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各シルバー人材センターの取組事例 別添3

事例1 草加市シルバー人材センターの取組

1 親子のひろば「のびーすく青柳」

  • 平成19年度に地元自治体(草加市)の助成を受け、0〜3歳児「親子のつどいのひろば のび〜すく青柳」を草加市内(大型スーパーマーケット施設内)に開所。
  • 育児に悩む母親などに母親同士の触れあいの場を提供する他、相談日を設け無料で保育士・助産士・栄養士による相談を実施。
  • 「のび〜すく青柳」の平成24年度の年間利用者は4,392人(月平均366人)となっており、約10名のシルバー人材センター会員が交替(月6〜8日就業)で運営に当たっている(日々2〜3人の会員が就業)。
  • 開所時間は午前10時から午後4時迄(土・日・祝日も開所)、月の利用料金は1,200円(一日利用の場合は300円)となっている。
  • 地域の子育て支援と高齢者の就業機会の確保の両立を図る事業として、評価されている。

「のびーすく青柳」外観

「のびーすく青柳」外観

保育士資格を持つ会員

保育士資格を持つ会員

育じい役を務める男性会員(右端)

育じい役を務める男性会員(右端)

  • 就業する会員の皆様の声
    • 公立保育園を退職後、この施設で就業させていただいていますが、大変やり甲斐がある。子供の成長を見守れるのが何より嬉しい。
    • 男性会員でも子供が懐いてくれる。また、不審者が覗き込むようなこともあり、男性会員がいると安心感がある。
  • 施設利用者の皆様の声
    • 夫婦ともに県外出身で近隣に知人がいない。家にいてもスト レスが溜まるばかりであり、こうした施設が近くにあって大変助かっている。スタッフ(会員)からは便秘など子供の体調が不良の場合の対処方法など育児の上でのアドバイスをあ親身にしていただいている。
    • 母親同士の触れあいができて助かっている。駐車場もあり、 買い物にも便利な立地にあり、こうした施設が増えると小さな子供を抱える母親には嬉しい。

2 ちょこっと手助けサービス

  • 地域のニーズを取り入れた事業として、65歳以上の高齢者や障害者を対象に、買い物や部屋の掃除など日常生活上の手助けを行う事業(名称:「ちょこっと手助けサービス」)を平成24年7月から開始。
  • 利用料金は、1回500円(30分程度のサービスを提供)。利用件数としては、月50〜60件程度であるが、これをきっかけにシルバー人材センターの理解が深まり、他のサービスの受託に繋がることも多い。
  • この事業は、独居老人の孤独死などが社会的な問題となる中、地元自治体(草加市)が、平成24年度に関係機関および関係事業者の協力を得て立ち上げた、地域の高齢者の見守りを行う事業(「草加市高齢者地域見守りネットワーク事業(愛称:634(むさし)ネットワーク」)へ協力する手段ともなっている。
  • 「むさしネットワーク」事業では、関係機関等が生活状況が心配な高齢者を把握した場合は、「地域包括支援センター」へ連絡し、事後、草加市が高齢者の支援をするというものであり、草加市シルバー人材センターは、「地域見守り協力機関」として、地元自治体へ協力をすることとしている。
  • 高齢者の就業機会を確保し、また、独居老人の見守りに関して 地元の地方自治体と連携した好事例と言える。

食事の配膳をする会員

食事の配膳をする会員

家事支援をする会員

家事支援をする会員

「ちょこっと手助けサービス」案内チラシ

「ちょこっと手助けサービス」案内チラシ

  • 就業する会員の皆様の声
    • 「ちょこっと手助けサービス」の利用者から「本当に助かった」という言葉を貰い感激しました。身近にハンディキャプのある方が居ることは意外と地域でもあまり知られていない。地域で支え合える社会になると良い(女性会員)。

