(1) |
職業安定行政における数値目標の設定
公共職業安定所においては、以下の事項を職業安定行政における重点的に取り組むべき事項として定め、それぞれ設定した目標の達成に向け効果的・効率的な行政運営を行う(個別の項目において再掲)。
ア |
早期再就職支援のための雇用対策等
(ア) |
就職率を32%程度に引き上げることを目指す。 |
(イ) |
基本手当の支給残日数を所定給付日数の3分の2以上残して早期に再就職する者の割合を15%程度に引き上げることを目指す。 |
(ウ) |
再就職支援プログラム開始件数7万件、就職率7割程度の確保を目指す。 |
(エ) |
就職実現プラン作成件数12万件、就職率5割程度の確保を目指す。 |
(オ) |
求人受理後3週間を経過しても応募者がいない求人すべてについてフォローアップ実施を目指す。 |
(カ) |
年齢不問求人の割合を全求人の30%以上の水準で平成16年度を上回ることを目指す。 |
|
イ |
若年者雇用対策
(ア) |
キャリア探索プログラムの参加生徒数28万人程度を目指す。 |
(イ) |
11月末〜3月末における、ジョブサポーターによる支援等を通じた高卒就職内定者数を3万人程度の確保を目指す。 |
(ウ) |
新規高卒者の内定率について平成16年度以上の確保を目指す。 |
(エ) |
若年者試行雇用の開始者数6万人、常用雇用移行率80%程度の確保を目指す。 |
|
ウ |
中高年齢者雇用対策
(ア) |
中高年試行雇用の開始者数2万人、常用雇用移行率75%程度の確保を目指す。 |
(イ) |
平成18年度からの改正高年齢者雇用安定法の施行に向け、すべての企業において定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の措置が講じられるよう、少なくとも50人以上規模のすべての企業に対しては、リーフレットの配布や集団指導・個別指導等を通じて、周知啓発の徹底を図る。 |
|
エ |
障害者雇用対策
(ア) |
障害者の年間就職件数について平成16年度を上回る数の確保を目指す。 |
(イ) |
障害者試行雇用の開始者数6千人、常用雇用移行率80%程度の確保を目指す。 |
|
|
(2) |
雇用のミスマッチ縮小等のための雇用対策の推進
ア |
公共職業安定所における的確な求人・求職のマッチング
公共職業安定所において、地域の労働市場の状況、求人者や求職者のニーズなどを踏まえつつ、的確に求人・求職のマッチングを図ることにより、公共職業安定所の求職者の就職率(公共職業安定所の紹介により就職した者の新規求職者に対する比率)を32%程度に引き上げることを目指す。
とりわけ、雇用保険受給者の早期再就職の促進に努め、受給資格者のうち早期に就職した者の比率(基本手当の支給残日数を所定給付日数の3分の2以上残して再就職手当を受給した者の受給資格決定件数に対する比率)を15%程度に引き上げることを目指す。
(ア) |
公共職業安定所の特性、ノウハウを活かした職業相談・紹介の実施
求職者に対しては、職業相談を通じて求職者のニーズや状況の変化を十分に把握し、適時適切な職業紹介等の就職支援を実施する。また、求人者に対しては、求人内容を詳細かつ的確に把握し、適切な求職者の紹介に努めるとともに、未充足求人について条件緩和等により充足を図る。これらのきめ細かな職業紹介等を通じ、積極的に、的確な求人・求職のマッチングを図る。 |
(イ) |
労働市場の的確な分析及び情報の提供
それぞれの労働市場における職種、能力、経験等のミスマッチの状況を的確に分析し、円滑なマッチングにつなげるよう、求人者及び求職者に対して、地域の実情にあった効果的な情報提供を徹底する。 |
(ウ) |
効果的な求人開拓の実施
求職者のニーズに比べて相対的に不足している職種に重点を置いた求人開拓や個別の求職者の希望に応じた個別求人開拓を効果的・効率的に実施するとともに、開拓した求人のフォローアップを徹底する。 |
(エ) |
雇用保険受給者に対する就職支援セミナーの実施
公共職業安定所等において、雇用保険受給者に必要な知識を付与し、早期再就職を図るための就職支援セミナーを効果的に開催する。 |
(オ) |
労働市場圏を踏まえた関係局・所の連携の強化
労働市場圏の拡大、変化に対応し、労働局、公共職業安定所の管轄を越えた求人・求職の適切なマッチングを図るため、関係局・所間の連携を強化する。 |
|
イ |
求職者の個々の状況に的確に対応した公共職業安定所の就職支援
(ア) |
早期再就職の緊要度が高い求職者に対する個別支援
早期再就職の緊要度が高い求職者に対して、企業の人事労務管理に関する知識・経験を有する者等からなる就職支援ナビゲーターによる体系的かつ計画的できめ細かな就職支援を行う再就職支援プログラムを実施する。このプログラムに関し、開始件数7万件、就職率7割程度を確保することを目指す。 |
(イ) |
就職実現プランの作成による個別総合的な支援の充実
就職意欲が高い求職者に対して、再就職に向けた求職活動計画(就職実現プラン)を作成して個別総合的な相談援助を実施する。また、再就職プランナーを増置し、若年者を対象に加え、就職実現プラン作成件数12万件、就職率5割程度を確保することを目指す。 |
(ウ) |
生活保護受給者及び児童扶養手当受給者に対する就労支援
生活保護受給者及び児童扶養手当受給者の自立支援プログラムの一環として、福祉事務所等と連携して、公共職業安定所において、就労支援コーディネーターによる支援メニューの選定、就職支援ナビゲーターによる就職支援等きめ細かな就労支援を行う。
その際、職業訓練が必要とされた者については、新たに都道府県に委託して実施される就職のための準備段階としてのプレ訓練、実際の就職に必要な技能・知識を習得させるための職業訓練をセットにした「プレ訓練付き職業訓練」を活用する。 |
|
ウ |
的確な公共職業訓練の活用
(ア) |
公共職業訓練に関する情報提供
能力のミスマッチを解消するためには、能力開発が必要な求職者に対し、人材ニーズに基づいて職業訓練を活用するよう、公共職業訓練情報を積極的に提供する。 |
(イ) |
的確・早期の受講あっせん
職業訓練の受講が有効な求職者に対して、求職活動期間のなるべく早期に受講のあっせんを行うよう努める。受講あっせんに当たっては、求職者の意思を尊重しつつ、求職者の適性・能力・職業経験、各訓練コースの内容・水準、地域の労働力需給動向等を総合的に勘案し、当該求職者にとって再就職に結びつく可能性が最も高いコースを選定する。
