平成17年
国民健康・栄養調査結果の概要
(平成18年国民健康・栄養調査「速報」を含む)

健康局総務課生活習慣病対策室

電話03−5253−1111
内線 2343,2345


I 調査の概要

1.調査の目的

この調査は、健康増進法(平成14年法律第103号)に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とする。

2.調査対象及び客体

調査の対象は、平成17年国民生活基礎調査において設定された調査地区内の世帯の世帯員で、平成17年11月1日現在で満1歳以上の者とした。

調査の客体は、平成17年国民生活基礎調査において設定された調査地区から、層化無作為抽出した300単位区内の世帯及び世帯員とした。

調査実施世帯数は、3,608世帯であり、集計客体数は下記のとおりである。

総 数 総 数 1-6歳 7-14歳 15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上 6-14歳(再掲)
身体状況調査  7,278 382 619 295 585 831 865 1,116 1,243 1,342 678
 血液検査 3,874 - - - 273 449 506 711 934 1,001 -
栄養摂取状況調査 8,895 463 741 429 803 1,053 1,090 1,346 1,426 1,544 811
生活習慣調査 9,137 338 812 446 812 1,132 1,149 1,410 1,460 1,578 888
男 性 総 数 1-6歳 7-14歳 15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上 6-14歳(再掲)
身体状況調査 3,303 187 309 141 284 376 373 492 551 590 330
 血液検査 1,558 - - - 118 158 176 258 397 451 -
栄養摂取状況調査 4,163 229 365 218 399 508 500 623 648 673 394
生活習慣調査 4,257 159 405 227 399 541 523 659 664 680 437
女 性 総 数 1-6歳 7-14歳 15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上 6-14歳(再掲)
身体状況調査 3,975 195 310 154 301 455 492 624 692 752 348
 血液検査 2,316 - - - 155 291 330 453 537 550 -
栄養摂取状況調査 4,732 234 376 211 404 545 590 723 778 871 417
生活習慣調査 4,880 179 407 219 413 591 626 751 796 898 451
3.調査項目

1)身体状況調査票

ア.身長、体重(満1歳以上)

イ.腹囲   (満15歳以上)

ウ.血圧 (満15歳以上)

エ.血液検査 (満20歳以上)

オ.1日の運動量〈歩行数〉(満15歳以上)

カ.問診〈服薬状況、運動〉(満20歳以上)

2)栄養摂取状況調査票(満1歳以上)

世帯員各々の食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況〈欠食・外食等〉

3)生活習慣調査票(満3歳以上)

食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般を把握した。特に平成17年調査では、「食生活」及び「アルコール(飲酒)」を重点項目とした。なお、3〜14歳は、「食生活」に関する項目のみとした。

4.調査時期
1)身体状況調査 平成17年11月
2)栄養摂取状況調査 平成17年11月の特定の1日(日曜日及び祝日は除く)
3)生活習慣調査 栄養摂取状況調査日と同日
5.調査方法
1)身体状況調査 調査対象者を会場に集めて、調査員である医師、管理栄養士、保健師等が調査項目の計測及び問診を実施した。
2)栄養摂取状況調査 世帯毎に調査対象者が摂取した食品を秤量記録することにより実施し、調査員である管理栄養士等が調査票の説明、回収及び確認を行った。
3)生活習慣調査 留め置き法による自記式質問紙調査を実施した。
6.調査系統

調査系統は次のとおりである。

厚生労働省−都道府県・政令市・特別区−保健所−国民健康・栄養調査員

この調査結果に掲載している数値は、四捨五入のため、内訳合計が総数に合わないことがある。

II 結果の概要
第1部 子どもの体型及び生活習慣の状況

1.体型の状況
男女共に「肥満」「太りぎみ」或いは「やせすぎ」「やせぎみ」の子どもがそれぞれ約2〜3割

男子の小学校4〜6年生では、「肥満」「太りぎみ」の者が28.5%であった。中学生では「肥満」「太りぎみ」の者が18.6%、「やせぎみ」「やせすぎ」の者が33.8%であった。

女子の中学生では、「肥満」「太りぎみ」の者が28.2%、「やせぎみ」「やせすぎ」の者が16.6%であった。

図1 体型の状況

 
男   女
 

体型の状況を年次推移でみると、男女共に「普通」の者の割合が減少傾向

体型の状況を年次推移でみると、「普通」の者の比率が男子は昭和63年の64.0%から平成17年の57.0%と7ポイント減少し、女子は昭和63年の62.1%から平成17年の56.6%と5.5ポイント減少していた。