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事例2 福井市シルバー人材センターの取組

1 介護と子育て支援の拠点「ひだまりの家」

  • 福井市シルバー人材センターでは、平成元年度から全国に先駆けて福祉・家事援助サービス事業を開始し、平成12年度には、全国のシルバー人材センターのトップを切って介護保険事業に参入。
  • 以降、通所介護事業、小規模多機能型居宅介護事業、介護タクシー事業、指定介護居宅事業等を展開、介護にかかる事業に力点を置いた運営をしてきている。
  • 介護事業の拠点の一つとなるのが、福井市内に所在する「ひだまりの家」である。元々、地元自治体へ物納された物件であったが、地元自治体の後押しもありこれを介護ができる施設に改良し、平成15年10月からこの施設において通所介護事業(「シルバーデイサービス事業」)を開始した。
  • 約2,000坪の敷地に赴きのある日本家屋と広い庭があり、他では見られない落ちついた面持ちの施設となっており、利用者から好評を得ている。
  • また、同施設では、生後6ヶ月から就学前の幼児の一時預かり事業(「シルバーママサービス」)としての保育施設を併設している。
  • シルバーママサービスの利用時間は月〜土曜(祝日、お盆、年末年始を除く)まで8:30〜17:30までで1時間700円(福井市市民で1日8時間以内の利用の場合1時間350円)となっている。

介護と子育て支援の拠点「ひだまりの家」

介護と子育て支援の拠点「ひだまりの家」

シルバーディサービス事業

シルバーディサービス事業

シルバーママサービス事業

シルバーママサービス事業

  • 同施設では、看護師、ホームヘルパー、保育士などの資格を持つ会員約30人が、週2日程度の交代制で就業している。
  • 地域の介護と子育て支援、高齢者の就業機会の確保の両立を図る事業と言える。

2 多様な独自事業の展開

  • 福井市シルバー人材センターでは、受託事業、介護保険事業、派遣事業のほか、独自事業として計19種類に上る様々な事業を展開している(以下に3例を掲示)。
  • 独自事業は自らが生産したものを販売した売上げ等で就業する会員への配分金を確保するものであるが、受託事業等と異なり、売上げが少ない場合は十分な配分金が確保できない恐れがあるものである。
  • こうしたリスクがある中でも多様な独自事業を展開するのは、会員の熱意とチャレンジ精神を持続させるもの。同センターの理事長は「会員の皆様お一人お一人がセールスマンの気持ちを持ち、座して待つのではなく自ら行動を起こし、元気で生きがいのある毎日を過ごそうではありませんか」と日頃から、会員へ呼びかけている。
(1)しめ縄づくり

 「ひだまりの家」に隣接する作業場において製作。正月に向けて10月から作業が佳境となる。平成24年度では、しめ縄大ジメ700個、しめ縄小ジメ1,000個を販売。1個1,000円(大ジメ)。会員約40人が就業している。

しめ縄作業所

しめ縄作業所

しめ縄(大)

しめ縄(大)

(2)さをり織り教室

 福井市シルバー人材センターでは、パソコン教室、英会話・中国語教室、着付け教室など市民等を対象に受講者を広く募集し、有料で講習会・セミナーなどを独自事業として実施している。その中で、他では見られないものが「さをり織り教室」である。大阪発祥の「さをり織り」は、パターン化された機械織りではなく、手織り機により自由な発想で織り込むもので、人気コースとなっている。
 また、「手織り工房 おりひめ」において、会員が「さをり織り」にて製作した作品を販売している。

手織り機による実習

手織り機による実習

出来上がった作品

出来上がった作品

(3)フリーマーケットでの委託販売

 市内商店街の空店舗を活用し、「フリーマーケットのお店げんきくん」を運営。使わなくなった衣料・日用品の委託販売を行い、好評を得ている。

げんきくん店舗外観

げんきくん店舗外観

げんきくん店内の様子

げんきくん店内の様子

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事例3 上田地域シルバー人材センターの取組

1 シルバー農園

  • 地域における農業従事者の高齢化・農業の担い手の減少から 耕作放棄地が増加。耕作放棄地の利用を高めることが地域の 重要な課題。
  • 上田地域シルバー人材センターでは、地元自治体に協力し、こうした地域の課題の解決を手助け。
  • 国補助金が受けられる企画提案型の事業として平成23年度に上田市郊外の耕作放棄地等約450坪を借り受け、「シルバー農園」としてスタートさせ、自治体の助成も受けながら会員の就業機会の確保に努めている。
  • シルバー農園では、約10人の会員が就業し、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、パプリカ、里芋などを栽培し、地元の市のほかシルバー人材センター事務所で販売。購入者からは「不揃いのものもあるが、味が良い」と好評。
  • 年間の売上げは60〜70万円であるが、農業分野における就業機会を確保することの先駆的な取組みであり、今後が期待される。