その際、公共職業安定所に配置されている能力開発支援アドバイザーを活用してキャリア・コンサルティングを実施する。 |
(ウ) |
求人セット型訓練の活用
求人企業に委託する求人セット型訓練は、再就職促進効果が高いことを踏まえ、求人開拓や求人受理に当たって、積極的な活用を勧奨する。求人セット型訓練の設定については、(独)雇用・能力開発機構と連携し、能力要件明確化アドバイザーを活用して、求人企業の求める能力要件の明確化及びそれに基づく効果的な訓練コースの設定に努める。 |
(エ) |
複数回受講指示の活用
訓練受講修了者については、キャリア・コンサルティング等を踏まえ、更なる能力開発が必要な場合は複数受講指示等を行う。 |
(オ) |
求職から就職に至るまでの一貫した支援
求職者の早期再就職を促進するため、求職から、相談、訓練受講、職業紹介、就職に至るまでの一貫した支援を実施する。
このため、巡回就職支援指導員を活用し、委託訓練を受講中の者に対する就職支援を実施するとともに、個別求人開拓の実施、合同就職面接会等を行い訓練受講者や修了者の早期就職を図る。 |
|
エ |
未充足求人のフォローアップの徹底等求人者サービスの充実
求人受理後3週間を経過しても応募者がいない求人を出しているすべての事業主に対し、何らかの接触を行うとともに、必要に応じ、求職者情報の提供、求人条件の緩和指導、事業所見学会等の積極的関与を行う。 |
オ |
業種・職種間ミスマッチ対策の充実
希望する求人の範囲が極端に狭い、又は範囲が特定できない等の理由により有効適切な求職活動ができずにいる求職者に対し、効果的な求職活動のノウハウや留意事項の提供、求人が多く就職可能性の高い業種や職種への求職活動の方針転換の促進等のため、業界別アドバイザーを活用してセミナーの開催等の集団指導や適職選択支援員による個別具体的な助言・相談を行うことにより求人と求職のミスマッチの解消を図る。 |
カ |
求人年齢制限緩和の推進
年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けて、労働者の募集及び採用の際、事業主が年齢制限をする場合には、その理由を提示するよう徹底を図る。
公共職業安定所の求人については、年齢不問求人の割合を全求人の30%以上の水準で平成16年度を上回ることを目指して、求人開拓や求人受理の際に、個別企業に対して制度の説明、指導等を行う。 |
キ |
失業者向けのサービスの提供
(ア) |
生活関連情報の一元的な提供
失業に直面した際に生ずる社会保険、税制、住宅、教育、育児、心の悩み等の生活関連情報について、相談及び助言を行う生活関連情報相談コーナーを大都市圏の公共職業安定所に引き続き設置するとともに、ハローワークインターネットサービスを活用し、生活関連情報の提供を行う。 |
(イ) |
就職支援アドバイザーによるコンサルティング
失業による心理的不安を解消するため、公共職業安定所のコンサルティングコーナーにおいて、就職支援アドバイザーによるコンサルティングを実施する。 |
|
ク |
雇用調整に対する的確な対応
(ア) |
円滑な労働移動の効果的な支援
雇用失業情勢に厳しさが残る中で、雇用調整を予定している企業の動向の把握に努め、大量雇用変動届、再就職援助計画等の作成が適切に行われるよう指導する。その際、当該計画等に基づき、離職を余儀なくされる労働者の再就職を促進するために必要な措置が効果的に講じられるよう事業主に促すとともに、労働移動支援助成金の周知・活用の促進に努め、円滑な労働移動が行われるよう積極的に支援する。 |
(イ) |
雇用再生集中支援事業の実施
主要行における不良債権処理は目途がつきつつあるが、雇用面への具体的な影響は今後も生じるものがあると見込まれるほか、地域金融機関における不良債権処理は引き続き進められると見込まれる。このため、平成17年度においても雇用面への影響について管内状況の的確な把握に努め、不良債権処理の影響により雇用調整を行う事業主に対して、雇用調整方針の作成・届出を積極的に働きかけるとともに、雇用調整方針対象者に対しては求職活動に対する個別のニーズを把握し、(財)産業雇用安定センター等関係機関との連携の下、体系的な再就職支援策の円滑かつ適切な実施を図る。 |
(ウ) |
雇用の維持確保に対する支援
雇用調整助成金の活用を通じ、景気の変動等、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされ一時的に休業等又は出向を行うことにより雇用の維持確保を図る事業主を支援する。 |
|
|
(3) |
民間や地方公共団体との共同・連携による就職支援
ア |
成果に対する評価に基づく民間委託による長期失業者の就職支援
長期失業者について、大都市圏(北海道、東京、愛知、大阪、福岡)において、緊急雇用創出特別基金を活用して就職支援から就職後の定着指導までを民間事業者に包括的に委託しているが、30歳未満の者で常用就職を希望する者等も対象者に加えるとともに、東京及び大阪については隣接府県(埼玉、千葉、神奈川、京都、兵庫及び奈良)を含め東京圏及び大阪圏として対象地区を拡大することとする。 |
イ |
地域職業相談室等の設置による市町村と連携した職業紹介・相談
(ア) |
地域職業相談室
市区町村の要望や公共職業安定所の設置状況を勘案し、公共職業安定所と市区町村が共同で運営する地域職業相談室を設置し、市区町村の相談・情報提供業務と連携した職業相談、紹介を実施する。 |
(イ) |
高年齢者職業相談室
市区町村と共同で運営している高齢者職業相談室について、その運営状況を踏まえて、配置の見直しを進める。 |
|
ウ |
地方公共団体が行う職業紹介との連携・協力
地方公共団体の行う無料職業紹介事業について、地方公共団体の要請がある場合には、求人者が公開に同意している求人情報の提供等の連携、協力を行う。
また、地方公共団体が、官民共同窓口の設置を希望する場合には、公共職業安定所の体制等を勘案した上で、可能な範囲で対応を検討する。 |
エ |
都道府県の企画・立案による求職活動の支援
求職活動援助地域において、都道府県の企画・立案による実施方式によって、求職活動を支援するための事業を事業主団体等に委託して実施する。 |
オ |
地域の労使による就職支援事業の推進
