厚生労働省


厚生労働科学研究の成果の紹介(認知症研究)

厚生労働科学研究とは、厚生労働省の行政施策に必要な科学的な根拠を生み出すために行われる研究を総称したものです。厚生労働省の行政施策を、科学的根拠に立脚して実施するため、国立の研究機関、大学、民間の研究機関などが研究を行っています。

今回は、厚生労働科学研究において行われている、認知症(中でもアルツハイマー病)を克服するための研究をご紹介します。

この研究は、アルツハイマー病の発症を予測したり、治療薬の効果を確認する方法を開発するための研究で、英語の略称からADNI(Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative)と呼ばれています。米国やヨーロッパ、オーストラリアでも同様の研究が行われており、平成20年度から、わが国でも本格的に研究が開始されました。

日本で行われているこの研究は、JapaneseのJを付けて、J-ADNIと名付けられており、全国の大学病院などの認知症の専門医療機関で行われています。J-ADNIでは、早期のアルツハイマー病の方、軽い認知障害の方、健康な高齢の方に協力していただき、2〜3年の間、半年毎に心理検査や血液検査、脳の形や働きなどを画像で見ることができるMRI検査やPET検査といった、様々な検査を受けていただき、病気と検査データの関係を調べています。

J-ADNI研究について

J-ADNIで行われるアルツハイマー病の検査の具体例を下に示します。MRI検査では、脳の決まった部分が縮んでいる(「萎縮」といいます)かどうか、PET検査ではアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドという物質が蓄積している(図では赤色〜黄色)状態や、決まった部分の脳の働きが落ちることでブドウ糖代謝が低下している(矢印;図では緑色)かどうかがわかります。

この研究によって、アルツハイマー病をきわめて早期に診断できるようになることや、治療薬の効果を正確に判定できたりするようになることが期待されています。

J-ADNIにおける検査の実際
(大臣官房厚生科学課)

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