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2017年10月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第365回議事録

○日時

平成29年10月25日(水)9:00~10:37

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
榊原純夫委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
菊池令子専門委員 横地常広専門委員 丹沢秀樹専門委員 小澤壯治委員長
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○臨床検査の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○個別事項(その5)について

○議事

 

 

 

 

 

○田辺会長
 定刻でございますので、ただいまより、第365回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は岩田専門委員が御欠席でございます。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 初めに「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。
 小澤委員長より御説明をお願いいたします。
 よろしくお願いいたします。
○小澤委員長
 それでは、説明いたします。
 「中医協 総-1」の資料をごらんください。今回の臨床検査の保険適用は、E2の1件です。
 3ページ目をごらんください。販売名は「イノリア HTLV」です。測定項目はHTLV-1抗体です。測定方法はラインブロット法です。
 4ページ目の製品概要をごらんください。本検査は、HTLV-1感染症の確認検査として患者の血清または血漿中から抗HTLV-1抗体を検出するものです。これまでHTLV-1抗体による確認検査は、ウエスタンブロット法で測定されておりましたが、今回、新たにラインブロット法で測定できるようになりました。
 3ページ目にお戻りください。保険点数につきましては、「D012 感染症免疫学的検査 52 HTLV-1抗体(ウエスタンブロット法)」の場合の432点を参考点数としています。
 今回、御説明いたします内容は以上でございます。
○田辺会長
 どうもありがとうございました。
 事務局から補足があれば、お願いいたします。よろしいですか。
○古元医療課企画官
 結構です。
○田辺会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 次に、報告事項でございます。先進医療会議の検討結果の報告についてを議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
 では、企画官、お願いいたします。
○古元医療課企画官
 ありがとうございます。
 それでは「中医協 総-2」に基づきまして御報告をさせていただきます。
 今回御報告する内容ですが、第57回「先進医療会議」で承認されました先進医療Bの案件でございます。
 まず、1ページ目をごらんください。今回承認されました先進医療Bの技術は、整理番号116「バージャー病に対する自家骨髄単核球細胞を用いた下肢血管再生治療」でございます。本技術にかかる費用は表に記載のとおりでございます。
 技術の概要につきましては6ページ目をごらんください。本技術は通常の治療に抵抗性のバージャー病を対象としております。バージャー病は閉塞性血栓血管炎とも申しまして、四肢の末梢血管に閉塞を来す指定難病でございます。血管が閉塞すると虚血に伴って歩行時の疼痛や潰瘍形成を伴うことがございます。これらの症例に対して自分の骨髄液から細胞分画を取り出し、虚血症状のある骨格筋内に移植することで、血管の再生を促すという技術でございます。
 ロードマップにつきましては7ページ目をごらんください。中ほどに「先進医療B」と記載してございますのが今回の御報告内容でございます。
 本研究の主要評価項目は患肢のSPPと書いてございます。こちらは皮膚組織灌流圧でございます。登録時から移植後6カ月の変化量を主要評価項目としてございます。本試験の結果をもちまして本技術の保険適用を目指す予定でございます。
 なお、先進医療会議における評価でございますが、総合判定は「適」となってございます。
 説明は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 7ページ右下の四角に選択基準というものがあって、20~80歳と大変対象年齢の幅が広いのですけれども、3ページのところの内容、細かい文章がいろいろ書いてございますが、発症年齢は大体30~40歳代の青壮年期に多いという記載もあります。また、全身麻酔下で骨髄液を600ml採取するとそれなりのリスクがあると考えるのです。対象が80歳になっているというのは、何か根拠はあるのでしょうか。
○田辺会長
 企画官、お願いいたします。
○古元医療課企画官
 ありがとうございます。
 御指摘いただきましたとおり、3ページ記載のとおり、発症年齢は30~40代の青壮年期に多いということ。また、本治療につきましては、非常に侵襲性の高い治療でございますので、患者さんの体力、そういったものを総合的に判断して適用されるものと考えてございます。
 ただ、今回、過去の実績をお伺いしたところ、最高で70歳までの実績があるということで、そういったことも考慮して、対象を80歳としておりますが、個別に御判断いただいた上で適用されるものと考えております。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。
 ほか、いかがでございましょう。
 ほかに御質問がないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 それでは次の事項の議事に入らせていただきます。「個別事項(その5)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
 医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 それでは今回、個別事項でその5になりますけれども、リハビリテーションの御審議をお願いしたいと思っています。総-3をお手元に御用意いただきたいと思います。
 2コマ目に審議事項をまとめてございます。回復期のリハビリテーション病棟入院料と疾患別のリハビリテーション、それぞれ(その2)になっておりまして、1回目は5月17日が回復期リハビリテーション、それから疾患別リハビリテーションは1回目は9月13日に御審議をお願いしておりますので、いずれも今回2回目ということになります。
 まず、回復期リハビリテーション入院料でございます。3~4コマ目でございます。
 3コマ目は28年改定のときの附帯意見でございます。枠囲みしてございますけれども、6コマ目、回復期リハビリテーション病棟のアウトカム評価を導入いたしましたので、その関係の記載、それから維持期のリハビリテーション移行の問題、廃用症候群のリハビリテーションにつきまして引き続き検討というのが前回改定以降の課題でございます。
 4コマ目、これは先ほど申し上げました5月17日、前回御審議いただいたときのまとめの部分でございます。矢印の先の課題のところに記載がございます。回復期リハビリテーション病棟、主にADL向上による寝たきり防止、在宅復帰を、集中的にリハビリテーションを行って目指すものであるということでありまして、できるだけ早期から集中的に行う。それから、アウトカムに着目した評価のあり方が課題として掲げられているということでございます。
 順次御説明いたします。まず「診療報酬上の評価」がどういったことになっているのかいうことを6コマ目、7コマ目とあわせてごらんいただきたいと思います。
 6コマ目、これは近年の回復期リハビリテーション病棟入院料に係る大まかな対応のまとめでございます。平成12年、2000年でございますけれども、回復期リハビリテーション病棟が新設されました。以降、大きく見直してきているものといたしましては、平成22年でございます。ここに記載がございますけれども、一定程度の単位数を提供すべきとして設定しつつ、休日に実施するような体制ですとか、充実加算ということで、一定以上の充実したリハビリテーションを促す加算が新設されております。平成24年以降、実施体制につきまして充実をする方向になっております。先ほども触れました直近28年の改定では、アウトカム評価を導入しているということでございます。
 7コマ目であります。現行は入院料1、2、3ということで3つに分けてございますけれども、例えば「施設基準(抄)」これは全てではございませんで、抜粋でございますが、職員配置につきまして専従の常勤で一定数のリハビリテーション専門職の配置を求めている。あるいは、真ん中辺にございますが「重症者」これは日常生活機能評価のスコアを使っての重症者でございますけれども、一定の割合の重症者でございますとか、同じく日常生活機能評価につきまして退院時に一定の割合を求めている等々の充実した体制を求めているということでございます。
 実数でございますけれども、8コマ目であります。現在、こういった算定要件を設定いたしました入院料がどのように算定されているかということです。見ていただきますと、まず、届け出の医療機関の数としましては入院料1、2が圧倒的に多いということでありますが、施設の数、医療機関の数についていきますと入院料2のほうが多いのですけれども、算定件数を見ていただきますと、算定件数自体は入院料1のほうが多いというのが実態でございます。