図2 体型の年次推移

 
男   女
 

日比式による肥満度判定
 6〜14歳における肥満度は、実測体重と日比式から求められる標準体重とを比較して判定した。
判定 やせすぎ−20%未満 やせぎみ−20%以上−10%未満 普通−10%以上10%未満 太りぎみ10%以上20%未満 肥満20%以上
肥満度(%)=(実測体重(kg)−標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100
標準体重(kg)=係数1×身長(cm)3+係数2×身長(cm)2+係数3×身長(cm)+係数4
男子 係数1(0.0000641424) 係数2(-0.0182083) 係数3(2.01339) 係数4(-67.9488)
女子 係数1(0.0000312278) 係数2(-0.00517476) 係数3(0.34215) 係数4(1.66406)
(参考)[1]日比逸郎:肥満症.現代小児科学大系 第4巻 栄養障害と代謝障害,pp.330-343(1968)中山書店,東京
     [2]吉池信男:学童,生徒における肥満者頻度の経年変化−健康日本21の数値目標と各種指標.栄養学雑誌:58(4);177-180(2000)

2.運動及びスポーツ活動の状況
小中学生男子において「よく運動する」と回答した者の割合は5割以上

子どものふだんの運動の状況について、「よく運動する」と回答した者の比率は、平成17年では、男子はいずれの年代も50%以上であり、女子は小学生で約30%、中学生で約50%であった。

図3 運動状況の年次推移

 
小学校1〜3年生   小学校1〜3年生
小学校4〜6年生   小学校4〜6年生
中学生   中学生
 
 「週3回以上スポーツ活動をしている」と回答した者の割合は、平成5年から男女共にいずれの学年においても増加傾向

子どもの学校、地域、民間のスポーツクラブ等でのスポーツ活動の状況について、「週3回以上活動している」と回答した者の比率は、平成5年と比べて男女共にいずれの学年においても増加傾向であり、平成17年は、中学生男子で73.1%、中学生女子で54.0%であった。

図4 スポーツ活動の年次推移

 
小学校1〜3年生   小学校1〜3年生
小学校4〜6年生   小学校4〜6年生
中学生   中学生
 
3.食習慣の状況
朝食を「毎日食べる」と回答した子どもの割合は、男女共に約9割

子どものふだんの朝食の状況について、「毎日食べる」と回答した者の比率は、昭和63年、平成5年、平成17年とほぼ横ばいで、男女共に90%以上であった。

図5 朝食欠食の年次推移(小中学生)

 
男   女
 
朝食を「子どもだけで食べる」と回答した者の割合は、増加傾向

ふだん、子どもが朝食を誰と一緒に食べるかについて、「子どもだけで食べる」と回答した者の比率は、小中学生共に増加傾向であり、平成17年には小学生においても40%を超えていた(図6)。「子どもだけで食べる」者のうち、「子ども一人で食べる」者の比率は小学校1〜3年生で13.5%、中学生で25.7%であった(図7)。



図6 朝食を子どもだけで食べる比率の年次推移   図7 朝食を子ども一人で食べる比率
夕食を19時以降に食べる子どもの割合は、増加傾向
特に、20時以降に食べる子どもは、平成5年と比べて5.4ポイント増加

図8 夕食時間の年次推移(小中学生)

図8 夕食時間の年次推移(小中学生)
子どもの現在の食習慣について、改善したい者は約6割

「お子さんの現在の食習慣について、改善したいと思いますか」について、「はい」と回答した者の比率は、57.2%であった。

図9 子どもの食習慣についての改善意欲(小中学生)

図9 子どもの食習慣についての改善意欲(小中学生)
 子どもの食習慣で改善したい項目は、「食品を選んだり、食事のバランスを整えるのに困らない知識や技術を身につける」と回答した者の割合が最も高い

子どもの食習慣について「改善したい」項目は、「食品を選んだり、食事のバランスを整えるのに困らない知識や技術を身につける」が66.5%であり、次いで「副菜(野菜)を十分に食べる」が54.6%、「菓子や甘い飲み物をほどほどにする」が49.6%であった。一方、「朝食を食べる」や「食事時間を規則正しくする」などについて、「すでにできている」と回答した者の比率は約80〜90%と高かった。

