厚生労働省


照会先
医薬食品局審査管理課
益山課長補佐 (2775)
大久保専門官 (2738)

化粧品規制協力国際会議(ICCR)第2回
結果概要

平成20年8月14日

日本国厚生労働省は、米国FDA, カナダ厚生省及び欧州委員会企業産業総局と2008年7月30日から8月1日に米国メリーランド州ロックビルで化粧品規制協力国際会議(ICCR)*の第2回会合を開催し、それぞれの地域の化粧品業界団体と対話しつつ、化粧品関連の問題について議論した。

*化粧品規制協力国際会議(ICCR)の目的は、国際貿易への障壁を最小化しつつ、世界的に最高レベルでの消費者保護を維持することである。ICCRは米国、日本、欧州連合及びカナダ化粧品規制当局の自発的・国際的グループである。この規制当局のグループはその対応する化粧品業界団体との対話に参加する。

今回の会合では、以下の問題について議論した。

・ GMP

・ 市場監視

・ 成分の安全性/認可物質リスト

・ 日焼け止め剤

・ 動物代替試験法

・ ナノテクノロジー

・ INCI命名法

会合の結果の概略(別紙)


1. GMP (Good Manufacturing Practice)

各規制当局は、可能な場合ISO基準22716を各地域において施行することに合意した。各地域での状況は以下の通り。

・ 米国 - ISO基準を考慮し、現在のFDAガイダンスを改訂する。

・ EU - ISO TC-217 22716がCENにより採用された。

・ カナダ - ISO基準を考慮に入れ、第3回ICCRまでにGMP自主基準を採用する。

・ 日本 - 日本化粧品工業連合会がISO22716を採用したことを都道府県に周知した。

2. 市場監視

各規制当局は、重篤な有害事象報告を含む、化粧品成分や製品の安全性問題についての情報をそれぞれの機密保持及びプライバシー保護の規定の範囲内で交換することで合意した。

3. 成分の安全性/認可物質リスト

ICCRの規制当局による検討のため、業界側は化粧品成分の安全性に関する共通かつ一般的な原則を概括する文書を提案するためのワーキンググループを結成することとした。

4. 日焼け止め剤

各規制当局は以下の3領域に重点を置いた。

(1) UVA及びUVB試験法

(2) UVA及びUVB効力表記

(3) 各国での日焼け止め剤有効成分の承認

規制側は試験法の開発におけるISOプロセスの有用性に合意した。

規制側は現在の議論を引き続き継続する。

業界側はワーキンググループを結成し、ISOの日焼け止め剤における進展についての表を提供し、更新する。

5. 動物代替試験法

ICCRは動物実験の削減、洗練、代替についての協力を推進するためのワーキンググループである代替試験法協力国際会議(ICATM)を設立した。

ICCRの規制当局は、ICATMの枠組についての案を確定した。これは各当局に提示され、2008年9月までに各当局により承認される見込みである。文書が最終化されれば公表される予定である。

ICATMの枠組は次の重要な分野の協力について言及している。

(1) 検証研究

(2) 試験法の科学的妥当性についての独立したピアレビュー

(3) 動物代替試験法の正式な試験法勧告の策定

6. ナノテクノロジー

業界側は、化粧品に関し、「ナノマテリアル」の性格を記述し、この分野における応用例の一覧作成に有用な「ナノテクノロジー」についての一般的な定義に重点を置いた報告書を提供した。

ICCRは業界側にICCR第二回会議の下記についての追加質問に回答するナノテクノロジーの使用例についての情報を要請した。

(1) 製品カテゴリー

(2) ナノ成分の使用頻度

(3) ナノマテリアルとそれを含む製品について、どのような安全性試験が実施されているか

製造過程についても考慮に入れることで合意した。

ICCRナノテクノロジーワーキンググループが来年中に開催予定である。

7. INCI命名法

業界はINCI命名法の名称である”aqua”の米国化粧品成分表示における消費者の理解度を示すための2つの調査について暫定結果を報告した。

FDAは内部で検討し、また、米国業界と議論を続けることとした。


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