大臣官房総務課調整連絡係
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第16回厚生労働省政策会議 議事要旨
I 日時:
平成22年5月12日(水)17:30〜18:40
II 場所:
衆議院第1議員会館 第1会議室
III 出席者:
長妻大臣、長浜副大臣、山井政務官ほか
IV 議題
障害者の新たな福祉制度の検討について、最近の雇用失業情勢について
V 議事要旨(○は出席議員、●は厚生労働省側)
冒頭、長浜副大臣から本日の議題の紹介の後、長妻大臣から挨拶が行われた。
1.障害者の新たな福祉制度の検討について
資料1に基づき説明後、質疑。
○新体系への移行については、混乱がないようにしたいとのことであったが、既に混乱が生じている。支援者に説明するのも大変である。ただ、幸い障害者自立支援法は廃止と決まっており、総合福祉部会も障がい者制度改革推進会議の下で立ち上がり、皆さん喜んでおり、期待も高い。新しい制度を作るには時間がかかると言われているが、3年間、2年間後ということではなく、できるだけ早く当事者からの意見をまとめて、新しい制度を作るためにがんばってほしい。新体系への移行を今準備している人もいれば、既に移行した人もいる。新体系に移行して、新たな制度設計の中でも大丈夫かということも含めて説明できるものがほしい。もう一つ、地域主権の動きとの関係がある。地域生活支援事業では格差が生じたという声があるがこうした失敗を繰り返さないようにしてほしい。このような中でも、ナショナルミニマムとして、障害者のためのサービス提供は確保できるという決意を伺いたい。
●新体系の移行についてご指摘があった。現在確認しているところであるが、4月までに新体系に移行した事業者が5割を超えて、移行が進んできている。また、4月以降も事業者のお話を伺っていると夏や秋にも新体系に移行して、3障害垣根を越えてサービスを提供していきたい、新しい体系に対応していきたいという声もある。一方、報酬を上げて、経営が見通せるようにしてほしいというご指摘もある。新しい制度の検討には、事業の経営者にも入っていただいており、このような方々のご指摘を受けながら、利用者と事業者に納得いただける形にしたいと思っている。地域主権についてのご指摘もあった。障害者自立支援法に基づき必ず国も負担する個別給付とそれ以外にも市町村独自で障害者の支援を行い国が補助する地域生活支援事業がある。地域生活支援事業の中でも必ずやっていただきたい事業ができていないところもあり、底上げをして必要な事業は法律の中で体系付けてほしいと言われている。新しい制度の中では、給付の体系に入れてほしいという声を聞いて、位置付けを考えていきたい。
●地域主権の問題は根本的な問題である。社会保障や福祉は地域主権になじむのかという考えもある。一方で地域主権戦略会議では我々も激しく、厳しい議論をしている。特に障害者福祉は、地域主権を進めると後退するのではないかと、かなり声があがっている。具体的には2点ある。事業者の基準について、人手や面積は任せないが、部屋の定員は都道府県に任せることにした。もう一つは、障害福祉計画を作るときに住民の意見を聞くか否かを都道府県に任せることにした。ただ、任せたからといって、4人部屋を8人部屋にしたり、住民の声を聞かないということは想定していない。何から何まで国が縛るような時代ではないということである。もし皆さん方に苦情がきたら、言ってほしい。万が一、地域間格差が広がるようなことになれば、一緒に声をあげましょうと。我々も、当然言わせていただく。地域主権法案は参議院は通ったが、衆議院は残っている。マニフェストに盛り込まれた事項だが、その名の下に、障害者福祉が後退しないよう党と政府、力を合わせてやっていきたい。
●新体系への移行については、昼夜分離ということで、朝から夜まで同じ施設で暮らすのではなく、普通の生活のように朝になれば施設に通い、夕方になれば戻っていただくということが大事である。この新体系については、報酬を含め不安があるという声がある。実態調査をちゃんとやって、制度を導入した当初の想定していたとおりになっているのか検証することが必要である。地域主権については、私もその流れを進めることが重要と考えている。しかし、それが究極になると国の目標は何かということになる。全てが地方にお願いベースになり、目標を達成するかどうかは、地方次第ということになる。どこまで進めることがよいのか、ナショナルミニマムとして、最低限の部分は国でやって、上乗せはプラスアルファで地方にやっていただくという考えである。これまでは、ナショナルミニマムという考えが、中央省庁の過度な規制につながっていた。今後は、最低限のものをやっていきたいと考えている。地域生活支援事業についても格差が拡がっているのかどうか具体的に検証した上で拡がっているのであれば必要な対応を考えていきたい。事務方にも調査と検証をお願いする。
