|
|
監督指導による賃金不払残業の是正結果
― 平成19年度は約272億円 ―
1 厚生労働省においては、平成19年4月から平成20年3月までの1年間に、全国の労働基準監督署が割増賃金の支払について労働基準法違反として是正を指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況を、別添のとおり取りまとめた(詳細は別添のとおり。)。
・ 是正企業数 | 1,728企業(前年度比49企業増) |
※ 集計を開始した平成13年度以降最多。 | |
・ 是正金額 | 272億4,261万円(前年度比約45億円増) |
※ 集計を開始した平成13年度以降最多。 | |
・ 対象労働者数 | 179,543人(前年度比3,018人減) |
厚生労働省としては、労働者やその家族の方などから、各労働局、労働基準監督署に対して長時間労働、賃金不払残業に関する相談が多数寄せられており、これらに対して重点的に監督指導を実施した結果であると分析している。
2 賃金不払残業(所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせることをいう。いわゆる「サービス残業」のこと。)の解消については、平成13年4月に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(参考1)(PDF:250KB)を策定し重点的に監督指導を実施している。
3 また、その解消には、事業場における賃金不払残業の実態を知る立場にある労使による主体的な取組が必要であることから、平成15年5月には「賃金不払残業総合対策要綱」(参考2)及び「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」(参考3)を策定して、その解消のために講ずべき事項を示し、主体的な取組を強く促しているところである(参考4)。
4 今後とも、重点的な監督指導の実施や本年11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施することなどにより、「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」の周知等に努め、賃金不払残業の解消を図ることとしている。
PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。
Adobe Readerは無料で配布されています。(次のアイコンをクリックしてください。) Get Adobe Reader
(別添)
賃金不払残業に係る是正支払の状況
1 対象事案
平成19年4月から平成20年3月までの間に、定期監督及び申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払いになっていた割増賃金の支払が行われたもののうち、その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったもの。
2 割増賃金の是正支払の状況
是正企業数は1,728企業、対象労働者数は179,543人、支払われた割増賃金の合計額は272億4,261万円である。企業平均では1,577万円、労働者平均では15万円である(表1)。
そのうち、1企業当たり1,000万円以上の割増賃金の支払が行われた事案をみると、是正企業数は275企業(全体の15.9%)、対象労働者数は103,836人(全体の57.8%)、支払われた割増賃金の合計額は212億4,016万円(全体の78.0%)である。企業平均では7,724万円、労働者平均では20万円である(表2)。
<参考>
○ 平成13年4月から平成20年3月までの7年間における状況
是正企業数は8,568企業、対象労働者数は1,029,021人、支払われた割増賃金の合計額は1,351億1,743万円である。企業平均では1,577万円、労働者平均では13万円である(表3)。
そのうち、1企業当たり1,000万円以上の割増賃金の支払が行われた事案をみると、是正企業数は1,627企業(全体の19.0%)、対象労働者数は678,094人(全体の65.9%)、支払われた割増賃金の合計額は1,110億6,861万円(全体の82.2%)である。企業平均では6,827万円、労働者平均では16万円である(表4)。
3 業種別等の状況
企業数では製造業、対象労働者数では商業、支払われた割増賃金額では商業が最も多くなっている。
1企業での最高支払額は、30億2,279万円(商業)で、次いで18億5,602万円(商業)、16億4,949万円(商業)の順である。