民間の労使が相協力して地域の雇用の改善のための事業を行う「地域労使就職支援機構」に、地域における失業者等の再就職の促進に資すると認められる事業などを委託する。 |
カ |
雇用関連事業ワンストップサービスの実施
地方公共団体、独立行政法人、公益法人等が実施している雇用関連事業について、利用者の立場に立ったワンストップサービスを推進するため、助成金申請の取次ぎ等を行う総合的な相談・情報提供窓口である雇用関連情報コーナーを公共職業安定所に設置する。
また、ハローワークインターネットサービスに助成金及び各サービスの実施機関所在地情報等の検索機能を付加する。 |
キ |
雇用関係情報の積極的提供
官民連携した雇用情報システムである「しごと情報ネット」については、携帯電話を活用した求人情報提供機能の拡充により、利用者サービスの向上を図るとともに、民間の労働力需給調整機関や地方公共団体等に対し積極的に参加及び求人情報の提供の働きかけを行う。
また、引き続き、ハローワークインターネットサービスによる求人情報の提供を的確に実施していくこととする。 |
ク |
国・地方公共団体・民間職業紹介機関による官民交流会の実施
国・地方公共団体・民間職業紹介機関が一堂に会して、職業相談・職業紹介の技法等の向上、地域の労働力需給に関する情報交換等を行う官民交流会を実施する。 |
ケ |
市場化テストのモデル事業の実施
市場化テストのモデル事業として、キャリア交流プラザ(5カ所)及び若年者版キャリア交流プラザ(1カ所)の公設民営、各公共職業安定所の求職動向を踏まえた求人開拓の民間委託(3地域)を実施する。 |
|
(4) |
良好な雇用機会の創出・確保
ア |
地域における雇用創造の支援
(ア) |
地域再生雇用支援ネットワーク事業の実施
自ら主体的に地域再生に取り組む市町村等を雇用面から総合的に支援する「地域再生雇用支援ネットワーク事業」を、関係機関と連携して推進する。特に、地域再生に取り組む市町村等に対するワンストップ窓口での対応、市町村等と公共職業安定所による情報・意見交換等を踏まえたニーズに対応した就職支援の実施などに積極的に取り組む。 |
(イ) |
雇用創造のための構想を策定しようとする市町村等に対する専門家による助言等
雇用創造のための構想を策定しようとする市町村等に対して、その企画段階において、専門家による助言や参考となる成功事例の紹介等の支援を行う。 |
(ウ) |
地域提案型雇用創造支援事業の実施
雇用機会が少ない地域において、地域の雇用創造に自発的に取り組む市町村等の取組を促進するため、新たに、コンテスト方式により選抜された雇用創造効果の高い事業に取り組む市町村等に対しその事業の実施を委託する。 |
(エ) |
地域における創業に対する助成
地域雇用受皿事業特別奨励金を拡充して地域創業助成金とし、従来からのサービス分野とともに、市町村等が自ら選択した重点産業において創業する者に対して、創業及び雇入れに係る助成を行う。 |
|
イ |
地域に密着した産業雇用の再生・強化
(ア) |
総合的な建設労働対策の推進
建設投資額の減少等により厳しい状況が続いている建設業について、建設事業主の新分野進出や建設業内外への労働移動を推進するとともに、労働力需給調整機能の強化等による労働者の就業・就労機会の確保を図り、併せて建設技能労働者の育成・確保を促進するため、総合的な建設労働対策を推進する。その際、(独)雇用・能力開発機構、建設業界団体等と連携を図る。
総合的な建設労働対策の一環として、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」の改正を予定しているが、その施行に当たっては、十分周知・啓発を行うとともに、新たに導入される予定の建設業務労働者就業機会確保事業等について適正な手続き、指導監督等を実施する。
また、建設労働者の雇用の改善等に関する法律及び第6次建設雇用改善計画に基づき、雇用の近代化のさらなる促進等建設労働者の雇用の改善等のための施策を推進するとともに、現行の建設雇用改善計画は平成17年度末で計画期間が満了するので、建設労働をめぐる現状等についての調査研究を行い、新たな建設雇用改善計画を策定する。 |
(イ) |
林業労働力の確保対策の強化
我が国林業を取り巻く環境の変化に対応するとともに、林業労働力の確保を図るため、林野庁等との連携の下、林業事業体の雇用管理の改善のための林業事業体に対する研修等を実施する。
また、林業を希望する求職者が林業作業の体験等により林業への就業意識の明確化を図り、積極的に林業就業を選択し、定着することを支援する「林業就業支援事業」を実施する。
さらに、林業振動障害軽快者の再就職促進対策を実施する。 |
(ウ) |
「農林業をやってみよう」プログラムの推進
農林業等就職相談コーナー等により、農林業等への多様な就業希望に応えるべく、農林水産省及び関係団体との連携のもとに求人情報の提供、職業相談・紹介、農林業等関連各種情報の提供等を行う。 |
|
ウ |
良好な雇用機会の創出
良好な雇用機会の創出を図るため、関係省庁、関係団体、都道府県、市町村、経済団体等と共同あるいは連携して、創業支援についての広報、相談、援助を行う。また、都道府県労働局が中心となって、関係団体との連携協力を図り、雇用関係助成金の一体的な周知、積極的な活用を図る。
(ア) |
中小企業における雇用機会の積極的な創出
創業・異業種進出を行う中小企業が経営基盤の強化に資する人材を雇い入れる場合の助成等を行う独立行政法人雇用・能力開発機構と連携するなど、雇用機会の創出の担い手である中小企業の人材確保・育成、魅力ある職場づくりを推進する。 |
(イ) |
雇用保険受給資格者の創業に対する支援
雇用保険の受給資格者の創業に係る助成を行うことを通じ、その自立を促進する。 |
(ウ) |
高年齢者等の共同による創業に対する支援
高年齢者等共同就業機会創出助成金を活用し、45歳以上の高年齢者等が共同して事業を開始し、継続的な雇用就業機会を創出した場合、当該事業主を支援する。 |
(エ) |
地域創業助成金(再掲)
サービス分野及び市町村が選択した重点産業において創業する者に対して地域創業助成金を支給して支援する。 |
(オ) |
地域雇用開発促進助成金
同意雇用機会増大促進地域等において事業所を設置・整備し、求職者を雇い入れた事業主又は同意高度技能活用雇用安定地域において高度技能労働者を受け入れた事業主に対し、地域雇用開発促進助成金を支給することにより、これら地域の雇用構造の改善を図る
|
|
|