上田地域シルバー人材センター

上田地域シルバー人材センター

シルバー農園

シルバー農園

シルバー農園で収穫を喜ぶ会員

シルバー農園で収穫を喜ぶ会員

  • シルバー農園で就業する会員の皆様の声
    • 元サラリーマンであるが、楽しく就業させていただいている。野菜作りは簡単でないが、作り方を丁寧に教えていただいており、得た知識は自宅での栽培でも役立っています(男性会員)。
    • 元々農家であり、その関係でシルバー農園のリーダーをさせていただいている。虫に喰われて2〜3割は売りものにならないが、購入者からは好評を得ており、今後も続けていきたい(男性会員)。
  • 関係者の声
     後継者不足などにより市内には遊休農地が沢山あり活用の申し出も多く、何とかそうした要望にも応えたい。しかしながら、年間60〜70万円の販売額であると、その大部分は種・肥料・農薬の購入費用で終ってしまうのが実状である。地域の課題と高齢者の就業確保をいかに図っていくかが課題である。

2 子ども体験教室

  • 耕作放棄地が増加している理由に、農業の後継者不足があるが、先ずは次代を担う子供達に土に親しみ収穫する喜びを通じて、農業の理解をして貰うことが必要。
  • こうしたことから、遊休荒廃農地を活用し、子供の収穫などの農業体験教室を行うことを柱とする企画提案型事業を平成21年度から実施している。
  • 平成24年度は、子供体験教室を夏、春の休みに延べ9日間開催。ジャガイモの植え付け、収穫、牧場体験などを実施。参加児童数は、長野県内の小学生を中心に目標数の1.3倍、参加会員数も1.5倍の実績を挙げている。
  • 学校ではなかなか体験できないものであり、子供達も積極的に参加しているほか、地域にも好評を得ている。現在参加料は無料(傷害保険料のみ徴収)で実施。
  • 事業内容としては地域の課題解決にも協力出来得るものであるが、発展的に自主事業化出来得るかが最下の課題であり、現在方策を模索している。

そば打ちの体験をする子ども

そば打ちの体験をする子ども達

熱心に教える会員

熱心に教える会員

  • 独自事業化するには、参加費用を有償化し、なおかつ関東近県からも広く募集し参加者を確保していく必要があると考えられるが、子ども体験教室のPR、旅行代理店などを通じた募集など、方策について幅広く検討していく余地がある事業である。
  • 参加者の声
    • 学校でこうしたことは教えてくれないし、初めてのことでとても楽しかった。優しく教えて貰って良かった。(そば打ち参加の小学生)
  • 関係者の声
    • 地域の中で「農業と子育て支援」というテーマに一環して取り組んできた。こども体験教室もその一環である。将来を担う子ども達に土と親しむことを教えていくのは、我々世代の責務でもある。シルバー人材センターとしても何らかの形で遊休耕作地が減らせるようなことに協力できると良いと考えている。
    • これまでのこうした取組もあって、地元自治体から「市民農園」の管理も任されるようになった。シルバー人材センターとしても、今後、市民農園的なものを育て、農業に参加する人づくりにチャレンジしていきたい。
    • シルバー人材センターの会員約2,000名に協力していただき、地域の農業を発展させていきたいと考えているが、農家も高齢化が進んでおり、栽培や収穫など手伝って欲しいという要望もあるので、先ずはこうしたことから取り組んでいきたい。

3 携帯メールを活用した連絡体制づくり

  • 従来、発注者等から業務の委託等を受けた場合に、シルバー人材センター会員に就業依頼をするのは、電話連絡が主体であったが、携帯メールを活用した連絡体制づくりに取り組んでいる。
  • 予め携帯電話を登録している会員に一斉メールを送信し、一早く就業案内情報を伝達。会員からの連絡を待ち、調整の上、就業者を決定している。
  • 現在携帯メールの登録率は全会員の約10%であるが、よりスムーズな連絡手段の導入により事務局・地区班長などの連絡にかかる事務の効率化と就業機会提供の公平性が担保されるようになっており、体制づくりを進めていく。
  • 会員への就業案内情報の伝達手段として、先駆的な事例と言える。