 診療報酬の概略でございますけれども、9コマ目であります。赤枠を囲ってございます。先ほど御説明しましたように、一定の施設要件をクリアすることを前提といたしまして、包括的な報酬設定が基本になっております。見ていただきますと、多くのことが包括をされておるわけでありますが、この病棟の特徴といたしましては、リハビリテーションを集中的に実施するということですので、リハビリテーション自体は包括外になっているということでございます。
 10コマ目に近年の病床数が一般病棟に占める割合についてまとめてございます。いずれも増加傾向でありまして、病床数の絶対数、病床数の総数に占める割合もふえてきているということでございますので、回復期リハビリテーション病棟に転換していくということにあわせてサービスの提供量がふえているということでございます。
 11コマ目でリハビリテーションの提供単位数の推移を見ています。これは平成18年以降のまとめでございます。これを見ていただきますと、先ほど診療報酬の取り扱いの変遷を見ていただきましたが、特に22年に評価体系を大きく充実する方向に設定しておりますので、それ以降に算定件数は伸びております。一方で、24年以降、例えば入院1日当たりのリハビリテーションの提供単位数というのはほぼ落ち着いておりまして、6単位前後ということになってございます。これが現状のサービス提供の量的側面でございます。
 12コマ目以降に、「患者の状態」につきましてまとめてございます。13コマ目以降、随時御説明いたします。
 13コマ目でありますが、年齢分布につきましては、入院料1、2、3は大きく違いはございません。多くの方が75歳以上であるということでございます。
 2点目、14コマ目であります。疾患の状況でございます。疾患につきましては特徴がございまして、入院料1、最も充実した体制のリハビリテーション病棟は、脳梗塞の患者さんが多い。これはグラフの分布上を見ていただければ一目であります。一方で、入院料2、3につきましては、整形外科系を中心と言っていいと思いますが、骨折・外傷の患者さんが多いという特徴がございます。
 3点目、15コマ目であります。認知症の高齢者に係る自立度の分布であります。これは入院料別に記載がございますけれども、解説にも書いてございますが、認知症の日常生活自立度につきましては、下半分に表がございます。ランク1、2、3、4、Mとありますが、ランク3、4、Mにつきましては一定の介護を必要とするという状況でありまして、そのことについて上の帯グラフ、赤枠をつけてございますが、入院料1、2、3と順番で基本的には介護が必要となるような重度者が多いということになっております。
 同様に16コマ目でありますが、入棟時のADLについて見ております。特に入院料1につきましては、日常生活動作の指標といたしましてFIMというスコアを使っております。FIMのスコアは17コマ目に概略をお示ししておりますけれども、点数が高いほど自立しているというスコアでございます。逆に言いますと、スコアが低いほうが自立度が低いということになります。
 入院料1につきましては、相対的に自立度の低い方が多い。入院料3につきましてはその逆の傾向があるということでございます。
 以上が患者さんの状態でございます。
 18コマ目以降に平成28年に導入いたしました「アウトカム評価」の関係をまとめてございます。
 19コマ目であります。19~20コマ目あわせてごらんいただいたほうがいいと思います。平成28年に導入したアウトカム評価というのはどういうものなのかという概略であります。
 改定前は9単位まで出来高算定ができる。これは先ほど報酬評価のところで御説明をいたしました。しかしながら問題意識といたしましては、一定程度のリハビリテーションを提供する以上は、成果として患者さんの状態を改善することを当然求めるべきである。したがって、ある程度の効果がないという場合には、算定につきましては上限を設定する。19コマ目に「現行」と書いてございますが、リハビリテーションの効果に係る実績が一定の水準に達していない場合は、上限6単位とします。その効果に係る実績を20コマ目にまとめてございます。
 一定水準に達していない場合というのはどういう場合かということでございますけれども、20コマ目の真ん中辺あたりにありますが、実績指数という設定をいたしております。これは計算式を書いてございます。ちょっと複雑に見えますが、考え方としてはそれほど複雑ではございません。いろいろな患者さんの状態がございますので、より短い在院期間中により多くの改善の度合いが得られた場合に指数が高くなるような計算式になってございます。これを行う背景は、疾患によりまして在院日数とかあるいはリハビリテーション実施の実態が違いますので、在院日数が長い、短いの影響をなるべく受けないようにこういう補正をしているということと、20コマ目下のほうに書いてございますが、さまざまな前提条件を設定しませんと単純な計算式だけでは適正な評価ができませんので、こういった条件設定をしているということでございます。
 21コマ目以降にこういった実績評価も含めましてさまざまな実態につきましてお示ししております。
 まず、21コマ目であります。これは1日当たりのリハビリテーションの提供単位数をまとめております。入院料1、2、3別に見ていただいております。まず、もともとの施設要件のところでも御説明をしましたが、入院料1、2とその順番になればなるほど集中的にリハビリテーションを実施しやすい体制が厚いということでございまして、実際、6単位以上のところを見ていただきますと、入院料1、2と、より集中的に実施されているというのが実態であります。
 こういう実態を踏まえまして、22コマ目以降に先ほど御説明しました実績指数でどのような状況になっているのかということをまとめてございます。
 まず、1点目は22コマ目であります。入院料1、2、3と分けてございますが、リハビリテーションを一定程度提供しているという病棟につきまして、先ほど御説明をしました実績指数について、27という数字を一つの基準にしているわけでありますが、どの程度の施設がクリアしているのかという割合を見ますと、入院料1、2、3の順番によりその割合が高いということでございますので、入院料1、2、3の順番により充実した体制が設定されていて、かつ、一定の成果を出していると見ていただいてよろしいかと思います。
 23コマ目でありますが、同様に実績指数がどのような分布になっているのかということをまとめてございます。
 これは、棒グラフが右と左に2つございます。違いは何かといいますと、左側につきまして、一定のリハビリテーションの提供実績がある病棟についてのまとめと、右側がそれ以外の病棟であります。左側は一定程度実績があるということでございますので、その病棟につきまして実績指数の分布を見ますと、入院料1に限らず、全体ですけれども一定程度の実績があるところにつきましては、27の実績以上をクリアしているというのが明らかに見てとれるということでございます。
 逆に言いますと、今度は右側ですが、一定程度の実績がないところにつきましては、その実績数の分布がばらばらになっているのというのが実態でございます。
 同様に実績指数に着目をしまして、以降、整理をしておりますけれども、その前提となる数字をあらかじめ押さえておきます。
 24コマ目は平均在院日数であります。近年、平均在院日数の推移につきましては、他の入院基本料も同じかもしれませんけれども、在院日数は短くなっております。これは入院料別の在院日数、27年と29年を比較しております。これ以降、幾つかのデータにつきまして、入院料3のn数が非常に少ないので、入院料3については参考値として見ていただいたほうがいいと思いますが、在院日数が短くなっているということであります。
 25コマ目は、同様に在宅復帰率につきましても、在宅復帰の割合が高くなっているということであります。
 日常生活機能の評価、26コマ目でありますが、これも改善傾向になっているということでございます。
 以上のような背景を前提として実績指数との関係が27コマ目以降に幾つかお示ししております。
 27コマ目でありますが、今、見ていただきましたとおり、近年の傾向も含めて平均在院日数、これは基本的にはより短い方向に現場も動いておりますし、政策的にもそういった評価を充実しているわけでありますが、実績指数が高いほど平均在院日数が短くなっておりますし、在宅復帰率も横ばいないしは高くなるということでございます。実績指数に応じた成果が見てとれるということでございます。
 28コマ目、これは実績指数の御説明のところで少しお話をしましたが、在院日数の期間と運動項目に係りますFIMの得点の改善度合い。これをお示しした趣旨は何かといいますと、在院日数が長くなる患者さんも短くなる患者さんも、疾患とか状態によってそれぞれあるわけですが、病棟に一定程度の期間、より長く在棟する必要がある患者さんにつきましても、ある程度のFIMの改善が得られる。短い方も同様に見られる。したがって、傾斜は違いますが、一定程度のFIMの改善が得られているというのがデータ上、見てとれるということでございます。このグラフがちょっとわかりにくいのは、タイトルにもございますが、平成29年1月時点で新規に入棟した方について、いつ退院したかという記載になっておりますので、実質的には在院日数の長さに呼応したデータだということでございます。
 29~30コマ目でありますが、実績指数の性質をあらわしているチャートであります。
