◆調査方法
(1)下記の今回調査の対象製剤を製造していた企業(当時の会社を承継している企業を含む)に対して、調査対象製剤を納入した医療機関のリストを提出するよう求めました。
(2)企業から提出されたリストに報告されていた医療機関等に対して、対象となる製剤の投与実態などについて確認し、対象製剤を血友病(血友病類縁疾患も含む)の患者のみに使用した又は対象製剤を患者に使用していない医療機関等を除外しました。
(3)残った対象製剤を血友病以外の患者に投与した可能性のある医療機関等について、カルテ、手術記録、製剤使用簿、処方箋等の記録について保管状況を調査しました。
◆対象製剤
今回調査の対象製剤については、次のとおりです。ここに示す、「調査対象期間」とは当該製剤が流通しており、使用された可能性がある期間です。
第VIII因子製剤 | 会社名 | 調査対象期間 | 備考 | |
非 加 熱 製 剤 |
1. コンコエイト | ・ミドリ十字 | 昭和53年8月〜昭和63年4月 | |
2. プロフィレート | ・ミドリ十字 | 昭和53年8月〜平成1年3月 | ||
3. コンファクト8 | ・化血研 | 昭和54年4月〜昭和62年2月 | ||
4. ヘモフィルS |
・住友化学工業 ・日本トラベノール ・トラベノール |
昭和53年8月〜昭和62年8月 | ||
5. ヘモフィルH |
・住友化学工業 ・日本トラベノール ・トラベノール |
昭和55年3月〜昭和62年8月 | ||
6. クリオブリン | ・日本臓器製薬 | 昭和54年4月〜昭和63年4月 | ||
7. コーエイト |
・カッター・ラボラトリーズ・ ・カッター・ジャパン |
昭和54年4月〜昭和62年8月 | ||
8. ハイクリオ | 日本製薬 | 昭和54年9月〜平成1年2月 | ||
加 熱 製 剤 |
9. コンコエイトHT | ・ミドリ十字 | 昭和60年7月〜平成2年3月 | 液状加熱処理導 入前の製剤 |
10. コンファクトF | ・化血研 | 昭和60年8月〜平成4年12月 | ウイルス除去膜処 理導入前の製剤 |
|
11. ヘモフィルS-T |
・トラベノール ・バクスター・トラベノール ・バクスター |
昭和60年7月〜平成2年7月 | ||
12. ヘモフィルH-T |
・トラベノール ・バクスター・トラベノール ・バクスター |
昭和60年7月〜平成2年7月 | ||
13. コーエイトHT |
・カッター・ジャパン ・バイエル薬品 |
昭和60年8月〜平成2年6月 | ||
14. ハイクリオHT | ・日本製薬 | 昭和62年6月〜平成5年7月 |
第IX因子製剤 | 会社名 | 調査対象期間 | 備考 | |
非 加 熱 製 剤 |
15.クリスマシン | ・ミドリ十字 | 昭和51年12月〜昭和63年4月 | |
16.PPSB−ニチヤク | ・日本製薬 | 昭和47年6月〜昭和63年12月 | ||
17.コーナイン (ミドリ十字) |
・ミドリ十字 | 昭和47年4月〜昭和54年9月 | ||
18.コーナイン (カッター) |
・カッター・ラボラトリーズ・ ・カッター・ジャパン |
昭和53年4月〜昭和62年11月 | ||
19.プロプレックス |
・住友化学工業 ・日本トラベノール ・トラベノール ・バクスター・トラベノール |
昭和55年5月〜昭和63年12月 | ||
20.ベノビール | ・日本臓器製薬 | 昭和59年8月〜昭和63年6月 | ||
加 熱 製 剤 |
21.クリスマシンHT | ・ミドリ十字 | 昭和60年12月〜平成6年6月 | |
22.PPSB−HT 「ニチヤク」 |
・日本製薬 | 昭和62年2月〜平成12年3月 | ウイルス除去膜処 理導入前の製剤 |
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23.ノバクトF | ・化血研 | 昭和61年2月〜平成7年1月 | ||
24.コーナインHT |
・カッター・ジャパン ・バイエル薬品 |
昭和60年12月〜平成6年3月 | ||
25.プロプレックス ST |
・トラベノール ・バクスター・トラベノール ・バクスター |
昭和61年4月〜平成19年3月 |
その他製剤※ | 会社名 | 調査対象期間 | 備考 | |
非 加 熱 製 剤 |
26.オートプレックス (非加熱) |
・トラベノール ・バクスター・トラベノール |
昭和60年8月〜平成1年6月 | 加熱処理導入前の製剤 |
27.ファイバ「イムノ」 | ・日本臓器製薬 | 昭和59年6月〜昭和63年2月 | 加熱処理導入前の製剤 | |
加 熱 製 剤 |
28.オートプレックス (加熱) |