図10 子どもの食習慣についての改善意識(項目別)(小中学生)

図10 子どもの食習慣についての改善意識(項目別)(小中学生)


第2部 成人の体型及びメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況

1.体型の状況

男性では、いずれの年齢階級においても、肥満者の割合が20年前(昭和60年)、10年前(平成7年)と比べて増加しており、40歳代が最も高い。

女性では、40〜60歳代において肥満者の割合が20年前、10年前と比べて減少している一方で、20〜30歳代の約2割が低体重(やせ)。

平成17年の結果では、肥満者の比率は、男性では40歳代で最も高く34.1%であり、女性では60歳代で最も高く29.0%であった(図11)。一方、低体重(やせ)の者の比率は、女性の20歳代で22.6%、30歳代で20.0%であった(図12)。

図11 肥満者(BMI≧25)の割合 (20歳以上)

 
男   女

図12 低体重(やせ)の者(BMI<18.5)の割合 (20歳以上)

 
男   女
     
肥満度:BMI(Body Mass Index)を用いて判定
BMI = 体重[kg]/(身長[m])2 により算出
         BMI<18.5 低体重 (やせ)
     18.5≦BMI<25   普通体重(正常)
         BMI≧25  肥 満
(日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会,2000年)
   
2.メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況

40〜74歳でみると、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者又は予備群と考えられる者

20歳以上において、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者の比率は、男性22.4%、女性10.0%、予備群と考えられる者の比率は、男性22.9%、女性8.6%であった。

40〜74歳でみると、強く疑われる者の比率は、男性25.5%、女性10.3%、予備群と考えられる者の比率は、男性25.0%、女性9.5%であり、40〜74歳男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者又は予備群と考えられる者であった。

図13 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況 (20歳以上)

男
女

※各年代のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と予備群と考えられる者について、平成17年10月1日現在国勢調査人口の男女別、年齢階級別の40-74歳人口(全体約5,700万人中)を用い、それぞれ該当者、予備群として推計したところ、40〜74歳におけるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者数は約920万人、予備群者数は約980万人、併せて約1,900万人と推定される。

“メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の疑い”の判定

国民健康・栄養調査の血液検査では、空腹時採血が困難であるため、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準項目である空腹時血糖値及び中性脂肪値により判定はしない。したがって、本報告における判定は以下の通りとした。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者

腹囲が男性85cm、女性90cm以上で、3つの項目(血中脂質、血圧、血糖)のうち2つ以上の項目に該当する者。

※“項目に該当する”とは、下記の「基準」を満たしている場合、かつ/または「服薬」がある場合とする。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予備群と考えられる者

腹囲が男性85cm、女性90cm以上で、3つの項目(血中脂質、血圧、血糖)のうち1つに該当する者。

腹囲 腹囲(ウエスト周囲径)男性:85cm以上 女性:90cm以上
項目 血中脂質 血圧 血糖
基準 HDLコレステロール値 40mg/dl未満 ・収縮期血圧値 130mmHg以上
・拡張期血圧値 85mmHg以上
ヘモグロビンA1c 5.5%以上
服薬 ・コレステロールを下げる薬服用 ・血圧を下げる薬服用 ・血糖を下げる薬服用
・インスリン注射使用
(参考: 厚生労働科学研究 健康科学総合研究事業「地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究〜健康対策指標検討研究班中間報告〜」 平成17年8月)
老人保健事業の健康診査では、ヘモグロビンA1c値5.5%以上を「要指導」としているため、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の疑いに関する判定項目である血糖を“ヘモグロビンA1c値5.5%”とした。

(参考)メタボリックシンドロームの診断基準

(日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、
 日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会、2005年4月)

(※上記との比較のため、記載方法を一部変更し、上記とほぼ同様の様式とした。)

