第2章 路上での生活について
1 | 路上(野宿)生活の形態 野宿場所については、表1でみるように、「一定の場所に決まっている」が1,819人(84.1%)、「一定の場所に決まっていない」が267人(12.3%)となっている。これは、調査対象が定住型を中心に、彼らの生活拠点の近辺で調査が行われた影響であると考えられる。 なお、「一定の場所に決まっている」者の具体的な場所として、一番多いのが、公園890人(48.9%)となっており、全国のホームレスの数の調査の結果とほぼ同様の数値となっている。
いまの場所を寝(野宿)場所とした期間については、表2のように、多い順位に「1〜3年未満」の回答者が587人(31.1%)、「3〜5年未満」の回答者が335人(17.8%)となっている。また、この表では、3年未満の者が1,288人(68.2%)と全体の7割近くになっている。
野宿の形態については、表3でみるように、「テント又は小屋を常設」が1,109人(54.4%)、となっており、全体の半数近くにのぼる。
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2 | 食生活の状況 食事の回数については、表4でみると、「1日2回」が995人(46.2%)と最も多く、次いで「1日3回」が622人(28.9%)であった。一方、「1日1回」が364人(16.9%)おり、食事確保が困難であることを表している。
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3 | 路上(野宿)生活の期間 表5では、初めて路上(野宿)生活をしてからの期間を表している。「5年未満」の者が一番多く1,356人(63.1%)、次いで「5年以上10年未満」の者が476人(22.1%)となっている。
このうち今回の路上(野宿)生活の期間については、表6のように、「1年〜3年未満」が552人(25.6%)と一番多くなっている。また、3年未満の者は1,213人(56.4%)と全体の5割以上を占めている。
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4 | 居住の移動 居住場所については、表7で見るように、「ずっと路上(野宿)生活をしていた」者が1,387人(64.8%)と最も多く、次に「時々、ドヤ、飯場、ホテル等にも泊まっていた」者が463人(21.6%)となっている。
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5 | 仕事と収入の状況 現在の仕事の有無と種類について見たのが、表8−1である。「している」と回答した者が1,400人(64.7%)、「していない」と回答した者が763人(35.3%)となっており、6割以上の者が何らかの仕事をしている。 仕事をしている者の種類は、「廃品回収」が1,011人(73.3%)と最も多く、「建設日雇」234人(17.0%)、「運輸日雇」30人(2.2%)、となっている。
表9は、現在の収入月額(ここ3ヶ月くらいの平均)について見たものである。「1〜3万円未満」が481人(35.2%)と最も多く、次いで「3〜5万円未満」が258人(18.9%)となっている。なお、3万円未満の者は824人(60.2%)と6割を占めている。
一方、この3ヶ月の仕事以外の収入については、「ある」と回答した者が、表10で見るように、286人(13.4%)となっており、少ない割合となっている。
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6 | 同居人の状況 同居人に関しては、「一人」が1,672人(77.3%)と約8割を占めている。次に「友人・知り合い」と生活している者は363人(16.8%)となっており、共同生活を行っている者は少ない結果となっている。また、「配偶者(内縁含む)」、「子ども」も少数ながら存在した。表12参照
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7 | 困ること・辛いこと 路上(野宿)生活における「困ること・辛いこと」については、表13となっている。食べ物に関することが838人(40.1人)、入浴、洗濯に関することが811人(38.8%)となっている。
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