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平成22年度
税制改正要望事項
平成21年10月
厚生労働省
目次
新規要望事項等
その他の要望事項
新規要望事項等
1 子ども手当の創設
(1) 子ども手当に係る非課税及び差押禁止措置の創設〔所得税、個人住民税等〕
子ども手当について、非課税措置及び差押禁止措置を講ずる。
2 ひとり親家庭への支援策の充実
(1) 児童扶養手当に係る非課税及び差押禁止措置の拡充〔所得税、個人住民税等〕
父子家庭の父等に対し児童扶養手当を支給及び児童扶養手当の受給開始後5年を経過した者等への一部支給停止措置の廃止が検討されており、実現した場合、母子家庭の母等と同等の手当を父子家庭の父等に対しても支給するために、従来より母子家庭の母等に支給している児童扶養手当において講じられている非課税措置及び差押禁止措置を拡充する。
参考(平成21年10月20日第2回税制調査会において承認済み)
○ 生活保護制度において復活する母子加算の非課税及び差押禁止措置の拡充〔所得税、個人住民税等〕
生活保護費については非課税措置及び差押禁止措置が講じられており、今般復活することとしている生活保護の母子加算についても、同様の措置を講ずる。
3 求職者支援など雇用のセーフティネットの拡大
(1) 「求職者支援制度」に係る非課税及び差押禁止措置の創設〔所得税、個人住民税等〕
民主党マニフェスト等において、職業訓練期間中に、月額10万円の手当を支給する「求職者支援制度」を創設する旨記載されていることを踏まえ、平成23年度の制度創設に向けて、法的な措置も含めて労働政策審議会において検討し、この検討結果を踏まえて非課税措置及び差押禁止措置を講ずる。
(2) 雇用保険法の改正に伴う税制上の所要の措置〔所得税、個人住民税等〕
失業等給付については全て非課税とされているが、現在、雇用保険制度のあり方について労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会において検討を行っており、この検討結果を踏まえて税制上の所要の措置を講ずる。
4 各種施策の推進
(1) たばこ対策としてのたばこ税の税率の引上げ〔たばこ税、地方たばこ税〕
「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の締約国として、たばこ対策を強力に進めていくことが求められていることや、「健康日本21」において成人の喫煙に関する目標が設定され、「がん対策推進基本計画」においてもたばこ対策が重要な位置づけとされていることを踏まえ、喫煙率の減少のために、たばこ税及び地方たばこ税の税率を引き上げる。
(2) 肝機能障害を身体障害に含めることに伴う税制優遇措置の拡充〔所得税、法人税、不動産取得税、固定資産税等〕
身体障害者手帳の交付の対象となる身体障害に「肝臓の機能の障害」を追加することとしており、その場合には税制優遇措置の対象を拡充する。
参考(平成21年10月20日第2回税制調査会において承認済み)
○ 新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法(案)に伴う非課税及び差押禁止措置の創設〔所得税、消費税、個人住民税等〕
新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法(案)の創設に伴い、以下の税制上の措置を講ずる。
(i) 本法の規定に基づく健康被害の救済給付として支給される金銭への非課税措置を講ずる。
(ii) 本法の規定に基づく健康被害の救済給付のうち、医療費の支給に係る医療に対する消費税の非課税措置を講ずる。
(iii) 本法の健康被害救済給付のうち、障害年金を受けている者又は遺族年金を受けている遺族(妻に限る)の少額預金の利子所得等の非課税措置を講ずる。
(iv) 本法の規定に基づく健康被害の救済給付を受ける権利の差押禁止措置を講ずる。
・番号の前に※印を付してある項目は他省庁との共同要望の項目である。
その他の要望事項
1 地域医療の再生に向けて
(1) 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設〔相続税、贈与税〕
持分のある医療法人において、出資者の死亡に伴う相続税のために、相続人が出資持分の払戻しを請求する等により、医業の継続に支障を来すことのないよう、持分のある医療法人のうち、持分のない医療法人への移行を検討するものについて、以下の特例措置を創設する。
(i) 出資者の死亡に伴い相続人に発生する相続税の納税を3年間猶予するとともに、3年以内に一定の要件を満たす持分のない医療法人に移行した場合に、猶予税額を免除する。
(ii) 相続人や出資者が出資払込額の払戻しを受けた場合等に残存出資者に発生するみなし贈与の課税を3年間猶予するとともに、3年以内に一定の要件を満たす持分のない医療法人に移行した場合に、猶予税額を免除する。
(2) 周産期医療の連携体制を担う医療機関が取得する分娩施設に係る特例措置の延長〔不動産取得税〕
