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結果の概要


I 保護者の状況とその意識(保護者用調査票より)

1 父母の同別居、就労状況

(1)  父母の同別居の状況をみると、両親とも同居している世帯が89.4%で、前回調査より3.0%低くなっており、何らかの理由で父がその家に同居していない世帯が8.6%であり、母が同居していない世帯の1.5%と比べると、5倍以上となっている。(表1)

表1 父母の同別居状況別にみた構成割合 (%)
  総数 両親とも同居 父のみ非同居 母のみ非同居 両親とも非同居
平成8年 100.0 92.4 6.2 1.2 0.1
平成13年 (100.0)
1,751
( 89.4)
1,566
( 8.6)
150
( 1.5)
27
( 0.5)
8
(注) 非同居とは、死別又は離婚だけでなく単身赴任(出かせぎ者を含む。)及び長期海外出張者などが含まれる。

(2)  父母の仕事の状況をみると、父の98%以上、母の59%以上が就労しており、父では「常勤」が81.9%と最も多く、母では「パート」が29.1%、「常勤」が22.1%とそれぞれ多くなっている。
 前回調査と比較すると母の「パート」の割合が高くなっている。(表2、図1)

表2 父母の仕事の種類別にみた構成割合 (%)
  総数 つとめ人 自営業 働いて
いない
不詳
常勤 パート 農林漁業 自宅と営業
場所が同じ
自宅と営業
場所が別
平成8年 100.0 80.6 0.2 2.4 7.8 8.3 0.7 0.0
平成13年 (100.0)
1,593
( 81.9)
1,304
( 0.7)
11
( 2.3)
37
( 6.8)
109
( 7.0)
112
( 1.1)
17
( 0.2)
3
平成8年 100.0 22.0 24.6 2.0 5.6 3.9 41.8 0.1
平成13年 (100.0)
1,716
( 22.1)
379
( 29.1)
499
( 1.2)
20
( 4.2)
72
( 3.0)
51
( 40.4)
693
( 0.1)
2
(注)「総数」からは父または母の非同居を除く。

図1 父母の仕事の種類別

図1 父母の仕事の種類別



2 家族そろって一緒に食事(朝食及び夕食)をする頻度

(1)  一週間に家族そろって朝食を食べる回数は、「ほとんどない」が33.2%と最も多く、次いで「毎日」が25.8%、「2〜3日」が20.6%となっている。(表3)

表3 家族そろって一緒に朝食を食べる頻度の構成割合 (%)
総数 毎日 4日以上 2〜3日 1日だけ ほとんどない 不詳
(100.0)
1,751
(25.8)
452
(8.8)
154
(20.6)
360
(10.6)
186
(33.2)
582
(1.0)
17

(2)  一週間に家族そろって夕食を食べる回数は、「毎日」が31.6%と最も多く、次いで「2〜3日」が31.2%となっている。(表4)

表4 家族そろって一緒に夕食を食べる頻度の構成割合 (%)
  総数 毎日 4日以上 2〜3日 1日だけ ほとんどない 不詳
平成8年 100.0 30.8 19.9 30.4 10.8 7.3 0.9
平成13年 (100.0)
1,751
(31.6)
553
(17.1)
300
(31.2)
546
(10.9)
190
(7.3)
128
(1.9)
34
(注)前回は「夕食」のみ

 朝食、夕食を比較してみると、夕食で家族そろって食事を食べる回数の方が多くなっている。(図2)

図2 家族そろって一緒に食事をする頻度

図2 家族そろって一緒に食事をする頻度



3 父母の帰宅時間

   父母の帰宅時間をみると、父では「7時前」が18.1%と最も多く、「8時前」が16.4%、「9時前」13.3%となっており、母では「6時前」が24.1%と最も多く、「4時前」及び「7時前」がそれぞれ9.7%となっている。(表5)

