
1.年金積立金とは?
厚生年金・国民年金の積立金(以下、年金積立金といいます。)は、国民の皆様からお預かりした保険料のうち、年金給付に充てられなかったものを厚生年金保険法等に基づき、長期的な観点から、安全かつ効率的に運用し、現在及び将来の年金給付に充てることにより、年金財政を安定化させているものです。
この年金積立金は、厚生労働大臣が年金積立金管理運用独立行政法人(以下、管理運用法人といいます。)に寄託することにより管理・運用されています。
2.年金積立金管理運用独立行政法人とは?
管理運用法人は、厚生労働大臣から指示される中期目標を達成するために、基本的な資産の構成割合(基本ポートフォリオ)を含む中期計画や、運用の具体的な方針を策定し、これらに基づき、年金積立金の管理・運用を行っています。
実際の市場での運用は、管理運用法人から民間の運用受託機関(信託銀行や投資顧問会社)に委託しており、管理運用法人は、その運用受託機関を選定し、運用状況などについて評価を行い、その結果により入れ替えなどを行うことで、運用受託機関の管理を行っています。
なお、本年4月から新たな中期目標に基づいた管理・運用を行うこととなっており、新たな中期目標においては、安全・確実な運用の継続、管理・運用業務の透明性の向上、業務の更なる効率化などを盛り込んでいます。
3.年金積立金の運用の仕組み
年金積立金の運用は、特性の異なる複数の資産に分散して投資することにより、より運用のリスクを低く抑えられるという「分散投資」の考え方に基づき、国内外の債券・株式に分散して運用しています。
また、TOPIX(東証株価指数)などの「ベンチマーク」に連動し、市場の平均的な収益の確保を目指す「パッシブ運用」を中心とした運用を行っています。
基本ポートフォリオ
|
国内債券 |
国内株式 |
外国債券 |
外国株式 |
短期資産 |
資産構成割合 |
67% |
11% |
8% |
9% |
5% |
4.直近の運用状況について
年金積立金の運用実績(平成13年度(自主運用開始)以降の累積)
(平成13年度から平成20年度まで)
・ 累積収益額 |
約13.8兆円 (平成21年度12月末まででは、約21.4兆円) |
・ 収益率平均(過去8年間) |
1.1% |
年金積立金の運用結果については、四半期ごとに公表を行っており、直近では、2009(平成21)年10月から12月までの平成21年度第3四期の運用状況までが公表されています。
平成21年度は、海外の株式市場が大きく上昇したことにより、6.5%(約7.6兆円)のプラスとなっています。また、2007(平成19)年度、2008(平成20)年度においては、リーマン・ショックの影響等により大きなマイナスとなったものの、厚生労働大臣が自主運用を開始した2001(平成13)年度から平成21年12月末までの累積の収益では、年金積立金全体で約21兆円プラスとなっています。
年金積立金は、国民の皆様からお預かりした大切な資産であり、引き続き、厚生年金保険法等の規定に基づき、長期的な観点から、安全かつ効率的に管理・運用を行っていくこととしています。
(年金局総務課)