 29コマ目は何かといいますと、疾患別に実績指数と全体の患者さんの分布の状況を見ております。これは解説のところに書いてございますけれども、回復期リハビリテーションに入棟するような状況につきまして、状態ごとの実績指数の分布を見ていますが、もちろん患者さんごとにばらつきはあるのですが、一定程度、同じような傾向での実績指数の分布になっておりますので、ある程度共通の指標として評価が可能ではないかということが29コマ目で見てとれるということでございます。
 30コマ目は逆に実績指数の数値と入棟時点での年齢とかFIMの項目の値がどのような関係か。すなわち、実績指数が高いというのは、例えば若い患者さんばかりを見ているのではないかとか、あるいは実績指数が高い患者さんは実態として入棟時のFIMの評価が一定程度選別されているのではないか。そういう御指摘はあり得るわけですが、これを見ていただくとわかるのですが、相関が極めて低い。相関関係がないということでございますので、そういった選別はなされていない。したがって、一定程度のいろいろな状態の患者さんにつきまして適切に対応することで機能の評価が実績指数で可能ではないかということが示唆されるということでございます。
 31コマ目、先ほど申し上げましたが、28年改定で導入いたしました幾つかの項目の中で、回復期リハビリテーションの入院料につきましては、28改定で赤く囲ってございますが、リハビリテーション充実加算を算定するに当たりましては、今、関連しました実績指数でございますとか、回復期リハビリテーションを要する状態の区分につきまして内訳を公開することとなってございます。
 こういったことを求めつつ、より充実した対応を評価することになっているわけでありますけれども、32コマ目、算定回数の推移を見ますと、基本的には算定回数は増加しております。1つだけ補足で御説明しますと、体制強化加算のグラフで、折れ線が平成25~26でがくっと落ちておりますけれども、これは休日リハビリテーション加算を包括化しておりますので、当該加算につきましては、包括した関係で算定件数が変わってきているということでございます。いずれにしましても、全般的に充実する方向での算定回数はふえているということでございます。
 ここまでが実績評価の関係でございます。
 次に回復期リハビリテーション病棟入院患者さんに係ります「栄養管理」についてのデータをお示ししております。
 順次御説明しますと、34コマ目でございます。リハビリテーションの実施に伴いまして、栄養管理を適切に実施することが非常に重要だと指摘されております。この後、取り組み事例等でも御紹介しますが、その前提となるデータが34コマ目でありまして、回復期リハビリテーション病棟の入院患者さんにつきましては、実態としてBMI18.5未満、これは俗に「やせ」というカテゴリーに入りますけれども、2割程度そういった方がおられますということです。入棟時と退棟時ではBMIの状況が若干ではございますけれども、やせの状況が若干ふえるという実態がございます。
 栄養管理の状況はどうなっていますかということでありますが、まず、35コマ目でありますけれども、そもそも入院患者さんにつきましては、約3分の2が何らかの栄養に係る問題、課題を抱えている。栄養障害の状況にあるということでございます。こういった状況でリハビリテーションを実施するということになりますと、逆に言いますと、栄養管理を適切に実施したほうが効果が高いということでございます。
 後ほどデータが出てきますが、36~37コマ目は事例でございますけれども、栄養管理につきましてリハビリテーションの病棟でどのように取り組んでいるのかということでございます。
 36コマ目の取り組みは、スクリーニングの一番上に書いてございます。例えば低栄養を回避して、適正なリハビリテーションの負荷量を決定するためにこういうアセスメントを行うということを取り組む事例として紹介されております。
 こういったことを行うためのアセスメントシートがございます。37コマ目であります。これはリハビリテーション栄養のアセスメントシートではございますけれども、リハビリテーション自体の短期目標と長期目標も含めて、こういったことをしっかり共有する。多職種連携をしていくということでございます。
 38コマ目でありますけれども、こういった取り組みを行うことで、リハビリテーションの実施に合わせて個別に栄養管理を行うということをやりますと、9割の患者さんで改善が見られる。そして、栄養状態の改善が実際のリハビリテーションの成果に影響しておりますというのが右側の棒グラフであります。入院中のFIMの平均利得が、栄養状態がよくなればなるほど改善をより強めるというデータが出ているということでございます。
 このような栄養管理に関します体制としてどうなっているのかというのは39コマ目であります。主に栄養管理に関しましては、管理栄養士さんを中心とした連携による取り組みが重要であろうと考えられますけれども、配置の実態につきましては、ここに赤枠の記載がございますが、病棟専従での配置というのは実際には人数にしますと0.3名ということでございます。配置率につきましては22%ですので、約5分の1の病棟でこういった対応をしているということでございますけれども、絶対数としてはこのような状況になっているということでございます。
 ここまでが入院中の回復期リハビリテーション病棟に係る内容であります。
 今度は「退院後のリハビリテーションの実施状況」についてまとめてございます。41コマ目以降、順次御説明をします。
 回復期リハビリテーションの病棟にさまざまな患者さんが入棟されるわけでありますが、その前後の日数でどのような入棟中の患者さんの割合になっているのかということでございます。41コマ目で見ていただきたいのは、まず、疾患によって在棟期間が違うという性質がございますので、それらに応じた患者さんの割合の変遷、これは実態でありますが、整形外科の疾患、整形外科の疾患の中でも、ここに書いてございます股関節または膝関節の置換術等々、実施されます手術、状態によって在棟期間が違います。
 これに対応する格好で42コマ目は、回復期リハビリテーションに関する報酬ですけれども、状態にあわせまして算定上限日数を設定しております。
 このことを前提に次の43コマ目を見ていただくのですが、リハビリテーションの入院に係る算定上限があるわけですが、これは疾患別リハビリテーション、入院中もそうですし、退院後のリハビリテーション実施につきましても疾患別ということになるのですが、こちらにも算定の標準的な日数が設定されております。そういたしますと、入院した後、退院された後、疾患別リハビリテーションを仮に実施するということになりますと、疾患別リハビリテーションの算定日数の中に、入院中のリハビリテーション算定日数が食い込む格好になります。例えば、ぎりぎりまで、一定程度の期間、長く回復期リハビリテーションを利用して入院サービスを受けられて退院される場合につきましては、回復期リハビリテーションの上限近く算定されますと、疾患別リハビリテーション算定が事実上制限される。あるいは上限を超えてしまうことが発生するというのが現行の算定の条件になってございます。
 44コマ目はこういったことも含めて一定の算定に係る除外の規定がございます。見ていただきますとポツがわっとございますが、上から5行目あたりですけれども、回復期リハビリテーションの病棟入院料を算定しているときは除外していますが、退院後はこういう規定はございませんので、先ほど申し上げましたような状況が生じ得るということでございます。
 実態としてどのようなことになっているのかというのが45コマ目以降の内容になります。
 45コマ目でありますけれども、回復期リハビリテーションの病棟を退院後のリハビリテーション・機能訓練の予定等を見てまいりますと、「リハビリなし」の患者さん以外は何からのリハビリテーションまたは機能訓練を行うことが必要だという患者さんであるというのが実態でございます。
 46コマ目でありますが、退院、退棟月のFIM利得が21~75というADLが余り高くない患者さんということになりますけれども、こういった方につきましても、回復期リハビリテーションを出られた後、リハビリテーションを実施しているというのは3割になっているということでございますので、必ずしも十分ではないのではないかというのが示唆されるということでございます。
 47~48コマ目は日本理学療法士協会から御提供いただいたデータであります。
 47コマ目は回復期リハビリテーションを退院後、通所リハビリテーションを利用するという時期に、タイムラグがどの程度あるのかということでございます。なるべく早期に切れ目のなくリハビリテーションを提供することがもちろん期待されるわけでありますが、14日以上を要するのが平成23年で25%、直近では18%ということでございますので、一定の割合、長期と言っていいかと思いますが、時間を要しているということでございます。
 48コマ目はその理由でございますが、引き継ぎ先が決まらないというのが一番多い。それから利用者家族の理解が進まないという理由もあるということでございます。こういった理由で時間がかかっているということをどう考えるのかということでございます。
 同様に49コマ目でありますが、回復期の入院中から退院後のリハビリテーションを検討していくことでスムーズな提供体制がとれるということでございますけれども、引き継ぎが14日以内の利用者につきましては、84%がそういったことをやっている。逆に14日以上かかる場合というのは、その割合が減っている。したがって、そういった取り組みが重要だということが示唆されるということでございます。
