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厚生労働科学研究費補助金(食品安全確保研究事業)
分担研究報告書

ダイオキシンの汚染実態把握及び摂取低減化に関する研究
(3)ダイオキシン類の迅速測定法及び分析の精密化に関する研究

(3-1)ELISAによる市販魚中のコプラナーPCBs及び総PCBsのスクリーニング法の開発

担研究者  堤 智昭  国立医薬品食品衛生研究所


研究要旨
 市販魚中のコプラナーPCBs(Co-PCBs)及び総PCBsに対するスクリーニング法として、ELISAキット(EnBio Coplanar-PCB EIA system)の検討を行った。魚試料はアルカリ分解後、クリーンアップを行い、Co-PCBsを含む分画をELISAに供した。その結果、従来法であるHRGC/HRMS分析のCo-PCBs毒性等量濃度と、良好な相関が得られた(r = 0.91, n = 32)。従来法の分析値に対する相関を考慮すると、本キットは数pg-TEQ/g程度の汚染魚試料に適用可能であると考えられた。さらに、GC/ECD分析の総PCBs濃度に対しても良好な相関を有した(r = 0.98, n = 20)。本法は、安価で簡便に多数検体のCo-PCBs毒性等量及び総PCBs濃度を測定できるため、スクリーニング法として有用であると考えられる。今後は、より多くの比較検体の分析を行い、従来法に対する濃度推定の精度を高めていく必要があると考えられる。

研究協力者
国立医薬品食品衛生研究所・食品部
 天倉吉章、佐々木久美子
株式会社エンバイオテック・ラボラトリーズ
 奥山 亮
第一ファインケミカル株式会社
坂田一登、谷岡洋平

A.研究目的
 ダイオキシン類の摂取は、そのほとんどが食事経由であり、わが国では、魚介類を介したダイオキシン類の摂取が多い1)。魚介類中では、特にコプラナーPCBs(Co-PCBs)の汚染濃度が高く、Co-PCBs由来の毒性等量(TEQ)濃度をスクリーニングできる方法があれば、食品衛生上有意義である。
 現在までに我々が行った個別食品(鮮魚)における、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(HRGC/HRMS)の分析結果から、Co-PCBsの異性体の一つであるPCB 118は、Co-PCBs由来のTEQ濃度と良い相関を有していた(r = 0.85, n = 181)。本異性体は毒性等価係数が小さいため、Co-PCBs由来の総TEQ濃度に占める割合は低いが、存在量が多いため容易に検出できる利点がある。
 近年、PCB 118に対して特異性が高く、高感度に測定できる酵素免疫測定法(ELISA)キットが開発された2)。そこで、本研究では市販魚中のCo-PCBs由来のTEQ濃度をスクリーニングする方法として、本ELISAキット(EnBio Coplanar-PCB EIA system)の適用を検討した。さらに、PCB 118はPCBs汚染の主要汚染源であるカネクロールに含まれる主要異性体の一つであることから3)、本キットの総PCBsに対する適用についても検討を行った。

B.研究方法
1.試薬、試液及び器具

 ELISAの前処理で使用するアセトン、ジクロロメタン、ヘキサンは和光純薬工業(株)のダイオキシン分析用試薬を用いた。メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、硫酸、水酸化カリウム、無水硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムは和光純薬工業(株)製の特級試薬を用いた。シリカゲルは和光純薬工業(株)のPCB分析用(ワコーゲルS-1)を、2%水酸化カリウムシリカゲル、22%硫酸シリカゲル、44%硫酸シリカゲル、10%硝酸銀シリカゲルは和光純薬工業(株)のダイオキシン分析用試薬を用いた。また、アルミナはICN社のダイオキシン分析用試薬を用いた。多層シリカゲルカラム及びアルミナカラムの作製は、以下の手順で行った。
 多層シリカゲルカラム:ガラス製カラム(内径16 mm&長さ100 mm)に石英フィルター(ワットマン、QM-A)を入れた後、シリカゲル(0.18 g)、2%水酸化カリウムシリカゲル(0.6 g)、シリカゲル(0.18 g)、44%硫酸シリカゲル(0.9 g)、22%硫酸シリカゲル(1.2 g)、シリカゲル(0.18 g)、10%硝酸銀シリカゲル(0.6 g)、無水硫酸ナトリウム(1.2 g)を順次、乾式充填した。最上部に石英フィルターを入れ、ヘキサン(10 ml)で洗浄後、使用した。
 アルミナカラム:ガラス製カラム(内径10 mm&長さ140 mm)に石英フィルターを入れた後、アルミナ(2.5 g)及び無水硫酸ナトリウム(1.0 g)を順次、乾式充填する。最上部に石英フィルターを入れ、ヘキサン(10 ml)で洗浄後、使用した。