4 会員一人一開拓運動の実施

  • 上田地域シルバー人材センター会員は、「常に、仕事はないか」ということを念頭に、発注者や企業などとの関係づくりの強化に努めている。
  • 役員も民生委員会、医師会会合、老人クラブなどありとあらゆる機会を通じてセンターのPRをしている。
  • 1人の会員が新たに1万円の仕事を見つけられれば、約2千万の増収に繋がる。こうしたことで、就業促進部会を中心に、「会員一人一開拓運動」を推進。
  • この結果、平成24年度は、一般家庭を対象とした就業実績で、前年度比111.4%の増加を見た。
  • 開拓数上位者には功績賞を授与した。

携帯一斉メールを活用した就業情報の伝達

携帯一斉メールを活用した就業情報の伝達

上田地域シルバーだより(2013年4月20日号)

上田地域シルバーだより(2013年4月20日号)

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事例4 甲賀市シルバー人材センターの取組

1 剪定枝葉チップリサイクル事業

  • 独自事業として、剪定業務で発生する枝葉を再利用し、肥料(雑草抑制剤・土壌改良材)を製造・販売する事業を平成12年6月から開始。
  • 従来、剪定後の枝葉は処分していたが、再利用により処分費用の軽減と、肥料販売による売上げ収入を得ることが可能となった。
  • 製造方法は、集積した枝葉を高速粉砕処理機(中型チッパシュレッダ)を利用しチップ化し、米ぬか・鶏ふん・発酵菌を混ぜ合わせ、約半年間かけて熟成させ堆肥化し完成。完熟堆肥を袋詰めし、「コンポ水口2000」という商品名(1袋20リットル入り120円)で予約販売をしている。
  • 平成12年度から平成24年度までの13年間に約35,000袋(年間平均約2,700袋)を販売。価格が安価であることもあり好評で、半年待ちの状況。
  • シルバー人材センター当該事業に就業する会員は剪定班所属の15名の会員が携わっている。
  • 廃材(枝葉)の集積場および作業場は地元自治体の協力を得て、市の所有地約300坪を賃借。
  • 他の事業で不要となる廃材等を再利用する独自事業であり、資源の有効活用と高齢者の就業機会の確保の両立を図る事業と言える。
剪定枝葉チップリサイクル事業生産工程

(1)枝葉をチップ化

(1)枝葉をチップ化

(2)チップの仕込み

(2)チップの仕込み

(3)堆肥化

(3)堆肥化

(4)コンポ水口2000

(4)コンポ水口2000

  • 堆肥の更なる利用
     剪定枝葉チップリサイクル事業で発生した堆肥を使い、休耕田等を利用して地元の特産品である「かんぴょう」を栽培し、天日干しした製品を販売。さらに地域自治振興会と連携してかんぴょうを原料にしたオリジナルペットボトル茶の生産に原料提供している。

2 「四季まんてん甲賀野菜」ブランド化推進事業

  • 地元自治体(甲賀市)は、地元(甲賀)野菜の生産拡大を図るため、市内で生産され生産履歴がしっかりと記帳された野菜を「甲賀野菜」と位置づけ、シンボルマークを作成しブランド化を図り、このマークを付けた野菜を生産販売する取組みの推進を行っている。
  • 甲賀市シルバー人材センターでは、この取組みに協力し、企画提案方式事業として、国・自治体の助成を受けながら、耕作放棄地や会員所有の畑を利用して、「四季まんてんブランド甲賀野菜」の名称で生産(ニンニク、カボチャ、サツマイモ、ジャガイモ等)している。
  • 生産する野菜は、化学肥料や農薬を通常の半分以下に削減し、環境への負荷を削減する目的で栽培したこだわりのもので、甲賀市農業振興課およびJAと連携し出荷・販売。
  • 販売に当たっては、シルバーネットワークも活用し、京阪神の都市部のセンターにも協力を求め、販売をしている。
  • 農業分野において地元自治体と連携した事業であり、高齢者の就業機会を確保でき得る事業として期待できる。