 50コマ目、回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関につきまして、自施設で訪問リハビリテーションあるいは自施設で通所リハビリテーションを提供している。自施設であればそういった円滑な移行が期待できるわけでありますが、おおむね半数程度ということでございます。逆に言いますと、半数程度の医療機関につきましては、未実施または未回答ということでございます。
 同様に51コマ目でありますけれども、回復期リハビリテーションの病棟に設置されております自施設で通所リハビリテーションを実施しないのは、どういう理由なのかということでありますが、人員配置の問題があります。すなわち、さまざまな専門職の確保も必要ですので、そういった要件が満たせないということが1つの理由でございます。
 その一方で、52~53コマ目を見ていただきますけれども、これは細かい積み上げのグラフであります。申し上げたいのは何かと言いますと、52コマ目は入院料1、53コマ目は入院料2、3でありますけれども、実際には専門職が足らないのか、すなわち、51コマ目で人員配置の要件が満たせないから自施設で通所リハビリテーションを実施できていないという話ではありますけれども、一方で入院料1について52コマ目、入院料2、3については53コマ目ですが、一定程度以上のリハビリテーション専門職が加配されているという実態がございます。したがいまして、リハビリテーション専門職の絶対量の不足というよりも、運用について少し課題があるのではないかというのが52~53コマ目で示唆されるということでございます。
 ちなみに54コマ目、これは要介護被保険者の入院患者さんで、退院後のリハビリテーションが必要となる見込みがある方、これにつきまして、移行が困難であるというものの理由につきまして見ております。これは約5割になりますけれども、その理由につきましては、医学的なリスクでありますとか、専門性の観点から必要なリハビリテーションに対応できない状況もありましたという、これは御参考までにということでございます。
 55コマ目、これは報酬の関係のまとめであります。ここから先につきましては、訪問リハビリテーションに係る評価の関係の事実関係のまとめでございます。報酬関係は今、こういう算定になっているということであります。
 56コマ目、これは参考と書いてございますけれども、退院前の訪問指導料、これにつきましては医師の指示を受けて理学療法士、作業療法士といった方々が訪問して指導を行った場合の算定はできるとなっております。算定要件につきましては、退院の前に患家を訪問するということであります。それから、患者さんまたは家族に対して在宅での療養上の指導を行った場合という算定要件になっております。
 57コマ目も同様に患者さんが入院時にリハビリテーション総合計画を策定した場合についての報酬上の評価があるということでございます。
 こういった状況を踏まえて、【論点(案)】であります。58コマ目でありますけれども、2つ○を設定しております。
 まず、回復期リハビリテーション病棟入院料につきましては、アウトカム評価、実績指数等を見ていただきましたが、リハビリテーションの提供、栄養管理等の取り組みを踏まえつつ、実績評価についてどのような評価が適切かというようなことを考えていただきたいというのが1点目でございます。
 2点目でありますが、退院後のリハビリテーションにつきまして、早期に継続をするということが重要だというのは示唆されるわけでありますが、そういった観点から先ほど見ていただいたような実態を踏まえますと、疾患別リハビリテーションの算定上限日数について除外をしていったほうがいいのではないか。それから、そのような患者さんに対応できるような体制をどう考えていくのかということですけれども、病棟に専従で配置されておりますさまざまなリハビリ専門職の方がおられるわけですが、退院後のリハビリテーションに、現時点ではそこの配置要件に課題があるのではないかと我々としては見ておりますけれども、そのあたりについて御議論いただきたいということでございます。
 2点目でありますが、59コマ目以降でありますけれども「2 疾患別リハビリテーション(その2)」でございます。
 60コマ目に先ほどと同様、9月13日にその1でございましたが、このような課題を掲げておりましたということであります。掲げました論点といたしましては、ここにあります【維持期・生活期のリハビリテーション】。これは今年度末に原則として介護保険に移行する方針になっておりますけれども、これにつきまして必要な見直しを検討してはどうかという課題設定。疾患別リハビリテーションに計画書につきましては、介護保険との関係で有用に活用できるような運用上の見直しをしてはどうかということでございます。
 61~62コマ目、これは既に見ていただきましたおさらいでありますので説明は省略をさせていただきます。
 63コマ目、これも実態として今、どのような算定状況になっているのか。この検討事項で特に御考慮いただく必要があるのは、御案内のとおり、要介護被保険者に係るリハビリテーションであります。入院外のレセプトの総数それから後期高齢者について分けて記載してございますけれども、赤枠で囲ってございますが、標準的算定日数を超過した要介護被保険者に対する報酬の算定状況がどうなっているのか。数字的にはここに記載するような方々が割合として該当するということでございます。
 64コマ目は施設基準。これは既にお示しをしたものでございます。
 65コマ目以降に実態論でございます。データとしてお示しをしておりますのが65コマ目であります。通所リハビリテーションを実施されていない理由につきまして、速報値として御紹介いたしたいと思います。数字としてはここで見ていただいたとおりでありますけれども、通所リハビリテーションを実施していない、すなわち医療機関において介護の通所リハビリテーションというものを実施していない理由というのが、病院、診療所いずれも「人員配置について要件が満たせない」という御回答が多いということでございます。
 移行が困難な理由をまとめたものが66コマ目でございます。これは9月13日にもお示しをしておりますけれども、医療保険のリハビリテーションと介護保険の通所リハビリテーションを同時に実施する場合には、人員配置の配慮がどうしても必要になる場合があり得るということでございます。そういったことを反映して算定あるいは通所リハビリテーションの移行が難しいという理由についてどう対応するのかということが一つ検討を要する事項でございます。
 67コマ目以降、医学的な要因でというようなことも含めて御検討いただくために、患者さんの状態についてまとめてございます。67~68コマ目でございます。
 まず、67コマ目は疾患であります。疾患につきましては、病院では脳血管疾患それから診療所につきましては外傷以外の整形外科疾患というのが実態として多いということでございます。
 68コマ目であります。移行してからの期間でございますとか、要介護認定の状況につきまして見ていただいております。まず、左側の円グラフでありますが、要支援の患者さんが6割、期間につきましては7割ぐらいが1年以上の患者さんということが実態でございます。
 69コマ目は患者さんの状態。これは3つ目の切り口でありますが、FIMに関します分布でございます。FIMスコアというのは満点が126点なのでありますけれども、110点以上、ほぼ自立というような患者さん。あるいはBIスコア、Barthel Indexのスコアで、100点満点で80点以上、これはほぼ自立または部分介助の患者の割合でありますけれども、そういった方々が多いということでございます。
 それから維持期・生活期リハビリテーションに移行をしてから3カ月以上の患者さんに限っては、両方の変化を見てみると、10点未満の患者さんが大部分を占めているということでございますので、これは何を示唆されるかといいますと、維持期・生活期のリハビリテーションを受けておられる患者さんというのはおおむね日常生活動作の評価指標については一定程度保たれているということが示唆されるということでございます。
 残りを駆け足で御説明します。70コマ目でありますが、これは既に前のほうで見ていただきましたが、一定の病態について算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを実施できるとなっています。これは疾患の性質に配慮いたしまして、必要なリハビリテーションが提供できるようにということで疾患別の設定ができるとなってございます。現時点でこういった疾患に明確に位置づけられていない病態というのがあり得るわけでございますが、リハビリテーションの時間を要する病態というのがここに書いてございますけれども、まず大きく1点目は外傷性の肩関節腱板損傷で、77%の患者さんについて、運動器リハビリテーション料の標準的算定日数である150日以内だという一方で、残りの23%につきましては150日を超えるという状況がございます
 事例の2点目は、71コマ目であります。少し専門的な話になってしまいますが、末梢神経損傷の事例であります。ポンチ絵がございますが、神経の内部に軸索というものがあるわけでございますけれども、そこが損傷した状態というのは、リハビリテーションの適用があるわけであります。神経の回復が1日1mm程度伸びていくと一般的には言われているわけでありますが、その間、神経が回復するまでの間、拘縮を予防したりストレッチをすることが必要になる。したがって、一定程度の時間を要するという一つの事例であります。こういったことを見ていただきますと、一定程度の長期に及ぶ状況につきまして少し配慮をする余地があるのではないかということが示唆されるということであります。
