厚生労働省

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定例事務次官記者会見概要

(H20.11.6(木)14:01〜14:14 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

今日の次官会議には、厚生労働省関係の政令が一件かかっております。労働安全衛生法施行令等の一部を改正する政令案であります。中身は労働者の健康障害を防止するため、ニッケル化合物等を製造し、又は取り扱う屋内作業場について、作業環境測定を行わなければならないこととするとともに、石綿含有製品について代替が困難であることから経過措置の対象となっていたもののうち、代替が可能となったものついて、製造等を禁止するという内容です。私からは以上です、ご質問があればどうぞ。

《質疑》

(記者)

先日、社会保障国民会議の最終報告がありまして、財源論は経済財政諮問会議で、それから、年金、医療、介護などの改革案については懇談会が新たに設けられて、そこで工程表の策定をしていくということになりましたが、厚生労働省として特に年金、医療、介護の改革案についてどのように取り組んでそこに反映させていくのでしょうか。

(次官)

社会保障国民会議の報告が出まして、それを踏まえながらということですが、総理大臣の消費税の話もあったわけであります。消費税をどうするかという主要な部分はある意味で社会保障の制度改革、充実、あるいは当然増がどう影響するかということだと思っております。そういう意味で改革案の中身を固めていくことは重要なことだと認識しております。考えるべき中身につきましては、大きく二つに分ける必要があると思っておりますが、一つは当面の改革工程表をどういうふうに作っていくかということです。これについては関連部局を集めて、早急にまとめて行きたいと思っております。それから、その次の段階になりますが、改革工程表を踏まえて各論の改正ということになります。これはなんらかの体制を組んで改革工程表に沿って中身を詰めて行くという取組体制を作って対応して行きたいと思っております。体制については近々に大臣ともご相談して進め方を決めて行きたいと考えておりますが、今の時点では概ねそういうことを考えて行きたいと思っております。

(記者)

追加で「体制」とありましたが、イメージとしてはどのような感じですか。

(次官)

大雑把に言うと、プロジェクトチームのような感じです。今度の報告書の中身で大事だと思いますのは、医療と介護については連携の問題がかなり言われております。ですから、保険局とか、医政局とか、老健局とか、個別の分担を考えるのではなくて、相互的に考えて行く必要があります。それから、少子化対策についても、前から言われていることでありますが、子育て関係のサービス分野に渡る施策の話と、若い人の雇用に係る問題があるわけでして、こういうことについて車の両輪で動かしていくということですから、こういうことを考えられる体制を組んで行く必要があります。それから、所得、年金関係もありますが、年金は大きな、税方式を採るか、あるいは、国庫負担2分の1までにして社会保険方式を採るかということが選択枝として示されているわけですから、この選択は大きな政治問題だと思いますので、そういうプロセスに委ねられると思いますが、その前提として雇用が大事だということも言われておりますので、そういう面を踏まえた検討体制が必要だという認識であります。

(記者)

先日、調布市内の妊婦の方が6つの病院に搬送の受け入れを断られるという事件が報道されたのですが、この件に関して厚生労働省として現在の容態を含めた状況ともしくは、それまでの問題の背景や経緯どのくらい調査される意向があるのでしょうか。

(次官)

このことについては、報道ベースで見ますと二件連続似たような話が続いたわけです。大変痛ましい問題の多い事案だということで、この対応を考えないといけません。昨日、懇談会を立ち上げて検討を進めるということになりましたが、その懇談会で議論を進めるためにも、実態をきちんと把握していくことも大事だと思います。担当部局サイドで東京都と連携を取りながら調査をするということになっております。私自身は今の時点ではその進捗状況とか把握状況は報告を受けておりませんので、基本的にはその懇談会で議論ができるような形で対応していきたいと思っております。

(記者)

今日、総理が地方分権改革推進委員会の丹羽委員長と会われた際に、保育所の施設基準について「地方に任せてやれる話だ」という発言をされたのですけれども、それについての受け止めと厚生労働省の施設基準に対する、地方に移すことに対する、何か検討しているのであればどういう状況にあるか教えていただけますか。

(次官)

