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IV.その他関連事項

(1)基本認識
通し
番号
意見の概要 考え方・対応 同意
見数
171  政府における化学物質管理に係わる各種制度間の一層の連携や整合性のある運用を図ることは当然であるが、さらに省庁の枠組みを超えて、一元的に化学物質の安全管理を目的とする総合的な法制度を整備するとともに、「化学物質安全庁」(仮称)のような横断的な独立組織を設置するなど、組織体制を整備すべきである。  化学物質の安全管理に関しては政府が一体となって取り組んでいくことが重要であり、先ずは本報告にもあるように関係制度間、関係省庁間の一層の連携を図ることが重要と考えます。ご指摘の点についても、その状況を見ながら長期的に検討すべき課題と考えます。  
172  化審法は化学物質の製造・輸入を規制する非常に厳しい法律である。他方、化管法と同様な枠組み規制、或いは「水生生物保全に係わる水質目標値」などの出口規制で対応がとれるものもある。化審法の規制措置の適用に当たっては、こうした他の規制措置との連携をとり、過剰な規制にならないように配慮することが必要である。  環境保全に係る化学物質対策にはさまざまな制度がありますが、政府においてはそれらの間で連携をとって取組がなされるべきと考えます。 3
173  化審法が制定されて約30年になるが、この間に化学物質の規制・管理に関する法制度が増築・改築されて、現在では20〜30の化学物質に関する法制度が複雑に絡み合って存在する。
 従って化審法制定時に比べると化学物質管理体系は総合的になっており、今回の化審法の見直しにあたっては、化審法だけで化学物質管理・規制を行うという発想ではなく、他の法制度、特に関連の深い毒劇法、安衛法、化学物質排出把握管理促進法などとの連携を前提に見直すべきである。
 さらに、将来的にはこれらの関連法の総合的な再体系化が必要性であるとの視点を追加していただきたい。
 環境保全に係る化学物質対策にはさまざまな制度がありますが、政府においてはそれらの間で連携をとって取組がなされるべきと考えます。
 なお、化学物質の安全管理に関しては政府が一体となって取り組んでいくことが重要であり、先ずは本報告にもあるように関係制度間、関係省庁間の一層の連携を図ることが重要と考えます。ご指摘の点についても、その状況を見ながら長期的に検討すべき課題と考えます。
 
174  私たちが望む改正をした上で、環境基準や水質基準に連動させていくべく法的な担保を求めます。環境省、厚生労働省との連携を密に改正を進めて下さるようお願いします。  化学物質対策にはさまざまな制度がありますが、政府においてはそれらの間で連携をとって取組がなされるべきと考えます。  
175  化審法を含めて化学物質管理に係わる法制度の運用において、各規制対象物質の指定にあたっては、市民の申出権や審議会への市民・NGO代表の参加を認めることにより、運用の透明化・民主化に取り組むべきである。  化学物質審査規制法の第一種特定化学物質等の直接規制の対象物質の指定にあたっては、一般的にはパブリックコメント手続きが行われており、国民の方々が意見を申し出る機会が設けられていると考えます。  

(2)リスクコミュニケーション促進のための化学物質に関する情報の整備
通し
番号
意見の概要 考え方・対応 同意
見数
176  国が行った評価内容と審査・規制結果については、国民にわかりやすく、かつ正確に公表すべきであり、その公表結果をマスメディアが正しく報道しているかをチェックし、正しくない場合はそれを正すような行動を考慮すべきである。これは勿論、報道指導・規制をせよ、ということではない。
(理由(1))
 マスメディアには、公正かつ公平な報道を期待したいが、最近の事例でも公表結果が公平に報道されていないケースがみられる。
(理由(2))
 正しい科学的情報をわかりやすく国民各層に発信することは、リスクコミュニケーションの前提条件であり、各種の情報をわかりやすい形に整えるのは行政の勤めである。行政サイドからの情報発信、コミュニケーションの場作りとその推進者養成等、一層の努力をお願いしたい。
 国が行った評価内容については、これを関係者にわかりやすい形で公表していくべきと考えます。
 一方、マスメディアの報道については誤解に基づく報道とならないよう政府としても適切に情報を提供していくことが必要と考えます。
 
