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 3章 路上(野宿)生活までのいきさつ

   職業と従業上の地位
 路上(野宿)生活直前に就いていた仕事について、職業、従業上の地位についてみたものは、表14のとおりである。
 まず、職業については、「建設作業従事者」が733人(34.9%)、「建設技能従事者」が426人(20.3%)と建設業関係が約5割となっている。続いて、「生産工程・製造作業者」が221人(10.5%)となっている。次に「サービス従事者」が187人(8.9%)、「販売従事者」が90人(4.3%)となっている。

表14 問14 路上(野宿)生活をする前にやっていた仕事は何ですか。
  人数 有効%
専門・技術的従事者 21 1.0 1.0
管理的職業従事者 18 0.8 0.9
事務従事者 24 1.1 1.1
販売従事者 90 4.2 4.3
サービス従事者 187 8.6 8.9
保安職業従事者 56 2.6 2.7
農林漁業作業者 12 0.6 0.6
運輸、通信従事者 78 3.6 3.7
採掘作業者 0 0.0 0.0
生産工程・製造作業者 221 10.2 10.5
印刷・製本作業者 19 0.9 0.9
建設技能従事者(大工、配管工など) 426 19.7 20.3
建設作業従事者(土木工、現場片づけなど) 733 33.9 34.9
労務・運搬作業従事者 65 3.0 3.1
清掃作業・廃品回収 61 2.8 2.9
その他 91 4.2 4.3
有効回答数 2,102 97.2 100.0
職業なし 43 2.0  
無回答 18 0.8  
合計 2,163 100.0  

 また、直前職時の従業上の地位をみたものが表15である。最も多いのが「常勤職員・従業員(正社員)」で834人(39.8%)となっている。次に「日雇」で757人(36.1%)、「臨時・パート・アルバイト」で291人(13.9%)となっている。「日雇」、「臨時・パート・アルバイト」を合わせると1,048人で5割を占めている。

表15 問15 その時の立場はなんでしたか。
  人数 有効%
経営者・会社役員 46 2.1 2.2
自営・家族従業者 83 3.8 4.0
常勤職員・従業員(正社員) 834 38.6 39.8
臨時・パート・アルバイト 291 13.5 13.9
日雇 757 35.0 36.1
その他 87 4.0 4.1
有効回答数 2,098 97.0 100.0
無回答 19 0.9  
非該当 46 2.1  
合計 2,163 100.0  

 次に、最も長く就いていた仕事について、職業、従業上の地位についてみたのが、表16である。
 まず、職業については、「建設作業従事者」が473人(22.1%)、「建設技能従事者」が441人(20.6%)と建設業関係が約4割となっている。直前職と同様、一番大きい比率であるが、その割合は若干下がっている。続いて、「生産工程・製造作業者」が368人(17.2%)、「サービス従事者」が252人(11.7%)、「販売従事者」が124人(5.8%)となっている。

表16 問16 これまで一番長くやっていた仕事は何ですか。(主な仕事)
  人数 有効%
専門・技術的従事者 30 1.4 1.4
管理的職業従事者 28 1.3 1.3
事務従事者 52 2.4 2.4
販売従事者 124 5.7 5.8
サービス従事者 252 11.7 11.7
保安職従事者 30 1.4 1.4
農林漁業作業者 30 1.4 1.4
運輸、通信従事者 108 5.0 5.0
採掘作業者 3 0.1 0.1
生産工程・製造作業者 368 17.0 17.2
印刷・製本作業者 27 1.2 1.3
建設技能従事者(大工、配管工など) 441 20.4 20.6
建設作業従事者(土木工、現場片づけなど) 473 21.9 22.1
労務・運搬作業従事者 58 2.7 2.7
清掃作業・廃品回収 31 1.4 1.4
その他 90 4.2 4.2
有効回答数 2,145 99.2 100.0
職業なし 9 0.4  
無回答 9 0.4  
合計 2,163 100.0  

 また、最長職時の従業上の地位を見たものが表17である。最も多いのが「常勤職員・従業員(正社員)」で1,208人(56.7%)、次に「日雇」で497人(23.3%)、「臨時・パート・アルバイト」で166人(7.8%)となっている。「日雇」、「臨時・パート・アルバイト」を合わせると663人で3割となるが、直前職時の5割よりも低い数値となっている。

表17 問17 その仕事をしているときは、どんな立場で働いていましたか。
  人数 有効%
経営者・会社役員 66 3.1 3.1
自営・家族従業者 132 6.1 6.2
常勤職員・従業員(正社員) 1,208 55.8 56.7
臨時・パート・アルバイト 166 7.7 7.8
日雇 497 23.0 23.3
その他 63 2.9 3.0
有効回答数 2,132 98.6 100.0
無回答 18 0.8  
非該当 13 0.6  
合計 2,163 100.0  


   路上(野宿)生活になった理由
 次に、路上(野宿)生活になった主な理由をまとめたのが表18である。「仕事が減った」が768人(35.6%)と最も多く、次いで「倒産・失業」が708人(32.9%)となっており、仕事関係が上位を占めている。