表5 父母の帰宅時間別にみた構成割合 (%)
  総数 仕事あり   仕事
なし
不詳
午後
2時前

4時前

6時前

7時前

8時前

9時前

10時前

0時前

0時後
きまって
いない
不詳
(100.0)
1,593
(98.7)
1,573
( 0.3)
4
( 0.5)
8
(14.1)
224
(18.1)
288
(16.4)
262
(13.3)
212
(10.4)
165
( 7.5)
120
( 2.7)
43
(13.4)
214
( 2.3)
36
( 1.1)
17
( 0.2)
3
(100.0)
1,716
(59.5)
1,021
( 4.6)
79
( 9.7)
166
(24.1)
413
( 9.7)
166
( 2.5)
43
( 1.0)
18
( 0.6)
11
( 0.5)
8
( 0.6)
10
( 5.0)
85
( 1.3)
22
(40.4)
693
( 0.1)
2
(注)「総数」からは父または母の非同居を除く。


4 子育てネットワーク

   子育てについて、夫婦以外に話し合ったり、助け合ったりする人の種類を父母別にみると、父では「家族・親戚などの親族」が54.9%と最も多く、「職場の人」32.2%、「そのような人はいない」18.8%、母では「家族・親戚などの親族」が70.6%、「学校や幼稚園、保育所、PTAの人」41.3%、「近所の人」34.7%とそれぞれ多くなっている。(表6)

表6 子育てネットワークの構成割合 (%)
  父親 母親
平成8年 平成13年 平成8年 平成13年
総数 100.0 100.0 100.0 100.0
近所の人 6.7 6.6 40.4 34.7
子ども会や母親クラブの人 1.0 1.1 9.2 10.7
職場の人 30.5 32.2 21.5 25.2
学校や幼稚園、保育所、PTAの人 3.9 4.7 37.9 41.3
趣味の会や市民活動などで交流している人 3.0 3.5 7.4 7.7
家族・親戚などの親族 50.1 54.9 69.8 70.6
母親学級、育児学級などで交流した人 0.2 0.4 4.4 5.4
その他 5.1 4.3 10.4 13.4
そのような人はいない 18.9 18.8 4.9 4.5
不詳 8.7 5.5 1.6 1.2
複数回答

   これ以後の保護者用調査票の調査結果については、主なものについて、児童の性別と学年別(未就学、小学校1〜3年、小学校4〜6年、中学生)に集計した。対象となった児童の性別と学年は「表7」のとおりである。

表7 対象児童の性別・学年別構成割合 (%)
調査対象とした
児童数
総数 不詳 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生 不詳
平成8年 100.0 50.2 49.4 0.5 26.0 20.6 22.7 30.7 0.0
平成13年 (100.0)
1,751
(50.3)
880
(49.5)
866
(0.3)
5
(22.3)
391
(20.8)
365
(26.2)
458
(30.6)
535
(0.1)
2


5 地域環境上の心配点

   保護者が児童を養育する上で、地域の環境で心配なことについては「特に心配なことはない」とするものは全体で29.3%となっており、性別による差はないものの、学年が上がるにつれて、「特に心配なことはないと」する割合が多くなっている。
 心配なことの内容をみると、「遊び場が近所に少ない」が33.4%と最も多く、「近所に危険な場所(ガケ、工事現場、道路等)がある」26.5%、「近所に年齢の近い遊び仲間が少ない」23.4%となっており、学年別にみると学年が低いほどこれらの割合が高くなっている。(表8)

表8 地域環境上の心配点の構成割合 (%)
  総数 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
近所に危険な場所(ガケ、工事現場、道路等)がある 26.5 26.3 26.8 37.1 36.4 22.5 15.1
自然とふれあえる場所が少ない 19.4 19.8 19.2 20.5 24.7 20.1 14.6
遊び場が近所に少ない 33.4 32.7 34.2 39.4 39.5 34.5 23.9
近所に年齢の近い遊び仲間が少ない 23.4 21.3 25.6 34.3 23.6 23.1 15.5
盛り場など教育上気がかりな場所がある 4.2 4.3 4.0 4.1 2.5 5.0 4.7
テレホンクラブ等のちらしや広告をよく目にする 7.3 6.4 8.2 8.2 7.4 8.3 5.6
その他 9.1 7.2 11.1 9.2 6.8 9.2 10.5
特に心配なことはない 29.3 30.7 27.7 18.9 22.5 27.9 42.8
複数回答