 以上をまとめて、これが最後であります。72コマ目でありますけれども、論点を3つ掲げております。
 まず1点目は、医療保険のリハビリテーションと介護保険のリハビリテーションの通所リハビリでございますけれども、これはその1でも既に一度見ていただいておりますが、職員配置や設備の共用についてどのような取り扱いをしていくのか。一定程度の見直しをすることで円滑な移行ができるのではないかということでございます。
 2点目は、先ほども御説明しました算定日数の上限につきまして、除外対象疾患に明確に位置づけられていないけれども、先ほど御説明しましたような事例が2つありましたが、こういったことについてどう考えていくのかということ。
 3点目でありますけれども、こういったことを見ていただきました上で、医療保険のリハビリテーションに必要な患者さんのリハビリテーションが提供できるということをしっかり行っていくということを前提に、介護保険の被保険者の疾患別リハビリテーション、これは懸案といいますか、課題になっておるわけでありますが、そういったことにつきましては、算定に係る経過期間につきまして、当面31年3月31日まで延長することで対応してはどうかということでございます。
 長くなって恐縮ですが、以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 何点かございます。
 最初に22コマ目、23コマ目を見ますと、今回導入されたいわゆるアウトカム評価といいますか実績指数に関しては、十分に効果が出ていると考えられます。したがいまして、今後の方向としましては、こういうものが十分効果があるということで、余り評価のあり方についてこれ以上厳しくしなくてもいいのではないかと思っております。
 退院後の早期のリハビリテーションに関しましては、標準日数の上限の除外をすること。これにつきましては、大賛成をいたします。
 続きまして、専従の取り扱いに関してです。専従に関しましては、リハビリテーションのスタッフ以外に専従の要件については余りにも厳し過ぎるということをいつも感じております。100%なので。これについては専従そのものを少し緩める必要があるのではないかと考えております。
 リハ施設のスタッフについてですが、例えば医師とか看護師というのは本当に常勤ではなくても常勤換算ということで0点幾つというカウントが可能になっているのです。ところが、リハビリテーションのスタッフはそれが可能になっていません。したがいまして、リハビリテーションのスタッフは女性も非常に多いですし、出産後の方もいっぱいいらっしゃいます。そういう方が少しでも働きやすくできるように、スタッフのカウントについて十分に考慮していただきたい。今回の論点とは違いますが、そこのところはリハビリテーションに関連するということで意見を言わせていただきたいと思います。
 最後の72ページにあります論点で、施設基準のことですが、介護保険の通所リハビリテーション、現状で言いますと施設基準が大分違います。それを本当に移行させるつもりであれば、かなりここのところは双方の施設基準を同じように持っていかないと実態としては通所リハビリテーションのほうに移行は難しいのではないかと感じております。
 最後にリハビリテーションの算定上限の除外対象疾患についてです。ここにも例が示されていますように、非常に多くの疾患が実は時間がかかるということがあります。ですから、それについては十分今後も配慮して、データの裏づけとともに、そういうものを除外対象として認めていくという方向で考えていただけたらと思っております。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
 猪口委員のところとかぶりますけれども、58ページ目の論点、1つ目の○のところでございますが、24~27コマ目にあるようなデータを見ますと、確かに実績指数に基づくアウトカム評価は定着しつつあると思いますけれども、いろいろなデータを見ていて、今回の改定ではここのところを早急に進めることについては慎重でありたいと思います。
 あと、管理栄養士の問題ですけれども、管理栄養士が病院にいて回リハ病棟のみならず、全体として非常に重要な役目を果たしているということはわかります。病院で3.3名の平均スタッフがいることから、このスタッフが病院全体をよく見て、例えば摂食嚥下の問題がございますので、摂食嚥下の多職種からなるチームを組んで支援計画等に役立てていくことが必要かと思います。
 58ページの2つ目の○でございますけれども、算定上限の日数から除外するということに関しましてはそれでよろしいかと思いますが、ほかのデータにもありますように、退院後4週間以上のタイムラグが生ずることを考えますと、病院スタッフが非常に頑張ってシームレスな対応につながっていくようにしていくことが非常に大事なことではないかと思います。
 もう一つ、これはお聞きしたいのですけれども、14コマ目の回復期リハビリテーション病棟の患者の状態の2の図と入院料の1と2の違い、それから同じように21コマ目と22コマ目の入院料1のところで6単位以上が77%、次の22コマ目では入院料1の27以上が78.9というのはほぼ同じ数字であり、回復リハ病棟の入院料2の6単位以上が34.7で入院料2のところの27以上が37.2というのはほぼ同じ数字なので、これは全て裏返しの数字をあらわしていると見てよろしいのでございましょうか。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 御指摘のとおり、これは切り口は違いますが、数字としては同じ傾向を示していると理解していただいてよろしいかと事務局としても考えております。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。
 ほか、いかがでございましょう。
 今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 質問と意見があります。
 まず、質問が2つあるのです。31ページのリハビリの充実加算のところです。充実加算の要件は1日当たりのリハビリテーション提供単位数が平均6単位以上であるということがあって、さらに下にアとイということで、保険医療機関内に掲示をするという方法で公開するという2つの要件が書かれているのです。私、専門でないので教えていただきたいのですけれども、19ページにアウトカム評価による効果の実績ということで一定の水準に達しないと6単位以上入院料に包括するという仕組みとの整合性というのはよくわからなくて、この辺、どうなっているのか教えていただければというのが1点です。
 47ページの退院から訪問リハビリ開始までの日数というのはさまざまにあって、かなり早い時期からリハビリが開始されているということなのだと思いますけれども、当然、早くからリハビリをすれば患者さんのADLはよくなるのだろうなというのは想定されるのですが、実際上、日数の違いで患者さんのADLの改善度の違いというデータがあるのかどうかということを教えていただければと思います。
 意見なのですけれども、疾患別のリハビリテーションで維持期・生活期リハビリテーションについて、平成29年度末までに原則として介護保険に移行する。これはルールとして決まっていることなのだと思いますけれども、そもそも介護のほうのリハビリテーションの実態、効果というのはよくわからない。医療におけるリハビリについてはここにもかなり示されているような詳細なデータが出されている。それで議論をしているわけですけれども、先ほど疾病のことはありましたが、中医協において介護のリハビリに関するさまざまな実態についてのデータというのがお示しされた上で今まで議論しているのかどうかということがあります。
 現在、介護の見える化ということが大変大きな課題になっているわけです。医療と介護がきちんと連携していく上には、その大前提として介護のリハビリの質の担保というものも非常に重要になってくる。今回は中医協ですので、医療機関内で医療のリハビリと介護のリハビリという話になっていますけれども、実際、介護のリハビリは別に医療機関で行うだけではありませんので、こういった連携を考えていく上で、介護のリハビリの状況というもののデータがもう少しきちんと示されて議論をしたほうがいいのではないか。そういう意味で、最後の72ページにありますような論点の事務局の31年3月ということは、私は基本的にはこういう方向でよろしいのではないかと思っているところです。
 それから、きょう示されていない論点なのですけれども、医療と介護の連携の中で、もともと介護保険の認定を受けて、認定期間中に入院をされてくるということがあって、状態像が大きく変更すれば区分変更の申請がなされる、あるいは、今まで介護認定を受けていなくて入院して介護保険を改めて認定申請するというようないろいろなケースがあるかと思います。こういった回復期のリハビリテーション病院の先生が意見書の中で介護なり在宅に戻った後のリハビリの必要性であるとか、そういったものを主治医の意見書の中に記載するというような、ルールは別になくて主治医の意見の判断なのですけれども、もう少しそういうことがきちんと明確になったほうが、医療と介護の連携というのはよりスムーズにできるのではないかと思っております。事務局のその辺のお考えを教えていただければと思います。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 介護保険との関係につきましては後ほど老人保健課長のほうから説明あるいはコメントをいただきたいと思っておりますが、前半の31コマ目のリハビリテーション充実加算に係る算定要件と平成28年に導入をいたしましたアウトカム評価との関係でございますが、31コマ目は御指摘のとおり、赤枠で囲ったような対応を前回改定で行っています。その前提といたしまして、31コマ目の記載にありますように、リハビリテーション充実加算はもちろん院内に掲示することを前提として、その上のポツにあります平均の単位、6単位以上でリハビリテーションを提供するということになっております。