2.試料
 魚試料は、東京都内のスーパーマーケットで購入したものを、ホモジナイザーで均一化し、使用した。

3.装置
 ホモジナイザーは(株)日本精機製作所製マルチブレンダーミルを用いた。また、マイクロプレート分光光度計はWallac社製1420victor2を、HRGC/HRMSは日本電子製(JMS-700)を使用した。

4.ELISAによる魚試料中のダイオキシン類測定
4-1)前処理
 均一化した試料(20 g)を採取し、2 mol/L水酸化カリウム水溶液(40 ml)を加え、室温で一晩放置(16〜20時間)しアルカリ分解処理を行った。アルカリ分解液はメタノール(30 ml)を加えた後、ヘキサン(40 ml)で攪拌抽出(10分×3回)を行った。抽出液は2%(w/v)塩化ナトリウム水溶液(40 ml)で2回洗浄後、濃硫酸(約10 ml)を加え硫酸処理を行った。硫酸層の着色が無くなるまで繰り返し洗浄した後、2%塩化ナトリウム水溶液(40 ml)で2回洗浄し、さらに5%(w/v)炭酸水素ナトリウム(10 ml)で1回洗浄した。その後、多層シリカゲルカラムに負荷し、ヘキサン(50 ml)により溶出した。溶出液は、さらにアルミナカラムに添加し、ヘキサン(10 ml)で洗浄後、Co-PCBsを含む分画を5%(v/v)ジクロロメタン/ヘキサン(45 ml)により溶出した。溶出液は濃縮後、DMSO(100 μl)に置換し、超音波処理(5分)を行った後、ELISAに供した。

4-2)ELISA
 (株)エンバイオテック・ラボラトリーズ社製のELISAキット(EnBio coplanar PCB EIA system)を使用し、説明書に従い使用した。前処理済のDMSO試料を、付属の西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)標識競合体溶液と1:3の割合で混合した。また、検量線作製のための標準溶液として、PCB 118類似標準品(3,3’,4-trichloro-4- methoxybiphenyl (MeO-PCB))について希釈系列(PCB 118換算量として0〜1,000 ng/ml)を作製し、同様に混合した。各混合液は、96ウェルマイクロタイタープレートの2ウェルに50 μ1ずつ加えた。室温で30分間インキュベーションした後、付属の洗浄液で各ウェルを洗浄した。その後、各ウェルに付属の基質溶液を加え、室温で20分間静置した。各ウェルに反応停止液を50 μ1ずつ加え、450 nmにおける吸光度を分光光度計により測定した。
 なお、本キットでは、MeO-PCBをPCB 118の代替標準品として使用している。本化合物に対する抗体の反応性は、PCB 118と比較し約18倍弱いが、同様な形状の標準曲線が得られる(図1)。また図2に、本ELISAによる魚試料の測定操作の概略を示した。

5.HRGC/HRMSによる魚試料中のダイオキシン類測定
 平成13年度厚生科学研究費補助金研究事業「ダイオキシンの汚染実態把握及び摂取低減化に関する研究」の分担研究「ダイオキシン類の迅速測定法の開発及び分析の精密化に関する研究」4)と同様に行った。

6.GC/ECDによる魚試料中の総PCBs測定
 (財)日本食品分析センターに依頼し、衛生試験法注解5)に従い、ピークパターン法により定量した。検体(湿重量として20 g)に1 mol/L水酸化カリウムエタノール溶液(100 ml)を加え、水浴上(90℃)で1時間還流抽出を行った。得られた抽出液にヘキサン(100 ml)及び精製水(100 ml)を加え、振とう抽出(10分)を行った。ヘキサン層を採取し、精製水(100 ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。濃縮後、フロリジルカラム(20 g)に添加し、ヘキサン(200 ml)で溶出した。溶出液は濃縮後、ヘキサンで1〜10 ml に定容し、最終溶液とした。
 総PCBsの測定にはAgilent Technologies製のカラムHP-1(内径0.53 mm、長さ10 m、膜厚2.65 μm)を使用しGC/ECDにより定量を行った。最終溶液(2 μl)をGC部に注入した後、170℃(1分)→5℃/分→230℃の昇温条件で測定した。注入口温度は240℃、検出器温度は300℃、ガス(ヘリウム)圧力は40 kPaとした。なお、標準溶液としてKC-300、KC-400、KC-500及びKC-600の各々0.1 μg/mlヘキサン溶液並びに、これらの溶液を任意の割合で混合した溶液を使用した。試料中の定量下限は2 ng/gであった。