メタボリックシンドローム

内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積に加え、下記の2つ以上の項目に該当する場合。

※“項目に該当する”とは、下記の「基準」を満たしている場合、かつ/または「服薬」がある場合とする。

内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積 ウエスト周囲径 男性:85cm以上 女性:90cm以上
(内臓脂肪面積) 100cm2以上に相当(男女とも))
項目 血中脂質 血圧 血糖
基準 中性脂肪(TG)値 150mg/dl以上
 (高トリグリセライド血症)
HDLコレステロール値 40mg/dl未満
 (低HDLコレステロール血症)
・収縮期血圧値 130mmHg以上
・拡張期血圧値 85mmHg以上
空腹時血糖値 110mg/dl以上
服薬 ・高トリグリセライド血症に対する薬物治療
・低HDLコレステロール血症に対する薬物治療
・高血圧に対する薬物治療 ・糖尿病に対する薬物治療
CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい。
ウエスト径は立位、軽呼気時、臍レベルで測定する。脂肪蓄積が著明で臍が下方に偏位している場合は肋骨下縁と前上腸骨棘の中点の高さで測定する。
メタボリックシンドロームと診断された場合、糖負荷試験が薦められるが診断には必須ではない。
糖尿病、高コレステロール血症の存在はメタボリックシンドロームの診断から除外されない。


第3部 生活習慣に関する状況

1.食習慣の状況
朝食の欠食率は、男女共に20歳代で最も高く、男性で約3割、女性で約2割

朝食の欠食率は、男女共に20歳代で最も高く、男性33.1%、女性23.5%であり、その後、年齢と共に低くなっていた。

図14 朝食の欠食率 (1歳以上)

図14 朝食の欠食率 (1歳以上)
一人世帯に限った朝食の欠食率は、20歳代で最も高く約5割

一人世帯に限った朝食の欠食率は、20歳代で最も高く49.4%、次いで30歳代で41.1%、40歳代で33.3%であった。

図15 朝食の欠食率−一人世帯と全体− (20歳以上)

図15 朝食の欠食率−一人世帯と全体− (20歳以上)
 

本調査での「欠食」は以下の3つの場合の合計である。

[1]何も食べない(食事をしなかった場合)

[2]菓子、果物、乳製品、し好飲料などの食品のみ食べた場合

[3]錠剤・カプセル・顆粒状のビタミン・ミネラル、栄養ドリンク剤のみの場合

ふだんの朝食を、「ほとんど毎日食べる」と回答した者の割合は、平成9年と比較して減少傾向

朝食の摂食頻度の状況についてみると、平成17年では、「ほとんど毎日食べる」以外に回答した者は、男性では20歳代で46.1%、30歳代で37.3%と他の年代に比べて高く、女性では20歳代が31.0%と他の年代に比べて高かった。また、年次推移では、「ほとんど毎日食べる」と回答した者は、各年代共に減少傾向であった。

図16 ふだんの朝食の欠食頻度の年次推移 (20歳以上)

男
女
 

ふだんの朝食欠食が始まった時期は、男女共に「小学生頃から」と回答した者の割合が増加

ふだん朝食を欠食する者において、「いつ頃から欠食するようになったか」について、「小学生頃から」と回答した者の比率は、男女共に増加していた。

図17 ふだんの朝食欠食が始まった時期の年次推移 (20歳以上)

 
男   女
 
現在の食習慣について改善したいと思っている者の割合は約5割

「現在の食習慣について、改善したいと思いますか」について、「はい」と回答した者の比率は、48.5%であった。

図18 食習慣についての改善意識 (15歳以上)

図18 食習慣についての改善意識 (15歳以上)
食習慣で改善したい項目は、「食品を選んだり、食事のバランスを整えるのに困らない知識や技術を身につける」と回答した者の割合が最も高い

現在の食習慣について「改善したい」と回答した項目は、「食品を選んだり、食事のバランスを整えるのに困らない知識や技術を身につける」が50.8%であり、次いで「やせすぎや太りすぎでない体重を維持する」が45.9%、「食塩の多い料理を控える」が37.6%であった。一方、「テレビCMや、おまけに影響を受けて特定の食品を食べ過ぎない」について、「すでにできている」と回答した者の比率は80.1%と高かった。

図19 食習慣についての改善意識(項目別)(15歳以上)

図19 食習慣についての改善意識(項目別)(15歳以上)
 食習慣改善のために必要なことは、「時間的なゆとり」、「学校での教育」、「市販食品や外食メニューの栄養成分表示」、「食品メーカーからの情報提供」が男女共に上位

「食習慣を改善しようとする場合、どのようなことが必要と思いますか」について、男女共に「時間的なゆとり」、「学校での教育」、「市販食品や外食メニューの栄養成分表示」、「食品メーカーからの情報提供」を「必要と思う」と回答した者の比率が高かった。また、「身近な場所での栄養士など専門家によるアドバイス」と回答した者の比率は、男性約50%、女性約60%であった。