177 ・情報公開を原則とする
 (a)  小規模の事業所についても、化学物質の製造・使用・販売量を、地域毎に明らかにするようPRTR法をより強化する。農薬については、個人・業者に関係なく使用者に使用履歴の記帳を求めることも必要である。
 (b) 化学物質を製造・販売・使用するメーカーは毒性試験や環境影響評価のデータの文献調査を実施し、その結果を消費者に提供する。
 (c) メーカー自ら作成した毒性試験や環境影響評価データはすべて公開する。
 (d) 製品に含有される化学物質名とその含有量及び含有される不純物とその含有量を公開することをメーカーに義務づける。
 (e) 行政の審議会で論議された毒性試験や環境影響評価などの審議過程をすべて公開する。
 (f) 上記の情報公開は、パブリックコメントを求める際の資料とする。
 (g) 上記の情報公開を前提として、公開されたデータが盗用されることによって企業活動に不利益が生じないような制度をつくる。
 企業による化学物質の情報の公開は、リスクコミュニケーションの促進に役立つものと考えられ、その重要性については本報告に述べられています。
 また、新規化学物質の審査に当たって提出された情報や新たな制度の下で報告される情報等、国が事業者から取得した情報については、国の情報公開制度における企業秘密の取扱いとの整合性にも留意しつつ、公表の在り方について検討していくべきと考えます。
 なお、化学物質排出把握管理促進法に対するご意見については、本報告の内容に直接関係するものではありませんが、今後の化学物質管理の参考にさせていただきます。
 
178  環境あるいは環境を経由した暴露可能性を考慮して、製造者だけでなくすべての化学物質を使用する事業者が自らの事業場からの環境放出と製品からの消費者のリスクを評価し管理することが必要である。その際に、利害関係者の化学物質リスク評価の手法が整合されていなければ、国民的な合意が得られにくい。そのためには、国は主導的に化学物質のリスク評価について啓豪・教育を行うことが必要である。  国においても化学物質のリスク評価に関して普及・啓発を行うことが必要であると考えます。  
179  事業者から届け出られた新規化学物質も、届出事業者には判定結果だけでなくその根拠も示されるべきである。企業秘密の取扱いとも関係するが、一定の期間をおいた後には既存化学物質と同様に判定根拠が公開されることも必要である。  国が行った評価内容については、これを関係者にわかりやすい形で公表していくべきであると考えます。  
180  化学物質の事前審査及び特定化学物質の指定審査における分解性、蓄積性及び毒性等の情報及び事業者から報告のあった有害性等の情報については、情報が得られ次第、情報提供及び公表をされたい。  新規化学物質の審査に当たって提出された情報や新たな制度の下で報告される情報等、国が事業者から取得した情報については、国の情報公開制度における企業秘密の取扱いとの整合性にも留意しつつ、公表の在り方について検討していくべきと考えます。  
181  化学物質の管理・リスク削減のためには、情報公開の徹底はもちろん、市民にわかりやすい情報提供が不可欠である。用途別生産量・輸入量などのマスフローデータから、個別物質ごとの毒性情報や毒性評価情報まで、各種データを広く収集するシステムを整備し、それを公表すべきである。循環型社会を構築するためには、化学物質にかかわるテータのみならず、生産・消費から廃棄に至るまでさまざまなデータを収集し、一元的に管理、公表する制度が必要である。そのような趣旨で、「環境情報統計・公開法」(仮称)のような法律の制定も検討すべきである。  国が事業者から取得した情報については、国の情報公開制度における企業秘密の取扱いとの整合性にも留意しつつ、公表の在り方について検討していくべきと考えます。  
182  情報公開にあたっては、国際整合性や国内他法令との整合性も考慮し、公正な競争を阻害しないよう営業上公開できない情報の保護などを十分に考慮し、事業者の権利や競争上の地位の保護などを確保すべきである。 3
183  WTO加盟各国においては、国内法により知的財産権が保証される。
 この観点から、今回の化学物質審査規制法改正にあたりCBIの概念を導入すべきである。
 
184  人の健康や環境を守る為に必要な範囲で化学物質の有害性情報を公開することは必要であること、リスクコミュニケーションの促進が必要なことは認識しておりますが、情報公開にあたっては、国際整合性や国内他法令との整合性も考慮し、公正な競争を阻害しないよう営業上公開できない情報の保護などを十分に考慮し、事業者の権利や競争上の地位の保護などを確保していただくことを要望いたします。  
185  リスクコミュニケーション強化を取り上げたことは賛成であるが、一般にリスクコミュニケーションは、行政、または事業者と市民との間のリスクコミュニケーションと考える場合が多いが、行政と事業者の間のリスクコミュニケーションおよび三者の内部のリスクコミュニケーションも重要である。  
186  この点はもっとしっかり書いてほしい。リスク管理の全段階でリスクコミュニケーションが必要であること、リスクコミュニケーションを関係者が進めるには情報の非対称性の改善のために情報公開が必須であり、もっと進めるべきであることを書いてほしい。自主管理は各社とも企業責任の観点で行っているが、企業以外の関係者は自主管理のプロセスや成果、自己評価等を公開していただけないと、自主管理のほうが法規制遵守以上の取組みであることがなかなか確認・理解しにくい。  ご指摘を踏まえ、リスクコミュニケーションの促進における化学物質審査規制法に基づき得られる有害性情報の公表の役割を明確化しました。  


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