○基本的でもあり、難しくもあるかもしれないが、応能負担を基本とするという応能とはその人が負担に耐えられるかどうかをどのようにみるのか大変難しいのではないか。今は住民税非課税ということのみを考慮している仕組みだが、所得の中にも色々あるし、財産を持っている方もいる。全てを見ていくのは難しい、税の世界も総合的にみて、「応能」とできないかと思うが、どこまで障害者のプライバシーに個々に立ち入ることを考えているのか。
○関連だが、応能負担の考え方で所得のある人は、それだけ負担してもらおうというのはわかるが、本人の所得を活用していくのか、本人ではなく世帯ベースが基本となるのか。資産はどうなるのか。具体的な考え方があれば教えてほしい。
●ご指摘のあった負担の考え方については、障害者自立支援法ができて、応益負担が問題だという指摘をいただいている。これは、1割という定率の負担の部分であるが、障害が重い人ほどサービス利用が伸びれば1割負担が増えるということになる。所得に応じて上限を設け、実施していきているが、障害が重いためにサービスを増やせば利用者負担が高くなるのはおかしいと言われてきた。ただ、新しい制度ができるまでの間の措置として住民税非課税の方の利用者負担を0にして、必要なサービスを使っていただけるようにしている。今後の負担をどのように考えるのかについては、ご指摘のあった所得の考え方をもう一度整理する必要がある。なるべく負担いただけるところでご理解を得て、国民の理解も得なければ、サービスの伸びを確保していくことは難しい。 ご指摘のあった本人単位で所得を見るという点については、現在、子どもが障害者の場合は、本人所得でみており、夫婦の場合は夫婦でみようということでやっている。新しい制度でどのようにするかは更に御議論いただきたいと考えている。
2.最近の雇用失業情勢について
資料2に基づき説明後、質疑。
○今、職のある人々と職のない人々では、労働政策を区別するべきである。特に職に就いていない人々の実態であるが、地元を見ても、仕事そのものがないという状況である。大企業にしても中小企業にしても、人件費のかからない海外にあまりにも依存している。厚生労働省が考えることではないかもしれないが、仕事そのものが国内に存在しないということを加味した政策を考えることも必要となってきているのではないか。産業別でみてもサービス業を海外にもっていくわけにはいかない。今国内にあるべきものが、国外にもっていかれてしまっているということを、どう捉えていかねばならないのかが重要かと考える。その点について、厚生労働省としての見解をお聞かせ願いたい。
○住居・生活支援アドバイザーとは、どのような方々がなられているのか。ある程度専門的な知識などを要する方々だとは思うが、このような方々をどのように見つけるのか。また、このような方々はどのような身分であり、この職はどのような保障がなされているのか。ご教示願いたい。
○厚生労働行政とは直接は関係ないことかもしれないので、質問というよりはお願いという形で話をさせていただきたい。今、私たちは議員連盟を組んでデフレ脱却のために取り組んでいる。フィリップスカーブとは失業率とインフレ率が反比例するものである。インフレ率が下がれば、失業率が上がるというきれいな相関関係を表しているものである。たとえば、インフレターゲットを導入した場合、失業率が下がるといったものでもある。アメリカのFRBが金融政策を行うとき、雇用の最大化を1つの目標にしている。自然失業率が日本では2.5%、アメリカでは4.5%くらいとなっているが、それを実現するために経済運営自体を行うとしている。イギリスにおいても雇用に関する政府の目標を達成するために、中央銀行が金融政策に取り組んでいる。これは、直接厚生労働行政に関わることではないが、雇用とか失業とか自殺などにも密接に関わってくる部分でもあるので、今後、ご意見等させていただく機会があったら、是非ご協力いただきたい。