6 あったら良い遊び環境

   保護者からみた、近所にあったら良いと思う遊び場の種類では「木や小川があり、木登りや泥んこ遊びのできる公園」が32.4%と最も多く、「野球やサッカーができる広場」27.6%、「隠れんぼや冒険遊びができる、原っぱや空き地」26.5%、「放課後安心して遊べる、室内型の遊び場」25.0%となっている。
 これを男女別にみると、男子では「野球やサッカーができる広場」39.1%「木や小川があり、木登りや泥んこ遊びのできる公園」32.8%、女子では「木や小川があり、木登りや泥んこ遊びのできる公園」が32.0%、「放課後安心して遊べる、室内型の遊び場」29.7%となっている。
 また、学年にみると、各学年で「木や小川があり、木登りや泥んこ遊びのできる公園」の割合がそれぞれ高くなっているが、未就学では「幼児と親が安心して遊べる、おもちゃや遊具のある室内型の遊び場」が45.8%、小1〜小3及び小4〜小6では「放課後安心して遊べる、室内型の遊び場」がそれぞれは29.3%、33.2%、中学生では「野球やサッカーなどができる広場」が34.6%と、他の学年に比べて高くなっている。(表9)

表9 近所にあったらよい遊び環境の構成割合 (%)
  総数 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
木や小川があり、木登りや泥んこ遊びのできる公園 32.4 32.8 32.0 39.6 37.0 33.4 23.2
隠れんぼや冒険遊びができる、原っぱや空き地 26.5 30.9 21.8 27.6 36.2 30.6 15.7
子犬や猫などの小動物や、昆虫などとふれ合うことのできる遊び場 18.3 16.4 20.2 18.2 18.1 18.6 18.3
幼児と親が安心して遊べる、おもちゃや遊具のある室内型の遊び場 16.2 15.3 17.2 38.4 21.1 7.2 4.3
放課後安心して遊べる、室内型の遊び場 25.0 20.3 29.7 18.2 29.3 33.2 19.8
幼児と親が安心して遊べる、遊具やベンチのある屋外型の広場 24.6 24.9 24.4 45.8 26.8 19.4 12.0
自由に話したり、ゲームなどができる集会室 11.6 10.7 12.6 4.9 4.9 14.6 18.5
歌ったり、音楽を聴いたり、楽器の演奏をしたりダンスなどが楽しめるスタジオ 14.9 12.3 17.7 8.7 8.8 12.9 25.4
絵を描いたり、工作ができるアトリエ 15.0 12.2 18.0 12.0 15.3 15.5 16.6
料理をしたり、お茶を飲んだりして交流できるスペース 8.2 4.0 12.5 4.1 5.2 6.6 14.6
子ども用の映画や劇が見られる小さな劇場 23.9 22.7 25.2 21.5 21.9 22.7 28.0
野球やサッカーなどができる広場 27.6 39.1 16.1 17.9 24.1 30.6 34.6
プール 17.0 16.4 17.8 16.9 13.4 15.9 20.4
その他 3.5 3.5 3.6 2.3 1.4 3.5 6.0
複数回答(3つまで回答可)


7 児童のお小遣い

   児童のお小遣いの状況をみると、全体では、与えている(不定期に与えている場合を含む。)が55.2%となっている。学年が高くなるほど与える割合も高くなり、中学生では87.6%となっている。(表10)

表10 お小遣いの有無の構成割合 (%)
  総数 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
与えていない 44.3 44.8 43.9 91.0 61.1 29.0 11.8
定期的に与えている 32.1 31.6 32.7 2.0 11.8 41.7 59.6
不定期だが与えている 23.1 23.1 23.1 6.9 26.3 28.6 28.0
不詳 0.5 0.6 0.3 - 0.8 0.7 0.6


8 児童が専用で持っているもの

   児童が専用で持っているものの状況をみると、「自転車」が全体でもっとも多く86.8%となっており、小学生では9割以上の児童が持っている。「自転車」以外では、「机」70.9%、「衣類整理 ダンス」65.7%、「腕時計」45.3%と持っている割合が高くなっている。
 男女別にみると、男子では「ゲーム専用コンピュータ」47.3%(女子26.6%)、「テレビ」23.3%(女子16.9%)、「釣り道具」20.9%(女子4.5%)、女子では「ピアノ・電子ピアノ等大型楽器」38.6%(男子9.5%)、「携帯用電話」14.2%(男子7.8%)がそれぞれ高い割合になっている。
 また、学年別にみると、中学生で「ラジオ・ラジカセ」58.3%、「ヘッドホーンつき携帯ステレオ」38.1%と高くなっている。
 前回調査と比較をすると「携帯用電話」の割合が高くなっている。(表11)