 御指摘の点は恐らく、こういうことを求めていながら、同時に前回改定では6単位を超えて実施する場合には、実績評価で場合によっては6単位以上算定できない設定になっているというのとどう整合をとっているのかという趣旨だろうと思います。
 逆に言いますと、御指摘のとおり、例えば充実加算を算定するという前提は、施設基準を満たしている、すなわち回復期リハビリテーションの1、2、3の算定を前提とする施設基準を届け出ているということでございますので、充実加算を算定する以上は、6単位以上を提供し、かつ、一定程度実績評価をクリアするということが前提になっているわけでございますので、考え方としては整合はとれていて、前回改定で一体的に対応させていただいたというのが事務局としての考え方、スタンスでございます。
 介護関係の点につきましては、老人保健課長のほうからお願いいたします。
○田辺会長
 お願いいたします。
○鈴木老人保健課長
 老人保健課長でございます。
 まず、第1点目で、退院後のリハビリテーション利用開始の期間と機能回復の関係でございます。平成27年度に介護報酬改定検証調査というものを行っておりまして、その中で退院から通所リハビリテーションの開始までの日数とADLの向上といたしましてBarthel Indexで比較したものがございます。14日未満で行ったものについては、Barthelの改善度が3.9、14日以上28日未満ですと2.5、それから28日以上ですと2.2ということで、このデータからは利用開始2週間以内のほうが改善度が高いというデータが集計としてはございます。
 2点目の要介護認定の関係でございますが、要介護認定につきましては、基本的に主治医等におきまして、状態が安定しているときに区分変更申請が行えることとなっております。そういう状態になったときに申請をしていただいて調査を行って認定をするということになりますので、主治医意見書の中に自由記載欄がありますので、そういったことを書くことは可能だと思いますし、その後に実際に要介護認定を受けたもしくはケアプランをつくる段階の中で、ケアプラン作成の会議を開催しますので、そういった中でも主治医の先生などからいろいろとリハの必要性について御発言していただきながらリハを早期に導入できるような形にしたいと思っております。
○田辺会長
 今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 丁寧な御説明、ありがとうございました。
 今の老人保健課長の御報告の中で、リハビリ開始までの日数についてはデータは14日を区分して、14日未満と14日以降というようなことでの差があるということですけれども、2週間というのは何となくあっという間に過ぎてしまうといえば過ぎてしまうのですが、結構退院してから長いかなという気もして、先ほどお示ししたデータはもっと詳細に3日、7日というレベルでのリハビリの開始ということをデータとして示されているので、そういうところでの差があるかということを知りたいと思って伺ったのですが、そういうものはないということですねという確認と、もう一点、主治医の意見書の中に記載することができるという仕組みがあることは私もよく理解しているのですけれども、実際上、そういうことが皆さん行われているのかどうかというのがよくわからない。自由記載だと統計をとるのは難しいと思うのですけれども、チェック欄でリハビリの開始と、通所リハビリが必要だとかチェックを入れることができるので、そういうものはデータとして把握されているのかどうかということを教えてください。
○田辺会長
 老人保健課長、お願いいたします。
○鈴木老人保健課長
 1点目につきましては、今回は14日未満と14日以上ということで、n数の問題がございまして、nがこれ以上になりますと、評価ができないということで14日未満と14日以上ということで行っているところでございます。これ以上の詳細な分類は不可能ということになっています。
 あと、そういったチェック欄の集計ができるかどうかということでございますが、これにつきましては、現在、主治医意見書がデータベース化されているというわけではないので、できるかどうかも含めて少し検討させていただければと思います。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。
 松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
 今、老健課長からお話があったので、ちょっとお聞きします。68コマ目の医療保険のリハビリなのですけれども、いわゆる要介護認定の患者の割合と、右の図では移行してからの期間となっています。これは要支援1、2、要介護1、2とそれぞれの日数というデータはあるのでしょうか。全体の期間というのは出ておりますけれども、それぞれではありますでしょうか。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 68コマ目、これは医療課の関係の調査であります。現時点でデータはありませんが、クロスをして再集計をすることでカウントを得ることは可能でございます。現時点では手元にデータはございません。
○松本純一委員
 何が知りたいかというと、要介護認定でしかもそこで医療保険のリハビリをしているというので、関係性があるのかどうか。要介護認定と維持期・生活期リハビリを受ける日数とどのような関係があるかということに興味がありますので、また出たら教えてください。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 総-3、58ページの論点の1つ目の実績指数についての意見でございます。前回の改定でアウトカム評価として入れた中での実績指数の開示ということでございましたのですが、27ページ目の表を見ますと、ここにあるように実績指数が高いほど平均在院日数は短くて、在宅復帰率は高くなるということで、これはこういう評価を入れた結果だと先ほど猪口委員もおっしゃっていました。こういうような実績数値というのは開示ということで要件づけられていますので、その数値をアウトカムを評価する指標として回復期リハビリテーション病棟入院料の算定要件の指数として検討していくという御提案については妥当ではないかと考えております。
 また、その検討をしていくについては22ページに実績指数の分布の表が入院料1、2、3で出ております。この表のとおりであるとすれば、入院料別に段階的にそういう指数を検討していくのも要件設定として妥当ではないかと考えますが、私は全て現場実態を理解しているわけではないですけれども、エビデンス結果を見る限りはそういう方向性もありと考えるところであります。
 次に72ページの疾病別のリハビリテーションに関する論点の○の3つ目、経過措置期間の話ですが、当面1年延長だという提案がなされていますけれども、これについては前提条件というのを書かれておりますが、何をどうすれば経過措置が終わるのかというのが明確に理解できないのです。ここのところは半ば、言い方が悪いですけれども、ずるずると結論を先送りしている感が否めないということであります。そこで、期間延長というか経過期間をどうするかという議論の前に、今回、改定は介護報酬との同時改定というのは皆さん議論されているわけでありますから、論点にあります前提条件とされておりますような対応について何をどのようにやっていくのかという具体策並びに工程表を明確にすることが先決ではないかと考えます。その上で、その内容について検討、精査して、経過措置期間の延長の必要性、どれぐらいあるのかというのを議論していくのではないか。順番としてはそういうことではないのかと思います。
 以上、意見です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 万代委員、お願いいたします。
○万代委員
 幾つか意見でございます。
 まず、58コマ目のところの論点の1つ目の○でございます。栄養管理等の取り組み状況もということで、それが良好なことはお示しいただいたとおりでございます。管理栄養士について39ページのところでは、専従の病院が22%あるというデータでございますが、専従をそのまま右から左へ持ってきて、要件化するというのは実質的な管理栄養士の関与が進まないということにもなりかねません。そこら辺のところの要件は余り厳しくしないほうがよろしいのではないかと考えております。
 2つ目の○でございますが、老健課長もおっしゃったように、早期からのリハビリは効果があるということでございます。その場合、入院における早期加算のような考え方もここにおいて導入するのもよいのではないかと考えております。
 つきましては質問ですけれども、56ページあるいは57ページもそうかもしれませんが、理学療法士あるいは作業療法士の関与が退院前訪問であるとか、入院時の訪問指導について関与できるというようなことが赤字で強調されております。これにつきましては理学療法士、作業療法士等が訪問して関与した算定回数というのは実際に出るのかどうか。出ないような気もいたしますが、それについて数値として算定回数が出るのかどうかはお聞きしたいと思っております。