周産期医療の連携体制を担う医療機関が分娩の用に供する不動産を取得した場合に、当該不動産の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する不動産取得税の課税標準の特例措置について、その適用期限を2年間延長する。
※(3) 情報基盤強化税制の適用期限の延長及び拡充〔所得税、法人税、法人住民税〕
医療機関等が、レセプト電算処理やレセプトのオンライン請求の実施のためのソフトウェア、ハードウェアを取得した場合に、税額控除又は特別償却を認める特例措置(情報基盤強化税制)について、対象設備の追加等を行った上で、適用期限を2年間延長する。
※(4) 中小企業投資促進税制の適用期限の延長〔所得税、法人税、法人住民税〕
医業、医薬品・医療機器産業、生活衛生関係営業等を行う中小企業者等が、一定規模以上の機械装置、普通貨物自動車等を取得した場合に、その取得価額の7%の税額控除又は30%の特別償却を認める特例措置(中小企業投資促進税制)について、その適用期限を2年間延長する。
※(5) 病院等の耐震改修促進税制の延長〔所得税、法人税〕
病院等の事業用建物の耐震改修工事について、当該工事に要した費用の10%の特別償却を認める特例措置の適用期限を2年間延長する。
※(6) 病院等が取得した地震防災対策用資産に係る特例措置の延長及び拡充〔所得税、法人税、固定資産税〕
病院等が地震防災対策用資産を取得した場合に、取得価額の20%の特別償却を認める特例措置について、対象地域を全国に拡充する(現在は東海地震に係る地震防災対策強化地域等に限られている。)。
また、病院等が取得した地震防災対策用資産について、当該資産に係る固定資産税の課税標準を3年間に限り3分の2に軽減する特例措置について、対象地域を全国に拡充した上で、適用期限を2年間延長する。
(7) 独立行政法人地域医療機能推進機構の設立に伴う社会保険病院等に必要な非課税措置の創設等〔所得税、法人税、登録免許税、印紙税、法人住民税、事業税、不動産取得税、固定資産税等〕
社会保険病院等を保有している独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)の存続期限後においても、引き続き地域医療の確保を図ることができるよう、新たな受皿となる独立行政法人地域医療機能推進機構の設立に伴う、税制上の所要の措置を講ずる。
(8) 社会保険診療報酬に係る非課税措置の存続〔事業税〕
医療とりわけ社会保険診療の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。
(9) 医療法人の社会保険診療以外部分に係る軽減措置の存続〔事業税〕
医療事業の安定性・継続性を高め、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保に資する医療法人制度を支援するため、医療法人の社会保険診療以外の部分に係る事業税の軽減措置を存続する。
(10) 社会保険診療報酬等に係る消費税のあり方の検討〔消費税〕
社会保険診療報酬は国民に必要な医療を提供する高度の公共性を有していることから消費税は非課税とされ、医療機関や保険薬局の仕入れに係る消費税については社会保険診療報酬において措置されているところであるが、今後、消費税を含む税体系の見直しが行われる場合には、社会保険診療報酬等に係る消費税に関する仕組みや負担を含め、そのあり方について速やかに検討する。
※(11) 特定外国子会社等に係る所得の課税の特例(タックスヘイブン税制)〔法人税、法人住民税、事業税〕
タックスヘイブン税制について、必要な見直しを行う。
※(12) 国外関連者との取引に係る課税の特例(移転価格税制)〔法人税、法人住民税、事業税〕
移転価格税制について、必要な見直しを行う。
2 安心・活力の実現に向けた雇用対策の推進
(1) 障害者雇用促進法の改正に伴う障害者を雇用する事業所等に係る税制上の特例措置の拡充〔所得税、法人税、法人住民税、事業税、不動産取得税、固定資産税、事業所税〕
障害者雇用促進法の改正により、短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)に障害者雇用率制度の適用が拡大されることに伴い、税制上の特例においても、適用要件(雇用障害者数の割合)の算定に当たり短時間労働者を加える。
3 健康で暮らせる社会の実現に向けて
※(1) 試験研究費の額が増加した場合等の法人税額の特別控除の延長〔所得税、法人税〕
医薬品・医療機器企業等の試験研究を活性化するため、試験研究費総額の一定割合を税額控除する制度について、その適用期限を2年間延長する。
※(2) 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長〔所得税、法人税、法人住民税、事業税〕
中小企業者等が、事業の用に供する償却資産で、取得価額が10万円以上30万円未満であるもの(少額減価償却資産)を取得した場合に、その取得価額を損金の額に算入する特例措置について、その適用期限を2年間延長する。