C.研究結果
1.ELISAの定量範囲の設定

 図3には、異なった日に複数回作製した平均の標準曲線を示した。約20〜90%の結合阻害を示す10〜250 ng/ml(PCB 118換算量)を定量範囲とした。定量下限である10 ng/mlにおける吸光度は、標準物質を含まない場合の吸光度(バックグラウンド)と比較し、有意差(バックグラウンドにおける標準偏差の3倍以上)が認められた。魚試料20 gを使用した場合、試料中の定量下限値は50 pg /g(PCB 118換算量)に相当した。
 定量域に相当するPCB 118の繰り返し測定結果を、表1に示した。同一プレート内で測定した場合は、変動係数が5%以内、測定値も真値から±10%以内におさまり、良好な精度及び正確度であった。また、異なった日に別プレートで複数回測定した場合も、変動係数は10%以内、測定値の真値も±10%以内であり、同様に良好な精度及び正確度であった。

2.前処理済み魚試料に対する添加回収試験及び希釈直線性試験
 最終検液に含まれる試料由来のマトリックスが、本ELISAに与える影響を検討するため、添加回収試験及び希釈直線性試験を行った。添加回収試験では、4種の魚の前処理済み溶液に既知量のPCB 118を添加し、ELISAにより分析した。その結果、添加量に応じ良好な回収率(78.7〜112.3%)が得られた(表2)。
 希釈直線性試験では、魚の前処理済み溶液を、DMSOにより2倍系列で希釈し、希釈測定時の定量値の変化について検討した。その結果、希釈率を掛けた定量値に大きな変化みられず、希釈していない場合の濃度に対して74〜108%の定量値が得られた(図4)。このように、本研究で開発した前処理法により、本ELISAに影響すると考えられるマトリックスを、効果的に除くことが可能であった。

3.魚試料に対する添加回収試験
 さらに実試料への本法の適応性を検討するため、魚試料に対する添加回収試験を行った。魚試料に既知量のPCB 118を添加し前処理後、ELISAにより測定した。その結果、60.2〜82.3%の回収率が得られ、許容範囲内の値であった(表3)。従って、本研究で確立した前処理法との組み合わせで、大幅な損失を生じることなくPCB 118を良好に測定することが可能であった。

4.ELISAの測定再現性
 本ELISAの測定値の再現性について検討するため、実試料の繰り返し測定試験を行った。同一の魚試料を使用して、前処理からELISAによる測定までの一連の操作を、異なった日に複数回行った。その結果、得られた定量値の変動係数は5.7〜29.0%であり、許容範囲内の変動であった(表4)。

5.ELISAとHRGC/HRMSの比較試験
 本ELISAと、従来法(HRGC/HRMS分析)のCo-PCBs測定値の相関を検討するため、魚試料(32検体)について比較試験を行った(表5)。図5(a)には、本法の測定値と、従来法のPCB 118実測濃度の相関を示した。相関係数は良好であり(r = 0.99)、回帰直線の傾きも1に近いことから、本法により実試料中のPCB 118が良好に測定できていることが示唆された。なお、本ELISAはCo-PCBs異性体であるPCB 77及びPCB 156にも若干の交差反応性を示すが、これら異性体の試料中の存在濃度はPCB 118に比べ著しく低いため、ELISAの測定値への影響は無視できると考えられる。本ELISAの交差反応性に関するデータは付表1に示した。
 図5(b)には、本法の測定値と、従来法のCo-PCBsのTEQ濃度の相関を示した。良好な相関係数が得られ(r = 0.91)、本法はCo-PCBsのTEQ値を予測するスクリーニング法として、有用であることが示唆された。また、図5(c)には、低濃度域における回帰直線の95%予測信頼区間を表した。予測信頼区間に従うと、従来法で2.5 pg-TEQ/gに相当する魚試料は、本法では約1,000〜4,700 pg/gの定量値に相当すると考えられた。本法の定量下限が50 pg/gであることを考慮すると、本法は、比較的高濃度に汚染された市販魚のスクリーニングに十分適用が可能であると考えられた。
 また図5(d)には、本法の測定値とPCDD/Fsを含めた総ダイオキシン類のTEQ濃度の相関を示した。本ELISAはPCDD/Fsとは交差反応性を示さないが(付表1)、相関係数は比較的良好であった(r = 0.87)。

