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業務上の障害に対する障害給付の支給誤り


【別添 2】

1 事象の概要

 昭和59年に廃止された公共企業体職員等共済組合法(以下、「公企体共済法」という。)においては、業務上又は通勤災害による傷病で障害となった場合は、各公共企業体の就業規則に基づき、共済給付を含めたレベルでの災害補償が行われることから、当該障害に係る年金給付は行わないこととされていた。その後、当該共済組合は昭和59年に国家公務員等共済組合への統合を経て、平成9年4月に厚生年金保険への統合に至り、その事務も社会保険庁が行うこととされた。
 今般、厚生年金保険へ統合した後、年金の裁定が行われたもののうち、

  1.  旧公共企業体職員等共済組合の組合員期間中の業務上の障害に関しては、国家公務員等共済組合法に基づく障害給付を支給しないこととされていたにもかかわらず、裁定を行い、誤って支給していたことが 1件判明した。(別紙、事例1参照)
  2.   旧公共企業体職員等共済組合の組合員期間中の業務上の障害に関しては、厚生年金保険統合後の事後重症(注:後に障害の程度が増悪したもの)による障害厚生年金も支給しないこととされていたにもかかわらず、裁定を行い、誤って支給していたことが2件判明した。(別紙、事例2参照)

2 判明の経緯

 年金給付システムの総点検の作業のなかで事象が判明し、同様のものについて調査した結果、3件が判明したものである。

3 事象の原因

 今回の誤りの原因については、

  1.  公企体共済については、国家公務員等共済組合を経て厚生年金保険に統合された経緯があり、業務上の障害について給付を行わないことについては国家公務員等共済組合法の経過措置として記されていたが、平成9年4月の厚生年金保険法に統合された当時の事務処理要領では、その記載がされていなかった
  2.   事後重症に関しては、厚生年金保険法の経過措置として記されているが、その具体的内容は政令に委任されている等その仕組みが複雑であり、且つ、事例の発生も極めて少ない

ことにより、社会保険事務所及び社会保険業務センターにおける認識及び制度の周知が十分徹底されていなかったため、事務処理誤りにつながった。
 なお、過去の処理分を調査した結果、同様の事例はなかった。

4 対象者数等

  1. 過払い対象者数 3人
  2. 過払い総額 約2,300万円
    (一人あたり平均 約765万円)

5 対応

  1.  本人への事情説明及び確認を行い、お詫びするとともに、過払い金の返済方法に関するお手紙を送付する。
  2.  防止対策
    (1) 事務処理要領の見直し等による職員に対する制度周知の徹底
    (2) 電算システムを含め、誤りを防止できる仕組みの構築を検討




(別紙)

<事例 1>

国家公務員等共済組合法に基づく障害給付を誤って支給した事例の図解

<事例 2>

厚生年金保険統合後の事後重症による障害厚生年金を誤って支給した事例の図解




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