(3) と畜場における設備に係る課税標準の特例措置の延長〔固定資産税〕
と畜場の設置者が牛の処理を衛生的に行うための設備を取得した場合に、最初の3年度分に限り、当該設備に係る固定資産税の課税標準を2分の1とする特例措置について、その適用期限を2年間延長する。
4 高齢者等が生き生きと安心して暮らせる社会の実現
※(1) 住宅に係るバリアフリー改修促進税制の延長〔固定資産税〕
高齢者等が居住する家屋に一定のバリアフリー改修工事を行った場合に、翌年度分に限り、当該家屋に係る固定資産税額の3分の1を減額する特例措置(バリアフリー改修促進税制)について、その適用期限を3年間延長する。
※(2) 高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の延長及び拡充〔所得税、法人税、固定資産税〕
高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制について、以下の税制上の措置を講ずる。
(i) 個人又は法人が高齢者向け優良賃貸住宅を取得した場合に、最初の5年間に限り、20%の増償却を認める特例措置について、対象となる住宅に生活支援施設付き高齢者専用賃貸住宅を追加する等の拡充を行う。
(ii) 高齢者向け優良賃貸住宅に固定資産税を課す場合に、最初の5年間に限り、当該住宅に係る固定資産税額の3分の2を減額する特例措置について、その適用期限を2年間延長するとともに、対象となる住宅に生活支援施設付き高齢者専用賃貸住宅を追加する拡充を行う。
※(3) 確定拠出年金制度の見直しに伴う税制上の措置の創設等〔所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、事業税〕
国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援するため、確定拠出年金における加入者の掛金拠出を認めるなど確定拠出年金の制度改善について、税制上の所要の措置を講ずる。
(4) 老人福祉施設等に係る非課税措置の創設〔不動産取得税、固定資産税、都市計画税〕
老人福祉施設等の高い公益性にかんがみ、非営利型の一般社団・財団法人が設置する老人福祉施設等については、不動産取得税、固定資産税、都市計画税を非課税とする。
5 安心して働ける社会の実現
※(1) 新築住宅に対する固定資産税の減額措置に係る適用期限の延長〔固定資産税〕
新築住宅(床面積50u〜280u)に固定資産税を課す場合に、最初の3年度分に限り、当該住宅に係る固定資産税額の2分の1を減額する特例措置について、対象となる住宅の建築期限を2年間延長する。
(2) 同居の親族のみを雇用する事業における中小企業退職金共済制度への加入〔所得税、法人税、相続税、個人住民税、法人住民税、事業税〕
同居の親族のみを使用する事業に使用される者であっても、使用従属関係が認められる者については、中小企業退職金共済法上の「従業員」として取り扱うこととすることに伴い、これらの者についても、現在同法上の「従業員」として取り扱われている者と同様の税制措置を講ずる。
6 各種施策の推進
※(1) 公害防止用設備に係る課税標準の特例措置の延長〔固定資産税〕
公害防止対策の適正かつ円滑な推進を図るため、活性炭吸着式処理装置等に係る固定資産税の課税標準を3分の1に、地下水浄化施設に係る固定資産税の課税標準を2分の1に軽減する特例措置について、その適用期限を2年間延長する。
※(2) 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく登録免許税の特例措置の延長〔登録免許税〕
産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく登録免許税の特例措置について、その適用期限を2年間延長する。
(3) 国民健康保険制度見直しに伴う所要の措置〔国民健康保険税〕
低・中所得者の国民健康保険税の負担軽減を図るため、賦課上限額の引上げ等を行うとともに、非自発的失業者の負担軽減のため、特例措置を講ずる。
(4) 船員保険制度の見直しに伴う所要の非課税措置の創設〔印紙税〕
船員保険制度の見直しに伴い、船員保険の運営主体が政府(社会保険庁)から全国健康保険協会に変更されることとなるが、これまでどおり、印紙税に係る非課税措置を講ずる。
※(5) 試験研究等を目的とする独立行政法人への寄附金に係る指定寄附金制度の創設〔所得税、法人税、法人住民税、事業税〕
試験研究等を目的とする独立行政法人への寄附金について、全額損金算入できる指定寄附金に指定する制度を創設する。
(6) 独立行政法人の見直しに伴う非課税措置の創設〔所得税、法人税、不動産取得税、固定資産税等〕
独立行政法人の見直しに伴い、税制上の所要の措置を講ずる。
問い合わせ先:(代)03-5253-1111 社会保障担当参事官室 政策第二係 山田章平、中村彩子(内線7693) 労働政策担当参事官室 企画第二係 長良健二、桐石邦生(内線7992) |
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