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(参考2)

「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」の概要

 趣旨
 賃金不払残業は労働基準法に違反する、あってはならないものである。
 この指針では、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置等に加え、各企業における労使が労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために講ずべき事項を示している。

 労使に求められる役割
(1) 労使の主体的取組
 労使は、各々が果たすべき役割を十分認識するとともに、労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために主体的に取り組むことが求められる。
(2) 使用者に求められる役割
 使用者は労働時間を適正に管理する責務を有しており、賃金不払残業を起こすことのないよう適正に労働時間を管理しなければならない。
(3) 労働組合に求められる役割
 労働組合は、チェック機能を発揮し、主体的に賃金不払残業の解消に努力するとともに、使用者が講ずる措置に積極的に協力することが求められる。
(4) 労使の協力
 賃金不払残業の解消を図るための検討は、労使双方がよく話し合い、十分な理解と協力の下に、行われることが重要であり、労使が協力して取り組む体制を整備することが望まれる。

 労使が取り組むべき事項
(1) 労働時間適正把握基準の遵守
 使用者は、労働時間適正把握基準を遵守する必要があるとともに、労働組合も、労働者に対して労働時間適正把握基準を周知することが重要である。
(2) 職場風土の改革
 賃金不払残業の背景に、やむを得ないという労使双方の意識(職場風土)がある場合には、これをなくすための取組を行うことが望まれる。
(3) 適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備
(1)  適正に労働時間の管理を行うためのシステムの確立
 賃金不払残業の実態を把握した上で、関係者が行うべき事項や手順等を具体的に示したマニュアルの作成等により、「労働時間適正把握基準」に従って労働時間を適正に把握するシステムを確立することが重要である。
(2)  労働時間の管理のための制度等の見直しの検討
 賃金不払残業の温床となっている業務体制や業務指示の在り方にまで踏み込んだ見直しを行うことも重要である。
(3)  賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施
 賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施等により、適正な労働時間の管理を意識した人事労務管理を行うことが望まれる。
(4) 労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体制の整備
(1)  各事業場ごとに労働時間の管理の責任者を明確にしておくことが必要である
(2)  労働時間の管理とは別に、相談窓口を設置する等により賃金不払残業の実態を積極的に把握する体制を確立することが重要である。
(3)  賃金不払残業の実態を把握した場合には、労働組合としての必要な対応を行うことが望まれる。


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