(5) |
雇用保険制度の安定的運営
ア |
適正な業務の運営
雇用のセーフティネットとしての雇用保険制度の安定的運営を確保しつつ、その十分な機能発揮を図るため、平成14年9月から実施している「失業認定の在り方の見直し」等を踏まえ、求職活動実績に基づく失業の認定、給付制限、職業紹介部門との連携等の一層的確な運用を行う。 |
イ |
私立学校教員に対する確実な適用
雇用保険の被保険者となるべき私立学校の教員について、確実に資格取得届又は雇用保険加入計画を提出させる。 |
ウ |
不正受給の防止
不正受給防止を徹底するため、必要に応じ基本手当初回受給者のうち一定割合を抽出する等の方法により不正受給防止のための調査を行う。 |
|
(6) |
民間等の労働力需給調整事業の適正な運営の促進
民間や地方公共団体による職業紹介事業や労働者派遣事業が、法令を遵守し、その機能と役割を十分に発揮させるよう、労働局における許可・届出及び指導監督等の需給調整事業関係業務の効果的かつ効率的な実施に努め、職業安定法及び労働者派遣法の円滑な施行を図る。
その際、物の製造業務への労働者派遣と製造請負の区分の明確化、労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間に係る派遣先の労働者の過半数代表からの意見聴取の適切かつ確実な実施、派遣労働者の雇用の安定等について周知を図るとともに、労働基準行政との連携を図りつつ的確かつ厳正な指導監督を実施する。
また、公共職業安定所においては、引き続き派遣労働者や求職者等からの苦情、相談への適切な対応等に努める。 |
(7) |
若年者雇用対策の推進
平成18年度までに若年失業者等の増加傾向を転換することを目標に、「若者自立・挑戦プラン」に基づく施策を着実に実施するとともに、働く意欲が不十分な若年者、無業者の増加などの課題に対応すべく、若者の働く意欲や能力を高める総合的な対策を新たに推進する。
ア |
在学中からの職業体験機会の充実
(ア) |
中高校生等に対する職業意識形成支援事業の充実
学校等と連携して「総合的な学習の時間」などを活用し、企業人、公共職業安定所職員等を講師として学校に派遣し、職業や産業の実態、働くことの意義、職業生活等に関して生徒に理解させ自ら考えさせるキャリア探索プログラムを積極的に実施し、参加生徒数を28万人程度とすることを目指す。
また、職場体験活動(ジュニアインターンシップ)について、地域の企業とのコーディネート機能の拡充を図るなど、効果的に実施する。
これら事業について、文部科学省が推進する職場体験事業等と一体的かつ効率的な実施を図る観点から、各地域で教育委員会、経済産業局、経済団体等の関係機関による協議の場を設けるなど、密接な連携を図る。 |
(イ) |
大学生に対する職業意識啓発事業の実施
適職選択のための自己理解等を促進するため、大学等と連携し、学生に対する各種セミナーや適職相談を実施するとともに、経済団体に委託して実施するインターンシップ受入企業開拓事業等も活用し、インターンシップの普及推進に努める。 |
(ウ) |
無償の労働体験等を通じての就職力強化事業(ジョブパスポート事業)の創設
学生や無業の若年者がボランティア活動など無償の労働体験を重ねることを通じて就職力を強化するため、無償の労働体験の機会に関する情報の収集・提供を行うとともに、これらの活動の実績等を記録する「ジョブパスポート」及び「ジョブパスポート支援システム(仮称)」の活用・普及を図る。
また、無償の労働体験等の活動実績が企業の採用選考に反映されるよう企業に働きかけるとともに、公共職業安定所、ジョブカフェ等の就職支援窓口においてもジョブパスポートを活用する若年者と求人企業の積極的マッチングに努める。 |
|
イ |
新規学卒者に対する就職支援策の推進
(ア) |
新規高卒者に対する就職支援策の実施
就職機会の拡大を図るため、求人開拓、就職面接会及び応募前の職場見学を推進するとともに、若年者ジョブサポーターにより、在学中の早い段階から就職後の職場定着までの各段階を通じてマンツーマンによる一貫した就職支援を実施する。若年者ジョブサポーターによる支援等を通じた11月末〜3月末における高卒就職内定者数を3万人程度確保することを目指す。
また、民間教育訓練機関に委託して実施する就職活動に必要な知識や基本的な実務能力を付与するための就職ガイダンス等も活用し、就職希望者に対する幅広い就職支援に努める。
さらに、高校の進路指導担当者を対象に公共職業安定所での実地研修を行うほか、地域の状況を踏まえた円滑な職業紹介を推進するため、就職慣行の見直し等について、都道府県高等学校就職問題検討会議において引き続き検討する。
これら取組により、新規高卒者の就職内定率について平成16年度以上の水準を確保することを目指す。 |
(イ) |
新規大卒者に対する就職支援策の実施
大学等就職担当職員を対象とした講習の実施等により、大学等の就職支援機能の強化を図る。
また、大学等新卒者に対して、学生職業センター等において、大学就職担当部署とも連携しながら、職業指導及び職業相談等の個別支援、就職面接会等の実施とともに、情報発信、マッチング機能の拡充を図ることとしている学生職業総合支援センターシステムの積極的活用により、就職の促進を図る。 |
|
ウ |
若年失業者等の就職支援、職場定着の推進
(ア) |
就職実現プランの作成による個別総合的な支援の充実(再掲)
就職意欲が高い求職者に対して、再就職に向けた求職活動計画(就職実現プラン)を作成して個別総合的な相談援助を実施する。また、再就職プランナーを増置し、若年者を対象に加え、就職実現プラン作成件数12万件、就職率5割程度を確保することを目指す。 |
(イ) |
若年者試行雇用事業の推進
学卒未就職卒業者等の若年失業者に実践的な能力を取得させて常用雇用を推進するため、短期間の試行雇用事業を拡充実施する。試行雇用の開始者数を6万人、常用雇用移行率8割程度を確保することを目指す。 |
(ウ) |
ヤングワークプラザにおける就職支援の実施
若年失業者の就職を支援するため、東京、神奈川、愛知、大阪及び兵庫に設置しているヤングワークプラザにおいて、専門的な相談、職業紹介等の就職支援を推進する。 |
(エ) |
職場定着を推進する施策の充実