○自分の地元は製造業の盛んなところである。しかし、円高が続いたことで、産業構造が輸出型に特化したことにより、雇用がなくなり、生活保護世帯が非常に増えている状況である。自分は、円高が円安に振れるだけで、日本の景気は良くなると確信している。日銀には通貨供給をもっとしていただくことで、今の円高が収まり、ものづくりの産業が息を吹き返し、それが雇用の拡大につながると考えている。また、若年者の雇用は、所得の上昇や婚姻率と密接な関係を持っている。これは、少子化対策にも直結してくる問題でもあるので、厚生労働省だけの問題ではないと思うが、省庁の垣根を越えて、取り組んでいただきたい。
○雇用形態別雇用者数の推移を見ると、正規雇用者も非正規雇用者も前年と比較して減少となっている。雇用の減少の対象となった方々はどこにいったと厚生労働省としては分析しているか。ほとんどの方は、生活保護で国が支えて救っているのかなと考えられると思うが、厚生労働省としてのご見解を教えていただきたい。
○4月の失業率の上昇要因が、新卒者の未就職が1つの原因だと御説明いただいた。大学や高校を卒業した時に、新卒で就職しないと一生就職できないような時代に突入していると考えられる。少子化対策が謳われている中で、高校や大学を卒業した際に、しっかりと就職できる対策が非常に重要であると考える。現在も様々な対策を取り組んでいただいていると思うが、合同就職面接会などを行うだけでは解決できない問題であると考える。これは、非常に大切な問題でもあるので、省庁の垣根を越えて、厚生労働省が旗頭となり、大学の就職担当者とその大学のある地域の商工会などとをマッチングさせるよう働きかけ、大学の3,4年生からではなく、入学した頃からインターンシップができるなどのような密接なつながりのある対策が必要になってくると考える。この点について、厚生労働省として、どのようにお考えかお聞かせ願いたい。
●まず、雇用の創造については、政府全体としても、成長分野等々、様々な経済対策、金融対策を含め、雇用の場を創っていくということを、様々な施策で取り組んできたところである。厚生労働省としても、雇用創造については、様々な施策に取り組んでおり、重点分野の基金では、例えば都道府県等に基金を造っていただき、緊急時に色々な事業をしていただくこと、成長分野に特化したような雇用機会を創っていただくなどの取組みをしていただいており、補正の段階等々で額を積み上げてきたところである。雇用対策で、21年度の補正でも1,500億円の基金を創っていただき、これらを活用して雇用を創造していくといった取組みをしたところである。また、ミスマッチ対策については、仕事と能力がなかなか結びつかない部分があるので、職業訓練が重要になってくると考えている。そこで、職業訓練にしても様々な事業に取り組んでいるところであり、特に、基金訓練というものがあり、生活支援として、月々10万円、扶養家族がいれば月々12万円の支給を受けながら、職業訓練を受けることにより、自分の能力を高めることで、ミスマッチの解消に取り組むといった政策も進めているところである。厚生労働省だけではなく、政府全体として雇用対策を進めていく、雇用の場を創っていくということに、引き続き取り組んでいきたいと思う。高卒・大卒ジョブサポーターや住居・生活支援アドバイザーについてであるが、ジョブサポーターには、民間での人事・管理経験者や学校などの教育に携わってきた方々など、実際に学生に相談、説明ができる方になっていただいている。また、住居・生活支援アドバイザーについては、生活保護の知識などが必要とされる関係から社会福祉士の資格を所持している方などになっていただき、全国のハローワークに263名を配置しているところである。学卒・新卒対策であるが、厚生労働省だけではなく、文科省など他省庁とも連携して様々な対策等に取り組んでいるところである。続いて、雇用の減少の対象となった方々はどこにいっているのかという質問であるが、21年度の完全失業者数は約340万人と19年度と比較すると、約90万人近く増加している。また、失業者数に数字として現れない潜在的な失業者数も増加している。このような方々に対しても、職業訓練など様々な対策に取り組むことにより、新たな雇用機会の創造に取り組んでいるところである。
