厚生労働省

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G20雇用労働大臣会合(4月20日、21日、米国・ワシントンDC)について

(大臣官房国際課)

1.G20雇用労働大臣会合について

本会合は、経済危機からの回復において「質の高い仕事を回復の中心に置く」ことが合意されたG20ピッツバーグ・サミットの首脳からの指示に基づき、G20の雇用労働大臣が雇用情勢及び雇用対策の好事例を評価・検討し、首脳に対する提言をまとめる会合として、G20の枠組みでは初めて開催されました。

2.今回会合の概要について

2010年4月20日(火)、21日(水)に、米国・ワシントンDCにて開催され、我が国からは長浜厚生労働副大臣が出席しました。

G20各国の雇用労働担当の閣僚級が出席したほか、ILO及びOECDの代表者も参加しました。

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(主な議論)

会合では、(1)雇用維持・雇用創出、(2)雇用の質の改善と社会的保護、(3)危機後に備えた労働者の能力開発の3つの議題にそって、各国大臣がそれぞれの好事例となる取組を報告しました。

我が国は、雇用維持・雇用創出に向けた取組の好事例として、(1)労働者の雇用の維持に努力する企業を支援し、失業を未然に防止する「雇用調整助成金制度」、(2)失業保険による所得保障だけでは貧困の罠から抜け出せない労働者に対して積極的に労働市場への再統合を図る「第2のセーフティネット」について発表し、各国から高い関心と評価を受けました。

(取りまとめた提言)

2日間の議論を経て会合では「G20雇用労働大臣から首脳に対する提言」が取りまとめられました。概要は別添のとおりですが、これらの中で最も重要なメッセージは、

(1) 第1に、雇用政策は危機から回復しつつある中でも重要であり、経済政策の中心に置くべきであること、

(2) 第2に、社会的保護制度と積極的労働市場政策の推進、労働の質の改善が必要であること、

(3) 第3に、将来に向けた職業能力開発が重要であること、

の3点です。

我が国においては、「国民の生活が第一」という基本方針のもと、雇用労働政策に重点を置き、雇用対策の実施や労働者保護のための制度改正に取り組んでおり、こうした取組の方向性は、今回の会合でまとめられた提言とも合致しています。今後とも各国との対話を続けながら、雇用問題に取りくんでまいります。

(大臣官房国際課)

(別添)

G20雇用労働大臣から首脳に対する提言(概要)

Accelerate Job Creation to Ensure a Sustained Recovery and Future Growth
持続的回復と将来の成長を確保するための雇用創出の加速化

経済が回復し始めている国もあるところ、我々は、現行の政策の力強い実施と追加的な雇用対策の検討を含む雇用創出及び雇用維持に引き続き注意が払われることを勧告する。

大規模な不完全雇用、インフォーマル・セクター、高い貧困率のみられる国においては、我々は、最近の政策の革新の実施から引き出された教訓を活用し、貧困世帯と脆弱層に対し雇用を創出する対象を絞った努力を勧告する。

Strengthen Social Protection Systems and Promote Inclusive Active Labor Market Policies
社会的保護制度の強化と包摂的な積極的労働市場政策の推進

最も不利な者を含む相当数の人々が回復が始まった後においても失業にとどまり、他の者も経済の構造変化への適応への支援を必要とすることから、我々は、社会的保護制度と積極的労働市場政策が必要な場合には強化されることを勧告する。

我々は、世帯が経済的な機会を活かすために十分な安心を享受できるように、全ての国が十分な社会的保護制度を確立することを勧告する。

Place Employment and Poverty Alleviation at the Center of National and Global Economic Strategies
国内及び世界の経済戦略の中心に雇用と貧困削減を置く

我々は、首脳が、すべての人が恩恵を受ける、強固で、持続可能かつ均衡のある成長の基礎を築く際に、雇用と貧困削減を優先することを勧告する。

Improve the Quality of Jobs for Our People
人々のための雇用の質の改善

我々は、雇用の質を向上させる労働市場政策及び制度に改めて注意が払われること及び労働における基本的原則及び権利の尊重を勧告する。我々は社会対話の重要性を強調する。

Prepare Our Workforces for Future Challenges and Opportunities
将来の挑戦と機会に向けた労働者の能力開発

教育、生涯学習、職業訓練、技能開発は優先され、成長戦略と関連づけられるべきである。仕事に対応した技能の予知とマッチングを向上させることは、危機後のリストラクチャリングと新たな機会から労働力が恩恵を受けるために役立ちうる。


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