表11 児童が専用で持っているものの構成割合 (%)
  平成8年 平成13年
総数 総数 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
三輪車 16.2 16.2 16.4 15.9 56.5 9.9 3.9 1.5
自転車 87.3 86.8 86.8 86.8 71.4 92.9 93.7 87.9
テレビ 19.8 20.0 23.3 16.9 5.6 15.1 22.5 32.0
ビデオデッキ 7.6 9.1 11.9 6.1 4.9 6.8 9.8 12.9
ラジオ・ラジカセ 33.8 26.9 23.5 30.4 3.8 7.4 25.3 58.3
ステレオ 3.7 6.0 6.3 5.8 0.3 1.1 4.1 15.1
ヘッドホーンつき携帯ステレオ
(MD・CD・カセットテープ)
16.3 16.2 14.0 18.5 0.3 2.5 15.1 38.1
ラジコン 9.3 8.6 15.0 2.1 9.5 12.1 8.5 5.6
ワープロ 4.6 2.1 1.8 2.4 0.5 1.1 2.4 3.7
ゲーム専用コンピュータ 33.6 36.9 47.3 26.6 18.9 34.0 47.4 43.2
パーソナルコンピュータ 1.8 4.3 4.3 4.4 1.8 2.5 6.6 5.6
腕時計 56.4 45.3 41.7 49.2 16.1 34.2 57.2 64.3
カメラ 12.1 6.1 3.8 8.4 2.3 3.6 9.4 7.7
電子手帳 15.1 4.3 2.5 6.2 0.3 1.6 5.2 8.4
家庭用電話(親子電話を含む) 4.1 4.4 3.6 5.2 0.8 2.2 3.3 9.5
携帯用電話 0.2 11.0 7.8 14.2 0.3 - 8.7 26.7
ポケベル 0.9 0.3 0.1 0.5 - 0.1 0.7 0.4
ピアノ・電子ピアノ等大型楽器 24.0 24.0 9.5 38.6 13.6 22.7 28.2 28.6
ギター・キーボード・ドラム・トランペット等楽器 8.6 8.8 6.9 10.7 4.3 6.3 9.6 13.1
釣り道具 14.9 12.7 20.9 4.5 4.1 10.4 12.7 18.9
71.5 70.9 69.0 73.0 15.1 72.6 90.8 93.5
衣類整理ダンス 63.9 65.7 63.3 68.5 54.0 63.0 70.1 72.5
個室 32.2 36.2 34.5 37.8 10.0 21.9 38.9 62.6
兄弟・姉妹で使う部屋 33.8 33.0 33.1 32.9 20.2 38.9 42.8 29.9
複数回答


9 子育て行動

   ふだんの子育てをどのように行っているかについて知るため、具体的に17項目の育て方をあげ、そ れぞれについて、「かなりあてはまる」「どちらともいえない」「ほとんどあてはまらない」の3つか ら選んでもらう方法をとった。(表12、参考表第2表)

 
(ア)  「子どもの欠点ばかりが気になり、しかってばかりいる」に、「かなりあてはまる」は17.8%、「どちらともいえない」は51.6%、「ほとんどあてはまらない」は28.6%である。児童の性別では差がないが、幼児では18.9%が「かなりあてはまる」と答えたのに対し、小学校低学年では、21.4%に増え、中学生では14.6%に減っている。

(イ)  「子どもをしかる時、体罰を加えている」にあてはまるのは2.4%にすぎないが、男子に対する方がやや多い。また、児童の年齢が上がるに従い、その割合は減少している。

(ウ)  「家の用事(買い物・掃除など)や家業の手伝いをさせている」については、34.6%があてはまると答えている。女子に対する方がやや多い。

(エ)  「子どもをしかることはなく、いつも、なだめたり、ほめたりしている」にあてはまると答えたのは、4.2%にすぎない。男女差、年齢差はほとんどない。

(オ)  「子どもの望むことは、無理をしてもかなえている」にあてはまると答えたのは、6.7%にすぎない。幼児よりも年齢が高い児童の保護者に多い傾向がある。

(カ)  「生活一般については、まず、親が模範を示している」は、29.2%があてはまると答えている。未就学児童の保護者で、やや高くなっている。

(キ)  「起床及び就寝時刻などについては子どもの計画や自主性を尊重している」は、24.7%があてはまるとするが、特に年長の児童の保護者に多く見られ、中学生の保護者では40.2%があてはまると答え、あてはまらないとするものは12.9%である。