保育所の関係については、前から地方分権改革推進委員会でも議題になっておりまして、最低基準についてそれを一つの標準と位置付けて最低基準を下回るものがあっても良いのではないかという議論が出ているところであります。最終的には年末に向けてきちんと方針を固めるということになると思いますが、私どもの基本的な大きなスタンスといいますのは、基準が全く無くなって、例えば、サービス水準が低下するということになって良いのだろうかという問題意識は持っております。その中で施設に対する基準と人的なサービスによる基準とは2つ分けて考えても良いのではないか、施設に対する基準については弾力性が、ある程度持たせられるのではないかという気持ちでおります。現段階ではそういう方向性を持っておりますが、最終的には12月までにきちんとまとめていきたいということであります。

(記者)

そうすると人的サービスについては、そこは国の統一基準であるべきだということなのでしょうか。

(次官)

補助金が流れていくという時に、基本的にサービスを受ける側にとって問題が無いかというのが大きな点だと思います。つまり、国の基準にこだわらないという話がもっともっと地方自治体の判断で高い水準のものにするということであればこれは問題はほとんど無いと思います。その分、地方自治体の方の負担も増えますので、その負担をどう考えるかという中でやってもらう。では、サービス水準が低くて良いのかというと、これまた預ける側にとっては心配なことだと思います。そういう心配の無いものにしなくてはいけないということだと思います。そういうことを考えた時に物理的な意味での構造基準的なものと人的なサービス、人目が届くと、安全性を確保するという意味での基準には若干質の差があります。その質の差を考えて対応を考えていきたいということであります。

(記者)

本日、墨東病院の遺族の方がコメントで事件が起きた後の行政の対応にも不満があるというふうにおっしゃっていたのですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。

(次官)

コメントの背景とか中身が分からないものですから、どの点について不満があるとおっしゃったのか分からないのでちょっとコメントのしようがないのですが。この問題については、いろんな要素があるわけですけれども、昨日開きました「周産期医療と救急医療の確保・連携に関する懇談会」の中で何とか早急にできる改善策は何かというのを固めていきながら対応するというのがまず第一だと思っております。

(記者)

産科と救急の連携について今まで全く連携が取れてこないまま問題が改善されてこなかったわけですけれどもそれについては。

(次官)

それは今回のことを踏まえて何らかの改善を図りたいと思っております。

(記者)

昨日、大臣がヤミ専従の問題で告発をしたいということを会見でおっしゃったのですけれども、それに対する次官のお考え、見識をお願いします。

(次官)

専門の先生方に調査、検討していただいて、ヤミ専従の対象者も4名ほど新たに分かりましたし。その犯罪を構成するか否かということについての検討、それを踏まえた上で告発することが適当かどうかの検討を、専門家の立場で報告をまとめていただいたところであります。報告書によりますと、背任罪の構成要件には該当するということと、告発につきましては、国家公務員という立場であるとか、あるいは社会保険問題について社会的にいろんなことが問題になっているということを踏まえての判断、それから一方で、財産犯についてはその金額が大部分返還されているというような場合には不起訴になるのが通例であるとか、そういうようなことが示されたわけであります。そういう専門家の意見を踏まえまして、大臣の見識として告発をするということにしたわけであります。私は、第三者、専門家が調査していただいたところでありますが、最終的な判断は、それを踏まえて厚生労働省に委ねられているわけでありますので、その委ねられているものを踏まえての判断、有り得ることだと思っております。司直のサイドで厳正に判断してもらうということがある意味で私どもにとって襟を正す一つの整理だという気もしますので、これは一つの判断だと受け止めております。

(記者)

これまで医療界の縦割り、病院の縦割りということについて何らの行政の指導も何も無かったわけですけれども、その縦割りについて何の問題も認知されていなかったというか、問題があったとはお考えには。

(次官)

グループ医療、チーム医療とか言われているわけでありますので、病状に応じてその専門家が入って対応する形になっているわけでありますから、縦割りについて何もしていないということは無いのではないかと。それから、患者を診ての個別の医師の判断になりますので、それは、医者が専門知識に従いどういう人たちを呼び、どういうグループで対応するかと考えるのだと思います。そういう意味で、縦割りを放置してきたとか、縦割りを進めてきたということでは無いのではないかと私は思っております。ただ、今回の周産期医療と救急医療の関係については、周産期医療というのは、我が方で言えば出産子育て問題ということで大きくは雇用均等・児童家庭局がずっと対応してきて、これは厚生省時代から対応してきた話であります。一方、救急医療は医政局が対応してきております。この連携についてはこの機会に少し考えてみる必要があるかと思っております。

(了)


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