II  調査結果の概要

≪骨子≫

 労働基準法に基づく母性保護制度等の規定状況
 (1)  産前産後休業
 産前産後休業期間については、単胎妊娠の場合は「法定どおり」(産前6週間産後8週間)とする事業所は95.7%(前回調査平成9年度82.6%)、「法律を上回る規定あり」とする事業所は4.0%(同4.5%)となっている。一方、多胎妊娠の場合は「法定どおり」(産前14週間産後8週間)が97.7%(同86.7%)、「法律を上回る規定あり」が2.0%(同1.3%)となっている。
 また、休業中の賃金を「有給」とする事業所は28.1%と前回調査の20.8%に比べ上昇したが、そのうち「全期間100%支給」とする事業所は52.8%(同64.0%)となっている。
 (2)  育児時間
 育児時間を「女性のみが請求できる」事業所は61.1%(平成9年度75.4%) で、「男女とも請求できる」事業所は38.5%(同24.3%)と男女とも請求できる 事業所割合が上昇している。
 また、育児時間中の賃金を「有給」とする事業所は40.2%(同33.1%)で、 前回調査と比べ上昇している。

 労働基準法に基づく母性保護制度等の利用状況
 (1)  産後休業取得者の配置状況
 「出産者あり」とした事業所のうち、「産後休業後直ちに復帰した女性労働者があった」事業所は24.3%であり、そのうち、その女性労働者を「原職」に配置した事業所は98.4%、「原職相当職」に配置した事業所は0.6%、「原職又は原職相当職以外」に配置した事業所は1.0%であった。
 また、産後休業を取得した女性労働者の割合でみると、産後休業後直ちに復帰した女性労働者は18.2%であり、そのうち、「原職」に復帰した女性労働者は96.8%、「原職相当職」に復帰した女性労働者は1.8%と両者で大半を占めている。
 (2)  育児時間の請求
 出産後も引き続き勤務している女性労働者のいた事業所のうち、育児時間の請 求者のあった事業所は12.3%、出産後も引き続き勤務している者のうち、育児時 間を請求した者の割合は10.8%であった。

 男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理措置の規定状況及び利用状況
 (1)  母性健康管理措置の規定状況
 母性健康管理措置のうち、「妊産婦の通院休暇制度」、「妊娠中の通勤緩和の措置」について「規定あり」とする事業所はそれぞれ37.7%(平成9年度17.2%)、28.5%(同11.8%)といずれも前回調査と比べ大きく上昇している。
 また、「妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置」は37.0%であったが、このうち、「妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置」の規定内容としては、「勤務時間の短縮」は70.8%、「休業」は55.7%であり、それぞれ全体の事業所割合では26.2%、20.6%となる。ちなみに前回調査において「休業」制度ありとした事業所は7.7%であった。
 (2)  母性健康管理措置の利用状況
 妊産婦のいた事業所のうち、母性健康管理措置について請求者のあった事業所割合をみると、「妊産婦の通院休暇制度」については15.3%(平成9年度4.8%)、「妊娠中の通勤緩和の措置」は3.9%(同4.6%)と、通院休暇制度の請求者があったとする事業所割合が大きく上昇している。
 また、「妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置」のうち「作業の制限」について請求者があった事業所割合は5.8%、「勤務時間の短縮」は10.1%、「休業」は6.6%であった。
 さらに、これらについて妊産婦のうちの請求者割合をみると、「妊産婦の通院休暇制度」については12.7%(平成9年度9.2%)、「妊娠中の通勤緩和の措置」は3.1%(同3.8%)であり、「妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置」のうち、「作業の制限」は6.0%、「勤務時間の短縮」は8.3%、「休業」は5.9%であった。

 産前産後休業の取得等による不就業期間の取扱い
 (1)  産前産後休業
 「昇進・昇格の決定」「昇給の決定」「退職金の算定」(退職金制度がある事業所のみ)について休業による不就業期間の取扱いを「特に決めていない」とする事業所割合はそれぞれ51.9%、50.2%、46.4%と約半数を占めている。労働者の出勤状況を「考慮している」事業所割合はそれぞれ32.0%、34.4%、38.9%といずれも約3割であるが、そのうち「不就業期間を就業したものとみなす」事業所はそれぞれ51.2%、51.7%、52.9%と最も多い。この他、「出勤状況を考慮していない」とする事業所はそれぞれ15.9%、15.2%、14.6%となっている。
 (2)  妊娠中及び出産後の症状等に対応する休業
 同じく「昇進・昇格の決定」「昇給の決定」「退職金の算定」(退職金制度がある事業所のみ)について休業による不就業期間の取扱いを「特に決めていない」とする事業所割合はそれぞれ55.8%、54.9%、51.2%と産前産後休業よりも多くなっている。労働者の出勤状況を「考慮している」事業所割合はそれぞれ28.0%、29.6%、34.0%と約3割であるが、そのうち「不就業期間を就業したものとみなす」事業所はそれぞれ42.8%、41.3%、46.1%と最も多いものの産前産後休業に比べ低くなっている。この他、「出勤状況を考慮していない」とする事業所はそれぞれ15.9%、15.2%、14.6%となっている。

 仕事と育児の両立に関する事項について
 (1)  育児休業取得者の状況
 育児休業取得率(平成15年度の1年間に出産した者又は配偶者が出産した者のうち、平成16年10月1日までに育児休業を開始した者)を男女別にみると、女性は70.6%(平成14年度64.0%)、男性は0.56%(同0.33%)であった。
 (2)  育児のための勤務時間の短縮等の措置の導入状況
 「小学校就学の始期に達するまで」以上の子について、利用可能な育児のための勤務時間の短縮等の措置を導入している事業所割合は10.5%(同9.6%)であった。
 (3)  子の看護休暇制度の導入状況
 子の看護休暇制度がある事業所は26.5%(同10.3%)であった。

トップへ