 一方、72ページのところで次の論点として○の1つ目のところで、医療と介護のリハビリテーションの円滑な移行を推進するというような観点というところから、施設基準の取り扱いを見直すということでございますが、それに加えまして、現在、例えば介護支援連携指導料というようなものも医療と介護の連携の中で算定できるということもございますので、一つの考え方としては、ここのところに診療情報の提供料というような形での促進策というものも考えられるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○田辺会長
 1点御質問がございました。医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 先ほどの、万代委員からの御質問でありますが、結論から申し上げますと、算定回数自体はお示しすることは可能なのですが、どの職種がそれに対応されたのかという内数につきましては、データ上区別ができません。残念ですけれども、そういったデータについてお示しすることは難しいということでございます。
○田辺会長
 万代委員、お願いいたします。
○万代委員
 多分難しいと思いました。ただ、赤字で強調していただいているので、もしそこのところが作業療法士なり理学療法士なりが深く関与できるような方策、関与が少ないという現状であれば、それを改善するための方策も施していく必要があると思った次第です。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
 先ほど72コマ目の論点の3つ目の○でございますけれども、吉森委員がおっしゃったことに対しましては一定の理解はいたします。ただし、これまでも何回か議論がございましたけれども、移行するにはタイムラグの問題も先ほど出ておりました。それから、受け皿の問題として通リハとか訪問リハがちゃんと利用されていて、これを行うことによってリハビリ難民が出ないかどうかということの検証、リハの質の問題の解消、必要なときにはまた医療のリハに戻れるというような担保とか、そういった問題が解消されなければいけないことだと思います。私としましては、当面、平成31年3月31日まで延長することに対しては賛同いたしたいと思います。
 もう一点、先ほど栄養管理士のことを話しましたけれども、補強しますと、いろいろな職員を含めて、病棟に専従する要件に関しましては、かなり慎重な対応が必要ではないかと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 平川委員、お願いいたします。
○平川委員
 何点か質問と意見を申し述べたいと思います。リハビリテーション病棟の入院料3の関係であります。8ページを見ますと148病院が届け出ているということでありますが、その状態を見ますと、16枚目のスライドで言うとFIMが80~90以上。比較的ADLが高いという状況があります。しかしながら、24~25などを見ますと、これはn数が少ないということで参考値だという状況であるかもしれませんけれども、平均在院日数の問題や在宅復帰率、特に25の在宅復帰率が低くなっているということでありまして、これがどういう状態でリハビリが行われていて、なぜこういう結果になっているのかをまず質問としてお聞きしたいと思います。わかればお願いしたいと思います。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 まず、24~25コマ目につきましては御説明のときにも申し上げましたが、n数が10とか12でございますので、これを評価するというのは難しいと理解いたしております。その前提で8コマ目、16コマ目の提供実態でございます。8につきましては、全国的な実態といたしまして、施設数がこういうことになってございます。ですので、基本的には入院時の集中的なリハビリテーション提供を評価し、報酬設定をしている施設につきましてはより充実した方向に施設が整備されているというのが実態でございますので、御指摘の入院料3はその中でも体制が比較的薄い。リハビリテーション提供量が相対的には低い施設につきましては、数としては多くないわけでありますけれども、全体の数が伸びていることからしますと、より入院料1、2を中心に実数としては伸びているというのが実態だろうと思います。
 中身につきましては、16コマ目の分布をどう考えるのかということでございます。ここの部分の評価が一概に難しいと思われるのが、そもそも算定要件に入院料1につきましては、重症者あるいは一定程度の合併症も含めてですけれども、より重度の方を受け入れることで集中的にリハビリテーションを実施することを担保しているということでございますので、結果的にそれが反映されているとも言えます。ですから、入り口の段階で算定することを求めている条件自体がこの分布に至っているとも考えられますので、この分布でもって入院料3の施設の機能のあり方そのものを評価するというのは少し慎重でなければいけないと事務局としては理解いたしております。
○田辺会長
 平川委員、お願いいたします。
○平川委員
 わかりました。ただ、n数が少なくとも在宅復帰率が低くなるという状況については、そういう病院が事実としてあるということについては問題点として指摘をさせていただきたいと思っておりますし、入院料3の状況については、機会があればより詳細に状況を見て、場合によっては入院料3の施設基準について見直していくことなどについて検討していくべきではないかと考えているところであります。
 それから、72枚目のスライドの【論点(案)】のところの「医療保険と介護保険のリハビリテーションの円滑な移行を推進する」これは当然でありますけれども、介護保険のリハビリテーションへの移行が困難な理由を踏まえて施設基準の取り扱いを見直してはどうかという記載がございます。率直にお聞きしたいのは、通所リハの施設数が足りないということをここで言っているのかどうなのか。私は、施設基準を見直すことで円滑な移行を推進するというところが余りつながらないような気がします。通所リハが足りないから医療保険の施設基準を見直して両方できるようにするのだという意味なのか、この辺、もう一回説明をお願いしたいと思います。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。これは医療、介護両方のお話でございますので、適宜老健課長のほうからも補足をいただくことになるかもしれません。
 私どもの前提となる認識は、介護保険制度の中で、保険医療機関につきましてはみなしで、リハビリテーションの提供を可能とするような医療機関につきましては介護保険の事業所として介護保険サービスを提供できるということですので、施設自体はシームレスにサービスの移行が、制度のたてつけとしては可能であるというのが大前提としてございます。ただ、医療と介護はもともとサービスの性質が違いますので、それぞれの必要なサービスを提供するというのが大前提で、その接点になるような部分について円滑にサービスをどう提供するのかが課題で、それは主に同時改定のときには中心的に対応しやすい状況でありますので、考えていくというのが基本認識であります。
 両者のリハビリテーションについて接点となり得るのが維持期・生活期と言われております状態の患者さん、利用者さんにつきましては、医療のリハビリテーション、維持期という表現を使いますけれども、維持期のリハビリテーションの方は、きょうお示しをしたように状態が比較的安定した方が多いということでございますので、介護保険のリハビリテーションと接点が持ちやすいあるいは移行しやすい。だから、平成18年以降、そういった取り組みを進めてきているということでございます。
 今回、お示ししたデータでは必ずしも十分にお示しできていないかもしれませんが、前回、その1のときにこの件につきましてはお示ししてまいりました。制度のたてつけ上は一定の手続をとっていただければ、介護保険のサービスの提供が可能でありますので、同一施設で保険の利用の仕方、活用のされ方についてはある程度円滑に移行できるわけですが、運用実態として例えば施設の面積の問題でありますとか、それからリハビリテーション提供の形態が個別的なものと、どちらかというと複数の人数を対象とするような特性があるものと、それぞれございますので、特性を踏まえて見てみますと、そこの運用については改善の余地がある。そこについて今回、一定程度対応することを掲げて、それが今回の72ページで言うところの1つ目の○でございます。ですから、詳細に書いてはございませんが、施設のハードウエアの上での基準でございますとか、専門職の配置に係るソフトウエア、オペレーション上の工夫については一定程度行うことでそもそも制度のたてつけ上、両方のサービスの提供が可能な保険医療機関については円滑な対応をしていただくことができるのではないかということで、こういう問題提起をさせていただいているというのが医療課の立場でございます。
○田辺会長
 平川委員、お願いいたします。
○平川委員
 同時に行っている施設があるので、そこの施設に配慮して要件を緩和するということなのでしょうか。ちょっとわからない。
 私が言いたいのは、要件の緩和というのは慎重であるべきだと思っています。それは実施水準の維持にかかわることであります。例えば64枚目のスライドを見ても、施設基準に相当開きがあります。そう簡単に施設基準の見直しはいかないのではないか。安易な見直しというのは実施水準の低下を招くと先ほど言いましたけれども、それにつながりますので、その辺は慎重にお願いしたいと考えているところであります。
