資料5 |
平成15年度 社会保険事業計画(抄) 1.事業運営方針 |
1.社会保険事業を取り巻く状況変化への的確な対応 |
1.社会保険庁の業務運営の効率化・事務の合理化について
厳しい経済情勢の下、産業構造や雇用形態の変化、また、高齢化や年金受給者の増加等に伴い、社会保険の的確な適用と保険料収納の確保、医療保険者機能の強化、年金相談の効率的実施と裁定事務の迅速化などの課題への対応が求められている。
そのため、業務の運営方法を見直すとともに、情報処理技術の活用、定型的業務の外注化や一括共同処理などにより徹底した事務の効率化・合理化を図り、職員を保険料徴収や年金相談など、被保険者・受給者や事業主に説明を行い、その理解を得ながら進めなければならない対人サービスの業務にできる限りシフトさせ、これらの諸課題に取り組むものとする。
2.社会保険と労働保険の徴収事務一元化について
社会保険と労働保険の徴収事務の一元化については、事業主の利便性の向上と行政事務の効率性を図る観点から、平成15年度の電子政府化に合わせ、インターネットによる両保険の届出の一括受付を実施するとともに、保険料徴収事務を一元的に処理するため、社会保険・労働保険徴収事務センター(仮称)を設置し、これらに取り組むものとする。
3.(略)
2.医療保険制度及び年金保険制度の適正かつ安定的な事業運営 |
1.医療保険制度の事業運営
我が国の医療制度は、すべての国民が健康保険や国民健康保険といった公的な医療保険制度に加入し、いつでも必要な医療を受けることができる国民皆保険制度を採用しており、経済成長に伴う生活環境や栄養水準の向上などともあいまって、世界最高水準の平均寿命や高い保健医療水準を実現する上で大きく貢献し、今日、我が国の医療制度は、国際的にも高い評価を受けている。
しかし、その一方で、世界的にも例をみない急速な高齢化が進展し、老人医療費を始めとする医療費が年々増大すると同時に、1990年代初めのバブル崩壊以降、我が国経済は低迷を続け、増大する医療費を賄う主たる財源である保険料収入が伸び悩み、医療保険財政は極めて厳しい状況にある。
このような状況において、給付と負担の公平を図り、将来にわたり持続可能で安定的な制度を築くため、昨年、患者一部負担の見直し、総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料の引上げ等を内容とする法改正が行われたところであり、その円滑な実施が求められている。
政府管掌健康保険については、制度改正が行われたところであるが、平成14年度末には事業運営安定資金がほぼ枯渇することが見込まれるなど、極めて厳しい財政運営を余儀なくされる状況にある。
このような状況において、事業をできる限り健全に運営していくためには、適用の適正化、保険料収入の確保、給付の適正化といった基本的な取組を着実に実施することが大切であり、労働保険の適用事業所に関する情報を活用した未適用事業所の適用促進、地方社会保険事務局と社会保険事務所との連携による徴収対策の充実、レセプト情報管理システムの活用によるレセプト点検調査の充実に努めるものとする。
2.(略)
平成15年度 社会保険事業計画(抄) 2.社会保険庁の事務の実施基準及び準則並びに平成15年度において社会保険庁が達成すべき目標 |
社会保険庁の事務の実施基準及び準則
┌ │ │ └ |
厚生労働省発政第93号 | ┐ │ │ ┘ |
平成13年3月30日 | ||
(厚生労働事務次官依命通達) |
1 実施基準 |
社会保険庁は、政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業、厚生年金保険事業及び国民年金事業(以下「社会保険事業」という。)の保険者として、適正かつ安定的に事業を運営するとともに、厚生労働省設置法等により、その任務とされた事務を適正に実施する。
また、事業の運営に当たっては、常に国民の立場に立ち、透明性の確保を図るとともに、事務の効率化を進め、もって、社会保険事業に対する国民の理解と信頼を得る。
2 事務の実施準則 |
1 適用事務に関する事項
(1)政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業及び厚生年金保険事業に係る各種届書等の適正な届出及び早期提出ついて、事業主(船舶所有者を含む。以下同じ。)及び被保険者に的確に周知するとともに、励行を促進すること。