新規学卒就職者の就職3年以内の離職率を前年度比で減少させることを目指して、公共職業安定所における職場適応指導、雇用管理指導等とともに、新たに、地域の業界団体等による若年労働者の相互交流や企業人事管理者の講習等の取組の促進、民間委託によるインターネット等を通じ働くことに関わる幅広い相談に身近に応ずる体制の整備に取り組む。 |
|
エ |
若者の人間力を高めるための国民運動の推進
若年者雇用問題についての国民各層の関心を喚起し、若者に働くことの意義を実感させ、働く意欲・能力を高めるため、経済界、労働界、地域社会、政府等の関係者が一体となり、国民会議の開催や啓発活動等に取り組む国民運動を展開する。 |
オ |
地域との連携及び協力による若年者就職支援対策の展開
若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブカフェ)等に対し、企業説明会や各種セミナーの開催等に、新たに、若年者の主体的な企画による就職支援活動や利用困難な者に対するネットカウンセリングを加えた若年者地域連携事業を委託するとともに、併設する公共職業安定所における職業紹介の実施など、地域との連携及び協力による効果的な若年者の就職支援対策を推進する。 |
カ |
職業能力開発施策との連携
若者の職業能力を開発し就職を促進する施策として、10日間程度で就職に必要とされる基礎的な能力の習得を行う「就職基礎能力速成講座」や、企業実習と一体となった教育訓練を行う「日本版デュアルシステム」による離職者訓練を実施することとしている。
また、就労意欲が低く公共職業安定所へ行くことを躊躇する若者については、合宿形式による生活訓練、労働体験等を通じて若者に働く意欲と自信を付与する「若者自立塾」や若者に集いの場を提供し若者同士の交流等により若者の職業意識の向上を図る「ヤングジョブスポット」により職業意識形成・就労意欲向上を図ることとしている。
さらに、就職に当たって必要とされる基礎的な能力を身につけていることを証明するYES−プログラムの実施や、若年者を中心としたキャリア形成を総合的に支援する「私のしごと館」の設置運営を行っているところである。
こうした施策が実施されていることを踏まえ、公共職業安定所を利用する若者に対し、職業意識・職業能力の段階に応じた施策の紹介や、これらの事業の実施主体と連携した円滑な就職支援の実施など、若者の就職に向けた総合的な支援を実施する。 |
|
(8) |
高齢者雇用対策の推進
ア |
知識・経験を活用した65歳までの雇用の確保
(ア) |
改正高年齢者雇用安定法の円滑な施行に向けた取組の推進
平成18年度からの改正高年齢者雇用安定法の施行に向け、すべての企業において定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の措置(高年齢者雇用確保措置)が講じられるよう、少なくとも50人以上規模のすべての企業に対しては、リーフレットの配布や集団指導・個別指導等を通じて、周知啓発の徹底を図る。 |
(イ) |
高年齢者雇用確保措置に関する事業主に対する指導・援助の推進
平成18年度の改正高年齢者雇用安定法の円滑な施行に資するため、高年齢者雇用状況報告に基づき、高年齢者雇用確保措置を講じていない事業主に対する積極的な指導・援助等を行う。
また、高年齢者雇用アドバイザーが専門的・技術的支援を有効に行えるよう、適切な役割分担の下で、都道府県高年齢者雇用開発協会と密接な連携を図り、その際は、高年齢者雇用アドバイザーのフォローアップを重点とした相談・助言及び継続雇用定着促進助成金等の活用を通じて、高年齢者雇用確保措置を講ずる事業主を支援する。 |
(ウ) |
65歳雇用導入プロジェクトの推進
労働局の高年齢者雇用推進委員会に公労使を交えた65歳雇用導入ワーキンググループを設置し、地域の実情に応じた賃金・人事処遇制度の見直しや継続雇用制度の導入等に係る方針を策定するとともに、地域の事業主団体を選定し、すべての傘下企業を対象として集団的に指導、助言を行う事業を委託する。事業終了時において、事業実施企業のうち65歳まで働ける場を確保する企業の割合が80%程度(平成15年において少なくとも65歳まで働ける場を確保する企業の割合を10%程度上回る水準)となることを目指す。
また、傘下企業の制度導入の支援を図るため、高年齢者雇用アドバイザーを活用して助言、指導を行う。 |
|
イ |
中高年齢者の再就職の援助・促進
(ア) |
中高年齢者試行雇用事業の推進
世帯主など特に再就職の緊急性が高い中高年齢求職者について、試行雇用を通じて常用雇用へ移行を図ることにより再就職を促進する。試行雇用の開始者数を2万人、常用雇用移行率を75%程度を確保することを目指す。 |
(イ) |
求職活動支援書制度の普及、活用の促進及び再就職支援コンサルタントとの連携
事業主に対し、定年、解雇等により離職する高年齢者等に再就職援助措置を講じるよう努力する義務があること、解雇等により離職する高年齢者等(以下「高年齢離職予定者」という。)が希望した場合には求職活動支援書を作成・交付する義務があることについて周知・啓発を行うとともに、高年齢離職予定者が希望したにもかかわらず求職活動支援書を作成しない事業主に対して指導等を行う。
また、必要に応じて、都道府県高年齢者雇用開発協会に設置されている再就職支援コンサルタントを活用し、求職活動支援書の作成支援や再就職援助措置の内容等について相談・援助を実施する。
さらに、中高年齢労働者の職業生活設計及びキャリアの棚卸しに関する支援を行うため、高齢期雇用就業支援コーナーとの連携を図る。 |
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ウ |
年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた取組
年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた基盤づくり事業の実施に当たる高年齢者雇用アドバイザーの活用を図りつつ、募集・採用時の年齢制限是正等に係る相談・援助等の支援を行う。 |
エ |
高齢者の多様な就業・社会参加の促進
(ア) |
シルバー人材センター事業の推進
市区町村等との連携の下に高年齢退職者等のニーズに対応した就業機会を確保・提供し、地域に密着した事業運営体制を確立することにより、子育て支援事業を拡充するなどシルバー人材センター事業を引き続き推進するとともに、改正高年齢者雇用安定法に基づきシルバー人材センター連合が実施する一般労働者派遣事業について円滑な業務運営が図られるよう適切な指導を行う。