 意見として言わせていただきます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 念のために申し上げておきますと、64コマ目にお示しをしておりますような施設の要件、サービスの前提となる一定の基準については、基本的には遵守するというのが前提だろうと思います。
 ただ、先ほど申し上げました運用上の改善というのは、保険医療機関と介護保険で言うところの事業所が同時にサービスを提供すること自体を妨げるものではありませんということです。それを同時に提供する場合に、さまざまなすみ分けのルールがあるわけですが、そこはもともとの基準をほごにしない範囲の中で運用の工夫をすることで同一の施設が両方提供できたほうが患者さん、利用者さんにとってもはるかに利用しやすくかつ、心理的な部分も含めて移行しやすいということが恐らく前提だろうと思いますので、そういった工夫の余地がある。だからそれをやらせていただきたい。そういう趣旨でございまして、決してサービスのクオリティーを毀損するということを前提としているわけではございませんので、そのことは念のために申し上げておきたいと思います。
○田辺会長
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 今までの御意見を踏まえて、論点に沿って私の意見を申し上げたいと思います。
 平均在院日数が短縮し、在宅復帰率が高くなったということで、前回改定で導入されたアウトカム評価は一定の成果があったと思います。これに関連して先ほど猪口委員は、これ以上は評価のあり方を厳しくすべきではないとおっしゃいましたが、23ページの分布を見ると、私は、実績指数が27未満という評価基準が果たして妥当なのか疑問に思います。23ページの左の分布は、一定のリハビリ提供実績を有する病棟ということで、27点がカットオフ値になっているため、27点未満の医療機関はほとんどなく、30点以上や、40点以上の医療機関がかなり多く見られます。右の分布は前者以外の医療機関になりますが、27点以上が結構あります。これらの分布を踏まえると、実績指数が2回連続して27点未満の場合に、リハビリテーション料の一部を包括とするという基準では、ハードルが低いのではないかと思うので、見直しの余地があると思います。
 また、今村委員からご質問があった、31ページのリハビリテーション充実加算についてですが、医療課長の答弁を聞いても、アウトカム評価との整合性がとれていないと思います。リハビリテーション充実加算は、リハビリの提供単位数が平均6単位以上で、実績指数等を院内掲示すれば良いという仕組みになっていますが、アウトカム評価を導入した時点で、実績指数の要件を入れることや、33ページ以降の栄養管理とFIMの向上性に関連して、栄養管理をしっかりと行っているといったことを同加算の要件に入れるなどの見直しを行うべきで、現行の院内掲示で良いという要件のままでは形骸化していると思います。
 最後に、58ページの退院後早期の患者については、疾患別リハビリテーション料の標準的算定日数の上限の除外対象としてはどうかとの論点についてです。これは、早期にリハビリを開始すると効果があるということで提案されたのではないかと思うのですが、これは非常に安易な発想だと思います。除外対象とすることで解決する問題ではなく、それよりも退院後の外来での通所リハや訪問介護に関する計画をきちんと立てることが必要であり、介護保険への移行がうまくいかないのであれば、今回の医療と介護の同時改定を機に、要介護認定を迅速に行う仕組みを考えていく方が重要ではないかと思います。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 まず、前半の充実加算と28改定で導入しましたアウトカム評価の関係、私どもの御説明が少し不適切ではないかといいますか、筋が通っていないという御趣旨の御指摘だろうと思います。確かに説明ぶりとして十分でなかったかもしれませんが、はっきり申し上げますと、事実上、アウトカム評価でキャップがはまるような対応をされているような運用のケースは、充実加算は算定できないということが運用上の考え方でありますけれども、それが明示できておりません。一つにはちゃんと両者の考え方をはっきり文字でわかるようにする余地があるのかと思います。ただ、幸野委員御指摘のことは、実は事実上そうなっていると理解をいたしております。必ずしもアウトカム評価をしっかり行った、導入をしたことでアウトカム評価を逃れて事実上加算がとれているかのような御指摘なのだと思いますが、そういう理解で運用しておりませんし、それが明確にわかるようにさせていただきたいと思っております。それが1点目であります。
 算定日数の関係は、これはむしろ御議論いただいたほうがいいかと思いますけれども、退院調整を幾ら頑張っても、事実上入院期間において疾患別リハビリテーションの起算日から既にカウントされていますので、せっかく計画を立てたところで、算定ルール上、退院した後のリハビリテーションを提供してもそれが報酬上、算定できない。これが我々としては大きなネックだと考えております。その点の改善を御検討いただいたらどうかという問題提起であります。ですから、計画をしっかり立てて外来のリハビリテーションを充実させるという話と、今回問題提起をしております算定上のそごにつきましては、御指摘の点と私どもの提案とはかみ合っていないのではないかという印象を持っております。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。
 ほか、いかがでございましょう。
 遠藤委員、お願いいたします。
○遠藤委員
 ありがとうございます。
 歯科の立場からお尋ねしたいのですけれども、回復リハの中で、栄養管理ということが挙がっております。その中で、栄養管理に関しましては、口腔内の状態ということがかなり影響すると考えているのです。36枚目のところには、摂食嚥下障害の有無という形では入ってございます。これらの中に含まれるのかもしれないのですけれども、口腔内の消化といった点についてはどのようなお考えか、お尋ねしたいと思います。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 これは先ほどの審議の中で何人かの委員が触れられたと思いますけれども、36コマ目は取り組みの例示であります。学術誌に掲載されているものを拝借しているわけでありますが、こういった多職種連携のもとに実施するという多職種連携の中に、今、御指摘のような口腔の関係の取り組みも入り得るのだろうと思いますが、あくまでここに記載されておりますのは栄養管理の視点でスクリーニング、アセスメント、こういった内容の例示でございます。逆に言うと、これ以外のものを排除したりとか、これ以外のものはないという前提でのお示しではないということであります。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。ほか、いかがでございましょう。
 丹沢専門委員、お願いいたします。
○丹沢専門委員
 今の点なのですけれども、介護のほうには経口維持管理料という点数があるのですね。そこには医師が看護師だとか栄養士、ST、そういう方たちと連携した場合にとれるとなっていて、歯科医は入っていないです。前にもお話したのですけれども、顎を安定した位置に保つとか、そしゃくができるということが嚥下の大前提なので、経口摂取とか栄養管理には関係があるので、その辺を考慮していただければと思うのです。幾らかでもお役に立てるのではないかと思います。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 中村委員、お願いいたします。
○中村委員
 リハというのは急性期、回復期、維持期・生活期という形で流れると理解していますが、今回は特に回復期と回復期から維持期・生活期の連携が論点かと思います。一方で、急性期と回復期の連携に関し、急性期で早くリハをすると回復期でのアウトカムがいいかどうか、あるいは急性期と回復期の連携がいいと回復期のアウトカムがいいかどうか、そのあたりのデータはあるのでしょうか。そういったデータがあれば、回復期の評価をどうするのかという議論も出てこようかと思います。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
 医療課長でございます。
 これは資料でいきますと61~62コマ目、特に61コマ目のリハビリテーション全体のフェーズのチャートであります。
 結論から申し上げますと、急性期から回復期にかかる、特に急性期でのリハビリテーションは、今回のセッションとは別に議論をしていただこうということを考えております。先ほど中村委員自身もおっしゃいましたが、今回、回復期のリハビリテーションをいかに充実させるのか、入院それから退院後について、それとプラス維持期・生活期へのシームレスな移行についての御議論をということでございましたので、今回、御用意しておりませんということでございます。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。ほか、いかがでございましょう。
 それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 本日の議題は以上でございます。
 なお、次回の日程につきましては追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

 

 

 

(了)
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