図20 食習慣改善のために必要なこと(15歳以上)

図20 食習慣改善のために必要なこと(15歳以上)
2.運動習慣の状況
 運動習慣のある者の割合は、男性は40歳代、女性は30歳代で最も低く、男女共に60歳代で最も高く約4割

運動習慣のある者の比率は、男女共に60歳代が最も高く約40%であった。

図21  運動習慣のある者の割合 (20歳以上)

図21 運動習慣のある者の割合 (20歳以上)


運動習慣のある者:1回30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続している者

3.飲酒の状況
20歳未満で初めて飲酒した者の割合は、男性の20〜50歳代、女性の20歳代で約5割
(少量の試し飲みは除く)

図22 初回飲酒年齢(20歳以上)

 
男   女
 
初めて飲酒したきっかけは、男女共に約6割が周囲からの勧め

「初めて飲酒をしたきっかけ」について、「先輩、上司等の目上の人に勧められたから」、「友人に勧められたから」、「親、親類等から勧められたから」を合わせると、男女共に各年代において、約60〜70%であった。

図23 初めて飲酒したきっかけ(20歳以上)

 
男   女
 
未成年者について「全く飲酒すべきではない」と回答した者の割合は、
男性で約8割、女性で約9割

「車を運転する前または運転中」に「全く飲酒すべきでない」と回答しなかった者の比率は男性1.6%、女性1.4%であった。同じく、「妊婦・授乳婦」に対しては男性で約20%、女性で約15%であった。

図24 飲酒に対する意識(20歳以上)

男
女
 
4.喫煙の状況
 現在習慣的に喫煙している者の割合は、男女共に20〜30歳代が高く、男性で約5割、女性で約2割

現在習慣的に喫煙している者の比率は、男性では30歳代が最も高く54.4%、20歳代で48.9%、女性においても30歳代が最も高く19.4%、20歳代で18.9%であった。

図25 喫煙の状況 (20歳以上)

 
 
男
 
 
女
   
現在習慣的に喫煙している者:
これまで合計100本以上又は6ヶ月以上たばこを吸っている(吸っていた)者のうち、「この1ヶ月間に毎日又は時々たばこを吸っている」と回答した者
過去習慣的に喫煙していた者:
これまで合計100本以上又は6ヶ月以上たばこを吸っている(吸っていた) 者のうち、「この1ヶ月間にたばこを吸っていない」と回答した者
喫煙しない者:
「まったく吸ったことがない」又は「吸ったことはあるが、合計100本未満で6ヶ月未満である」と回答した者
現在習慣的に喫煙している者における「やめたい」と考えている者の割合を平成19年に調査予定
喫煙率は男女共に平成16年に比べ低下し、男性は4割を下回った

喫煙率の年次推移をみると、男女共に平成16年に比べ低下し、男性39.3%、女性11.3%であった。

図26 喫煙率の年次推移 (20歳以上)

図26 喫煙率の年次推移 (20歳以上)

第4部 栄養素等摂取、食品群別摂取の状況

1.エネルギー摂取量及び脂肪エネルギー比率
エネルギー摂取量の平均値は、男女共に漸減傾向。
脂肪からのエネルギー摂取が30%以上の者の割合は、
成人の男性で約2割、女性で約3割

エネルギー摂取量の平均値は、男女共に漸減傾向(図27)。脂肪からのエネルギー摂取が30%以上の者は、成人の男性で18.1%、女性で26.6%であり(図28)、年次推移でみると、男女共に25%未満の者の比率が漸減し、30%以上の者の比率が漸増していた(図29)。

図27 エネルギー摂取量の平均値の年次推移(20歳以上)

     
 
男
   
女

図28 脂肪エネルギー比率の分布 (20歳以上)

図28 脂肪エネルギー比率の分布 (20歳以上)

図29 脂肪エネルギー比率の分布の年次推移(20歳以上)

図29 脂肪エネルギー比率の分布の年次推移(20歳以上)
脂肪エネルギー比率:
 脂肪からのエネルギー摂取割合
   
2.野菜摂取量
 野菜摂取量は、年齢と共に増加しているが、最も摂取量の多い60歳代においても、平均で330.3g

野菜類の摂取量の成人全体における平均では292.8g、最も多い60歳代の平均で330.3gであった。また、男女とも20〜40歳代は平均摂取量が300gに達していなかった。

