厚生労働省

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経済産業省及び環境省と同時発表

平成21年7月24日

医薬食品局審査管理課

化学物質安全対策室

(担当・内線)室長 山本 (2421)

専門官 田中 (2423)

西城 (2427)

(電話代表)03(5253)1111

(FAX)03(3593)8913

化学物質審査規制法に基づく第一種特定化学物質に相当する
化学物質及び今後の措置に係る審議結果について

昨日開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会において、ペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸) (別名PFOS)等の12物質を化学物質審査規制法に基づく第一種特定化学物質として指定することが適当であり、その指定の際に、 PFOS又はその塩については、特定の半導体関連の用途等に限って使用を認める等の措置を講じることが適当との結論が得られましたのでお知らせします。 今後、関係政令案についてパブリックコメント等を実施した後に、来年4月を目途に、これら12物質について第一種特定化学物質に指定するとともに、 指定に伴う措置を講じる予定です。

1. 昨日開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会において、本年5月の残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約 第4回締約国会合で新たに廃絶・制限の対象とすることが決定されたペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸)(別名PFOS)等の12物質(注1) について、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号。以下「化学物質審査規制法」という。) としても厳格な管理措置を講じるべき有害性を有するものとしての判断がなされ、同法に基づく第一種特定化学物質として指定する(注2) ことが適当との結論が得られました(注3)

(注1)12物質は以下のとおり。このうち、我が国で使用実態があるのは、PFOS又はその塩のみ。
なお、ストックホルム条約においては9種類の物質に分類。
  • ペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸)(別名PFOS)又はその塩
  • ペルフルオロ(オクタン−1−スルホニル)=フルオリド(別名PFOSF)
  • ペンタクロロベンゼン
  • r−1,c−2,t−3,c−4,t−5,t−6−ヘキサクロロシクロヘキサン(別名α−ヘキサクロロシクロヘキサン)
  • r−1,t−2,c−3,t−4,c−5,t−6−ヘキサクロロシクロヘキサン(別名β−ヘキサクロロシクロヘキサン)
  • r−1,c−2,t−3,c−4,c−5,t−6−ヘキサクロロシクロヘキサン(別名γ−ヘキサクロロシクロヘキサン又はリンデン)
  • デカクロロペンタシクロ[5.3.0.02,6.03,9.04,8]デカン−5−オン(別名クロルデコン)
  • ヘキサブロモビフェニル
  • テトラブロモ(フェノキシベンゼン)(別名テトラブロモジフェニルエーテル)
  • ペンタブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ペンタブロモジフェニルエーテル)
  • ヘキサブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ヘキサブロモジフェニルエーテル)
  • ヘプタブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ヘプタブロモジフェニルエーテル)

(注2)当該物質の製造・輸入は事前の許可が必要。認められた用途以外は使用禁止。また、当該物質が使用されている製品は輸入禁止。現在、PCBやDDTが指定。

(注3)化学物質審議会審査部会及び中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会においては平成21年6月26日に審議済み。

2. また、その後の化学物質審議会安全対策部会及び中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会との合同審議の結果、 上記の第一種特定化学物質指定に伴う措置に関して、半導体用のレジストの製造等の特定の用途についてPFOS又はその塩の使用を認めることが適当とされ、 PFOS又はその塩を含有している半導体用のレジストや泡消火薬剤等の製品については、表示の義務等を課すことが適当とされました。 また、PFOS又はその塩を含有している工業用のメッキ処理剤等については、輸入を禁止することが適当とされました。

【参考】化学物質安全対策部会第二部資料4「第一種特定化学物質に指定することが適当とされたペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸) (別名PFOS)又はその塩など9種類の物質(12物質)についての所要の措置及び第二種特定化学物質が使用されている場合に技術上の 指針の公表等を行う製品の指定について(案)」

3. 今後、審議の結果を踏まえた関係政令案についてパブリックコメント等を実施した後、来年4月を目途に、 12物質について第一種特定化学物質に追加指定するとともに、これらの必要な措置を講じる予定です。


資料4

【参考】

第一種特定化学物質に指定することが適当とされた
ペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸)(別名PFOS)又は
その塩など9種類の物質(12物質)についての所要の措置
及び
第二種特定化学物質が使用されている場合に
技術上の指針の公表等を行う製品の指定について
(案)

平成21年7月23日(木)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会
化学物質審議会安全対策部会
中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会

1.第一種特定化学物質に指定することが適当とされたペルフルオロ(オクタン −1−スルホン酸)(別名PFOS)又はその塩など9種類の物質(12物質) についての所要の措置について