●まず、企業の海外への進出についてだが、日本は法人税が高いから企業は海外に進出するという話がよくあるが、これは、社会保障の事業主負担も考えれば日本は決して高くないと言える。例えば、スウェーデンなどは、法人税も高いし、社会保障の事業主負担も高いのにもかかわらず、国際競争力があるような企業も国内にあれば、国としての経済成長も日本よりも達成している。厚生労働行政の観点から言えば、企業がやみくもに安い労働力を求めて海外に出て行くのではなく、今後日本は非常に質が高く品質のいい商品を作っていく必要がある。サービス業でもITでも労働力のコストは高いけれども、非常に質の高く、付加価値のある人材が多くいる国であるということを強化していくためには、職業訓練がこれまでの旋盤工に特化して訓練をするような形だけではなく、最先端のスキルを身につけることができる労働者を多く生み出していくことが必要である。究極の経済対策というものは、景気が悪いから、今年は採用をしないと決めた企業が、目の前に優秀な人がいて、試しに雇用をして、その人が企業を立て直す救世主になると、このこと自体が経済対策となるわけで、今後はそのようなことを考えながら、戦略的に職業訓練をやっていこうと考えているところである。二つ目に、アドバイザーとジョブサポーターについては先ほど説明をしたところではあるが、特にジョブサポーターについては、企業で実際に採用を担当していた方を雇うというケースも多く、単純に素人の方を雇うということではなく、そのような人材を探して、現在活躍していただいているところである。また、インフレターゲットの話もあったが、景気が良くなり、インフレがなだらかに進んでいくという形であれば、当然失業者も減少し、雇用も増加し、長期金利もいい金利の上がり方をするということになるわけだが、これは、新成長戦略として我々としても取り組んでいきたいところである。財政の規律が緩んで長期金利が上がることはあってはならないので、これについては、どこまでインフレを誘導するかという別の大きい議論になるかと思われる。円高が進むことによって、雇用の場が失われているという話であるが、これについては、財務大臣ともよく話合っておきたいと思う。いずれにしても、外需依存が進み過ぎると、結局は円高になると失業が増えるということになりかねないので、我々の政権は外需のみならず内需の喚起もしているところである。目的は景気ではないが、かなりのお金が動くということ観点からすると、6月から支給される子ども手当も結果としては、それに位置するのではないだろうかと思う。それから、若年者雇用が少子化雇用につながるというのは、まったくそのとおりであり、仕事がなければ子どもも産むことができないとつながるわけでもあるので、それについても、様々な施策に取り組んでいるところである。仕事がなくなれば、どうなっていくかという質問であるが、今までの日本で決定的に欠けているのは、失業して失業保険が切れたら生活保護と、その間を埋める第2のセーフティネットというものが脆弱であったので、それを埋めるために、住宅手当や職業訓練を受けながら生活費用をお支払いするといった求職者支援のような措置も恒久措置としてやっていこうと考えている。隙間を埋めるようなセーフティネットをするほうが社会的コストも安いという報告もあることから、第2のセーフティネットを拡充するように、しかも、それがトランポリン型で、再度就職できるような仕組みづくりに取り組んでいるところである。また、大卒の内定率が過去最低となったが、これは就職氷河期よりも悪く、大変な問題だと認識している。専門学校の内定率を見ると、大学よりもはるかに高くなっている。大学、高校で職業的な教育が必要であるということは、大変重要なことであると考えており、文部科学省とも勉強会をしているが、時期を早めて導入していく必要があると考えている。最近は、4年生の大学や大学院を卒業してから、専門学校に通う人も多くなっていると聞いている。大学教育と職業教育というのをよく考えなければいけないと思っている。
○産業別雇用者数であるが、一次産業の雇用者数の雇用統計がないが、一次産業の統計もあったほうがよいと、厚生労働省の方から総務省に働きかけてくれないか。50代や60代の方への取組みであるが、定年を迎えた方々に対して、再雇用など様々な取組みはなされているとは思うが、ただ、単に訓練をするだけということではなく、55歳から65歳の方々の雇用をどう守っていくかということをご教示いただきたい。また、田舎の地域などでは、どんどん雇用が減っている。特に子どもたちも離れていってしまっている。そのような地域については、農水産業における雇用の創出が一番であると思うが、農水産業におけるジョブサポーターの設置などはいかがだろうか。その点について、見解をお聞かせ願いたい。