収穫したサツマイモの選別

収穫したサツマイモの選別

収穫したニンニクの箱詰め

収穫したニンニクの箱詰め

水口かんぴょう

水口かんぴょう

かんぴょうを原料としたお茶

かんぴょうを原料としたお茶

  • 就業する会員の皆様の声
    • 甲賀市シルバー人材センターの事業で、にんにく、かんぴょうの栽培をしていますが、十分満足しています。安心・安全な栽培の仕方を研修会で学べたことが非常に役立った。来年も消費者に喜んでもらえる品物を作っていきたい(女性会員)。
    • シルバー堆肥・コンポを使ってかんぴょう栽培を開始して5年目になるが、本年から研修会への参加やコーディネータのアドバイスにより品質の良いかんぴょうが生産できる様になり喜んでいる(男性会員)。
  • 地元自治体意見・評価
    • 市は甲賀野菜の生産拡大推進事業を重点に進めていますが、甲賀市シルバー人材センターはこれに連携し取り組んでいただいていることを評価したい。また、「甲賀野菜」のシンボルマークを活用したPR活動やブランド化していただいていること、さらに、甲賀野菜の生産を通じ、耕作放棄地の解消や高齢者の生きがい・就業機会の確保に努められていることも評価します。
    • シルバー世代の蓄積されたノウハウが環境にやさしい農業に生かされようとしている。シルバー人材センターの全国的な組織を活用した販路開拓は安心な取引に発展する期待が持てる。

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事例5 守口市シルバー人材センターの取組

1 訪問介護事業

  • 平成13年7月から介護保険事業の訪問介護サービス提供事業所としてスタートし、平成18年4月からは介護予防訪問介護事業・障害者自立支援法に基づく居宅介護事業を開始。
  • 平成24年度実績は、訪問介護利用者月平均120名、訪問延べ回数21,012回となっている。守口市シルバー人材センターでは事業開始後、介護の取組みに力を入れてきており、現在、守口市内に約100余りの訪問介護事業所があるが、利用者数等から見てベスト3に入っている状況。
  • 訪問介護事業で就業する会員は、ヘルパー2級以上の資格者を就けているが、資格のない入会者は講習等を受講し、資格を取得した上で就業。
  • 介護事業に就業する会員は70歳前後がメインであるが、はつらつと就業している。事業開始時には「老々介護で大丈夫か」との心配もあったが、問題なく事業を展開している。
  • 就業する会員は、特に、長年の主婦業を生かして調理に自信があり、訪問先にある限られた食材で何品も料理する技量は他の事業所にはないものと、利用者からも好評を得ている。
  • 地域への介護サービスの提供と高齢者の就業機会の確保の両立を図る事業として、評価されている。

 訪問介護先で生活支援をする会員(左)

訪問介護先で生活支援をする会員(左)

  • 就業する会員の皆様の声
    • 100歳になる男性の介護を担当しています。軽度の痴呆も あり、言葉であまり気持ちを表現するのは苦手な方ですが、時折「ありがとうな」という言葉をかけていただき、嬉しくなります。おいしい食事を提供できるよう、野菜料理の工夫など努力しています。
  • 訪問介護サービス利用者の皆様の声
    • 一人暮らしをしているが、身の回りの世話や介護を親身にしていただき大変有り難く思っています(男性)。

2 病弱者等福祉サービス

  • 地域の介護老人保健施設と提携し、施設に入居する老人の福祉サービスの提供を平成14年度から開始。衣類の洗濯、買物、掃除、病院への付き添い等のサービスを有料で提供。
  • 介護老人保健施設に入居する老人は、身寄りのない方、家族が遠方にいる方、高齢・身体的機能低下により身の回りのことが自由にできない方など様々な事情を抱える方が入居している。
  • 一方、老健施設側においても、職員が入居者の身の回りの全てのことを常時介助・支援することもできないため、シルバー人材センターと提携したことは施設・利用者ともにメリットが生じている。
  • 現在、提携している施設は3カ所(入居する約20人の方がサービスを利用)であるが、今後、これまでの活動実績を踏まえて、地域の老健施設へ提携の働き掛けを行うこととしている。
  • 衣類の洗濯の場合、1回の利用料金は平均2,500円(コインランドリーでの洗濯機・乾燥機代含め)となっており、利用者は概ね月2回程度洗濯サービスを利用している。
  • 地域の介護老人保健施設の福祉サービスの向上とともに、高齢者の就業機会を確保でき得る事業として期待できる。

