(照会先)
大臣官房総務課調整連絡係
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第4回厚生労働省政策会議 議事要旨
- 日時 : 平成21年12月3日(木)10:30〜12:15
- 場所 : 衆議院第二議員会館 第1会議室
- 出席者 : 細川副大臣、長浜副大臣、山井政務官ほか
- 議題
- 行政刷新会議「事業仕分け」の評価結果について
- 平成22年度厚生労働省関係税制改正要望の状況について
- 最近の雇用対策について
- その他
- 議事要旨(○は出席議員、●は厚生労働省側)
冒頭、長浜副大臣から挨拶及び本日の議題の紹介が行われた。
1.行政刷新会議「事業仕分け」の評価結果について
資料1に基づき、説明後、質疑。
○日本食生活協会から20万人の会員の内、18万筆の署名が集まっており、副幹事長へ提出すると聞いている。地元の市議会議員が全国の理事をやっており、今日上京している。食生活改善推進員の廃止と言われると自分たちのボランティア活動がどう評価されているのかと気になるといっている。
●そのことについては、昨日、大臣とも議論した。刷新会議では廃止と言われたが、厚生労働省としては支援内容を厳選するが、ボランティアへの支援自体はやめない。
○障害者自立支援調査研究プロジェクトは、現場の団体は期待しているので、どういう経緯でこうなったのかこれだけでは分からないので教えてほしい。
○雇用・能力開発機構の交付金見直しの中の業務効率化によるマイナス10億に関係するのではと思うが、雇用促進住宅は廃止の閣議決定がされている。雇用・能力開発機構は、雇用促進住宅の廃止のための費用として450億くらい積み立てている。雇用促進住宅の将来のあり方をどのように考えているのか。もし、廃止しないのであれば、その積立金を有効活用できるのではないか。
○福祉医療機構の基金と機構で行っている事業の関係を教えてほしい。「新しい公共」では、介護、保健で市民が活動することへの助成が重要な役割を果たしており、基金の返納は問題ではないか。
○事業仕分けの対象となった事業について、国と地方の負担割合が分からない。予算が付くと、ハコものは執行されるが、雇用とか新しい取り組みのようなものは、自治体は労力がかかり、面倒だということで執行されない場合も多い。予算がついたら安心ではなくて、透明性を確保しつつ、ちゃんと使われるように見ていく必要がある。
●大臣の基本方針は、厚生労働省の内部だけでは切りにくいものも問題提起していただいたと言うことであり、基本的には受け入れる方向で精査する。それで、どうしても必要なものについてのみ復活折衝するという方針。86%受け入れたのも喜んでやっているわけではない。基金も支出内容の見直しは必要。全て不要でなくても、管理費などは見直してカットする。廃止と言われたものも、例えば従事している方々の雇用の問題もあり、時間をかけてやっていく必要がある。福祉医療機構の基金の返納についても、出来るだけ必要な事業は維持し、悪影響は出ないようにする。障害者自立支援調査研究プロジェクトでは、厚労省の実態把握PTに現場を見てもらって、5億円は残す必要ありと考えている。自立支援法を見直していくに当たって、調査研究も必要。
○刷新会議の結果は、これだけでは我々も地元に説明できない。事業の内容、結論に至った経緯など細かい内容を教えてほしい。また、現場からの意見を伝える場を設置してほしい。
○診療報酬で漢方等を対象外とすることに反対することには賛成。我々は福祉経済に予算を投入して新しい雇用等を創出するはずではなかったのか。こうした方針は打ち出してほしい。「特別会計で措置すべきとされた事業について、引き続き、一般会計での実施を希望する経費」(資料1−1の5ページ)については、私は、事業仕分けの評価結果が正しいと思う。移管によって生じた一般財源で他のことを行えばよい。雇用のセーフティネットで広くカバーして、人々がトランポリンのように元に戻れるようにしないといけない。水道事業は基本的なライフライン。老朽化の更新などは補正予算などでしっかりやるべき。
●福祉経済はみんなの思い。前政権は、福祉を毎年2,200億円削って医療を崩壊させ、政権交代がおきた。大臣も産科、救急病院を本日視察。マイナス3%改定ではつぶれることを聞いている。一般会計から特別会計への移管の問題については、雇用対策を最重点とするなか、国としての責任の問題もあるので精査させていただきたい。刷新会議等の資料は公表する。また、議員の皆様の意見が反映されるようできることは協力したい。
2.平成22年度厚生労働省関係税制改正要望の状況について
資料2に基づき、説明後、質疑。
○子ども手当の創設に伴う扶養控除の廃止に関連して、障害者に係る扶養控除は存続させてほしい。
○たばこ税については認められるということか。大幅な税率引き上げには、たばこ事業法の改正が必要と思うが。