また、シルバー人材センター連合が実施する技能講習と合同面接会等を一体的に行うシニアワークプログラム事業に連携・協力する。 |
(イ) |
高年齢者等の共同による創業に対する支援(再掲)
高年齢者等共同就業機会創出助成金を活用し、45歳以上の高年齢者等が共同して事業を開始し、継続的な雇用就業機会を創出した場合、当該事業主を支援する。 |
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(9) |
障害者雇用対策の推進
ア |
障害者雇用促進法の改正
障害者の社会参加が進み、障害者の就業に対するニーズが高まる中で、精神障害者の雇用対策の強化や在宅就業に対する支援などが求められている。そのため、精神障害者に対する雇用対策の強化、多様な形態による障害者の就業機会の拡大、雇用と福祉の連携による福祉的就労から一般就労への移行の促進等、障害者雇用促進法の改正を含め、障害者雇用施策の充実強化を図ることとしている。
なお、障害者雇用促進法の改正法案が成立した場合、その施行に向け十分な周知・啓発を行う。 |
イ |
法定雇用率達成指導の徹底
(ア) |
指導基準に基づいた厳正な指導
身体障害者及び知的障害者の実雇用率が低いことや法定雇用率未達成企業の割合が高いことを踏まえ、民間企業に対する法定雇用率達成指導において、障害者雇入れ計画作成命令、企業名の公表を前提とした特別指導を、指導基準に基づき厳正に実施する。なお、本省においては、各労働局の指導結果に基づき、6月に企業名の公表を実施する。 |
(イ) |
企業の雇用状況に応じた指導
除外率の引き下げや除外職員制度の縮小により、新たに法定雇用率未達成となった、又は不足障害者数が増加した企業及び機関に対して、早期に法定雇用率を達成させるため、必要に応じて業種ごとのセミナー等を実施するなど、法定雇用率達成のための集団指導を強力に行う。法定雇用率未達成企業の約6割を占める1人不足企業に対しては、個別求人開拓又は一般求人に係る条件緩和指導と併せた法定雇用率達成指導を実施する。また、本省においては、不足障害者数が一定数以上の大企業等に対して直接指導を行う。 |
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ウ |
障害者の雇用機会の拡大
「重点施策実施5か年計画」において明記されている、平成19年度までに公共職業安定所の年間障害者就職件数を3万人、平成20年度の障害者雇用実態調査において雇用障害者数60万人とする目標を踏まえ、平成17年度においては、平成16年度を上回る就職件数を確保することを目指す。
(ア) |
障害者個々人に応じた就職支援の推進
前年を上回る就職件数の確保に向けて、障害の種類及び程度等障害者個々人の状況に応じたきめ細かな職業相談・職業紹介の実施、求人開拓の強力な推進を図るとともに、地域の実情に応じて集団面接会の活用を図る。 |
(イ) |
障害者試行雇用事業(トライアル雇用事業)の拡充
障害者を短期の試行雇用の形で受け入れ、常用雇用への移行を促進する障害者試行雇用事業を拡充して実施する。試行雇用の開始者数を6千人、常用雇用移行率を少なくとも8割程度確保することを目指す。 |
(ウ) |
職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業の推進
地域障害者職業センターにおいて、職場への適応が困難な障害者の働く職場にジョブコーチを派遣することにより職場定着等を支援するジョブコーチ事業を推進する。その際、公共職業安定所は、支援ニーズの把握や個別の事業所開拓等を実施する。 |
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エ |
雇用と福祉の連携による障害者の自立支援
(ア) |
地域における福祉的就労から一般就労への移行の促進
授産施設等の福祉施設で就労している障害者の一般就労への移行を促進するため、公共職業安定所が中心となって、障害者の在籍する福祉施設、地域障害者職業センター等の関係機関からなる「地域障害者就労支援チーム(仮称)」を設置し、障害者一人一人の意欲、能力等に応じた支援計画を作成し、支援を進める(平成17年度においては10所において実施)。支援に当たっては、様々な支援制度を活用するとともに、福祉施設での作業と企業実習を組み合わせた就労支援の実施、福祉施設の支援スタッフや入所者に対する意識啓発など、一般就労に向けた総合的な支援を行う。 |
(イ) |
障害者就業・生活支援センター事業の拡充
障害者の身近な地域において雇用、保健福祉、教育等の関係機関が連携し、就業及びそれに伴う日常生活の相談・支援を一体的に行う障害者就業・生活支援センター事業の拡充を図る。都道府県労働局及び公共職業安定所においては、同センターの業務の円滑かつ効果的な運営のための協力を行う。 |
(ウ) |
発達障害者に対する適切な対応
発達障害者支援法の施行を踏まえ、発達障害者支援センターや地域障害者職業センター等との連携を図りながら、発達障害に対する理解を深め、適切な対応を図る。 |
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オ |
精神障害者に対する雇用対策の強化
(ア) |
医療機関等と連携した精神障害者のジョブガイダンス事業の実施
医療機関等の利用者の中で、就職意欲は高いものの就職するための準備が十分に整っていない精神障害者を就職に結びつけるため、公共職業安定所から医療機関等に出向き、就職活動に関する知識や方法を実践的なガイダンスにより示す。併せて、公共職業安定所は医療機関等との連携を深め、医療・生活支援から就職支援まで含めた円滑な支援活動を展開できる環境整備に努める。 |
(イ) |
精神障害者に対する総合的雇用支援の実施
精神障害者職場復帰支援事業(リワーク事業)を発展させ、全国の地域障害者職業センターにおいて、精神障害者及び事業主に対して、休職中の在職精神障害者の円滑な職場復帰に加え、新規雇用の促進、雇用継続を含めた総合的・体系的な支援を実施する。公共職業安定所においては、事業の周知や支援ニーズの把握等について地域障害者職業センターとの連携を図る。 |
(ウ) |
基本的な労働習慣の体得を支援する職業準備支援事業の拡充
