II 児童からみた生活環境(児童用調査票より)
これ以後の項目は、対象となった世帯の中から小学校5年生~中学校3年生までの全児童に、直接記入をお願いしたものである。対象となった児童の性別、学年は「表16」及び「表17」のとおりである。
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1 帰宅時間
帰宅時間をみると、「6時前」が49.8%と最も多く、「4時前」22.3%、「7時前」14.5%となっている。 学年別にみても、「6時前」が小学5年生以外で最も多くなっている。(表18)
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2 よく遊ぶ友達
(1) | 学校が終わってからよく遊ぶ友達の状況をみると、「同じクラスの子」が62.6%と最も多く、「違うクラスの子」41.2%、「クラブや部活で一緒の子」31.6%となっている。 学年別にみると、各学年とも「同じクラスの子」の割合が多くなっているが、小学生では「家の近所の子」が小学5年34.0%、小学6年28.8%と多くなっており、中学生では「クラブや部活で一緒の子」が中学1年46.1%、中学2年48.0%、中学3年30.9%と多くなっている。(表19) |
表19 よく遊ぶ友達の種類の構成割合 | (%) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(2) | 一緒に遊ぶ友達の人数をみると、「2~3人」が32.8%と最も多くなっている。 性別にみても、男子「2~3人」が29.3%、女子「2~3人」が36.3%と最も多くなっている。(表20) |
表20 よく遊ぶ友達の人数の構成割合 | (%) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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3 テレビやビデオを見たり、テレビゲームで遊ぶ時間
学校が終わってからテレビやビデオを見たり、テレビゲームで遊ぶ時間をみると、「2時間~3時間未満」が30.1%と最も多く、「3時間以上」29.7%、「1時間~2時間未満」28.5%となっている。「ほとんどない」と「1時間未満」の合計が11.2%となっており、8割以上の児童が1時間以上テレビやビデオを見たり、テレビゲームで遊んだりしている。(表21、図3)
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4 学習塾に通う理由
学習塾に通う状況をみると、42.9%が学習塾に行っており、学年が高くなるにつれて行っている割合は高く、中学3年生では51.4%が学習塾に行っている。 学習塾に行っている理由をみると、「行かないと勉強ができなくなるから」33.5%、「希望する学校へ行きたいから」が27.2%、「親から行くように言われたから」18.3%となっている。 学年別にみると、小学生から中学2年では「行かないと勉強ができなくなるから」が最も高く、中学3年では「希望する学校へ行きたいから」が最も高くなっている。(表22、図4)
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5 生活行動の経験
児童の日常生活の中で、思いやり行動や社会的自立に関わる行動についての経験((ア)~(カ))と、落ち込んだり、いじめをしてしまったり、いじめられたり、学校へ行かなかったりした経験((キ)~(コ))の有無を「よくある」「たまにある」「まったくない」の3つから選んでもらった。(参考表第4表) |
(ア) | 「犬、ネコ、小鳥などの世話をしたこと」については、全体では「よくある」が40.3%、「まったくない」が19.9%であり、女子の方が「よくある」と答えたものが多く、学年差はあまりない。 |
(イ) | 「困っている人を助けてあげたこと」については、「よくある」「まったくない」ともに10%台であり、「たまにある」と答えたものが7割である。 |
(ウ) | 「自分で決めたこと(スポーツや勉強など)をやりとげ、よくやったなと今でもうれしく思うこと」は「よくある」が32.5%、「たまにある」が54.5%、「まったくない」が11.5%である。男女差はほとんどなく、学年差はばらつきがあるが特に傾向は見られない。 |
(エ) | 「両親と離れて一人で、親戚や友達などの家に泊まったこと」については、「よくある」が18.6%、「たまにある」が51.2%、「まったくない」が28.9%であり、女子の方がやや経験が多いようである。学年差はあまりない。 |
(オ) | 「赤ちゃんをあやしたり、小さな子の面倒をみたりしたこと」については、「よくある」が29.0%、「たまにある」が45.9%、「まったくない」が23.9%である。女子の方が「よくある」と答えたものがやや多く、年齢が高くなるにつれて割合は低下していく。 |
(カ) | 「病人やお年寄りの世話をしてあげたこと」については、思いやりや自立に関連する項目の中ではもっとも経験が少ない。全体で「よくある」と答えたものは8.4%にすぎない。「まったくない」は5割近くになっている。学年差はほとんどなく、男女差はあまりない。 |
(キ) | 「失敗したり、しかられたりして、何もかもいやになってしまったこと」については、「よくある」が21.3%、「たまにある」が50.9%、「まったくない」が26.3%である。学年差はあまりないが、全般に女子の方がよくあると答えており、この年代での自己認識の男女差が大きいことが分かる。 |
(ク) | 「大勢で、一人の子をいじめてしまったこと」については、「よくある」が1.1%、「たまにある」が18.3%、「まったくない」が79.1%である。男女差、学年差はそれほどない。 |