○要望であるが、92兆円という非常に大きな予算を組んだにもかかわらず、執行はこれからだとは思うが、雇用ができていないという状況である。ゆえに、雇用対策という観点から、各省に対して執行の前倒しを長妻大臣からご要請をしていただきたい。それから、先ほどITという話が出たが、各省庁のシステムの更新であるレガシーシステムを新しいシステムに移行するということで、各省合計をすると相当な予算が組まれているはずである。厚生労働省も同じである。しかし、特許庁のレガシーシステムの基本設計を導入し、オープンにしたところ、全く使えない、とんでもないという事件があった。その関係もあり、IT関係の仕事は地方に下請けにいっているが、本来まわっているはずの仕事がいっていないのではないかという状況もある。年金機構のシステムの状況などもしっかりと機能しているのかどうか、よく調査をした方がよいと考えている。
○国内でのサービス業がなくなっている、単純作業がなくなっている、働く場所がなくなっているという一方で、JITCOという法人が運営している外国人労働者受入制度によると、年々規制が条件緩和されていき、今では20万人近い研修生が日本で働いている。実態を見ると、300円とか400円という時給で過重労働を強いられている。外国人を受け入れて研修させようという意図ではなく、安い労働力を受け入れようという意図の企業が増えている。虐待などの様々な問題も起きている。これ以上、条件を緩和していくのかどうか。日本に雇用がないという一方で、このような立場の多くの外国人労働者もいるということも考えていかなければならないと考える。
○失業率が1月から減少してきたが今回上昇した理由を教えていただきたい。また、障害者の問題で、実利用者が前年比で9%伸びており、特に精神障害者の伸びが高いが、その理由を教えてほしい。
●農林業についてであるが、資料の産業別雇用者数には記載されていないが、総務省の統計ではカバーされている。農林業の場合は、どうしても自営業主、家族従業者が多いということもあり、平成21年度の雇用者数をみても50万人しかいないということもあり、資料には載せていない。ちなみに平成21年度の就業者数で見ると、農林業の総数が242万人で、うち自営業主が115万人、うち家族従業者が77万人となっているので、雇用者は50万人となっている。また、資料P.6にもあるように重点分野雇用創造事業として、農業における雇用創出についても取り組んでいるところである。また、農水省と連携をしながら、農業就業についても斡旋等もハローワークで行っているところである。3月に失業者が上がった理由であるが、1つは学卒の未就職者が3月は増加したこと、それから、P.1のグラフにもあるように、数字の上昇・下降があるが、多くの失業者数を取り扱う統計でもあり、若干ブレがあるということも考えられるので、なかなか単月ベースで判断することは難しいと考えている。
●高齢者対策であるが、年金の支給開始年齢が上がっていることもあり、大きくいって3つの対策を行っている。まず、定年延長であり、企業には雇用支援も含めてご協力をお願いしている。次に、雇用という形ではないが、シルバー人材センターにおいて請負等も含めて働く場を提供している。それから、高齢者の方々が集まって業を起こす際の支援をしている。このような対策を行うことで、働く時間を長くしていくといった取組みを推進しているところである。それから、外国人技能実習生の話であるが、技能実習生は3年制度で、最初は研修生として入り、その後、技能実習を行うという制度であるが、ご指摘のあったとおり賃金の問題など様々な問題が存在している。そこで、今年の4月より、技能実習生全てを労働者として取り扱われることとなった。つまり、最低賃金法や労働基準法などが適用されることとなった。これまでは、最初の1年間は、研修生ということで、法が適用除外であったが、この4月から待遇の強化がなされたところである。
●障害者のサービスは施設・在宅・通所とあるが、全体として9%の伸びである。NPO等にも入っていただき、地域でサービスの拠点を整備していただいている効果である。精神は25%の伸びであるが、実利用者としては、6.7万人であり数としては少ない。精神障害者については、精神科病院から出られる受け皿を整備していくことが重要である。
●外国人技能実習生についてであるが、今年の4月から最低賃金法なども適用されたことになり、最低賃金など法違反がなされているかどうかについて厳しくチェックしていくこととなる。また、3月の失業率の上昇についてだが、大学や高校を卒業する前日は学生であったとしても、その翌日に内定がない場合は失業者としてカウントされてしまうなどといったこともあるので、この数字の部分については分析が必要である。