する総合的な情報提供、「情報公開事務処理要領」に基づく適切な情報公開の実施などに努めるほか、レセプトの開示等に当たっては、「診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領」を改正し、遺族に対するレセプト開示については、遺族の同意を得た場合に限り保険医療機関等へ連絡することとし、適切な対応を図るなど、概ね適正に実施されているものといえる。

○ 今後とも、国民のニーズを随時的確に把握しつつ、情報提供の充実、適切なレセプト開示等に努めていくことが必要である。
(備 考)


トップへ
戻る  前へ  次へ