図30  野菜類摂取量の平均値 (20歳以上)

総数
男
女
( )内は、「緑黄色野菜」及び「その他の野菜(野菜類のうち緑黄色野菜以外)」摂取量の合計。
3.食塩摂取量
食塩を目標量を超えて摂取している者の割合は、男性で約6割、女性で約7割

成人の60%以上の者が、食塩を目標量以上摂取していた。

また、成人の1日当たりの食塩摂取量の平均値は、11.5g(男性12.4g,女性10.7g)であった。

図31 食塩摂取量の分布 (20歳以上)

図31 食塩摂取量の分布 (20歳以上)

図32  食塩摂取量の平均値 (20歳以上)

図32 食塩摂取量の平均値 (20歳以上)
   
 
食塩摂取量(g)= ナトリウム(mg)× 2.54 / 1,000

(参考)日本人の食事摂取基準(2005年版)
 食塩摂取の目標量 成人男性 10g未満 成人女性 8g未満

第5部 平成18年国民健康・栄養調査「速報」

平成18年11月に実施された国民健康・栄養調査のうち、都道府県健康増進計画改定ガイドラインの参酌(さんしゃく)標準で示された「内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病の有病者・予備群の数」の指標にかかる項目については、都道府県健康増進計画改定の参考とするため、速報として集計・解析したものである。追って公表される、『平成18年国民健康・栄養調査報告』と確定数が若干相違する可能性があるが、大局的な観察にはほとんど支障ないものと考えられる。

1.調査対象及び客体

調査の対象は、平成18年国民生活基礎調査において設定された調査地区内の世帯の世帯員で、平成18年11月現在で満1歳以上の者とした。

調査の客体は、平成18年国民生活基礎調査において設定された調査地区から、層化無作為抽出した300単位区内の世帯及び世帯員とした。

調査実施世帯数は、3,582世帯(概数)であり、集計客対数は、下記のとおりである。

表 集計客体数の概要
総数
年齢階級 総数 1-6歳 7-14歳 15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上 再掲40-74歳
身長・体重計測 8,059 502 674 350 607 1,048 916 1,300 1,209 1,453 4006
腹囲計測 7,128 90 605 305 541 978 868 1,237 1,151 1,353 3811
血圧計測 4,719 0 0 149 302 635 601 909 976 1,147 2956
問診 5,005 0 0 0 365 754 658 992 1,034 1,202 3177
血液検査 4,319 0 0 0 284 607 573 876 919 1,060 2814


男性
年齢階級 総数 1-6歳 7-14歳 15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上 再掲40-74歳
身長・体重計測 3,685 248 338 185 274 458 417 588 536 641 1819
腹囲計測 3,225 45 303 162 246 420 389 560 502 598 1715
血圧計測 1,925 0 0 71 122 222 220 366 412 512 1220
問診 2,087 0 0 0 152 289 255 415 445 531 1346
血液検査 1,754 0 0 0 114 211 210 351 391 477 1163


女性
年齢階級 総数 1-6歳 7-14歳 15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上 再掲40-74歳
身長・体重計測 4,374 254 336 165 333 590 499 712 673 812 2187
腹囲計測 3,903 45 302 143 295 558 479 677 649 755 2096
血圧計測 2,794 0 0 78 180 413 381 543 564 635 1736
問診 2,918 0 0 0 213 465 403 577 589 671 1831
血液検査 2,565 0 0 0 170 396 363 525 528 583 1651

2.集計項目
○身体状況調査

身長、体重、腹囲測定、血圧測定、問診(服薬状況)、血液検査(ヘモグロビンA1c、HDLコレステロール)