(ク)  「小遣いをやる、好きなものを買ってやるなど、交換条件で言いきかせている」にあてはまると答えたのは、全体で5.9%、各年代とも1割未満にしか見られない。

(ケ)  「その時の気分で、しかったり、しからなかったりしている」は、9.0%があてはまると答えている。性別、年齢別に大きな差はない。

(コ)  「性の問題については、隠さずよく話し合いをしている」は、14.1%があてはまると答えている。性別では女子の保護者でやや多い。学年では小学校4〜6年生で、19.7%と高く、中学生では、18.7%に減少している。

(サ)  「無断で机の中や日記を見ないなど、子どものプライバシーを尊重している」にあてはまると答えたのは33.4%である。性別では女子が高くなっているが、児童の年齢が上がるに従い、児童のプライバシーに配慮していると答えている。

(シ)  「子どもの言葉遣い、礼儀は厳しくしつけている」は、54.5%の保護者があてはまるとしている。性別・年齢別に大きな差はない。

(ス)  「子どもに他人への思いやりの気持ちを持つようにさせている」にあてはまると答えたのは、82.5%であり、中学生の保護者において、78.3%と若干低い傾向にある。

(セ)  「子どもの将来について計画を立て子どもに無理をさせても目標に達成させようと叱咤激励している」は、4.9%があてはまると答え、55.7%があてはまらないとする。幼児では、あてはまるとするのは少なく、年齢が高くなるに従って若干増えているとはいえ、1割に満たない。男女差も見られない。

(ソ)  「子どもに対するしつけや教育のしかたが、家庭内で一致していない」にあてはまると答えたのは、全体では、7.5%にすぎず、男女差、年齢差はほとんどない。

(タ)  「子どもとの会話の機会を多くしている」にあてはまると答えたのは70.6%である。年齢が高くなるに従いその割合は減少し、中学生の保護者では、66.7%となっている。

(チ)  「他人の子をしかることがある」にあてはまると答えたのは19.6%である。性別では女性が高くなっている。

表12 子育て行動の構成割合 (%)
  総数 かなり
あてはまる
どちらとも
いえない
ほとんど
あてはまらない
不詳
(ア) 子どもの欠点ばかり気になり、しかってばかりいる
100.0 17.8 51.6 28.6 2.0
(イ) 子どもをしかる時、体罰を加えている
100.0 2.4 27.4 68.8 1.5
(ウ) 家の用事(買い物・掃除など)や家業の手伝いをさせている
100.0 34.6 41.3 22.7 1.5
(エ) 子どもをしかることなく、いつも、なだめたり、ほめたりしている
100.0 4.2 59.1 35.0 1.7
(オ) 子どもの望むことは、無理をしてでもかなえている
100.0 6.7 58.1 33.9 1.3
(カ) 生活一般については、まず、親が模範を示している
100.0 29.2 62.3 6.7 1.7
(キ) 起床及び就寝時刻などについては、子どもの計画や自主性を尊重している
100.0 24.7 44.4 29.5 1.4
(ク) 小遣いをやる、好きな物を買ってやるなど交換条件で言いきかせている
100.0 5.9 36.0 56.6 1.5
(ケ) その時の気分で、しかったり、しからなかったりしている
100.0 9.0 46.4 43.2 1.5
(コ) 性の問題については、隠さずよく話し合いをしている
100.0 14.1 42.2 42.1 1.5
(サ) 無断で机の中や日記を見ないなど、子どものプライバシーを尊重している
100.0 33.4 41.7 23.2 1.7
(シ) 子どもの言葉づかい、礼儀は厳しくしつけている
100.0 54.5 40.4 3.8 1.3
(ス) 子どもに他人への思いやりの気持ちを持つようにさせている
100.0 82.5 15.3 1.0 1.3
(セ) 子どもの将来について計画をたて子どもに無理をさせても目標に到達させようと叱咤激励している
100.0 4.9 37.8 55.7 1.6
(ソ) 子どもに対するしつけや教育のしかたが、家庭内で一致していない
100.0 7.5 42.9 47.9 1.7
(タ) 子どもとの会話の機会を多くしている
100.0 70.6 27.0 1.1 1.3
(チ) 他人の子をしかることがある
100.0 19.6 50.7 28.2 1.5