●(障害者に係る扶養控除についての)御指摘はもっともなところ。自分もそういうスタンスであり、税制当局にも意見を申し上げている。たばこについては、厚労省はあくまで健康目的で税率引き上げを要望している。たばこの規制に関するWHO枠組条約の中でも、「たばこによる壊滅的な打撃を価格や税効果による政策により抑制しなければならない」とされている。政策インデックスにもあるが、たばこ事業法の改正を検討しながら、たばこの価格を議論したいというのが財務省のスタンスだと思うが、たばこ事業法にはパッケージに健康配慮の文言を入れることも規定されているし、我々は、今のたばこ事業法の条文を改正しなくてもできると思う。鳩山総理も予算委員会で答弁されており、政治的な判断があれば、ある程度の勇気を持った価格の判断は可能であり、政治判断の段階だと思っている。
○社会保険診療報酬の消費税の見直しについては、現場から要望が多い。速やかに検討することとしていただきたい。また、税制改正全体について、他省庁の政策会議では何度か議論があったが、厚労省は結果報告だけでプロセスに我々が参加することがなかった。今後はよろしくお願いしたい。
●確かに、団体からのヒアリングの段階から政策会議を開催するなど各省庁によって対応が様々であった。御意見は来年度の作業で生かしていきたい。今国会で厚労委に付託されている議題の重要性を考えると、税制改正要望について政策会議で全体ヒアリングをやるだけの物理的な余裕がなかったため、苦渋の決断でインターネットでの要望公募と団体からの要望書募集を行ったところ。御指摘は来年度の作業に関する重要なご示唆として受け止めさせていただきたい。
3.最近の雇用対策について
資料3及び4に基づき、説明後、質疑。
○雇用創出やセーフティネットは重要なので取り組んでいただきたいが、直近の問題として年末年始のことがある。政府で取り組んでいる具体的な取組があれば教えてほしい。民主党政権になっても派遣村のようなことがあれば国民の失望は大きい。私も地元に帰って自治体やNPOと連携をとって年末年始対策に取り組みたいと思っている。国と自治体とで連携をとってやりましょうというような通知を出してほしい。
○緊急雇用創出事業の雇用期間は半年間。13万人雇用創出ということだが、雇用期間が終わればまた失業してしまう。事例を見ても単発的な雇用で長期の雇用につながるものではない。民間に委託しているものについて、雇用が継続されているかチェックしてほしい。
○文科省の話かもしれないが、研究費が削られている。若い研究者は金銭的に厳しく、4月からそういった人が大勢路頭に迷うことになるかもしれない。
○ワンストップ・サービス・デイを視察に行ってきたが、東京都の場合、25日に実施の場所が決まり周知期間が短かった。自治体側ができればやりたくなかったという背景もあったようだ。また、住宅手当をもらえることを知らない人が多くいるように感じた。
○求職者支援制度は前倒ししても行うべきだと思う。民主党として積極的に取り組んでいくことをもっとアピールした方がいい。税制改正の関係だが、インフルエンザの予防接種による健康被害に係る非課税措置があるが内容を教えてほしい。
○ワンストップ・サービス・デイは約2,400人の利用があったとのことだが、それぞれのハローワークで平均約30人程度。多くの人員を動員してやる必要があったのか。ハローワークが主体でやるのであれば、ハローワーク職員を研修して相談を受けることができるようにするとか、ハローワークの職員が出かけて行くとか工夫すべき。各窓口で情報を共有できる制度的な整備が必要、社会保障カードのようなものも活用されていくのかなと思う。
○雇用創造で介護人材を強調しているが、対策はスポット的で横断的なものになっていない。都道府県も福祉担当部局だけではなく、教委等も含めて横断的に対応すべき。雇用調整助成金について、医療機関も赤字のところが多いが、対象になるのか。
●介護の雇用創出については昨日も大臣を含め議論したところ。現在、介護職員の賃上げのための基金があり、申請率も40%から70%まであがってきている。引き続き応援をお願いしたい。ワンストップ・サービス・デイについては、昨日自治体の方と反省会をやった。利用者数については一件あたりの相談時間が長いこともあるが、地域によってばらつきがある。これからも現場のニーズを踏まえてやっていきたい。また、ハローワーク職員の研修についても検討している。 求職者支援制度を前倒しすべきとのことだったが、基金は来年度分も残しているので安心していただきたい。ワンストップ・サービス・デイについては、自治体は生活保護の申請まで可能にするのであれば参加しない、あるいは、生活保護の費用を全額国で負担してほしいということであった。自治体と利用者両者の意見を聴きながら進めていきたい。研究費の関係は、雇用が重要であるという内閣の主張と矛盾がないように配慮が必要と考えている。年末年始対策については、関係局の職員や湯浅参与と毎日遅くまで議論している。本日の貧困・困窮者支援チームで具体的に議論する予定であり、早急につめていきたい。
●厚労省としては、雇用の維持のために雇用調整助成金の要件緩和をする。現在約200万人が対象となっている。失業して失業給付が切れた人については、職業訓練しながら生活給付を受けられるのでPRしてほしい。また、仕事を増やすのが緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生事業であり、こういった対策を総合的に推し進めて厳しい状況を改善したい。
●インフルの税制については、ワクチンの接種に伴う救済給付に関するもの。
●介護プログラムや緊急人材育成支援事業の資料については、皆さんの地元で是非事業者等への宣伝に活用してほしい。