3.都道府県健康増進計画参酌標準関連表
(内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病の有病者・予備群の数)
都道府県健康増進計画参酌標準関連表
表題
内臓脂肪に着目した生活習慣病の有病者・予備群の数
国民健康栄養調査における集計対象者
(全て男女別)
指 標
定義
1
BMIと腹囲計測による肥満者の状況 肥満者の推定数(成人)(*)    国民健康・栄養調査における方法により身長測定、体重測定を行い、次の3項目に該当する者の割合をそれぞれ求める。
(1)BMI25以上で腹囲男性85cm以上、女性90cm以上
(2)BMIのみ25以上
(3)腹囲のみ基準値以上(男性85cm以上、女性90cm以上)
BMI、腹囲計測がそろっている者
(妊婦除外)
2
BMIによる肥満者の状況
3
腹囲計測による肥満者の状況
4
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予備群・該当者の状況 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予備群・該当者の推定数(*)    ウエスト周囲径[男性85cm以上、女性90cm以上] かつ、次の3項目のうち1つ該当する者(予備群)及び2つ該当する者(該当者)(いずれも40〜74歳)。
(1)中性脂肪150mg/dl以上、または、HDLコレステロール40mg/dl未満、若しくはコレステロールを下げる薬服用※1
(2)収縮期血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧85mmHg以上、若しくは血圧を下げる薬服用
(3)空腹時血糖110mg/dl以上またはHbA1c5.5%以上、若しくはインスリン注射または血糖を下げる薬服用※2
腹囲計測、BMI、HDLコレステロール、HbA1c、血圧、服薬状況(コレステロールを下げる薬、インスリン注射または血糖値を下げる薬クスリ、血圧を下げる薬)の状況がそろっている者
(妊婦除外)
5
糖尿病予備群・有病者の状況 糖尿病予備群・有病者の推定数(*) 予備群:
   空腹時血糖110mg/dl以上126mg/dl未満又はHbA1c5.5以上6.1未満の者。但し、インスリン使用・血糖を下げる薬の服用者を除く(40〜74歳)。※2

有病者:
   空腹時血糖126mg/dl以上またはHbA1c6.1%以上であるか、インスリン注射または血糖を下げる薬を服用している者(40〜74歳)。
HbA1c及び、服薬(インスリン注射または血糖を下げる薬)状況がそろっている者
6
高血圧症予備群・有病者の状況 高血圧症予備群・有病者の推定数(*) 予備群:
(1)収縮期血圧が130mmHg以上140mmHg未満かつ拡張期血圧が90mmHg未満である者
(2)収縮期血圧が140mmHg未満かつ拡張期血圧が85mmHg以上90mmHg未満である者。ただし、血圧を下げる薬の服用者を除く(40〜74歳)。

有病者:
   収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上の者、若しくは血圧を下げる薬服用者(40〜74歳)。
血圧、服薬状況(血圧を下げる薬)の状況がそろっている者
7
脂質異常者(高脂血症有病者)の状況 脂質異常者(高脂血症有病者)の推定数(*)    中性脂肪150mg/dl以上、またはHDLコレステロールが40mg/dl未満、または、LDL140mg/dl以上、若しくはコレステロールを下げる薬を服用している者(40〜74歳)。※3 HDLコレステロール、服薬状況(コレステロールを下げる薬)の状況がそろっている者
※1: 都道府県健康・栄養調査など、空腹時における採血が徹底できていない場合には、中性脂肪を用いない。
※2: 空腹時血糖とHbA1cの両者を測定している場合には、空腹時血糖を用いる。
※3: LDLコレステロールを測定していない場合には、総コレステロールを用いる。
(*)の指標の目標値設定、評価に際しては、性・年齢調整を行うことが必要。
表1 BMIと腹囲計測による肥満の状況(40歳以上)
表1 BMIと腹囲計測による肥満の状況(40歳以上)
表2 BMIによる肥満者の状況(40歳以上)
表2 BMIによる肥満者の状況(40歳以上)
表3 腹囲計測による肥満者の状況(40歳以上)
表3 腹囲計測による肥満者の状況(40歳以上)
表4 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予備群・該当者の状況(40歳以上)
表4 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予備群・該当者の状況(40歳以上) 表4 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予備群・該当者の状況(40歳以上)
表5 糖尿病予備群・有病者の状況(40歳以上)
表5 糖尿病予備群・有病者の状況(40歳以上) 表5 糖尿病予備群・有病者の状況(40歳以上)
表6 高血圧症予備群・有病者の状況(40歳以上)
表6 高血圧症予備群・有病者の状況(40歳以上) 表6 高血圧症予備群・有病者の状況(40歳以上)
表7 脂質異常者(高脂血症有病者)の状況(40歳以上)
表7 脂質異常者(高脂血症有病者)の状況(40歳以上)

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