10 子育てについての不安や悩み

    子育てについての不安や悩みの状況をみると、6割以上の世帯で、何らかの不安や悩みを抱えている。
 内容をみると、「子どもの勉強や進学に関すること」が37.8%と最も多く、「子どものしつけに関すること」34.9%、「子どもの性格や癖に関すること」30.8%となっている。
 学年別にみると、学年が高くなるにつれて不安や悩みを持つ割合は減少する傾向にあるが、「子どもの勉強や進学に関すること」は学年が高くなるにつれて増加しており、中学生では54.8%となっている。(表13)

表13 子育てについての不安や悩みの種類の構成割合 (%)
  平成8年 平成13年
総数 総数 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
子どものしつけに関すること 32.7 34.9 35.8 34.2 47.3 39.2 30.6 26.7
子どもの健康に関すること 24.5 27.6 28.6 26.7 36.1 29.0 28.2 20.0
子どもの勉強や進学に関すること 37.5 37.8 40.3 35.5 19.2 31.0 39.5 54.8
子どもの性格や癖に関すること 27.4 30.8 32.3 29.6 42.5 34.0 30.6 20.6
子どもの暴力や非行に関すること 7.9 8.8 10.1 7.5 7.9 9.9 9.0 8.6
子どものいじめに関すること 15.5 13.1 13.3 12.9 12.0 14.5 14.6 11.6
子どもの友人に関すること 16.7 18.4 16.9 20.0 16.4 20.5 20.3 16.8
子どもの性に関すること 7.3 7.2 7.3 7.2 6.6 5.8 7.6 8.2
子どもが保育園や幼稚園、学校に行くのを嫌がること 7.3 8.3 7.7 9.0 9.0 9.9 7.2 7.9
子どもの育て方について、自信が持てないこと 11.7 14.3 14.8 14.0 18.7 15.3 12.9 11.8
子どもの事に関して、家族が協力してくれないこと 7.1 7.4 7.0 7.9 10.7 6.3 7.0 6.2
子どもの事に関して、相談できる人がいないこと 4.6 5.4 5.2 5.7 5.1 6.0 5.5 5.2
家の近所の環境がよくないこと 6.7 7.0 7.3 6.7 8.7 8.8 6.6 4.9
その他 1.6 3.0 2.7 3.2 4.1 2.2 2.0 3.6
特に不安や悩みはない 36.9 33.5 30.8 35.9 29.2 34.8 37.8 32.0
複数回答

    次に、不安や悩みを持っていると回答したものに、不安や悩みの種類ごとにその相談相手について尋ねた。
 不安や悩みの種類として多く見られた「子どもの勉強や進学に関すること」「子どものしつけに関すること」「子どもの性格や癖に関すること」では、「家族の者に相談する」「子どもと話し合う」「信頼できる身近な人に相談する」が高くなっている。また、「子どもの健康に関すること」では「専門家や公的機関に相談する」が40.6%と高くなっている。(表14)