(ケ) | 「いじめを受けていたこと」については、「よくある」4.2%、「たまにある」が19.5%、「まったくない」が74.7%である。男女差、学年差はあまりない。 |
(コ) | 「何かの理由で、学校へ行きたくなくて、学校を休んだこと」については、「よくある」が4.2%、「たまにある」が16.2%、「まったくない」が78.3%であり、中学2年生及び中学3年生では約25%が「よくある」又は「たまにある」と答えている。 |
6 現在持っている不安や悩み
現在児童が持っている不安や悩みの状況をみると、5割以上の児童で、何らかの不安や悩みを抱えており、特に女子では6割以上となっている。 内容をみると、「自分の勉強や進路について」が72.9%と最も多く、「自分の顔や体形について」42.6%、「自分の友達について」39.5%となっている。 学年別にみると、学年が高くなるにつれて不安や悩みを持つ割合が多くなっているが、特に「自分の勉強や進路について」は、中学3年で約9割の児童が、不安や悩みを持っている。(表23)
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7 近所にあればいい遊び場
近所にあればいいなと思う遊び場の状況をみると、「映画や劇が見られる小さな劇場」が34.7%と最も多く、「歌ったり、音楽を聴いたり、楽器の演奏をしたり、ダンスなどが楽しめるスタジオ」34.2%、「野球やサッカーなどができる広場」34.1%となっている。 性別にみると、男子では「野球やサッカーなどができる広場」が58.5%(女子9.8%)と最も多く、女子では「歌ったり、音楽を聴いたり楽器の演奏をしたり、ダンスなどが楽しめるスタジオ」が46.8%(男子21.5%)と最も多くなっている。 学年別にみると、小学生では「子犬や猫などの小動物や、昆虫などとふれ合うことのできる遊び場」が、中学生では「歌ったり、音楽を聴いたり楽器の演奏をしたり、ダンスなどが楽しめるスタジオ」が多くなっている。(表24)
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8 大切なことと思うもの
大切なことと思うものの状況をみると、「友達がたくさんいること」が66.3%と最も多く、「健康であること」60.4%、「将来に夢を持っていること」41.7%となっている。 性別にみると、男子では、「将来に夢を持っていること」44.3%(女子39.2%)、「運動や歌などで、何か得意なもの(特技)があること」33.0%(女子28.9%)などが高く、女子では、「友達がたくさんいること」71.6%(男子60.9%)、「勇気を持っていること」41.0%(男子32.5%)が高い割合となっている。 また、学年別では「健康であること」「友達がたくさんいること」が学年が高くなるにつれ割合が減少し、「将来に夢を持っていること」は上昇している。(表25)
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9 困っている人に出会ったときの対応
(1) | 「電車やバスに乗っていて、自分がすわっている席の近くに、お年寄りや体の不自由な人が立っていた」ときの対応をみると、「声をかけて、席をゆずる」が53.4%と最も多くなっており、特に女子では57.5%(男子49.3%)と高い割合を示している。 また学年別では、中学3年生で4割と低くなっている。(表26) |
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(%) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(2) | 「遊園地で迷子を見かけた」ときの対応をみると、「自分の家族や係の人のところへ連れていく」が42.4%と最も多くなっており、女子では49.4%(男子35.4%)と高くなっている。 また男子では、「しらないふりで、通りすぎる」が18.1%(女子10.0%)と女子に比べて高くなっている。(表27) |
表27 遊園地で迷子を見かけたときの対応 | (%) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(3) | 「クラスの誰かが他の子をいじめているのを見た」ときの対応をみると、「友達に相談する」が35.5%、「先生に知らせる」23.9%となっている。 性別にみると、男子では「「やめろ!」と言って、とめようとする」が24.8%(女子15.5%)と女子に比べ多く、女子では「友達に相談する」が45.6%(男子25.3%)と男子に比べ多くなっている。 学年別にみると、小学生では「先生に知らせる」、中学生では「友達に相談する」割合が多くなっている。(表28) |
表28 クラスの誰かが他の子をいじめているのを見たときの対応 | (%) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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10 しあわせ感
しあわせ感についての状況をみると、「ややしあわせだと思う」が33.3%と最も多くなっており、「とてもしあわせだと思う」の32.1%と合計すると6割以上がしあわせであると答えている。 性別でみると、「とてもしあわせだと思う」は女子が34.3%(男子29.9%)と男子に比べて高くなっている。 学年別にみると、学年が高くなるにつれて「とてもしあわせだと思う」は減少する傾向にあり、「ややしあわせだと思う」や「どちらともいいえない」の割合が高くなっている。(表29、図5)
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