守口市シルバー人材センター

守口市シルバー人材センター

提携する介護老人保健施設

提携する介護老人保健施設

ていねいに洗濯をする会員

ていねいに洗濯をする会員

  • 就業する会員の皆様の声
    • 70歳も過ぎましたが、介護老人保健施設での仕事をさせていただいて、改めて、社会に参加させていただいているという喜びを噛みしめています。
    • 正直、「子供の世話になりたくない」し、「年金だけでは生活できない」という状況があり、シルバー人材センターで就業でき大変助かっています。
    • 一度、辞めようとも思ったこともありましたが、利用者の方から「辞めないで欲しい」という気遣いの言葉を掛けられ、これからも続けていくことにしました(女性会員)。
  • 発注者の皆様の声
    • シルバー人材センターの方は、入居者の話し相手にもなってくれており、施設としても大変助かっています。

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事例6 伊丹市シルバー人材センターの取組

1 保育園の運営

  • 平成20年10月から認可外保育施設として、月極保育事業を開始。
  • 元々は、市立病院勤務の職員向けの院内保育施設として開所され投資効率の悪さから閉鎖するに至った施設であるが、働く母親のための育児支援を通じて地域にも貢献できると判断し、運営を引き受けたもの。
  • 現在は、病院職員のほか市内に在住または在勤者の0〜5歳までの約50名の保育希望者を受け入れている。
  • 同保育園では、職員としての保育士等14人のほかにシルバー会員25人が就業しており、保育の担当として12人、調理担当として4人、管理・事務・用務・清掃担当として9人の会員が活躍している。
  • 課題としては、収入は利用者の保育料収入のみであり、支出が超過しておりセンターの内部留保を取り崩して対応。現在、子ども一人当たりに一定の公的補助が受けられる認可保育所の認可を受けられるよう目指している。

保育所施設玄関

保育所施設玄関

園児と教室にて

園児と教室にて

保育施設で園児と過ごす会員

保育施設で園児と過ごす会員

  • 就業する会員の皆様の声
    • 市民病院で看護助手をし、60歳で退職後、この保育園で就業することになりました。子供と過ごすことができてとても楽しいし、やり甲斐があります。子供から教えられることも多く、続けていきたいと思います(女性会員)。
    • 保育園で管理などの仕事をしています。園児の父母でない見たことのない方がいきなり入ってくることもあり、気を遣います。様々な催しなどでは子供達とともに動き回りとても楽しく過ごしています(男性会員)。

2 女性会員の就業機会の拡大

  • 女性会員比率は全国平均で32.3%と約3割の状況(全シ協統計年報 平成23年)にあるが、伊丹市シルバー人材センターでは、特に、女性会員の拡大に力を注いでおり、女性会員比率は38.8%(H25.4.1現在)となっている(全国第15位)。
  • 女性会員を増加させるには、女性が就業しやすい就業先の確保が課題となるが、伊丹市シルバー人材センターでは、地元自治体とも連携し、独自事業も含めて多様な就業先を開拓する努力をしている。
  • 平成25年4月現在、女性会員数は1,133人となっているが、これまでに拡大してきた特徴のある就業先は、以下のとおりである。
    1. (1)清掃業務(会社・マンションの清掃):約200人
    2. (2)家事援助サービス(高齢者世帯の掃除、洗濯、料理作り、病院の付き添い):約130人
    3. (3)公園内の売店での販売(市から運営を委託された公園内売店(「昆陽池」および「スカイパーク」売店)での飲み物、菓子類の販売):17人
    4. (4)市立中学校売店での販売および市立高校の食堂の運営:15人
    5. (5)大阪芸術大学短期大学部での喫茶店の運営:15人
    6. (6)デイサービスセンターの開所(民家を改装し、シルバーデイサービスセンターを平成17年から運営、7〜8人の要介護者へのサービスを提供):約20人
    7. (7)保育園の運営(認可外保育施設を運営):25人

