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血漿分画製剤原料血漿確保対策について


血漿分画製剤原料血漿確保対策について
(平成二年一月一八日)
(薬発第三九号)
(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
 血液事業の推進につきましては、平素より特段のご配慮をいただいていますが、昭和五十年代から急激に需要が伸びてきた血漿分画製剤については、そのほとんどを輸入血液に依存している状況にあり、倫理性、安全性、安定供給の面での問題が指摘されるところとなっています。このため、昭和三十九年の閣議決定の趣旨並びに「血液事業検討委員会中間報告」(昭和六十年八月及び昭和六十一年七月)及び別添1「新血液事業推進検討委員会第一次報告」(平成元年九月)に基づき、今後、我が国の血液事業は、全ての血液製剤を献血により確保するという目的達成に向けて進めることといたしました。
 厚生省では、今後、国内自給に向けて具体的な対策を講じていくこととし、さらに国民の合意を必要とする事項については、引き続き「新血液事業推進検討委員会」において検討を進め、国民の期待に足る血液事業の推進に努めることとしていますが、早急に左記事項に重点を置いた新たな血液事業を推進する必要がありますので、各都道府県においては、日本赤十字社はもとより市町村との密接な連携のもとに、地域の特性に応じた実効ある対策を講じられたく貴職の特段の御配意をお願いいたします。
 なお、日本赤十字社社長あて別添のとおり通知しましたので、念のため申し添えます。
 今後の血液事業の方針
 今後、我が国の血液事業は、「新血液事業推進検討委員会第一次報告」に基づき、全ての血液製剤を献血血液で確保することとし、国内自給の達成に向けての諸施策を進める。
 各都道府県においては、「新血液事業推進検討委員会第一次報告」の趣旨を十分認識のうえ、県民に対し献血への理解と参加を求めるための新しい献血制度の普及啓蒙運動を展開するようお願いする。
 国内自給の推進方策
 国内自給の第一目標は、血友病患者に不可欠な血液凝固因子製剤とし、平成三年度中に日本赤十字社において製造・供給を一元的に行う。 このため、平成三年度中には本製剤の製造に必要な原料血漿五○万L(年間必要量)を確保する必要がある。
 また、アルブミン製剤及び免疫グロブリン製剤については、日本赤十字社が製造するほか、国内にプラントを持つ民間企業等に製造及び供給を依頼し、段階的に国内自給率を高める。
 なお、国内自給が達成された時点における供給体系は、無用な競争を避けるため、全国数か所(六〜七)のブロック単位に設置する供給専門公益法人に担当させる。
 各都道府県別原料血漿確保目標量
 貴血液事業担当部局及び貴管下血液センターと当局及び日本赤十字社との間において、平成三年度における「各都道府県別原料血漿確保目標量」について調整した結果、別添2のとおり各都道府県より平成三年度原料血漿確保目標量が示された。
 各都道府県においては、管下血液センター及び市町村と連携を密にし、地域別・献血種類別採血計画を立てて、目標量の確実な達成をお願いする。
 血液製剤の使用適正化の推進
 医療の進歩により血液製剤の使用量は年々増加してきたが、一部において不適切な使用が見られたことから、昭和六十一年七月の「血液事業検討委員会」第二次中間報告に基づき「血液製剤使用適正化ガイドライン」を作成し、血液製剤の使用適正化を推進している。しかしながら、その成果はまだ十分と言えるまでには至っておらず、今後、国内自給を進めていくためにはより一層適正化を推進する必要がある。
 各都道府県においては、血液が人体の臓器の一部であるとともに、国民の善意に基づく献血血液であるとの観点から、献血された血液が最大限に有効利用されるよう医療関係者に対する一層の指導をお願いする。
 成分献血、四○○ml献血の飛躍的推進と受入体制の整備
 昭和六十一年四月から安全性の高い製剤の供給と血漿分画製剤の国内自給率を高めるため、従来の二○○ml献血に加えて成分献血と四○○ml献血を新たに導入しその推進を図ってきたが、その進捗状況は各都道府県又は各血液センターにより相当の格差が生じている。このような状況が続けば、平成三年度の血液凝固因子製剤の国内自給はもとより、安全性の高い血液製剤の供給すら困難となることが予想されるので、今後は関係者の相当の決意と努力のもと、成分献血と四○○ml献血の飛躍的推進を図る必要がある。このため、各都道府県においては、新しい献血制度の普及と受入体制の整備に重点を置いた献血者確保対策の一層の充実をお願いする。
 市町村との連携に基づく献血の推進
 献血運動は、血液センターと都道府県、市町村が互いに連携を密にしてそれぞれが地域に応じた役割を担いながら進められるべきであるが、必ずしも全ての都道府県においてこの関係が円滑に進められているとは言い難い状況にある。今後、都道府県と市町村との連携を一層密にし、貴管下血液センターとともに地域の特色を生かした新しい献血制度を展開するよう、貴管下市町村に対し「新血液事業推進検討委員会第一次報告」及び本通知の周知を図られたい。
 なお、厚生省は、平成二年度新規国庫補助事業として都道府県及び市を対象とした「献血制度推進モデル事業」を実施することとしているので活用方検討されたい。
 各種ボランティア団体への協力呼び掛け
 本来、献血はボランティア精神に基づいた社会奉仕活動である。現にこれまでも数多くのボランティア団体の温かい支援のもとに献血事業が進められてきている。このような現実を踏まえ、今後も赤十字奉仕団を始めとする各種ボランティア団体の協力を得て新しい献血運動を社会的運動として推進していく必要があるので、関係団体に対し一層の協力の呼び掛けをお願いする。
 献血推進協議会及び献血者登録制度推進委員会の活性化
 献血推進協議会は、一部においては形骸化している向きも見られるが、国内自給に向けた新たな献血運動を推進していくにあたり、中心的役割を担うこととなるので、未設置市町村に対し設置方指導するとともに、その在り方について見直しを行う等実効ある活用を図られたい。
 また、献血者登録制度についても平成三年度における各都道府県別原料血漿確保目標量を達成するため、これまでの登録推進計画の見直しを行う等登録者確保対策の充実を図られたい。
 献血由来製剤の優先使用
 血漿分画製剤の市場は他の医療用医薬品と同様に価格競争が行われているが、献血由来製剤が単に経済的な観点のみから取り扱われることは、献血の基本理念に反することにもなるので、献血由来製剤が優先的に使用されるよう医療機関等に対し要請方お願いする。

別添・別添1・2 略

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