平成19年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告
はじめに
科学技術の進歩や生活慣習の変化に伴い、多種多様な家庭用品が開発され、日常生活の様々な場面で利用されている。これらの家庭用品は、我々の生活に役立っている反面、製品の欠陥や誤使用によって健康被害を生じるおそれもある。家庭用品の安全性については、製造業者等が製品の上市前(開発・製造段階)に配慮すべきものではあるが、上市前の安全対策が十分に行われていても、誤使用による事故や、当初は予測できなかった危険性に起因する健康被害の発生を完全に排除することは困難である。厚生労働省は、家庭用品による事故等を早期に探知し、健康被害の拡大を防止する目的で、昭和54年5月から家庭用品に係る健康被害病院モニター報告制度による情報収集・評価を実施している。
本制度では、衣料品、装飾品や時計等の身の回り品、家庭用化学製品等の家庭用品等による皮膚障害及び小児の誤飲事故について、モニター病院(皮膚科、小児科)を通じて情報を収集している。また、吸入事故等は、(財)日本中毒情報センターの相談事例に基づくものである。報告事例については個別に専門家により検討され、情報の周知や対策が必要な事例を中心に毎年、報告を取りまとめている。本報告は、一般に公表され、家庭用品による健康被害の動向等について行政機関、関係業界、消費者に幅広く情報提供してきたところである。
平成19年度には、モニター病院として皮膚科領域の病院(慶應義塾大学病院、信州大学医学部附属病院、第一クリニック アレルギー科・皮膚科、東京慈恵会医科大学附属病院、東京都済生会中央病院、東邦大学医療センター大森病院、日本赤十字社医療センター及び兵庫県立加古川病院)及び小児科領域の病院(伊丹市立伊丹病院、大分こども病院、川崎市立川崎病院、埼玉社会保険病院、東京医科大学病院、東邦大学医療センター大森病院、都立府中病院及び名古屋第一赤十字病院)に御協力いただき、また、吸入事故等については、(財)日本中毒情報センターで収集した情報を提供していただいた。平成19年度に報告された事例は、合計1,681件であった。これにより、昭和54年度から平成19年度までの29年間の報告件数は累計30,085件となっている。
今般、平成19年度の健康被害報告の内容について、家庭用品専門家会議(危害情報部門)(座長:伊藤 正俊 東邦大学医療センター大森病院皮膚科学第一講座教授)に御確認いただき、以下のとおり取りまとめた。
協力施設一覧
施設 | 担当者 |
兵庫県立加古川病院 | 足立 厚子 |
慶応義塾大学病院 | 海老原 全 |
信州大学医学部付属病院 | 斎田 俊明、林 宏一 |
第一クリニック | 杉浦 真理子、杉浦 啓二 |
アレルギー科・皮膚科 | |
東京慈恵会医科大学付属病院 | 中川 秀己、小野 藤子 |
東京都済生会中央病院 | 陳 科榮、石橋 正史 |
東邦大学医療センター大森病院 | 伊藤 正俊、関東 裕美 |
日本赤十字社医療センター | 今門 純久 |
施設 | 担当者 |
伊丹市立伊丹病院 | 三木 和典 |
大分こども病院 | 藤本 保、石原 高信、大津 寧、小杉 雄二郎、久冨 真由美、植田里枝子、宮本 麻子、木下 博子 |
川崎市立川崎病院 | 長 秀男、山下 行雄、安蔵 慎、中尾 歩、松本 順二、楢林 敦、濱田 陵、森 奈穂、平田 悠一郎 |
埼玉社会保険病院 | 荒木 清 |
東京医科大学病院 | 星加 明徳、熊田 篤 |
東邦大学医学部附属大森病院 | 小原 明 |
都立府中病院小児科 | 横路 征太郎 |
名古屋第一赤十字病院 | 羽田野 爲夫 |
日本赤十字社医療センター | 今門 純久 |
施設 | 担当者 |
(財)日本中毒情報センター | 吉岡 敏治、波多野 弥生 |