地域障害者職業センターにおいて、就職に必要な基本的な労働習慣等の体得を支援するため、個々の障害者に応じたカリキュラムにより体系的な訓練を実施する職業準備支援事業を拡充し、精神障害者を対象とした対人関係改善のための自立支援コースを拡充する。その際、公共職業安定所においては、支援対象者の把握や訓練修了者のうち一般雇用が可能な者について職業相談、職業紹介等を実施する。 |
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カ |
障害者の職業能力開発の推進
障害者職業能力開発校における訓練、一般校を活用した訓練及び障害者委託訓練などについて、障害者の雇用促進の支援策として積極的かつ効果的な受講あっせん等に努めるとともに、求職障害者や事業主に対するこれらの周知を図る。 |
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(10) |
外国人雇用対策の推進
ア |
外国人労働者の就労環境の整備の推進
(ア) |
外国人求職者への職業紹介機能の推進
現下の厳しい雇用失業情勢の下、外国人来所者に適切に対応するため、「外国人雇用サービスコーナー」における外国人求職者等に対する職業相談・紹介の一層の推進を図るほか、本省においても、求職者向けパンフレットを英語・中国語・ポルトガル語等で作成・配布する。 |
(イ) |
日系人の適正な就労の推進のための情報提供の推進
「外国人雇用サービスコーナー」や「日系人雇用サービスセンター」を拠点として、職業相談・紹介を行う。また、日系人が集住している地域に設置している「日系人職業生活相談室」において、職業選択、求職活動、労働条件等に関する日系人等に対する相談・情報提供を行うとともに、職業紹介あるいは事業主担当窓口等との連携により、日系人の雇用の安定と適正な雇用管理の確保を図る。さらに、「日伯雇用サービスセンター(ブラジル国サンパウロ市)」を拠点として現地日系人団体とも連携して、来日を希望する日系人に対して適切な情報を提供し、日系人の適正な就労を図る。
さらに、日系人が多く集住している地域においては、不就学・不就労の日系人青少年及び日系人失業者に対し、キャリア形成など職業生活に関する意識を啓発するとともに日本の労働慣行や日本で生活していく上で必要となる知識を身につけ、就職に資するため、就業支援ガイダンス、個別の指導・相談による支援を実施する。 |
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イ |
専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れ・定着の促進
専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れを積極的に推進するため、「外国人雇用サービスセンター」が主体となって、各都道府県労働局・公共職業安定所と連携を図りつつ、専門的、技術的分野の外国人に対する職業相談・紹介を行う。また、卒業後の就職を希望する留学生に対しては、大学等教育機関や経済団体等の関係機関とも十分に連携して、大学での就職ガイダンスの実施、求人情報の提供等の就職支援を積極的に行う。 |
ウ |
事業主等に対する指導・援助等の推進
外国人雇用状況報告制度による雇用状況の把握、「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に基づく事業主への指導・援助、外国人雇用管理アドバイザーによる援助及び外国人雇用管理セミナーの開催により、外国人労働者の失業の予防や再就職の促進、雇用管理の改善を図る。また、6月の「外国人労働者問題啓発月間」を中心として、外国人労働者の適正な雇用及び労働条件の確保等に関する周知啓発に努める。 |
エ |
適正就労の推進等
警察庁、法務省等関係行政機関との連携を図りつつ、事業主等への啓発・指導による不法就労の防止並びに事業主への是正指導及び必要に応じた関係行政機関への情報提供による不法就労の解消に努める。 |
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(11) |
安心して働ける雇用環境の整備
ア |
ホームレスの雇用対策の推進
(ア) |
自立支援事業職業相談員の配置
地方公共団体が行うホームレス自立支援事業との連携の下で、公共職業安定所の職業相談員によるきめ細かな職業相談等を行うことにより、就業機会の確保を図る。 |
(イ) |
ホームレス就業開拓推進員の配置
ホームレス就業開拓推進員を配置し、ホームレスの就業ニーズに応じた求人開拓や地方公共団体等と連携を図りながら求人情報等の収集・提供を行うほか、事業主に対する啓発活動を行うことにより、就業機会の確保を図るとともに、職場定着に向けての指導を行う。 |
(ウ) |
技能講習事業の促進
自立支援センターに入所しているホームレス等に対して、職場で必要とされる資格・免許の取得等を目的とした技能講習を実施することにより、就業機会の確保を図る。公共職業安定所においては、事業の委託団体に対する事業の実施に必要な助言、協力その他の業務を行う。 |
(エ) |
試行雇用事業の促進
自立支援センターに入所しているホームレス等に対して、一定期間の試行雇用により、円滑に新たな職場への適応を進め、常用雇用への移行を図る。 |
(オ) |
ホームレス就業支援事業の実施
野宿生活を余儀なくされているホームレスのうち就業意欲がある者の就業機会の確保を図るために、地方公共団体等から構成される協議会への委託により、就業支援相談、ホームレスの就業ニーズに合った仕事の開拓・提供や職場体験講習を実施する。労働局においては、本事業が円滑かつ効果的に運営されるよう、協議会に対する助言その他事業に関し必要な協力を行う。 |
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イ |
母子家庭の母等の雇用対策の推進
児童等を扶養する母子家庭の母等について、家庭環境等に配慮した職業相談・紹介の実施、特定求職者雇用開発助成金や訓練手当、試行雇用事業の活用等により、早期就職の促進を図る。
また、職業訓練が必要とされた者に対しては、積極的かつ効果的な受講あっせん等に努める。 |
ウ |
駐留軍関係離職者対策の推進
駐留軍関係離職者について、駐留軍関係離職者等臨時措置法等に基づき、公共職業安定所において職業相談・紹介、職業訓練の推進と職業転換給付金の活用等により、生活の安定と早期再就職の促進を図る。 |
