適格退職年金の移行の手続はお済みですか?


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適格退職年金制度とは、事業主が、従業員の退職後の所得確保を目的とし、資産を社外に積み立てて実施する企業年金であり、掛金の拠出時や給付時などに税制上の優遇が受けられる制度のことです。 |
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適格退職年金は受給権保護の仕組みが弱い面があり、平成13(2001)年の確定給付企業年金法の成立に伴い廃止されることが決定し、平成24年3月31日までに他の企業年金制度等に移行しなければならないことになっています。 |

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平成14(2002)年以降、経済界、受託機関(生命保険会社等)、行政等の関係者により、適格退職年金の他の企業年金制度等への移行の促進が図られていますが、平成22(2010)年12月末時点で、約1万件の契約が残っています。このうち、大半の契約は期限までに移行又は解約することが決まっていますが、約3%の契約は今後の方針が未定のままです。 |
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また、この他に、閉鎖型適格退職年金(加入者がおらず、受給者のみで構成された適格退職年金)は約3千件残っています。 |

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適格退職年金制度の廃止まで残り1年を切っており、早急に移行の手続を進めることが必要です。 |

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平成24年4月1日以降も引き続き税制優遇を受けるためには、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度、厚生年金基金制度、中小企業退職金共済制度といった企業年金制度等に移行する必要があります。 |


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閉鎖型適格退職年金から確定給付企業年金への移行の更なる促進を目的として、手続の簡素化等を図りました。(平成23(2011)年3月末より実施)
(1) |
閉鎖型確定給付企業年金における手続の簡素化閉鎖型確定給付企業年金について、受給者のみで構成されているという性格を考慮し、規約の承認申請の添付書類のうち、労働協約や加入者の範囲の書類等の省略を可能としました。 |
(2) |
受託保証型確定給付企業年金における手続の簡素化年金資産が、給付のために積み立てておくべき額を将来にわたって下回らず、積立不足が生じない形態で運用されている確定給付企業年金を「受託保証型確定給付企業年金」とし、以下の措置を講じました。 |
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- 事業報告書や決算報告書の記載事項等の一部省略を可能とする。
- 責任準備金(※1)及び最低積立基準額(※2)の計算において、予定利率及び予定死亡率の特例を設ける。
- 適格退職年金の権利義務を受託保証型確定給付企業年金に承継させる場合については、当該受託保証型確定給付企業年金と当該事業所の既存の確定給付企業年金との併存を可能とする。
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※1 責任準備金とは、将来の年金給付に備えて、計画どおり資産を積み立てるにあたり、現時点において積み立てておくべき額のこと。
※2 最低積立基準額とは、現時点で制度が終了した場合に、これまでの加入員期間について給付を行うために必要な額のこと。

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適格退職年金から他の企業年金制度への移行手続には時間がかかります。移行を検討されている場合は、早めの手続をお願いいたします。 |
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手続のご相談は地方厚生(支)局や企業年金連合会、各受託機関(適格退職年金契約を締結している生命保険会社等)へ。 |


(中小企業退職金共済制度について)

(年金局企業年金国民年金基金課)