6. ELISAとGC/ECDの比較試験
 本ELISAは、カネクロール中のPCBsの主要異性体の一つであるPCB 118に対して特異性が高い。そこで、本法の総PCBs濃度に対するスクリーニング法としての可能性を検討するため、魚試料(20検体)に対し、本法と従来法(GC/ECD法)による総PCBs濃度の比較試験を行った(表5)。その結果、両方の測定値に良好な相関(r = 0.98)が得られ(図6)、本法は総PCBs濃度のスクリーニングにも有用であることが示唆された。

D.考察
 本ELISAキットは、本研究で行った前処理法との組み合わせで、魚試料中のPCB 118を良好に測定することが可能であった。本法は魚試料中のCo-PCBsのTEQ濃度に対し良好な相関性が見られたことから、TEQ濃度の推定法としての利用が期待できた。さらに、本法は総PCBsに対しても良好な相関を示したことから、総PCBs濃度の推定法としての利用も期待できた。
 本法の魚試料における測定値は、PCB 118に対する反応を主として表していると考えられる。本ELISAはPCB 118の他に、PCB 31、PCB 66、PCB 70、PCB77及びPCB 156に対しても若干の交差反応性(5-20%)を示す(付表1)。本研究ではCo-PCBsに分類されないPCB 31、PCB 66及びPCB 70の定量は行っていないため、試料中の濃度は不明である。これら異性体が多量に存在した場合、ELISAにより得られた測定値がHRGC/HRMS分析のPCB 118実測濃度より大きくなることが予想される。しかし、両測定値の相関を表す回帰直線の傾きが1に近いことから(図5(a))、全体的にはこれら異性体に対する反応性がELISA測定値に大きく加算されていることは少ないと考えられる。
 また、本ELISAはPCDD/Fsに対して交差反応性を示さないが、PCDD/Fsを含めた総TEQ濃度に対しても、比較的良い相関を示した(図5(d))。おそらく、魚試料では総TEQ濃度に占めるCo-PCBsの割合が大きいため、良い相関がえられたと考えられる。しかしながら、試料によっては、総TEQ濃度に対するCo-PCBsの割合は変化することが考えられ、本法の総TEQ濃度に対するスクリーニング法としての使用には注意が必要である。
 PCBs類の中にはアンタゴニスト作用を示す異性体が報告されており、このような異性体が大量に共存した場合、芳香族炭化水素レセプター(AhR)を介した毒性発現機構に基づくバイオアッセイ(CALUXアッセイ、Ahイムノアッセイなど)では測定値を低めに見積もり疑陰性の結果を与えてしまう可能性がある6,7)。スクリーニング法としては、疑陰性の結果を与えることは望ましくない。しかし、本法は抗原抗体反応に基づきPCBsを検出する測定系であるため、アンタゴニスト作用は生じないと考えられる。魚試料ではPCBs濃度が高い場合が多いことから、アンタゴニスト作用が生じない点は、本ELISAによるCo-PCBs分析の利点の一つと考えられる。
 諸外国では、食品にダイオキシン類に関する規制値を設定している場合がある。現在のところ、PCDD/Fsに対してのみ規制値が設けられており、Co-PCBsを含めた規制は行われていない。例えばEUでは市販魚に対して4 pg-TEQ/g wet (PCDD/Fs)が最大許容値として定めされているが8)、Co-PCBsに対しては考慮されていない。しかし、近い将来、Co-PCBsを含めた規制値設定の動きがあり、Co-PCBsのTEQ濃度に対するスクリーニング法のニーズが高まることが予想される。本法はその際のスクリーニング法の候補の一つとして、有用であると考えられる。規制値が設けられた場合を想定すると、従来法では、分析時間及び分析費用の面から十分に対応することは困難である。本法は従来法と比較すると、短時間(約4日)で測定結果がわかり、多数検体に応用が可能で、1検体あたりのコストも約5分の1である。従って、本法をスクリーニング法として使用することで、従来法の負担を軽減できることが期待される。今後は、より多くの比較検体を測定し、TEQ濃度を推定する場合の誤差範囲をより明らかにしていく必要があると考えられる。
 また、本法は総PCBs濃度に対しても良好な相関が得られたことから(図6)、市販魚中の総PCBs濃度に対するスクリーニング法としても有望であると考えられる。現在、日本では総PCBsについて500〜3,000 ng/gの値が、市販魚中の暫定的規制値として定まっている。今回の比較試験では規制値濃度付近の検体が無かったため、本ELISAにおける規制値に対するカットオフ値の検討はできなかった。しかしながら、比較試験の結果から推測すると、暫定規制値付近の濃度は十分に本法で定量可能である。今後は、本法の前処理工程が従来法(GC/ECD)の前処理と比較すると、若干、煩雑であることから、より前処理工程の簡略化が望まれる。