エ |
漁業離職者対策の推進
国際協定の締結に伴う漁業離職者について、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づき、公共職業安定所において職業相談・紹介、職業訓練の推進と職業転換給付金の活用等により、生活の安定と早期再就職の促進を図る。 |
オ |
多様な状況に応じた各種雇用対策の推進
(ア) |
沖縄県における雇用対策の推進
沖縄県の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあり、沖縄県の雇用失業情勢の改善を図る観点から、「沖縄振興特別措置法」に基づく政府全体の沖縄振興等と連携しつつ、沖縄県内の特別の対策を実施する。 |
(イ) |
日雇労働者対策の推進
求人の開拓を積極的に行うことにより、日雇労働者の就業機会の確保を図る。
さらに、東京、神奈川、愛知、大阪などの日雇労働者が集中する特別地区の日雇労働者に対して、技能講習を実施し日雇労働者の就業機会の確保を図るとともに、試行雇用事業の実施を通じ、常用雇用への移行を図る。公共職業安定所においては、事業の委託団体に対する事業の実施に必要な助言、協力その他の業務を行う。 |
(ウ) |
アイヌ地区住民の雇用対策の推進
アイヌ地区住民については、各種就職援護措置の活用を図るとともに、職業相談員経験交流会議を開催し、この成果を職業相談に役立て、きめ細やかな職業指導、職業相談を実施するとともに、事業主説明会を開催し、地域住民の雇用の安定を図る。 |
(エ) |
中国残留邦人等永住帰国者の雇用対策の推進
中国残留邦人等永住帰国者について、公共職業安定所において、職業相談・紹介の実施及び職業転換給付金制度の活用等により、雇用の促進を図る。
また、職業相談等の一部の業務については、財団法人中国残留孤児援護基金に委託し、中国帰国者定着促進センター等において実施する。 |
(オ) |
インドシナ難民等の雇用対策の推進
国際救援センター入所のインドシナ難民及び条約難民について、職業相談・紹介、職場適応訓練その他就職を促進するための各種援護措置の実施に係る業務を財団法人アジア福祉教育財団に委託して実施し、その雇用の促進を図る。
また、公共職業安定所においては、難民に係る求人の取次ぎ、求人開拓、職場定着指導等の業務について、同財団と綿密な連携をとりながら協力する。 |
(カ) |
在日韓国・朝鮮人の就職の機会均等の確保対策の推進
在日韓国・朝鮮人について、就職の機会均等が確保されるよう、事業主等啓発説明会、ポスター等の広報活動、不適正事象への指導等により、事業主等に対し積極的な指導・啓発を行う。 |
(キ) |
北朝鮮帰国被害者等に対する雇用対策の推進
帰国した被害者及び帰国し、又は入国した被害者の配偶者等の雇用の機会の確保を図るため、職業訓練の実施、就職のあっせん等により、早期就職の促進を図る。 |
(ク) |
犯罪被害者等の雇用の安定の推進
犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族の雇用の安定を図るため、犯罪被害者等が置かれている状況について事業主の理解を深める等必要な施策を講ずる。 |
(ケ) |
公正な採用選考の推進
公正な採用選考システムの確立を図るための雇用主に対する指導、啓発については、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)の中で厚生労働省が行うこととして策定されているところである。これに基づき、就職の機会均等を保障することが同和問題などの人権問題の中心的課題であるとの認識に立って、公正採用選考人権啓発推進員未設置事業所に対する設置勧奨及び同推進員制度が効果的に機能するような制度・運営面での充実や、企業トップクラスに対する研修会の充実に努めるとともに、小規模事業所に対する啓発・指導を実施する。
また、全国高等学校統一応募用紙等の適正な応募書類の周知徹底と公正な採用選考についての各種啓発資料の作成・配付等により、雇用主に対する啓発・指導を実施する。 |
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カ |
就職困難者に対する雇用対策の推進
就職が特に困難な者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して支給される特定求職者雇用開発助成金等を活用し、これら就職困難者の雇用の促進を図る。 |
キ |
職場における肝炎ウイルス感染に対する適切な対応の促進
「職場における肝炎ウイルス感染に関する留意事項」(平成16年12月8日付け基発第1208002号、職発第1208002号)に基づき、事業主が応募者の適性・能力を判断する上で真に合理的かつ客観的必要性がある場合を除き肝炎ウイルス検査を行わないよう、各種啓発資料を活用するなどにより、あらゆる機会を捉え事業主等への周知徹底を図る。 |
ク |
多様な雇用管理改善対策の推進
(ア) |
介護分野における雇用管理改善の推進
(財)介護労働安定センターにおいて、介護労働者の雇用管理改善のための施策を推進するとともに、各労働局・公共職業安定所においては、事業主に対する助成金の周知や財団法人介護労働安定センター都道府県支部への相談の奨励、介護基盤人材確保助成金の支給等、必要な連携を図り、介護分野における雇用管理の改善、良好な雇用機会の創出を図る。 |
(イ) |
港湾労働対策の推進
港湾労働法及び港湾雇用安定等計画に基づき、港湾労働者派遣制度の有効活用の促進等による雇用秩序維持対策の一層の推進等港湾労働者の雇用の安定及び福祉の増進のための施策を推進する。 |
(ウ) |
季節労働者対策の推進
季節労働者の雇用の安定を図るために、通年雇用安定給付金制度の活用により通年雇用の促進に努める
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(エ) |
出稼労働者対策の推進
出稼労働者に対して、出稼労働者手帳の交付や、送出地及び受入地における就職相談及び指導等を実施するとともに主な送出地を管轄する都道府県労働局が、出稼労働者相談員の配置や安全就労推進集会等の実施などの出稼労働者援護事業を行う道県と連携し、安定就労対策を実施する。 |
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