(2)事業主に対し的確かつ効率的な調査を行うことにより、政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業及び厚生年金保険事業に係る被保険者(被扶養者を含む。)に係る資格及び標準報酬等を適正に把握すること。
(3)〜(5) (略)
(6)その他被保険者等の適用については、関係法令に基づき適正に行うこと。
2 保険料等収納事務に関する事項
(1)政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業及び厚生年金保険事業に係る保険料並びに児童手当事業に係る拠出金(以下「保険料等」という。)の収納の確保については、事業主に対する制度啓発、口座振替の促進等により、保険料等の納期内の納入を促進すること。
(2)保険料等を滞納する事業主に対する納付の督促及び国税滞納処分の例による処分を確実に実施すること。
(3) (略)
(4)介護保険法に基づく介護保険料の徴収事務については、円滑な実施を図ること。
(5)その他保険料等の収納については、関係法令に基づき適正に行うこと。
3 保険給付事務に関する事項
(1)社会保険事業に係る保険給付については、正確に決定及び支払を行うこと。
(2)レセプトの点検調査、医療費通知等により、医療給付の適正化を図ること。
(3) (略)
(4)その他保険給付の事務については、関係法令に基づき適正に行うこと。
4 保健事業及び福祉施設事業に関する事項
(1)被保険者等の健康管理意識の高揚及び健康の保持増進を図り、ひいては医療給付を適正なものとするため、生活習慣病予防健診、それに基づく事後指導等の事業を適切に実施すること。
(2)その他の保健事業及び福祉施設事業については、適切に実施すること。
5 広報、情報公開、相談等に関する事項
(1)社会保険事業に対する国民の理解と信頼を確保するため、効果的な広報を行うこと。
(2)相談体制を整備し、国民からの相談に対しては、懇切丁寧に対応すること。
また、事業に関する意見は真摯に聞き、事業の改善に役立てること。
(3)職務上知り得た個人情報については、厳正に保護すること。
(4)国民に対する情報提供の充実を図るとともに、レセプトの開示等についても適切に対応すること。
(5)職員の専門的な知識の習得及び資質の向上を図ること。
平成15年度において社会保険庁が達成すべき目標について |
┌ │ │ └ |
厚生労働省発政第0131001号 | ┐ │ │ ┘ |
平成15年1月31日 | ||
(厚生労働事務次官依命通達) |
平成15年度において、厚生労働大臣が社会保険庁長官に権限を委任した事務に係る社会保険庁が達成すべき目標は、別表のとおりとする。
なお、この目標に対する実績の評価に当たっては、社会経済情勢の変化による影響等を考慮するものとする。
また、平成16年度以降に係る目標については、社会保険庁の自律性を高める観点から、平成13年度以降の社会保険庁の実績に係る評価の結果も踏まえつつ、可能な限り具体的かつ客観的な基準となるよう引き続き検討を進め、逐次改善を図るものとする。
(別表) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成15年度において社会保険庁が達成すべき目標 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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平成15年度事業計画 |
1.重点事項 |
2.実施事項 |
ア | 短時間就労者、派遣労働者、高齢就労者、外国人就労者等に係る適正な届出の指導 |
イ | 賞与に係る適正な届出の指導 |
ウ | 過去の調査実績等から調査対象事業所を実施頻度別に分類し、適正な届出の指導が特に必要と見込まれる上記アの就労者が多い事業所等に対する重点的な調査及び賞与支払届を提出しない事業主に対する調査の実施 |
エ | 解散や休業を理由とする全喪届受付時に、当該事実を確認する添付書類を求めるなど事業実態の的確な把握 |
オ | 老齢厚生年金受給者の現況届の就労情報を活用した資格取得届の届出指導 |