E.結論
1)本法は魚試料中のPCB 118を良好に測定することが可能であった。
2)Co-PCBsのTEQ濃度に対して良好な相関が得られ、Co-PCBsのTEQ濃度を推定するスクリーニング法として有望であった。
3)総PCBs濃度に対しても良好な相関が得られ、総PCBs濃度のスクリーニング法としても有用であると考えられた。
4)本ELISAは従来法と比較すると、コストが安く(5分の1程度)、また迅速(4日程度)に結果が得られ、さらに多数検体にも応用可能なことから、市販魚中のCo-PCBsのTEQ濃度のスクリーニング法として期待できる。

F.参考文献
1)Tsutsumi T, Iida T, Hori T, Nakagawa R, Tobiishi K, Yanagi T, Kono Y, Uchibe H, Matsuda R, Sasaki K, Toyoda M. Update of daily intake of PCDDs, PCDFs, and dioxin-like PCBs from food in Japan. Chemosphere, 45 (2001) 1129-1137.
2)Okuyama A, Takenaka H, Nishi K, Mizukami H, Kozaki S, Kirihara M, Miyatake K, Takigami H, Sakai S, Morita M. Development of enzyme-linked immunosorbent assay for the pre-screening of coplanar polychlorinated biphenyls. Organohalogen Compounds, 58 (2002) 333-335.
3)Takasuga T, Noma Y, Sakai S. Polychlorinated biphenyls and PCDD/Fs in Kanechlor technical PCB formulation from Japan by isotope dilution method using HRGC-HRMS. Organohalogen Compounds, 62 (2003) 491-494.
4)厚生科学研究「ダイオキシンの汚染実態把握及び摂取低減化関する研究」平成13年度研究報告書
5)衛生試験法・注解(1990)日本薬学会編
6)中西俊夫、小林康男、中尾晃幸、宮田秀明:AhイムノアッセイTMによるダイオキシン類簡易測定技術の実証研究-Ahレセプターに対するCo-PCBsのアンタゴニスト効果-第11回環境化学討論会講演要旨集(2002) 84-85.
7)Aarts JMMJG, Denison MS, Cox MA, Schalk MAC, Garrison PM, Tullis K, de Haan LHJ, Brouwer A. Species-specific antagonism of Ah receptor action by 2,2′,5,5′-tetra chloro- and 2,2′,3,3′,4,4′-hexa chlorobiphenyl. Eur. J. Pharmacol., 293 (1995) 463-474.
8)EU, 2001. Commission proposes strategy to reduce dioxin in food and feed, 20 July.

G.研究業績
1.論文発表
1)Tsutsumi T, Amakura Y, Okuyama A, Mizukami H, Tanioka Y, Ueda K, Sakata K, Sasaki K, Maitani T. Applicability of ELISA to screen for dioxin-like PCBs in retail fish Organohalogen Compounds, 66(2004)603-607.
2.学会発表
1)奥山 亮、水上春樹、谷岡洋平、上田和恵、坂田一登、堤 智昭、天倉吉章、佐々木久美子、森田昌敏、米谷民雄.ELISAによる市販魚中のコプラナーPCB簡易測定法の開発
第6回環境ホルモン学会(2003.12)
2)堤 智昭、天倉吉章、奥山 亮、水上春樹、谷岡洋平、上田和恵、坂田一登、佐々木久美子、米谷民雄.ELISAによる市販魚中のコプラナーPCBsおよび総PCBsのスクリーニング
第124回薬学会(2004.3)



表1 PCB 118の測定正確度及び精度1)


表2 前処理済み溶液に対する添加回収試験1)


表3 魚試料に対する添加回収試験1)


表4 繰り返し測定試験1)


表5 ELISAと従来法におけるダイオキシン類及び総PCBs分析の比較


図1 PCB118とMeO-PCBによる標準曲線の比較


図2 ELISAによる市販魚中のコプラナーPCBs及び総PCBsのスクリーニング法


図3 ELISAにおけるMeO-PCB標準曲線


図4 希釈直線性試験


図5 ELISAとHRGC/HRMS分析のダイオキシン類測定における相関


図6 ELISAとGC/ECD分析の総PCBs測定における相関


付表1 ELISAの交差反応性


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