表18 問18 今回の路上(野宿)生活をするようになった主な理由は何ですか。
 あてはまるものをすべて選んでください。
(複数回答) 件数 回答% ケース%
倒産・失業 708 19.2 32.9
仕事が減った 768 20.8 35.6
病気・けが・高齢で仕事ができなくなった 406 11.0 18.8
収入が減った 354 9.6 16.4
ローンが払えなくなった 49 1.3 2.3
家賃が払えなくなった 327 8.9 15.2
ホテル代、ドヤ代が払えなくなった 177 4.8 8.2
建て替え等による住宅の追い立てにあった 22 0.6 1.0
借金取立により家を出た 92 2.5 4.3
差し押さえによって立ち退きさせられた 12 0.3 0.6
病院や施設などから出た後行き先がなくなった 41 1.1 1.9
家庭内のいざこざ 160 4.3 7.4
飲酒、ギャンブル 126 3.4 5.8
その他 416 11.3 19.3
理由無し 32 0.9 1.5
有効回答数 3,690 100.0 171.2
有効回答者数 2,155 99.6  
無回答 8 0.4  
合計 2,163 100.0  
※回答%は有効回答数に占める割合、ケース%は有効回答者数に占める割合


   居住形態と住居負担
 路上(野宿)生活をする直前の居住形態については、表19で表している。最も多いのが「民間賃貸住宅(アパート・マンション)」であり805人(37.5%)となっている。次に、「飯場・作業者宿舎」が299人(13.9%)、「勤め先の社宅や寮」297人(13.8%)、「簡易宿泊所(ドヤ)」が254人(11.8%)となっている。

表19 問19 今回の路上(野宿)生活をする前に、住んでいたのはどこですか。一つ選んでください。(路上(野宿)生活中に一時的に泊まったところは除く。
路上(野宿)生活が多くなる前の住居)
  人数 有効%
持ち家(一戸建て、マンションなど) 173 8.0 8.1
民間賃貸住宅(アパート・マンション) 805 37.2 37.5
公共賃貸住宅(公団賃貸住宅・公営住宅等) 69 3.2 3.2
勤め先の住宅や寮 297 13.7 13.8
親族・知人宅 66 3.1 3.1
住込み先 76 3.5 3.5
飯場・作業者宿舎(飯場など現場に仮設された宿舎) 299 13.8 13.9
簡易宿泊所(ドヤ) 254 11.7 11.8
ビジネス・カプセルホテル・サウナ・映画館 41 1.9 1.9
病院 15 0.7 0.7
更正施設等の福祉施設 13 0.6 0.6
その他 41 1.9 1.9
有効回答数 2,149 99.4 100.0
無回答 14 0.6  
合計 2,163 100.0  

 その時の家賃や住宅ローンなどの住居負担を表しているのが表20である。「3〜5万円未満」が597人(28.4%)と最も多く、次に「3万円以内」が536人(25.5%)となっている。一方、「住居費の負担はなかった」が501人(23.8%)となっている。

表20 問20 その時の家賃や住宅ローンなどの住居負担は月いくらでしたか。
  人数 有効%
3万円以内 536 24.8 25.5
3〜5万円未満 597 27.6 28.4
5〜10万円未満 416 19.2 19.8
10万円以上 52 2.4 2.5
住宅費の負担はなかった 501 23.2 23.8
有効回答数 2,102 97.2 100.0
無回答 61 2.8  
合計 2,163 100.0  

 また、その時に住んでいた地域を現在路上生活している都道府県内・外で整理したものが表21である。「現在路上(野宿)生活している都道府県内」が1,446人(68.5%)と約7割になっている

表21 問21 その時に住んでいた地域はどちらですか。
  人数 有効%
現在路上(野宿)生活している都道府県内 1,446 66.9 68.5
路上(野宿)生活している都道府県外 665 30.7 31.5
有効回答数 2,111 97.6 100.0
無回答 52 2.4  
合計 2,163 100.0  


   特定地域・場所での就労・求職状況
 下記の特定地域・場所での就労・求職状況を見たものが表22である。782人(36.2%)が就労又は求職を行っている。

表22 問22 これまで東京・山谷、横浜・寿町、大阪・釜ヶ崎、名古屋・笹島などで、仕事をしたり仕事を探したことがありますか。当てはまるものをすべて選んでください。
(複数回答) 件数 回答% ケース%
山谷(東京) 245 22.4 31.3
寿町 158 14.4 20.2
釜ヶ崎 386 35.3 49.4
笹島 153 14.0 19.6
その他の寄せ場 152 13.9 19.4
有効回答数 1,094 100.0 139.9
有効回答者数 782 36.2  
なし 1,376 63.6  
無回答 5 0.2  
合計 2,163 100.0  
※回答%は有効回答数に占める割合、ケース%は有効回答者数に占める割合


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