化学物質審議会審査部会、中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会及び薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会において、 第一種特定化学物質に指定することが適当と判断されたペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸)(以下、「PFOS」という。)等の12物質(※) について、本年5月に改正された化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下、「改正化審法」という)に基づき、平成22年4月を目途に (必要に応じ、一定の猶予期間を設けることも検討)、化審法施行令を改正し、第一種特定化学物質の指定と併せて、以下の所要の措置を講じることが適当である。 なお、現時点で実態が不明な点ついては、今後、早急に調査を行い、その結果やパブリックコメント等により、新たな実態が判明した場合、 追加的に措置を講じることについても検討すべきである。

※ 第一種特定化学物質に指定することが適当と判断された12物質
  • ペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸)(別名PFOS)又はその塩
  • ペルフルオロ(オクタン−1−スルホニル)=フルオリド(別名PFOSF)
  • ペンタクロロベンゼン
  • r−1,c−2,t−3,c−4,t−5,t−6−ヘキサクロロシクロヘキサン(別名α−ヘキサクロロシクロヘキサン)
  • r−1,t−2,c−3,t−4,c−5,t−6−ヘキサクロロシクロヘキサン(別名β−ヘキサクロロシクロヘキサン) ・r−1,c−2,t−3,c−4,c−5,t−6−ヘキサクロロシクロヘキサン(別名γ−ヘキサクロロシクロヘキサン又はリンデン)
  • デカクロロペンタシクロ[5.3.0.02,6.03,9.04,8]デカン−5−オン(別名クロルデコン)
  • ヘキサブロモビフェニル
  • テトラブロモ(フェノキシベンゼン)(別名テトラブロモジフェニルエーテル)
  • ペンタブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ペンタブロモジフェニルエーテル)
  • ヘキサブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ヘキサブロモジフェニルエーテル)
  • ヘプタブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ヘプタブロモジフェニルエーテル)

1) 第一種特定化学物質を使用することができる用途について(改正化審法第14条)

他の物による代替が困難であり、かつ、第一種特定化学物質が使用されることにより、環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の 生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがないため、以下の用途について、第一種特定化学物質の使用を認めることが適当である。

第一種特定化学物質 用途
PFOS又はその塩 半導体用のレジストの製造
エッチング剤(圧電フィルタ用又は高周波に用いる化合物半導体用のものに限る。)の製造
業務用写真フィルムの製造

※用途についての表現の仕方は今後、変更がありうる。

2) 第一種特定化学物質が使用されている場合に技術上の指針等に従わなければならない製品について(改正化審法第17条)

環境汚染を防止する観点から、下表に掲げる製品について、第一種特定化学物質が使用されている場合は、 取扱事業者に技術上の指針への適合義務や表示義務を課すことが適当である。

第一種特定化学物質 製品
PFOS又はその塩 半導体用のレジスト
エッチング剤(圧電フィルタ用又は高周波に用いる化合物半導体用のものに限る。)
業務用写真フィルム
泡消火薬剤、消火器用消火薬剤(業務用のものに限る。)及び業務用消火器

※製品についての表現の仕方は今後、変更がありうる。

3) 第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品について(改正化審法第13条)

第一種特定化学物質が使用されている製品で、今後、我が国に輸入されるおそれがあり、使用の形態、廃棄の状況等からみて輸入を制限しない場合に 環境汚染が生じるおそれがある下表に掲げる製品について、第一種特定化学物質が使用されている場合は、輸入を禁止することが適当である。

第一種特定化学物質 製品
PFOS又はその塩 航空機用の作動油
紡糸用の処理剤
金属用又は半導体(高周波に用いる化合物半導体を除く。)用のエッチング剤
工業用のメッキ処理剤
半導体用の製造に使用する反射防止剤
工業用の研磨剤
泡消火薬剤、消火器用消火薬剤(業務用のものに限る。)及び業務用消火器
防虫剤(ありの防除用のものに限る。)
印画紙
テトラブロモジフェニルエーテル 塗料
接着剤
ペンタブロモジフェニルエーテル 塗料
接着剤

※製品についての表現の仕方は今後、変更がありうる。

2.第二種特定化学物質が使用されている場合に技術上の指針の公表等を行う 製品の指定について(改正化審法第27条)

本年5月に改正された化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下、「改正化審法」という)に基づき、平成22年4月を目途に、 同法施行令を改正し、環境汚染を防止する観点から、下表に掲げる製品について、第二種特定化学物質が使用されている場合は、技術上の指針を公表し、 取扱事業者に表示義務を課すことが適当である。

第二種特定化学物質 製品
トリクロロエチレン
  1. 接着剤(動植物系のものを除く。)
  2. 塗料(水系塗料を除く。)
  3. 金属加工油
  4. 洗浄剤
テトラクロロエチレン
  1. 加硫剤
  2. 接着剤(動植物系のものを除く。)
  3. 塗料(水系塗料を除く。)
  4. 洗浄剤
  5. 繊維製品用仕上加工剤
トリブチルスズ化合物
  1. 防腐剤及びかび防止剤
  2. 塗料(貝類、藻類その他の水中の生物の付着防止用 のものに限る。)

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