注)「:」以下人数は、会員の就業人数

  • 就業する会員の皆様の声
    • シルバーにいるから、「出会い」「人との繋がり」が持てる。
    • 感謝されることで仕事に張りができ、生きがいになっている。
    • 何もしない毎日は退屈。シルバーに入会し仲間と共に働くことで元気に頑張れる。
    • 仕事をすることで規則正しい生活ができ体調が良くなった。
    • お客様の「美味しかった」の一言は何よりの励みです。

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事例7 府中町シルバー人材センターの取組

1 ふれあい喫茶「椿庵」の運営

  • 独自事業として、安芸府中町生涯学習センター「くすのきプラザ」に喫茶店(名称:ふれあい喫茶「椿庵」)を出店し運営を行っている。
  • 「くすのきプラザ」は、府中町・府中町教育委員会が設立したもので、町立図書館、大アリーナ、ギャラリー、トレーニングルームなどを有する複合施設となっている。
  • 椿庵の営業時間は、午前10時〜午後3時までとなっており、10人の会員が交替で就業している(1日3人〜4人の会員が就業、1人は調理師資格者)。
  • 椿庵が昼食時間に提供する、「日替わり定食」と地元名物の「白そば」が特に好評を得ている。

椿庵食事メニュー

椿庵食事メニュー

好評の日替わり定食(500円)

好評の日替わり定食(500円)

椿庵スタンド看板

椿庵スタンド看板

椿庵カウンター(奥の部屋が厨房)

椿庵カウンター(奥の部屋が厨房)

  • 喫茶店や食堂施設において就業を希望する会員は潜在的には少なくないものと考えられるが、独自事業によりこうした就業場所を確保することは、会員の就業意欲やモチベーションを高め、有する技能を発輝する場も提供できるものと言える。
  • 就業する会員の皆様の声
    • 水を得た魚のようである。やってみて良かった(男性会員)。
    • 日替わり定食の献立を考えたり、食材の調達も自分でしているが、やり甲斐があり楽しい(女性会員)。
  • 「椿庵」利用者の声
    • 定食の内容が良く、値段も安いので、十分満足している。白そばの量がもう少し多いともっと良い(男性利用者)。
    • 年中掃除をしていて清潔であり、気持ちが良い。応対も親切で良く利用させていただいています(女性利用者)。

2 シルバーママサービス事業

  • 高齢者の子育て経験を生かし、世代間の助け合いを行うとともに、地域社会に高齢者の活躍の場を確保することを目的に、乳幼児の一時預かり事業(認可外保育施設)を平成17年6月から実施。
  • 一時預かり施設は、府中町シルバーワークプラザ内の一画に設置し、生後6ヶ月〜未就学前児までの乳幼児を一時預かり(月〜金曜日までの9時〜15時迄 定員10人申し込み順)である。
  • 利用料金は、3時間未満、3時間〜5時間、5時間以上の3段階で3歳未満と3歳以上の利用条件により異なるが、1,200円〜2,500円の範囲となっている。
  • 保育士、看護師の資格を持つ会員と子育て経験が豊かで「保育サーポータ養成講座」を修了した会員約10人が交替により運営に当たっている。
  • 利用者の多くは町内にある大型のショッピングモールでの買い物などをする母親等であるが、平成24年度の年間利用者は延べ1,160人である。

シルバーワークプラザ外観

シルバーワークプラザ外観

子どもの一時預かり施設

子どもの一時預かり施設

子どもをあやすのにも慣れている会員

子どもをあやすのにも慣れている会員

  • 府中町シルバー人材センターでは、地元自治体と連携し、育児・介護に伴う家庭内での負担を地域の方々が支援する「府中町ファミリーサポートセンター」事業の受託をしている。一時預かりで、育児に疲れた母親を把握した場合は、ファミリーサポートセンターに繋げ、子育ての悩みを聞き様々なアドバイスを行よう努めている。
  • 就業する会員の皆様の声
    • 小さなお子様をお預かりするので、アクシデントが怖いが、そういうことも無く、楽しく就業させていただいている。
    • 子どもが懐いてくれるので、やっていて楽しい。
    • 主人を亡くし生活にも不安があったが、就業出来るところがあって良かった。

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