・トラベノール ・バクスター・トラベノール ・バクスター |
昭和63年3月〜平成15年7月 |
※ 第VIII因子又は第IX因子を含み、第VIII因子製剤又は第IX因子製剤と類似の用法で使用される製剤
◆リストの見方、留意事項等
リスト中の医療機関等は、都道府県ごとに分けて掲載しています。
存続等の区別については、次のような基準で区別しています。
(1) 存続:使用当時からの医療機関名(以下「旧医療機関名」)が変更されずそのまま残っている場合。
(2) 変更:
[1] 旧医療機関名の名称が一部変更されている場合。(医療法人○○会等の変更も含む。)この場合、変更後の医療機関名を(現:○○病院)等として記載しています。
[2] 統廃合によりカルテ等の書類が移管されている場合(地方自治体等が書類を保存している場合も含む)。この場合、移管先を(現:○○病院)等として記載しています。
(3) 廃院等:
[1] 旧医療機関が存在せず、カルテ等の書類が移管されていない場合。
[2] 同住所に別の医療機関が存在する場合(同名の医療機関であるが経営譲渡等により経営主体が異なる場合も含む)において、カルテ等の書類が引継がれていない場合。この場合、備考欄に「現在、同住所にある○○病院は旧医療機関との業務等の関係はありません。」等と記載しています。
[3] 休院している場合。
(4) 不明:製薬会社や地方自治体等からの情報によっても状況が把握できない場合。
「二次卸等」は、対象製剤の納入先として企業から提出された納入先リストに記載されていた医療機関以外の施設です。これらの施設を経由して対象製剤が医療機関に納入された可能性も否定できないため、参考として掲載しています。
項目 | 内容 |
No. | |
施設名 | 原則として、対象製剤の流通期間における施設名を記載しています。名称変更等があった場合には、現在又は廃院時の名称をかっこ内に記載しています。 |
所在地 | 原則として、対象製剤の流通期間における住所を記載しています。施設の所在地が変更されている場合には、現在又は廃院時の所在地をかっこ内に記載しています。 |
連絡先 | 原則として、現在連絡がとれる電話番号を記載しています。 |
存続・廃院等 | 2.の基準により分類した施設の存続、廃院等の区分を記載しています。 |
特定製剤 | ◆対象製剤に記載している製剤のうち、「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」に規定されている15.クリスマシン、16.PPSB−ニチヤク、17.コーナイン(ミドリ十字)、21.クリスマシンHTが納入され使用された可能性のある施設に○印を付けています。 |
カルテ等の状況 | 平成20年4月1日時点における、カルテ、手術記録、製剤使用簿、処方箋、輸液箋・注射指示箋、レセプトの写し、その他の書類等の状況を記載しています。 保存期間内に一度でもその施設を受診されている場合は過去の記録等を遡って調べることができる可能性もあることから、納入された製剤の情報だけでなく、現時点におけるカルテ等の保存状況を各施設に照会し、回答が得られたものを原則として記載しています。 |
コメント | 今回の調査等についての各施設のコメントを記載しています。原則として、各施設が記載したままを記載しています。 |
備考 | 今回の調査等での備考を記載しています。 |
(1) 各製薬会社から提出された対象製剤の納入先のデータについては、全てが存在しているものではなく、古いデータ等一部存在していないものもあります。そのため、今回公表した医療機関等については、対象製剤を使用されていた全ての施設が網羅されているものではありません。
(2) 掲載されている施設は、各企業から提出された対象製剤の納入先データを基に、可能な限り名称等の特定を行ったものです。これらの中には、実際は対象製剤が使用されていないと考えられるもの、血友病の患者のみに投与されたと推測されるもの、又は投与された患者は特定され、既に告知済みのものなど様々な事情の施設が含まれています。また、カタカナ等で記載され、不明とされている施設については、特定することができなかったものです。
(3) リストには、原則として、調査を行った施設の協力により提供された情報をそのまま掲載しています。なお、施設の所在地については平成20年4月1日時点のものを掲載しています。
(4) 医療機関等のカルテ等の状況については、平成20年4月1日時点のものを掲載しています。診療録等の保存年限は法律で5年と定められているため、対象製剤の投与を受けた可能性のある医療機関に照会しても、製剤の投与の状況等の確認ができない場合もありますが、医療機関には、可能な限り情報提供いただけるよう依頼しております。