表14 子育てについての不安や悩みの種類別の相談相手の構成割合 (%)
  総数 専門家や公的機関に相談する(電話も含む) 保育園や幼稚園学校の先生など相談する 信頼できる身近な人に相談する 家族の者に相談する 子どもと話し合う 自分で考えて解決する その他 特に何もしない
子どものしつけに関すること 100.0 3.9 23.6 55.0 75.3 33.6 18.8 2.3 2.1
子どもの健康に関すること 100.0 40.6 16.1 39.8 64.6 15.7 13.7 3.9 2.9
子どもの勉強や進学に関すること 100.0 6.6 34.6 38.1 69.5 53.2 10.3 3.2 2.9
子どもの性格や癖に関すること 100.0 6.1 25.6 42.4 71.9 40.6 13.1 2.6 3.7
子どもの暴力や非行に関すること 100.0 11.0 28.6 33.8 56.5 33.1 10.4 1.3 20.8
子どものいじめに関すること 100.0 7.0 39.7 36.2 56.8 41.0 9.2 2.2 10.5
子どもの友人に関すること 100.0 1.6 25.8 44.1 52.8 53.7 10.6 1.6 8.1
子どもの性に関すること 100.0 5.6 5.6 28.6 54.0 35.7 10.3 2.4 22.2
子どもが保育園や幼稚園、学校に行くのを嫌がること 100.0 11.0 45.9 33.6 51.4 35.6 13.0 2.1 17.8
子どもの育て方について、自信が持てないこと 100.0 8.4 19.5 57.0 61.0 8.0 20.7 4.4 8.4
子どもの事に関して、家族が協力してくれないこと 100.0 8.5 8.5 46.2 30.0 6.9 29.2 8.5 20.0
子どもの事に関して、相談できる人がいないこと 100.0 11.6 11.6 17.9 26.3 3.2 16.8 8.4 36.8
家の近所の環境がよくないこと 100.0 9.8 13.1 32.8 37.7 9.8 10.7 5.7 35.2
その他 100.0 9.6 19.2 21.2 36.5 13.5 17.3 7.7 30.8
複数回答


11 児童とよく一緒にすること

    児童とよく一緒にすることをみると、「デパートやスーパーなどへ買い物に行く」が80.0%と最も多く、「外へ出て、食事をする」61.3%、「テレビを見て、話し合ったりする」55.1%となっている。
 男女別にみると、男子では「散歩やボール遊びなどをする」が40.7%(女子33.9%)と女子に比べて高くなっており、女子では「デパートやスーパーなどへ買い物に行く」86.0%(男子74.2%)、「ケーキ作りや料理をする」37.2%(男子20.2%)、「音楽を聞いたり、演奏や合唱・カラオケをする」24.9%(男子18.6%)と男子に比べて高くなっている。
 学年別では、「勉強をみてやる」が小1〜小3で61.9%、小4〜小6で50.9%と他に比べて高くなっている。(表15)

表15 児童とよく一緒にすることの構成割合 (%)
  平成8年 平成13年
総数 総数 未就学 小1〜
 小3
小4〜
 小6
中学生
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
外へ出て、食事をする 58.1 61.3 60.7 62.1 59.3 59.2 64.4 61.3
一緒のスポーツクラブに入るなど計画的にスポーツを一緒にする 5.1 7.5 9.5 5.5 3.6 6.0 11.8 7.9
散歩やボール遊びなどをする 35.1 37.4 40.7 33.9 62.7 47.7 34.1 14.6
旅行やハイキング、魚つりなどに出かける 37.9 32.3 33.1 31.8 30.7 39.2 34.7 26.9
映画や観劇、音楽会へ行く 16.7 27.9 26.1 29.8 16.9 32.3 36.5 25.6
デパートやスーパーなどへ買い物に行く 78.6 80.0 74.2 86.0 88.5 84.7 81.7 69.0
室内でゲームやごっこ遊びをする 27.7 31.0 33.5 28.4 54.0 43.3 24.7 11.0
音楽を聞いたり、演奏や合唱・カラオケをする 20.5 21.7 18.6 24.9 26.9 21.9 19.4 19.6
ケーキ作りや料理をする 26.3 28.6 20.2 37.2 24.3 32.6 32.3 25.6
絵を描いたり、物をつくったり、編み物などをする 14.2 19.7 16.6 22.9 38.4 22.7 16.4 6.5
お話を聞かせたり、本を読んで、その感想を話し合ったりする 22.8 27.5 26.7 28.2 58.8 40.0 17.5 4.5
勉強をみてやる 36.3 37.8 36.9 38.8 19.4 61.9 50.9 23.6
テレビを見て、話し合ったりする 47.9 55.1 55.1 55.2 41.9 56.4 61.1 58.5
家族会議を開いて、話し合う 4.3 6.1 6.4 5.9 3.3 5.8 6.6 8.0
家業の手伝いをさせ、一緒に仕事をする 7.2 31.6 31.3 32.0 25.1 28.5 41.0 30.1
その他 2.4 3.2 2.7 3.7 2.8 3.3 3.1 3.6
特に一緒にすることはない 4.1 2.3 3.3 1.3 0.5 1.1 1.1 5.4
複数回答


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